2017年07月15日

アブラムシ(アリマキ)の仲間5種類。ダイコンアブラムシ、セイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシ、キスゲフクレアブラムシ、ヘクソカズラヒゲナガアブラムシ、エノキワタアブラムシ。

アブラムシは別名アリマキとも呼ばれています。アリと共生関係を作っている昆虫としても知られています。アリに守ってもらう代わりにアブラムシが甘い蜜をアリに提供するのです。アリマキとは「アリの牧場」という意味があるそうです。アブラムシ自体は体の作りも弱く、数にものを言わせて生存していかなければならないので、その繁殖力はとても旺盛です。アブラムシは雑多な植物を餌にする種類や、決まった植物を餌にする種類がいます。アブラムシの天敵はテントウムシ類になります。テントウムシは成虫も幼虫もアブラムシ類を餌にするので、テントウムシが多く集まると瞬く間に食べられてしまうことがあります。アブラムシは通例、気持ちが悪いと嫌われる昆虫ですが、個人的には形が面白くて好きな昆虫です。単にアブラムシというとゴキブリもアブラムシと呼ばれることがありますが全くの別物です。ゴキブリはゴキブリ目に属する昆虫の総称になり、別名としてアブラムシとも呼ばれることがあります。単にアブラムシというとこの2種のどちらかということになりそうですね。   
ここで紹介するアブラムシは、植物に寄生するアブラムシ科の昆虫になります。アブラムシ(別名アリマキ)は様々な植物に寄生する種類から、決まった種類の植物に寄生する種類もいます。植物が決まっているアブラムシの場合は、植物を手掛かりにして探すと色々な種類を見つけることができます。アブラムシの仲間でも、エノキワタアブラムシのような白いロウ状物質を体にまとい、フワフワ飛ぶ種類を雪虫と呼ぶことがあります。雪虫とは綿雪が舞っているように見えることから呼ばれた名前のようです。飛ぶのは翅を持つ有翅型のアブラムシで、発生が多いと飛んでいる様子は幻想的に見えます。アブラムシは園芸家や農家に嫌われ者としても有名ですが、樹木や雑草など含め寄生する植物の種類は多く、日本では700種類以上いると言われています。アブラムシ科の昆虫、ダイコンアブラムシ、セイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシ、キスゲフクレアブラムシ、ヘクソカズラヒゲナガアブラムシ、エノキワタアブラムシを調べてみました。
★ダイコンアブラムシ アブラムシ科。体長1・8ミリ。体表はロウ状物質に覆われ灰色に見えます。出現期は4〜11月 。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。無翅型と有翅型がいます。葉の裏や茎、花穂に群生して発生します。ダイコンアブラムシはアブラナ科植物にのみ発生して、成虫、幼虫共にアブラナ科の野菜の汁を吸う害虫として発生します。ダイコンアブラムシは春〜初夏頃の発生が多く、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワーなどの作物に被害を与えます。菜の花(アブラナ、セイヨウアブラナを指すことが多いです)、ナタネ(セイヨウアブラナの別名)、ダイコン、ハボタン、ストック、など幅広く寄生されてしまいます。ハウス栽培ではハウス内の気温が下がらないので、冬の間でも被害が出ます。名前にダイコンと付いていますが、キャベツやナタネでの発生が多いです。有翅型の成虫により被害が広がってしまいます。越冬は卵で行われますが、暖かい地方では成虫で越冬します。同じくアブラナ科の植物にのみ発生する似たアブラムシに、ニセダイコンアブラムシがいます。ニセダイコンアブラムシは汚れた緑色に見えます。ニセダイコンアブラムシは季節に関係なく発生します。
ダイコンアブラムシ.JPG
上、ダイコンアブラムシです。セイヨウアブラナの花穂に発生していました。大きいものから小さなものまで集まって群生していました。小さい幼虫も灰色をしているのでとても汚く見えます。繁殖力が強く、発生すると大小のダイコンアブラムシが集まって群生している所を良く見つけます。撮影地。神奈川県横浜市、南本宿第三公園。
★セイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシ アブラムシ科。体長2・5〜4ミリ。名前の通りにヒゲ(触角)が長く、赤い体の色をしたアブラムシです。有翅型と無翅型がいます。北アメリカ原産の外来種で、1980年代に侵入して帰化したとされています。体色は鮮やかな赤色をしたアブラムシで個人的には好きな昆虫です。触角と角状節(お尻の方に見える尖った1対の棘にみえるもの)は黒い色をしています。脚は黒い色をしています。腿節の端から先は黒色、体に近い部分は黄色っぽく見えます。お尻の先に突き出て見える尾片は黄色〜赤色に見えます。寄生する植物はセイタカアワダチソウのみになります。出現は3〜11月。分布は本州、四国、九州。成虫も幼虫もセイタカアワダチソウの茎にいて汁を吸います。幼虫は成虫と同じように見える姿をしていて成虫も幼虫も下向きになって茎にとまっています。幼虫は小さくても成虫と似たような体をしていますが、幼虫は触角も角状節も黒くありません。春と秋に個体数が増える種類です。セイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシが群生していると赤い色の塊が見えるので、発生していることがすぐに分かります。天敵はテントウムシで食べられてしまいます。良くナナホシテントウに捕食されています。アブラムシ類は弱っちい昆虫なので数で対抗して種を保存しています。越冬は卵で越冬します。
セイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシ横.JPGセイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシ無翅型.JPG
上、セイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシの無翅型です。小さな虫なのに名前はとんでもなく長いです。赤くて面白い形をしているので好きな昆虫です。撮影中にうっかり指で潰してしまうと、赤い汁がついてしまいます。この赤い色素は染色に使えそうです。寄生しているセイタカアワダチソウも北アメリカ原産の帰化植物です。撮影地。神奈川県横浜市、こども自然公園。
★キスゲフクレアブラムシ アブラムシ科。体長4〜5ミリ。ユリ科のゼンテイカ(ニッコウキスゲ)、キスゲ(別名ユウスゲ)、ノカンゾウ、ヤブカンゾウとその園芸品種(ヘメロカリス)に寄生します。野原で見られるノカンゾウ、ヤブカンゾウにはかなりの確率でキスゲフクレアブラムシが発生しています。無翅型の成虫と幼虫はロウ物質で体を覆われているので、白っぽく見えます。脱皮したての幼虫などは黄色く見えます。有翅型の成虫は透明な翅をしていて、体は明るい橙黄色をしています。角状節は先端がくびれています。出現期は6〜9月。分布は北海道、本州。キスゲフクレアブラムシは秋にはゴンズイ、ミツバウツギに移動して有性生殖をします。越冬は卵で越冬します。1次寄生がゴンズイ、ミツバウツギで2次寄生がキスゲ類になります。キスゲフクレアブラムシはゴンズイフクレアブラムシとも呼ばれていましたが、現在はキスゲフクレアブラムシが正式名になりました。ノカンゾウ、ヤブカンゾウの近くにゴンズイやミツバウツギが生えていたら、ほぼ発生します。ユウスゲやカンゾウ類の園芸品種は、ヘメロカリス(別名デイリリー)と呼ばれていて、花壇や庭に植えられていますが、科が同じなのでキスゲフクレアブラムシが発生します。
