★シモクレン(紫木蓮) モクレン科。別名モクレン、モクレンゲ、マグノリア。園芸品種を含めてシモクレンと呼ばれています。中国南部原産。落葉低木。雌雄同株で高さ3〜5メートル。分布は北海道南部、本州、四国、九州。花の色は赤紫色や紫色。洋ナシ形で開いて咲きません。花弁には厚みがあります。蕾は毛に覆われています。花は大きく上向きに咲きます。葉が出る前に花を咲かせます。葉は互生。葉の形は広倒卵形。花は両性花の虫媒花になります。花期は3〜4月。コブシの花の後に咲きだします。花が美しいので庭木や公園などに観賞用として植えられています。欧米でマグノリアと呼ばれると、シモクレン(モクレン)、ハクモクレン、コブシをまとめてマグノリアとしています。実は10月に結実します。コブシよりも丸みのある不定形な実を付けます。鮮やかな紅色になると表面が割れて中から鮮やかな赤い実が飛び出して見える様になります。ハクモクレン、コブシとは花の色を見れば区別ができます。シモクレンやハクモクレンなどはきっちりとした花弁の数が決まっていない花を付けます。シモクレンはじっせいと接ぎ木で増やすことができます。花色の濃淡、花弁の幅などに変異の多い植物になるようです。
シモクレン(紫木蓮)です。名前の通り、紫色や赤紫色の花をしています。園芸品種も多く、まとめてシモクレンと呼ばれています。上、咲き始めの花です。灰褐色の毛が密生した蕾から赤紫色の花を上向きに咲かせます。下、花の終わりごろになっても花弁は開き切りません。虫媒花なのに受粉しにくい構造になっているといえます。
★ハクモクレン(白木蓮) モクレン科。別名ハクレン、ハクレンゲ。ハクモクレンもモクレンと呼ばれることがあります。中国東部原産。落葉高木。雌雄同株で高さ5〜15メートル。分布は北海道南部、本州、四国、九州。蕾は毛に覆われています。花は両性花の虫媒花になります。花の色は白色。大きさは8〜10センチ。洋ナシ形で開いて咲きません。開いて来るのは花が終わるころになります。花びらは9枚(正確には花弁の枚数には変異があります)。花弁には厚みがあります。花は大きく上向きに咲きます。葉が出る前に花を咲かせます。葉は互生。葉の形は倒卵形。花期は3〜4月。花が美しいので庭木や公園などに観賞用として植えられています。コブシとよく似ていますが、コブシの花よりも大きく花の付け根には葉がついていません。実は緑から鮮やかな紅色に変わっていきます。実の形は不定形なものになります。やがて表面が割れて鮮やかな赤い実が飛び出してきます。実はコブシとそっくりになりますが、実の付き方に違いが出てきます。ハクモクレンの実は横向きから上に向いて付くことが多いです。花弁の幅などに変異がある植物になるようです。
ハクモクレン(白木蓮)です。1枚目、花は上向きで大きく、開き切りません。また花の下(付け根)には葉がないことから、良く似ているコブシと判別することができます。コブシより花が大きいことも特徴になっています。3枚目、花の付け根です。コブシに見られる葉がありません。4枚目、花の断面です。木蓮の仲間の花の構造は多数が集まった雄しべが下にあり、その上にある雌しべも多数集まって付いています。花の中心に尖って見える部分が雌しべの塊になります。
★コブシ(辛夷) モクレン科。落葉高木。雌雄同株で高さ10〜20メートル。原産地は日本、韓国(済州島)。分布は北海道、本州、四国、九州。公園や街路樹に使われています。コブシには花の大きさ、花の付け根にある葉の大きさなど変異が多いようです。蕾は毛に覆われています。コブシの花はハクモクレンよりも小さく、半分ほどに見える感じの大きさになります。花は両性花の虫媒花になります。花期は3〜4月。コブシの大きな木に花が咲き誇ると、遠くからでも良く目立ちます。花は斜め上か横向きについています。よく似ているハクモクレンとコブシの違いは、コブシの花の付け根には緑色の葉が1枚見えるという特徴があることです(すべての花に葉が付いている訳ではありません。同じ木でも付いていない花もあります)。花の色は白色で、花弁の基部には紅色やピンク色の筋が見えます。花の大きさは4〜5センチ。花は洋ナシ形から開いて咲きます。花びらは6枚(正確には花弁の枚数には変異があります)。花弁の幅は広くありません。葉が出る前に花を咲かせます。葉は互生。葉の形は広倒卵形。コブシの園芸品種は、花弁の丸みが強く花が大きくなります。コブシの花はハクモクレンより遅れて咲き始めます。実の結実期は9〜10月。実は不規則なこぶ状でごつごつしています。この特徴が名前の由来ともいわれています。実は鮮やかな紅色になると表面が割れて中から鮮やかな赤い実が飛び出してきます。実はハクモクレンに似ていますが不定形で細長いもの、やや丸みを帯びて長いものなどがあります。全体的にゴツゴツしていて、実は下向きに垂れ下がって付いています。実でハクモクレンとコブシを判断する場合は実の付き方も参考にできます。花弁などに変異の多い植物になるようです。
上4枚がコブシ(辛夷)の花です。1枚目、咲き始めの花です。右側に毛で覆われた蕾が見えています。2枚目、花です。花の下にある葉も見えています。3枚目、これは花弁の細いコブシの花です。園芸品種は花弁が広いものになるようです。個体変異もあるので園芸品かどうか、詳しくは分かりません。4枚目、コブシの花は横向きかやや上向きで咲いています。たくさんの花を咲かせたコブシの木も美しいです。匂いも良い匂いがします。この木は公園にあったものです。花も花弁もやや大きく見えるので、園芸品種だと思われます。コブシの花はモクレンよりも広がって咲くことが見て取れます。
上、コブシの蕾です。何ともいえない可愛さがあります。この時点ですでに葉が見えています。下、花が終わっていよいよ実のできる部分が見えてきました。
1枚目、ゴツゴツとヘンテコな形に成長した実です。まだ青い色(緑色)をしています。2枚目、色が付き始めてきたところです。3枚目、このように丸い部分が目立つ実もあります。美味しそうな色をしていますが食べられません。4枚目、赤く熟した実です。外皮が割れて中にあった赤い果肉に包まれた種が見えてきます。実の変化する様子を観察するのも面白いです。
コブシとの比較のために、タムシバも調べてみました。
★タムシバ モクレン科。落葉高木。雌雄同株で高さ3〜9メートル。日本固有種。分布は本州、四国、九州。主に日本海側の温暖な山地に多く自生しています。葉をもむと強い香りがして、噛むと甘いようです。花は両性花の虫媒花になります。花はコブシとよく似ていて混同されているようです。コブシとの違いは、葉をもむと発せられる強い香りと花の付け根に葉がないこと。葉は互生で葉の裏は白く、葉の形はコブシより細長いこと。花弁の基部は黄緑色で花弁が純白をしていることです。
タムシバの写真が撮れましたら追加する予定でいます。
これらモクレンの仲間は挿し木で増やすことは難しいようです。接ぎ木や実生を蒔いて(種まき)増やすと良いようです。実生による種まきからだと、花が咲くまで10年近くかかるようです。また実生で増える過程によって、実生変異が起こりやすいことから、個体差が出てくるようです。

