2019年06月22日

ヒメツツハキリバチ、ツルガハキリバチ、ムナカタハキリバチ。 葉っぱを切り取るハキリバチ科3種類。

ハキリバチは葉を上手に切り取って巣に運びます。バラなどの園芸品の葉を切り取ることで知られているツルガハキリバチとバラハキリバチがいます。これらは害虫として嫌われています。ハチが切り取ったとは思えない器用さで、葉を見事な円形に切り取ってしまいます。穴は径10ミリ程で、手際が良く素早く短時間で切り取るそうです。綺麗に葉に穴を開けられる大きな被害があっても、ケムシやイモムシが見当たらないときには、このハキリバチの仕業だと思って良いと思います。葉だけでなく花も切り取られることもあるそうです。ハキリバチは似た種類も多く体に生えている毛の色の違いを調べないと、種類が分からないことが多いです。名前を知りたい場合には、撮影して毛の色を確認すると良いでしょう。授粉の助けを行う益虫である面と、葉に被害を与える害虫の両面があります。ハキリバチの呼び名はハキリバチ科の総称です。葉を切り取る行動は、葉を食べるために切り取るのではなく、雌が巣の素材として使うために運ぶものです。ハキリバチ科は葉を切り取るために、ハサミの代わりとなる大顎が発達しているので、頭部が大きい特徴を持っています。種類によって巣を作る場所は異なります。ハキリバチ科のハチは日本に25種類いるそうです。ハキリバチ科の面白い特徴に、花粉の運び方があります。ミツバチ類と違って、ハキリバチは腹部下面の毛(櫛歯状に並んだ剛毛)に花粉を付けて運びます。腹部下面に黄色い花粉を付けているハチがいたら、雌のハキリバチ科のハチである事が分かります。巣に運ばれた花粉は幼虫の餌として使われます。ヒメツツハキリバチ、ツルガハキリバチ、ムナカタハキリバチを調べてみました。
★ヒメツツハキリバチ ハキリバチ科。体長は7〜10ミリ。出現は5〜9月。分布は本州、四国、九州。ニホンミツバチを小さくしたように見えるハキリバチです。色々な花に集まるようです。他に似た種類も多くいて判別には苦労します。似たハチにツルガハキリバチとバラハキリバチがいます。ツルガハキリバチは以前はバラハキリバチモドキと呼ばれていました。体長は9〜13ミリ。分布は北海道、本州、四国、九州。竹筒や土中に営巣します。巣の素材には切り取った葉を使います。以前はバラハキリバチと混同して呼ばれていたりもしていました。頭頂部の毛は黒く、中胸背の中央の毛は黒っぽい。バラハキリバチは体長は9〜13ミリ。分布は北海道、本州、四国、九州。頭頂部の毛は黄褐色。胸部の周縁部は褐色に見えます。両種はバラやノイバラの葉を円形に綺麗に切り取って巣に運びます。ツルガハキリバチとバラハキリバチの判別は頭頂部の毛の色の違いと胸背や胸部周縁の毛の色の違いで見分けることになります。ヒメツツハキリバチに付いて詳しくは分かりませんでした。ヒメツツハキリバチはツルガハキリバチと良く似ていますが、ヒメツツハキリバチは小型になります。
ヒメツツハキリバチ雌.JPG
上、ヒメツツハキリバチ雌。止まっているのはシロツメクサの花です。花と比較して小型なハチだと分かります。すぐに次の花に移動してしまうせわしない性格をしています。小さい上にすぐに飛んでしまうので、撮影が難しい種類です。撮影地。神奈川県横浜市、南本宿第三公園。
★ツルガハキリバチ ハキリバチ科。ツルガハキリバチ(旧名バラハキリバチモドキ)体長は9〜13ミリ。出現は5〜10月。分布は北海道、本州、四国、九州。竹筒や土中に葉を運び込んで巣を作ります。巣の素材には切り取ったバラやノイバラの葉を使います。地色の黒いハチで、特徴は頭頂部の毛が黒く、中胸背の中央の毛も黒っぽいことです。個体差もあるのですが、雄は毛が白いので白っぽく見え雌は黄褐色の毛をしています。成虫は花の蜜を吸いに様々な花を訪れます。
ツルガハキリバチ雄.JPG
ツルガハキリバチの雄。似た種類が多くて迷ってしまいます。写真は撮りやすく、そっと近づくと逃げたりはしません。種類を判別するために拡大しないといけないので、接写ができるので助かります。ヒメツツハキリバチと似ていますがこちらの方が大型になります。撮影地。神奈川県海老名市。