大変良く似た種類にミツバウツギフクレフシがいます。紛らわしいことに、どちらの種もミツバウツギ、ゴンズイなどのミツバウツギ科に寄生します。キスゲフクレアブラムシの場合は1次寄生になります。判別方法は、ミツバウツギフクレアブラムシは角状節の中央が膨らんでいて、先端はくびれていません。キスゲフクレアブラムシの角状節の中央部分はは膨らんでいません。角状節の先端はくびれています。違いが分かっても、小さい昆虫の小さな器官の差なので、実際は両種の判別は難しいです。ルーペを使うかデジカメ等で撮影して確認するようになってしまいます。キスゲフクレアブラムシの2次寄生としての植物(ノカンゾウ、ヤブカンゾウ等)にいる場合は間違うことはないのですが、ゴンズイやミツバウツギに移動されたら両種の確認が必要になってしまいます。
キスゲフクレアブラムシ幼虫.JPGキスゲフクレアブラムシ有翅型.JPGキスゲフクレアブラムシ3.JPG
キスゲフクレアブラムシです。遠くから見ると、白っぽいカビが生えたようで汚らしく見えるのですが、幼虫と無翅型の成虫は体表にある白く見えるロウ状物質に覆われているので、拡大すると羊っぽくも見える可愛い形をしています。個人的には1番愛嬌のある容姿をしたアブラムシだと思っています。上、ノカンゾウの花に群生している様子です。有翅型の幼虫の体側には翅になる部分が見えています。中、同じくノカンゾウの花にいたキスゲフクレアブラムシの有翅型です。下、体が白いロウ状物資に覆われています。白くてポッチャリした体形が羊っぽく見えるのは私だけでしょうか。脱皮したての幼虫と有翅型は白くありません。上2枚とは別の場所で撮影しました。撮影地。神奈川県横浜市。
★ヘクソカズラヒゲナガアブラムシ アブラムシ科。体長2・5ミリ。有翅型と無翅型がいます。ヘクソカズラヒゲナガアブラムシはヘクソカズラの葉や茎に付く綺麗な橙赤色(オレンジ色)をした触角の長いアブラムシです。幼虫は体色が薄いだけで成虫と似ています。幼虫期から脚(腿節)や触角、角状管の色は成虫のように黒色に見えます。幼虫は橙黄色をしています。出現は5〜11月。分布は本州、四国、九州。アカネ科のヘクソカズラに寄生するアブラムシです。大きなコロニーはあまり作らないようです。ヘクソカズラは臭い匂いで葉を食べられることを防いでいるそうですが、臭い植物として知られるヘクソカズラの汁を餌として吸っているこのアブラムシは、体液も臭いそうです。うっかり潰さないようにした方が良いようです。餌とする植物を最大限に利用している逞しいアブラムシです。ヘクソカズラアブラムシの越冬は卵で行われます。
ヘクソカズラヒゲナガアブラムシ1.JPGヘクソカズラヒゲナガアブラムシ2.JPG
上、ヘクソカズラヒゲナガアブラムシです。ヘクソカズラの葉の上にいました。襲われることが少ないのか、葉の表でのんびりしていました。普通種になるのですが、個人的には見つけにくい種類になっています。下はまだ小さな幼虫です。成長に従って体の色は濃くなるようです。撮影地。神奈川県横浜市、南本宿第三公園。
★エノキワタアブラムシ アブラムシ科。体長1・5〜2ミリ程。エノキワタアブラムシは全身フワフワモコモコの白く見えるアブラムシです。フワフワのワタのような塊を入れたり、飛んでいる個体は大きく見えます。繁殖力が強く大発生することがあり、集団を作るので白いカビが生えたように樹が汚く見えます。出現は4〜11月。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。繁殖力が強く林縁や道路の脇などのエノキの幼木で普通に見ることができます。ニレ科のエノキ、ムクノキに発生して成虫、幼虫ともに葉の裏や若い茎(枝先)にいて葉から汁を吸います。圧倒的にエノキに依存していてエノキで普通に発生しています。無翅型、有翅型ともにワタのような白い毛で覆われていますが、孵化したての若齢幼虫には白い綿毛はありません。徐々に綿のようなロウ状物質に覆われて行きます。触角には黒い環紋があり縞模様に見えます。有翅型の翅は良く見ると透明で翅脈に沿って黒い筋模様が見えます。エノキワタアブラムシが発生しているエノキは2メートル以下の背の低い若い樹に発生しています。体が小さく風の抵抗も強そうなので、飛ばされないように低い樹や枝を選んでいるようです。無翅型は白いワタの塊に見えますが、よく見ると触角が突き出ているので、頭のある部分は分かります。  
