2015年09月10日

ヘリトリゴケ。石の表面に張り付いて育つ地衣類です。

ヘリトリゴケは石の表面に生育して育つ岩上生の地衣類(ライケン)です。薄くて平べったくて表面にはボツボツができています。しっかりと石と1体化していて剥がれることはありません。これは強い酸を出して岩を溶かして張り付いているからです。色も灰色や淡青色をしているので石や岩の1部分にも見えてしまいます。地衣類は藻類と菌類の共生体になり、お互いに助け合って共存しています。地衣類の成長速度は遅いものが多く、それ故に寿命の長い種類もいます。ヘリトリゴケは寿命の長い地衣類としても知られていて、地衣体の大きさから寿命を推測することができます。ヘリトリゴケの成長は遅く、年間0・1〜1ミリといわれています。年間1ミリの生育ができるのは最適な環境での場合になるので、成長速度は0・7ミリ以下ともいわれています。和歌山県の古座川沿いにある1枚岩には、日本最大のヘリトリゴケが生育しています。その大きさは1番大きいもので楯1567ミリ。横1845ミリもあるそうです。この大きさは日本最大どころか世界最大ともいわれています。この最大級のヘリトリゴケの年齢は、成長速度を0・1〜1ミリとして900〜9000年と推測されています。この1枚岩には1メートルを超える円形〜楕円形をしたものが12個もるということです。ヘリトリゴケの地衣体の形の理想は円形になります。ヘリトリゴケは種類の判断が難しい地衣類の仲間の中で、特徴的な子器をしているために、判断しやすい種類といわれています。子器の形はレキデア型で、子器の盤を上から見ると盤の周りが黒くなっていて、盤が黒色で縁取られているように見えます。レキデア型とは果托(子器の周りの部分)がないもので、共生藻の無い炭化した黒色をしている果殻で取り囲まれている形をしています。その特徴からヘリトリゴケは判断しやすい種類といわれているのです。地衣体の色の違いは共生している藻類の違いによるらしいです。乾燥時には灰色に見える種類でも、雨などに当たり湿り気を帯びると、薄い青色や緑色を表面に見ることができるようになります。この色の変化から石や岩に張り付いていて、まるで無機質な石の1部にしか見えない薄い体の中にも藻類が共生していることが理解されます。ヘリトリゴケは乾燥にも強く日当たりの良い場所から日陰でも見ることができます。都市部の公園の石垣や岩、石の表面で見ることができるので、二酸化硫黄などの大気汚染には比較的に強い方の種類になるようです。この不思議な生き物、ヘリトリゴケを調べてみました。
★ヘリトリゴケ ヘリトリゴケ科。岩上生で岩や石に固着する疣状地衣。平滑で厚みがなく岩や石と1体化しています。普通に見られ、低地から山地の日当たりの良い石や岩の上に生育しています。ヘリトリゴケは子器の周り(果托)が黒く縁取られることが特徴になり、似た物が多い地衣類の中でも判断しやすい種類になります。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。成長速度は年1ミリ以下と遅くなりますが、非常に寿命の長い種類になります。理想の形は円形になり、円形〜楕円形をしています。他の種類や他の個体とせめぎあって、不定形な形になるものも多くみられます。地衣体の色は灰白色〜淡青色。子器の形はレキデア型で子器の盤は直径0・5〜3ミリになります。盤は平坦もしくは凸面をしています。共生している藻類に違いがあり、その違いが色の違いになります。日本最大の地衣類になります(世界でも最大の種類になるようです)日本の最大種は和歌山県の古座川沿いにある1枚岩に生育しています。
ヘリトリゴケ1.jpgヘリトリゴケ2.jpg
ヘリトリゴケです。上、不規則に広がっています。のびのびと育つことができないと縄張り争いが起きて、入り込んだ地図のような形になってしまいます。下、隣のヘリトリゴケとぶつかってしまいますね。円形に育つことは今後は無理のようです。上のヘリトリゴケの色は暗灰色をしています。石の1部にしか見えませんね。外縁部は黒く縁取られるので地図を描いたようにも見えます。面白い形を作っているものもあり面白いです。
ヘリトリゴケ3乾燥時.jpgヘリトリゴケ4湿潤時.jpg
こちらは同じ個体の乾燥時(上)と湿潤時です。色がこのように変わってしまいます。実に面白い変化です。地衣体の形は理想の円形をしています。地衣体の外縁部が縁取られていることが見てとれます。
ヘリトリゴケ5乾燥時.jpgヘリトリゴケ6湿潤時.jpgヘリトリゴケ7.jpg
ヘリトリゴケの子器を拡大した写真です。上の2枚は同じものです。上が乾燥時、下が湿潤時のものになります。湿り気を含んだ場合には、2枚目の写真のように盤が盛り上がって見えます。そのため縁取りが分かりにくく見えています。3枚目、別のヘリトリゴケの子器です。これが生き物だと思うと不思議で仕方がありません。ヘリトリゴケの子器は地衣体の上に散在しています。ヘリトリゴケも子器の並び方や地衣体の色の違いなどで幾つかに分類がされています。
ヘリトリゴケ・コロニー2.jpg
写真を追加しました。ヘリトリゴケと他の岩上生の地衣類がひしめき合って発生している石の表面を写したものです。この写真に写っているヘリトリゴケを見比べてみると、地衣体の色の違いや盤の大きさ、盤の色の違いが見てとれました。このようにギッチリと込み合っていると、もうこれ以上は大きくなれないと思います。あとは外側にあるものが勢力を広げていくのでしょう。よく見るとモザイク模様のようで面白いです。写真の撮影場所すべて神奈川県横浜市。
posted by クラマ at 12:16| Comment(0) | 地衣類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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