★ムナカタハキリバチ ハキリバチ科。雌は旧名スミゾメハキリバチ。体長は雄10〜14ミリ。雌12〜16ミリで、雌の方が1回り大きい体格をしていて、地色が黒く、ミツバチ型の真っ黒いハチに見えます。ムナカタハキリバチの雄には前脚に目立つ飾毛が生えています。雄の体には黄白色の短毛も生えています。雄の飾毛はフサフサモコモコしていて立派です。この前脚にある飾毛は雌にはありません。旧名のスミゾメとは墨で染めたように黒い体をしていることからついた名前になるようです。雌雄で見た感じが違うので、古くは別種と思われていたハチです。出現は5〜8月。分布は北海道、本州、四国、九州。倒木や朽ち木のできている既存の穴を利用して巣を作ります。巣の中に素材の切り取った葉を運び込みます。成虫は様々な花の蜜を吸います。
ムナカタハキリバチ雌B.JPG
上、ムナカタハキリバチの雌です。このハチもすぐに逃げ出すので撮影が大変難しいです。もっとまともな写真を撮りたいのですが、ピントが合う前に逃げるのでストックもたまりません。雄の写真も撮りたいのですが、見つける確率も低いです。撮影地。神奈川県横浜市、こども自然公園。ハキリバチは多くは円型に葉を切り取るので、見事にくりぬかれた葉を見るのも面白いです。
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虫こぶ(ゴール)4種類。ナラメリンゴフシ、クワハミャクコブフシ、ブドウハケフシ、クロマツメテングスフシ

虫こぶ(ゴール)4種類の紹介です。今回はナラメリンゴフシ、クワハミャクコブフシ、ブドウハケフシ、クロマツメテングスフシです。クロマツメテングスフシの紹介は2回目です。前回は樹のコブで紹介しましたが、ここでは虫こぶとして紹介します。ナラメリンゴフシを作るナラメリンゴタマバチはナラネタマフシという虫こぶ(ゴール)も作ります。ブドウハケフシを作るブドウハモグリダニは、栽培品のブドウにも発生するので、害虫として嫌われています。ブドウハケフシは葉にできるゴールで、どちらかと言うと控えめで目立たないゴールです。野外では山野に自生するエビズルなどで見つけることができます。ブドウ科の植物に発生するゴールは他にもあります。ノブドウの実にできるゴールでノブドウミフクレフシもあります。こちらは当ブログ「キズタ、アオキ、ノブドウ、イヌツゲにできる虫こぶ4種類」でも紹介しています。 クワハミャクコブフシはヤマグワがあると簡単に見つけることができました。虫こぶ(ゴール)としては極普通種のようです。マツにできるクロマツメテングスフシはマツボックリにも似ているので、気が付きにくいと思います。環境の良くないマツで見ることがあるので、弱ったマツにできやすいものと思います。虫こぶは探すと身近な植物で見つけることができます。可愛い形のものもあるので、散歩のついでに探すのも面白いと思います。ナラメリンゴフシ、クワハミャクコブフシ、ブドウハケフシ、クロマツメテングスフシを調べてみることにしました。
★ナラメリンゴフシ タマバチ科のナラメリンゴタマバチが作る虫こぶ(ゴール)です。4〜6月に発生するリンゴの形に似たゴールです。日の当たる場所に作られたものは赤味を帯びて、日陰に作られる物は黄色味や薄い緑色を帯びた白色に見えます。コナラ、カシワ、ミズナラなどの枝先にできるので、木の実だと思う方が多いと思います。リンゴ型の可愛い虫こぶです。春にコナラの新芽に産み付けられた卵が成長して、この可愛いリンゴ型の虫こぶが作られます。ナラメリンゴフシの中には多数の幼虫が入っています。ナラメリンゴフシは1本の樹に沢山付くこともあるようです。5〜6月に羽化した成虫(両性世代)はコナラの根に産卵してナラネタマフシを作ります。ナラメリンゴタマバチは何と地中の根に産卵するという離れ業を行います。12月になると翅の無い成虫(雌)が羽化して翌春に新芽に産卵するそうです。ナラメリンゴタマバチの分布は北海道、本州、四国、九州のようです。ナラメリンゴタマバチは2種類の虫こぶを同じ種類の昆虫が作るという面白い特徴を持っています。
ナラメリンゴフシ1.JPGナラメリンゴフシ2.JPG