繁殖力が強く、発生が多いと有翅型がエノキの周りをフワフワと飛び回っています。これが意外と不思議な美しさがあります。綿雪のような白い塊が、フワフワと飛ぶと言うよりも舞って見えます。撮影していると驚いて飛んで逃げ出したエノキワタアブラムシも、すぐに葉にたかるために遠くには逃げないで戻ってきます。葉に集っているとカビのようで汚く見えるエノキワタアブラムシも、群れて飛んでいる様は幻想的で大好きです。ホストとなるエノキは丈夫な樹木で、アスファルトの隙間や舗装泥の脇にも生えているものがあります。そのエノキに発生しているエノキワタアブラムシは逞しい昆虫です。アスファルトの隙間や舗装道路の脇のエノキで普通に見ることができることから、エノキさえあれば都市部での繁殖も容易なはずです。寄生する樹がエノキなので大きな問題になっていないのでしょう。有翅型は秋には雄と雌の両方が現れて越冬は卵で越冬します。温暖な地方では胎生雌や卵で越冬するようです。
エノキワタアブラムシ有翅型1.JPGエノキワタアブラムシ有翅型2.JPGエノキワタアブラムシ無翅型.JPG
エノキワタアブラムシです。綿アメのようなアブラムシです。上2枚は有翅型で飛ぶことができます。飛び方はフワフワと風に舞うような弱々しい飛び方ですが、群れで飛んでいると粉雪が舞うような不思議な美しさに見えます。雪虫の別名がうなずけます。上、触角に黒い輪紋が見えます。翅には翅脈に沿って黒い筋が見えています。中、上から見て翅が良く見えないと、有翅型か無翅型のどちらかなと思うほど、どちらも綿のようなロウに包まれています。下、無翅型のエノキワタアブラムシです。触角が見えないと頭がどこにあるのか分からなくなりそうです。孵化したての若齢幼虫には綿毛のようなロウ状物質はありません。成長につれてモコモコになっていきます。撮影地。神奈川県横浜市。
ナミテントウ捕食.JPG
上はナミテントウがエノキワタアブラムシを食べていたところです。すでに残りわずかです。テントウムシの口元に綿アメの食べ残しのようなものが付いています。まるで綿アメを食べていたように見えます。体にはモコモコがあるのでテントウムシに食べられにくそうな体をしていますが、完食されてしまいました。この綿アメのような体表は身を守るためには役に立たないようです。
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2017年07月08日

ナシアシブトハバチ。黄色い大型のイモムシの正体はハバチの幼虫です。

ナシアシブトハバチは変わった昆虫です。成虫は凶暴なスズメバチに似ていますが、ハバチなので毒針は持っていません。スズメバチに擬態して身を守っているようです。幼虫は芋虫型で終齢に近づくと50〜60ミリ程の大きさで色は黄色〜橙黄色をした太いイモムシのように見えます。日中は黄色い大きなカタツムリのように見える形に丸まって葉に付いています。ナシアシブトハバチは夜行性なので、昼間は丸まって葉に付いて休んでいるのです。ハバチの幼虫はある特定の植物の葉を餌にします。ナシアシブトハバチはサクラ、ボケ、ナシの葉を食べます。観察地にはナシはないのですが、サクラとボケで見つけています。幼虫は大発生ということはなく、樹を枯らしたり、弱らせるようなことはありません。ハバチは普通にイメージするハチとは違って、巣をつくりません。幼虫はガやチョウの幼虫のように植物の葉を餌にして育ちます。幼虫はチョウやガの幼虫によく似ていて紛らわしいのですが、簡単に判別する方法があります。
・ハバチの幼虫の判別方法。チョウとガの幼虫との違いです。
ハバチもガもチョウも胸脚の脚の数は皆6本(3対)で同じです。違いは腹部の脚(腹脚)の数に違いが現れます。ハバチの場合は5対以上と種類により数が違いますが、脚の数が多いです。ガやチョウの幼虫の場合は腹脚は4対になっています。
ハバチの場合、頭(顔の部分)がどの種も大きく、目は単眼になっているので、顔には大きめの1対の目(単眼)が見えます。丸い頭(顔)に人のように2個の目がある様に見えます。チョウやガの幼虫では頭が小さく、顔が良く見えない種類もいます。顔が見えなくても横から腹部の下の脚(腹脚)を確認することが1番分かりやすいです。ナシアシブトハバチを調べてみました。また、チョウやガとの違いを比較するための写真も載せてみました。個人的には昔はガやチョウの幼虫は大の苦手でした。ガの幼虫にはすさまじい姿形の種類もいて、まだ克服したとはいかないものの昆虫を観察をしているうちにだいぶ平気になってきました。イモムシ系の幼虫に抵抗のある人は多いと思いますので、以下に幼虫の写真が出てくるので、苦手な人はスルーしてください。
★ナシアシブトハバチ コンボウハバチ科。体長22〜30ミリ程。分布は本州、四国。ナシアシブトハバチの分布域は広いものの個体数は少ないようで棲息は局所的になり、珍しい種類になるようです。三重県では絶滅危惧T類に指定されています(日本レッドデーターより)。出現は4〜6月。成虫はオオスズメバチに似ています。ハバチなので人を刺すことはありません。成虫の触角は棍棒状に先端が膨らんでいます。この形状がコンボウハバチ科の特徴になっています。幼虫は植物の葉を食べます。食樹はサクラ、ナシ、ボケ。幼虫は終齢幼虫は60ミリに達する太くて黄色〜橙黄色をした鮮やかなイモムシ型です。背部には頭から尾端まで、幅のある黒い条が見えます。若齢幼虫と終齢では色や斑紋が違います。夜行性なので幼虫は日中は丸まって葉の裏に付いています。ナシアシブトハバチの幼虫は黄色い色をしたカタツムリのように見えることが特徴です。観察地の公園では、数年前はボケで繁殖していました。個体数が少ないのか1本の樹に1〜2匹程度でした。以前見つけていたボケは公園内のため数度の刈込があるので、繁殖が立たれたのか、この数年見ることが無くなっていましたが、生息していることが分かりました。新しく見つけた場所で、来年は若齢から観察したいと思っています。成虫は見つけるも撮影に失敗してしまいました。産卵等に来ないと撮影は難しいのかも知れません。越冬は落ち葉の下の繭内で越冬するようです。成虫で見つけることは難しいのですが、幼虫、特に終齢に近づくと黄色から橙黄色になる幼虫の体色は目立つので、葉裏に付いていても生息していれば見つけやすくなります。
ナシアシブトハバチ幼虫。.JPG
上、ナシアシブトハバチの幼虫。オオシマザクラの樹にいました。丸くて黄色い大きな頭が右上にあります。ご覧の通り、とぐろを巻いた状態でいきなり葉の下から見つかると驚いてしまう迫力のある太さをしています。枝を引っ張って探すも、見つけられたのは2匹だけでした。来年は大丈夫かな?と、少し心配になりました。成虫と若齢幼虫の写真を追加していきたいと思っています。撮影地、神奈川県横浜市、こども自然公園。
チョウとガの比較のために比較的に綺麗に見える幼虫の写真を使いました。
シモツケマルハバチ幼虫・比較用.JPGアヤモクメキリガ幼虫・比較用.JPG
上がハバチ科のシモツケマルハバチの幼虫です。頭が右側です。下がヤガ科のアヤモクメキリガ(アヤモクメ)の幼虫です。頭は左側です。ハバチの仲間の腹部にある脚の数(腹脚)は5対以上と数が多く、ガやチョウでは4対です。アヤモクメキリガの幼虫は体長60ミリ前後と、ご覧の通り長細くて大きい方なのですが、脚の数は4対あることが見て取れると思います。種類により体が大きくても小さくても4対(4本)に変わりがありません。シモツケマルハバチの幼虫は半透明な体をしていて、食べたものが透けて見える面白い特徴があるため、シモツケの花を食べたこの幼虫の体には花の色が透けて見えています。青い若い葉だと淡い緑色、成長した葉を食べると緑色の濃い体の色に見えます。グラデーションになっている幼虫も多くいて、なかなか面白いです。アヤモクメキリガの幼虫の体側には白く見える3個の斑が並んで見えます。写真では分からないのですが、外縁が白くハート形に見える斑が面白いガの幼虫です。
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2017年07月05日

ナガヒラタムシ。凸凹した頭と点刻が上翅に綺麗に並んで見える原始的な昆虫です。

ナガヒラタムシは始原亜目という部類に属する原始的な昆虫です。ナガヒラタムシは日本では1属4種類の小さな科を作っている昆虫で、ペルム紀(2億年前)の地層から化石が見つかっているという変わり種の昆虫です。大昔から姿を変えないで生き続けてきただけあって面白い体をしています。体色は暗褐色〜黒色に見え扁平で細長い体つきをしています。頭部には突起(コブ状)が見えます(凸凹した頭部をしています)目は半球状に両側に飛び出て見え、鞘翅には明瞭な点刻(格子状の点刻)が綺麗に並んでいます。触角は太くて長く、大人しくとまっている時は脚を引っ込めているので、他の昆虫のように脚は見えません。あえて似ている昆虫というと1見カミキリムシに似て見えます。夜行性ということからなのか、なかなか見つけられない昆虫ですが、灯火に集まる習性があり、灯火の下で見つかることがあるようです。ナガヒラタムシの名前の通りに、長くて平たい原始的な昆虫、ナガヒラタムシを調べてみました。
★ナガヒラタムシ ナガヒラタムシ科。体長9〜17ミリ。黒い体色に細長く扁平な体形で、鞘翅に見える格子状の点刻 が印象的です。大きさはばらけるようです。出現は6〜8月。夜行性で灯火にもくるようです。昼間は葉の上などでじっとしているようです。石川県では準絶滅危惧種になっています。分布は北海道、本州、四国、九州。成虫の餌は不明です。幼虫は朽ち木を食べるようです。成虫は脚を引っ込めて擬死します。成虫の出現時期を考えると、越冬は朽ち木内で幼虫で越冬すると推測します。よく似た種類にヤマトナガヒラタムシがいます。ヤマトナガヒラタムシの特徴は複眼がナガヒラタムシよりも小さく、上翅第1列の点刻が50〜53個あるそうです。ナガヒラタムシの場合、点刻が50個以下になります。ヤマトナガヒラタムシの個体数は少ないようです。ヤマトナガヒラタムシを実際に調べたら分布地域の中でもかなり個体数は少ないのかも知れません。ナガヒラタムシを見つけたら、ナガヒラタムシとヤマトナガヒラタムシの違いが点刻の数になるので、両種を見分けるために点刻の数が分かるように写真に残すと良いと思います。珍しいヤマトナガヒラタムシが見つかるかも知れません。
ナガヒラタムシ1.JPGナガヒラタムシ2.JPGナガヒラタムシ腹面.JPG
ナガヒラタムシです。見つけたのはムクゲの葉の上です。ただの平べったい黒い昆虫のように見えますが、実は原始的な姿を今に残している昆虫です。化石の中から見つかっているだけあって、よく見て見ると面白い昆虫です。目は両側に飛び出して見え、背中(鞘翅)には凸凹とした点刻が並んでいます。体の割に触角は太くて長く、脚は体に対して短いです。すぐには何科に属するのか思い浮かばないと思います。頭部、胸背部は凸凹していて、原始的な昆虫であることに納得させられてしまうような形をしています。ナガヒラタムシは中々の面白昆虫です。上、ナガヒラタムシを見つけたときの状態です。葉の上にとまっている時、他の昆虫のように脚を伸ばして葉にしがみついていません。変わったとまり方をしていました。中、ナガヒラタムシの頭と胸背部を拡大して見ました。凸凹した突起のある頭部と、胸部の左右の上端は張り出して尖って見えます。また窪みのある胸背部がより原始的な昆虫と言われる由縁を物語っているように見えます。下、腹側です。地面に落ちたら分からなくなりそうだったので、ビニールの上に落としてみました。体に対して短い脚を実にうまく畳み込んでいます。この状態でじっと動きません。脚を引っ込めて死んだふり(擬死)をしているのです。得意技は擬死のようです。葉にとまっている時から脚は引っ込めていたので、死んだふりをしても見た目に大差はない気もしますが、ナガヒラタムシとしては精1杯の防衛策のようです。葉の上に落としてあげるとすぐに死んだふりは止めましたが、その場でじっと動かなくなりました。写真では色が実際の体色よりも茶色に写ってしまいました。撮影は7月。撮影地。神奈川県横浜市、南本宿第三公園。
posted by クラマ at 01:52| Comment(0) | 昆虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする