2013年10月26日

分布域を拡大中の外来種、マツヘリカメムシを見つけました。

見たこともない種類の大きなカメムシを見つけました。どうにか調べて見ると外来種のマツヘリカメムシということが分かりました。まだ図鑑には載っていない種類だそうです。原産地は北米になります。初めて日本で確認された場所は東京で2008年のことです。それ以来、じわじわと分布を広げてきたようです。私が見つけた場所は、横浜市こども自然公園の2箇所のトイレと、マツ林の側の3箇所で見つけました。見つけた個体数は各1匹づつで3匹を見つけました。夕方の日の暮れかかる時間だったので、早い時間に行って見つけるともっと多くの固体を見つけることができそうです。このカメムシは冬に向けて建物に侵入することもあるということと、灯火にも集まる習性があることからトイレの壁にいたようです。幼虫の食性はマツの実で、どちらのトイレもすぐ側にマツがあり、2つのトイレは離れているものの、この公園ではマツヘリカメムシが定着しているようです。近く、正面入り口近くのトイレ付近も調べてみようと思っています。こちらもそばにマツの木があります。このマツヘリカメムシは臭くないようなので、見つけたら臭いの確認もすることにします。体の色の濃い、腹部が横に張り出した固体と腹部がやや細い、足の色の薄い固体があるので、雄と雌なのかも知れません。調べてみると背中の白いひし形模様は、個体により、はっきりしなかったり、色の薄い固体もあるようです。
★マツヘリカメムシ ヘリカメムシ科。体長15〜20ミリ。体幅5〜7ミリのやや大型。全体的に縦長の体に赤褐色〜褐色で光沢はありません。後脚の脛節は先端方向に広がるオール状になっています。背中に小さい白い菱形状の紋があります。この紋は固体によって不鮮明なものもいます。食性は、成虫、幼虫ともに、マツの新芽、球果(まつかさ)、種子などから汁を吸うマツの害虫になっています。マツヘリカメムシはマツ属を中心に繁殖するようです。灯火にも良く集まり、越冬のため建造物内にも入り込みます。不完全変態で成虫で越冬します。春に寄主植物の葉の付け根などに産卵し、餌をとりながら繁殖行動に入るようです。出現は3〜11月になります。分布は、東京を中心に急速に広がっているようです。マツを害する害虫です。温暖化でマツが弱くなると考えられるので、合わせてマツの被害が広がりそうですね。2008年東京で確認された外来種で、本来はアメリカ、カナダ、メキシコに生息していた種になります。外国でも繁殖地を広げているようです。
マツヘリカメムシ2.jpgマツヘリカメムシ1.jpgマツヘリカメムシ大きさ比較.jpg                                       撮影地、神奈川県横浜市、こども自然公園。上の2枚は体形が少し違うものの比較です。下は全体の大きさの比較。人差し指と2針マツの枯葉を置いてみたものです。この3匹はそれぞれの場所で見つけた固体です。見た感じでは錆びたような色に見えます。今まで成虫に気が付かなかったので、日本では年1回の発生なのか数回の発生なのか分かりません。北米では年1回、メキシコでは年3回の発生らしいです。マツヘリカメムシがマツの害虫ということで、どの程度の被害と関連があるのかは分かりませんが、この公園では毎年マツが数本は切り倒されているので、これ以上マツの被害が出ないようにと願っています。(もちろんすべてがマツヘリカメムシの害ではないと思います)
マツヘリカメムシ3月B.jpg                 
この写真の個体は3月(翌年)に同じ公園で見つけた越冬していた成虫です。多数見つけることができました。その後、松の木から幼虫は見つけられていません。高い所で生息しているのかどうかは分りませんが、1冬の越冬はできたようです。その後の繁殖があったのかどうかは、また10月頃から成虫が目につくようになるかどうかで判断しなければいけないようです。幼虫の写真も撮りたいのですがまだ機会がありません。撮影できましたら追加させていただきます。
前年(2014年)の秋には越冬個体が非常に少なく、翌年の幼虫(幼体)も確認できないままだったので、繁殖の度合いはどうなっているのかと、10月中旬頃から越冬準備のために集まるトイレの壁を探して見ると、今年(2015年)は多くのマツヘリカメムシを見つけることができました。細い枝先を使って壁から地面に置いてみると、どの個体も翅を広げて飛んで逃げて行こうとします。まだ十分に活動ができる温度のようです。昆虫たちはさらに北限をしているようで、今年はムラサキツバメの成虫を初めて見ることができました。マツヘリカメムシはもう横浜では珍しい種類ではなく、観察場所のこども自然公園では完全に定着したようです。匂いを嗅いでみることを忘れてしまったので、マツヘリカメムシのカメムシ臭を確認するためにまた出かけることにします。
マツヘリカメムシ腹部背面.jpg
マツヘリカメムシの翅の下です。翅に隠れている腹部背面です。淡いオレンジ色に黒くて太い縞模様になっています。普段は翅を広げることがないのでこの特徴を確認することはできません。1番目立つ色の部分が翅の下にあることのメリットは何なのでしょうか。推察してみると外敵から逃げる際に、この淡いオレンジ色を見せることで、1瞬のスキを作って逃げる手段なのかもしれないと思いました。撮影が夕方だったのであまり良く目立ちませんが、日中だともっと目につく配色なのかもしれません。飛翔性の強い種類であることは分かりましたが、普段はノロノロとあまり動かないようです。大型で可愛く見えてしまうカメムシです。個人的には好きな種類です。
posted by クラマ at 01:06| Comment(2) | 昆虫・カメムシ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは、横浜市の在住の者です。
一ヶ月前辺りから家の中にある昆虫が頻繁に出没するようになり、正体を探るべく、googleで検索していたらこちらのページに辿りつきました。
マツヘリカメムシというんですね。

私の家は一戸建ての分譲地の一角なのですが、晴れの日に近所のお宅の外壁を見ると、すぐに発見出来るほど、たくさんのマツヘリカメムシがついています。
去年の同じ季節にはまったく見られなかったのですが、、
今年に入って、大量に繁殖したのでしょうか…心配です
Posted by リコパパ at 2013年11月01日 13:53
リコパパさん、はじめまして。コメント有難うございます。私も今年初めて見つけたカメムシです。最近、また調べに行くと、さらに公園内で多くの発生を確認しました。やはり、おっしゃるとおり大繁殖のようですね。今年は黒松のマツボックリは、ほとんど落ちていません。マツボックリは餌になるので被害を受けたのかと思います。他に毒を持つ外来種のカメムシも繁殖しています。温暖化で今後、カメムシ類は増えていくと思います。小さな自然でもバランスが崩れていくことは心配ですね。
Posted by クラマ at 2013年11月03日 23:26
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