上、 ナラメリンゴフシです。4個が集まっています。同じ物を角度を変えて見ています。日の当たらない小枝にできていたので、赤くありません。まあ、青りんごというものもあるので、十分に名前負けはしていないと思います。1見、食べられそうにも見える樹の実に見えます。探せばもっと多く見つけることができそうですが、林内は基本的には立ち入り禁止なので、当方観察エリアではあまり見ることができなません。撮影地。神奈川県横浜市、こども自然公園。
★クワハミャクコブフシ クワハコブタマバエによって作られる虫こぶ(ゴール)です。野生のクワ、ヤマグワの葉の裏にできるクワハミャクコブフシは、葉裏の葉脈に単体または2〜3個が隣り合ってできています。色は緑白色〜黄緑色で袋状に膨れて繋がってできているか、単体で球形になって付いています。繋がってできているクワハミャクコブフシの場合、クワハミャクコブフシは長細い形になっています。表面には白い毛が密生しています。作成者のクワハコブタマバエは年1化で、クワハミャクコブフシの中には幼虫が1匹入っています。幼虫は7月頃に3齢になると脱出し地面に落下するそうです。地面に落ちた幼虫は土中に潜り蛹になります。蛹で越冬します。クワハコブタマバエの分布は北海道、本州、四国、九州。クワハミャクコブフシは大きなヤマグワでは葉の様子が見えないので、どの程度できているのかは分かりませんが、若い背の低いヤマグワの葉裏を探すと意外と簡単に見つけることができます。球形のクワハミャクコブフシはポンポンに見えて可愛いです。
クワハミャクコブフシ1.JPGクワハミャクコブフシ2葉表.JPGクワハミャクコブフシ3.JPG
クワハミャクコブフシです。上、長い短毛が密生していて可愛く見えます。中、葉の表面側から見ると、繋がってできている場所の裏はやや凹凸して見えます。下、繋がってできていると虫っぽく見えますね。繋がっている場合ですと、できる場所によって葉の縮れ具合も違って見えます。葉の基部に近い場所にできると葉が強くねじれて見えます。撮影地。神奈川県横浜市、こども自然公園。
★ブドウハケフシ フシダニ科のブドウハモグリダニによって作られる虫こぶ(ゴール)です。ヤマブドウ、エビズル、栽培品種のブドウの葉にできる虫こぶ(ゴール)です。5月と7月の年2回発生するようです。ブドウハモグリダニに吸汁されてできるブドウハケフシは盛り上がっています。部位の葉の表側はイボ状に盛り上がっていて、沢山あるとは全体がボツボツに見えます。このイボに見える部位がブドウハケフシと呼ばれます。葉の裏の部分は凹んでいて、白く長い毛で塞がれたように見えています。少し離れて見ると淡黄色や白い斑点の様に見えます。この白くて長い毛は、のちに褐色に変色していきます。この窪みには沢山のブドウハモグリダニが増殖しますが、体長が0・2ミリと極めて小さいために肉眼では確認することはできません。ブドウハモグリダニが作る ブドウハケフシは栽培品のブドウなどに被害を与えるほどではないものの、栽培品のブドウに対して他の病気を誘発する原因になってしまうので、注意が必要になってきます。春の新芽の時期に大発生した場合はブドウの樹が枯れることもあるようで、葉にブドウハケフシができたら取り除くことが予防になるようです。ブドウハモグリダニは成虫で越冬します。分布は北海道、本州。ブドウは沖縄でも栽培できるのですが、ブドウハケフシができるかどうかは分かりません。
ブドウハケフシ.JPGブドウハケフシ拡大.JPGブドウハケフシ裏拡大.JPG
ブドウハケフシ。上、葉の表面に幾つもできています。中、拡大したものです。下、葉の裏側から見たところです。葉の毛に隠れて見えにくくなっています。撮影地。神奈川県海老名市。
★クロマツメテングスフシ 別名、芽状テング巣病。多芽病。旧名は芽状テング巣病と呼ばれていましたが今は別名として呼ばれています。フシダニ類がマツ類に作る虫こぶ(ゴール)です。ただフシダニ類によるものと言われているものの、いまだ原因は分からないともされていて、今後専門家によって解明されていくものと思います。マツ類にでき、通例マツ類の枝先の芽ができる部位に発生します。球形に丸くなったり、球形に近い形で、冬芽が沢山集まって密生した状態になっています。よく見ると細くて短い新芽からできていることが見て取れます。よく見ないと古くなった丸い形のマツボックリにも見えてしまいます。樹幹にできるタイプよりも小さく葉の陰に隠れて見えにくかったりするので、目立つ方ではありませんが、クロマツメテングスフシが付いている樹には沢山出来ていたりします。良く行く自然公園のマツでは全く見つけることができませんでした。寄生する率はそれほど高くないように思えました。クロマツの分布は本州(東北以南)、四国、九州で、 クロマツメテングスフシを見ることができます。当方は見たことがありませんが、アカマツやリュウキュウマツにもできるようです。
クロマツメテングスフシ新.JPG
クロマツメテングスフシです。以前当ブログで紹介した写真と同じ日に撮影(8月)したものです。枝と同じ地味な色をしています。マツボックリも可愛い形ですが、球形のクロマツメテングスフシも可愛い形をしています。撮影地。神奈川県横浜市。虫こぶは、ご覧の様に個性的な形をしているので、興味の湧いた方は探してみると楽しめると思います。
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2019年06月20日

コメバキヌゴケとノミハニワゴケ。よく似た判別が難しい種類です。

剳ソの色が赤いとヤノウエノアカゴケだな。とコケを調べ始めた当初は安易に考えていました。写真を整理して見ると似たコケがぞろぞろ出てきて、さらに調べると顕微鏡がないと判別不可能とか、もはや普通の観察の域を遥かに超えてしまいました。顕微鏡がない当方には全く自信がありません。さらには変異もあるということで、図鑑等に特徴が記されていたとしても、読んでいると訳がわからなくなります。これではさらに迷宮に入ってしまいそうです。同じにしか見えない似た種類にどのようなものがあるか調べてみました。良く行く公園で見たコケはどうやらノミハニワゴケのようです。ノミハニワゴケは都市部にもある普通種ということですが、コメバキヌゴケと言うそっくりさんが存在します。こちらも普通種なので探すと見つかる種類になっています。ノミハニワゴケとコメバキヌゴケは顕微鏡で細胞の違いを調べる必要があるほど良く似ているうえ、変異もあることから、どちらの種類なのかを知りたい場合には、細胞の構造を調べなくてはいけないということです。外見上はどちらかの種類なのでは。と見当はつきますが、上記の通り、ノミハニワゴケとコメバキヌゴケの区別は超難解で、細胞の違いを比べないと正確な両種の判別は付けにくいことから、当然、野外での肉眼での判別は不可能です。両種とも剋浮ヘ2列なので、1列の種類とはデジカメがあれば他種との区別は何とかできるかと思います。ただ、植物体も似た種類が多いので、凾ェある時期を逃したら手に負えなくなることは間違いありません。
当方は見た目での観察で種類を特定していく安易な方法をとっているので、顕微鏡が必要な特徴は確認していません。完璧に名前を調べたい方、名前が分かった上で特徴を見たい方は、専門の図鑑を調べるか専門のサイトに行くことをお勧めします。当方が判別に苦労したノミハニワゴケとよく似たコケ、コメバキヌゴケを調べてみました。
・ノミハニワゴケとコメバキヌゴケは、さらに剳ソの赤い色が特徴のヤノウエノアカゴケとも似ています。コケの仲間は似たものが多く、何が何だか分からなくなってしまいそうです。良く似ている種類にヤノウエノアカゴケにはネジクチゴケもあります。この両種もついでに調べてみました。写真はないので、もし撮れたら追加したいと思っています。
★ノミハニワゴケ シノブゴケ科。雌雄同株。普通種で緑色から黄緑色の小型〜大型のコケ。古くなると植物体は褐色になります。変異のある種類になります。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。岩上、腐木上、土上。都市部にも普通に生育しています。茎は長さ10ミリ以下。茎葉は1・5〜2ミリで広卵形や葉先のとがった広卵形。枝葉は卵形〜狭卵形、広披針形で葉先が尖り、葉は乾いても縮れません。乾燥時、葉は茎に密着します。葉の中肋は葉先から突出します。葉縁には細歯がある。茎は地表を這い密に枝分かれする。枝は不規則に分枝して羽状に見えます。茎は10ミリ程で枝は5ミリ程です。都市部にも普通、若い時期は剳ソの上部は黄色をしていて、春先に凾多数付けます。若い時期には上向きに成長していた凾煢。向きになっていきます。剳ソは赤褐色、橙褐色で長さは20〜30ミリ。若い時の凾フ上部は黄色をしています。剋浮ヘ2列。外剋浮ヘ黄褐色で上部にパピラがあり、下部には縞があるようです。よく似た種類にコメバキヌゴケがあります。ノミハニワゴケとコメバキヌゴケは細胞の形や剋浮調べないと正確な判別できないようです。つまり、肉眼では判別できないということになります。
★コメバキヌゴケ シノブゴケ科。雌雄同株。普通種で個体変異のある小型〜中型のコケで枝は不規則に分枝して羽状に見えます。茎の長さは5センチ以下。葉先は長く針状に尖っています。特徴は葉身細胞の中央に1個のパピラがあるそうです。この特徴は顕微鏡がないと確認はできません。中肋は葉先に近くまで届くか突出するようです。葉縁には細歯があります。葉は乾燥時、茎に密着します。凾ヘ長さ2ミリ。剋浮ヘ2列あります。外剋浮ヘ黄褐色で上部にパピラがあり、下部には縞があるようです。内剋浮ノは細かいパピラがあるようです。剳ソは長さ20〜25ミリ。剳ソは上部が黄緑色で下部は赤褐色をしているようです。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。日当たりの良い土上、湿った土上、腐木上、樹の根元に生育します。
ノミハニワゴケはコメバキヌゴケの特徴の比較。
・ノミハニワゴケはコメバキヌゴケに似ていて、正確には顕微鏡で細胞を調べないと判別できません。ノミハニワゴケの凾ヘ横向きで剋浮ヘ2列のハイゴケ型。剳ソの上部は最初は黄色をしています。葉は広披針形で葉先が尖り、葉は乾いても縮れません。葉の中肋は葉先から突出します。変異の大きい種類になります。顕微鏡で煮ると、葉の中部の葉身細胞は方形から扁菱形をしていて、背面の上端にはパピラが1個見えるそうです。
・コメバキヌゴケの剋浮ヘ2列のハイゴケ型で外剋浮ヘ黄褐色、上部にパピラがあり、下部には縞があるようです。小さすぎて肉眼では確認できないのですが、内剋浮ノは細かいパピラがあることが特徴のようです。剳ソは上部が黄緑色で下部は赤褐色をしているようです。変異の大きい種類になります。茎葉は方形〜六角形で、葉身細胞の中央に1個のパピラがあるそうです。
この様に違いを比較して見ても、顕微鏡で調べないと判別が難しいです。困ったものです。ここでは上記の特徴を踏まえて(顕微鏡の検査なし)名前を当てて見ました。
ノミハニワゴケ1乾燥時.JPG
上、ノミハニワゴケ。基部の葉は卵形です。中肋が葉先より突出していて、葉先が長く尖って伸びています。乾燥時に葉が密着していませんので、細胞は調べていませんが、ここではノミハニワゴケとしておきます。剳ソの赤い色が目立っています。
ノミハニワゴケ.JPGノミハニワゴケ凾Q、拡大.JPGノミハニワゴケ剋.JPG
ノミハニワゴケの凵B上、若い凵B中、凾ェ横を向いています。まだ蓋が付いている状態です。下、剋浮フ様子。剋浮ェ2列あるハイゴケ型と呼ばれる形をしています。凾ヘ赤褐色になっています。
コメバキヌゴケ乾燥時葉が密着する.JPGコメバキヌゴケ湿潤時・針状に尖っているのでコメバキヌゴケ.JPGコメバキヌゴケ若い剳ソ・葉は密着.JPG
コメバキヌゴケ。上、乾燥時の様子。中、上と同じ個体に水を与えた時の様子です(写真の位置はほぼ同じ)乾燥していると葉は縮れていなくても茎に密着していて目立たなくなります。水分を霧吹きで与えるなどすると、すぐに葉を広げる種類のコケと違い、葉を広げるのに時間がかかりました。コケはこのように乾燥時と湿潤時では見た目が変わってしまいます。下、別個体の植物体の様子。乾燥時なので葉が密着しています。
コケは総称的にコケとしてしまえば簡単なのですが、名前を知りたくなると判別がとても難しいです。変わった形をした凾ヘ拡大して見ると面白いです。興味のある方は是非見比べて見てください。変わった個性的な形に驚かれると思います。気っと面白い発見ができると思います。
・ヤノウエノアカゴケとネジクチゴケも良く似ています。この両種も調べてみました。
ヤノウエノアカゴケとネジクチゴケは科が違っていても同じに見えてしまうコケです。
ヤノウエノアカゴケとネジクチゴケは似ています。コケ全般について言えることですが、似て見える種類が多く判別に迷います。見つけても全く分からないことも多く、大変厄介です。ヤノウエノアカゴケとネジクチゴケも良く似ています。ただ凾ェできる時期に見比べると判別しやすくなります。ネジクチゴケは凾ノ特徴があるので分かりやすい種類と言うことができると思います。ヤノウエノアカゴケは剳ソが赤くなることが特徴になりますが、剳ソが赤く見える種類は他にもあるので、思い込みや見た目での判別には注意が必要です。正確に種類を知るためには細胞を調べるなど、肉眼だけで判断することは難しいです。ヤノウエノアカゴケとネジクチゴケを調べて見ました。
★ヤノウエノアカゴケ キンシゴケ科。別名はムラサキヤネゴケ。汚緑色〜黄緑色で植物体は密に込み合って見えます。雌雄異株。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。 開けた場所の砂質の土上。わらぶき屋根の上、道路脇などにも生育する適応力があります。茎の高さは0・5〜10ミリほど。葉の形は広披針形〜披針形。葉は乾くと巻いて縮れ、茎に密着します。凾ヘ曲がった円筒形をしていて長さ1〜2ミリで赤褐色をしていて口環があります。凾フ蓋の嘴は短く、凾フ基部には低いコブのような隆起があります。凾ヘ赤褐色で乾くと深いしわができます。剋浮ヘ1列で16本。基部の近くで2列します。剳ソは長さ10〜30ミリで直立します。剳ソの色は鮮やかで、黄褐色、赤褐色、赤紫色をしています。剳ソの色により赤く見えることがヤノウエノアカゴの特徴になっています。砂質の土壌を好みますが、わらぶき屋根の上にも生えることがあります。この剳ソの色の特徴が名前の由来になっています。屋根の上に生える赤いコケ。見た通りのネーミングですが、わらぶき屋根を普通は見ることはできなくなってきています。乾燥時は葉を閉じていて緑色は目立ちませんが、雨などで湿ると急速に葉を広げます。
良く似ているヤノウエノアカゴとネジクチゴケの判別は凾フ蓋を見比べます。ヤノウエノアカゴの場合、凾フ蓋が短い特徴があり、剿Xの嘴は短く基部にはコブ状に見える隆起があるものが多いようです。ネジクチゴケの凾ヘ捻じれています。この特徴からよく似たネジクチゴケと見分けることができます。苔の分類は大変難しくヤノウエノアカゴケとネジクチゴケもよく見比べないと判別が難しいです。大まかな見た目では赤い色が強く目立つ特徴があるヤノウエノアカゴケの方が分かりやすいと思います。
★ネジクチゴケ センボンゴケ科。ネジクチゴケは普通種の雌雄異株のコケで、不透明な黄緑色をしている綺麗なコケです。草丈は10〜20ミリ。分布は北海道、本州、四国、九州。低地から山地の土上に生育します。日当たりの良い場所にも生育します。ネジクチゴケは丈夫でコンクリートやアスファルトの土上にも生育していて、都市部でも普通に見ることができます。乾乾燥時は葉は縮れます。茎はほとんど分枝することはありません。似たコケにヤノウエノアカゴケがあります。ヤノウエノアカゴケと同じうようにネジクチゴケの剳ソも赤褐色をしていますが、剳ソの長さは10〜25ミリで、剳ソの上部は黄褐色をしています。凾フ蓋には長い嘴があります。口環はありません。凾ヘ円筒形で剋浮ヘ32本あり長くて捻じれる特徴があります。この特徴から凾ェできる時期に凾見比べるとヤノウエノアカゴケとの判別はつけやすくなります。凾フ無い時期だと判別は難しいです。凾ヘ早春の2〜4月頃に見ることができます。凾ノ特徴のあるネジクチゴケ以外のセンボンゴケ科は判別が難しいです。
両種の違いを比べて見ました。
・ヤノウエノアカゴケは乾くと葉がまく。葉の先端に小さな鋸歯があります。剋浮ヘ細長く赤褐色で上部は黄色をしています。剋浮ヘ1列で16本。剋浮フ凾ヘ乾燥すると縦しわが見えます。凾フ基部には小さなコブに見える隆起した部分があるものとないものがあります。
・ネジクチゴケの凾フ蓋には長い嘴があります。凾ノは口環はありません。剋浮ヘ32本あり長くて捻じれる特徴があります。凾フ形は円筒形をしています。
今回紹介したコケは、このように記載して行けば行くほど分からなくなってしまいそうです。ある程度の参考になればと思っています。コケは似た種類が多く、本格的に調べたい方は図鑑を用意した方が良いと思います。
posted by クラマ at 18:47| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする