2019年06月28日

ヒダリマキマイマイ。巻き方が違う左巻きのカタツムリです。

多くのカタツムリ(正式にはマイマイ)は、ほとんどが殻の巻き方は右巻きです。ヒダリマキマイマイは名前にある通り、普通見られるカタツムリとは逆向きの左巻きをしていることで、種類が簡単に分かります。観察地の神奈川県横浜市では、左巻きの種類のカタツムリは森林性のヒダリマキマイマイになります。大型の種類で時に殻径は50ミリ近くになることもあるようです。殻の幅も高さもあるカタツムリなので、やたらと大きく見えます。庭や畑など人家付近など低地で見ることはなく、林や林縁などに多い種類です。観察地の林床などで白くなった大きな抜け殻(死骸)を調べると、左巻きであることが多いです。生息を確認した場所で、里山を作るための下草や小さな樹の伐採が行われたので、開けた環境になった場合、その後、数が増えたのか減ったのかなど調べてみたいと思っています。ヒダリマキマイマイは山地性のカタツムリなので、他の種類と違い、見たことがある人は少なくなると思います。しかし、探してみると神奈川県では多い種類になるので、見つけることができると思います。ちょっと変わったカタツムリ探しも面白いと思います。変わった種類としては、最近、神奈川県でも確認されているコハクオナジマイマイという種類がいます。当方はまだ見たことがありません。西日本に多い種類で、黄色い殻に見える綺麗なカタツムリだそうです。探してみたいのですが、まだ見つけるに至っていません。日本固有種のコハクオナジマイマイが生息地域を飛び越えて関東に現れた経緯は、人為的な移動があったのではないのかと言われています。要するに、逃げ出したコハクオナジマイマイが野外で繁殖したのではないのかと推測されています。千葉県、房総半島で1991年に関東では最初に発見されたようです。コハクオナジマイマイの分布は本来、九州、四国南部、中国地方西部なので、このことから国内外来種とされています。見つけてみたいものですが、まだ当方観察エリアの近くまでは進出していないようです。コハクオナジマイマイには大きく分けて2つの型があり、殻に色帯のある型(有帯型)と色帯のない型(無帯型)があるそうです。大型のカタツムリ、ヒダリマキマイマイを調べてみました。
★ヒダリマキマイマイ オナジマイマイ科。殻径は30〜45ミリ程の大型のカタツムリ(マイマイ)。山地性で林内、雑木林、林縁に多く生息しています。低地や市街地では見ることができません。分布は本州(関東以西)、伊豆諸島。関東地方では個体数が多い種類になるようです。殻には1本の褐色の帯が入っています。この色帯は幅が狭いです。名前の通りに左巻きのカタツムリです。軟体部は暗褐色をしています。殻の中心部は高さがあります。関東地方に住む大型のカタツムリのミスジマイマイがやや平べったい殻をしていることに対して、ヒダリマキマイマイは中心部が盛り上がっているので、こちらの方がより大型に見えます。日本のレッドデータによると岩手県では準絶滅危惧種になっています。ヒダリマキマイマイには2つの型があり、山地性のものは色が濃い濃色型が多く、低地には色の薄い淡色型が多くいます。産卵は7〜9月に盛んに行われます。乾燥に弱いので、夏には活動を休止します。あまり暑い日が続く場合、夏眠することも知られています。10月頃に産んだ卵はそのまま越冬に入るようです。
ヒダリマキマイマイ.jpg
ヒダリマキマイマイです。この個体はかなり大きく、殻径は45ミリはありました。特大のサイズです。ヒダリマキマイマイのいる場所(死骸で確認)は3か所見つけてあったのですが、やっと撮影できました。ヒダリマキマイマイは殻に丸みがあるので、やたら大きく見えました。死骸の殻が白色に白化した殻はよく見るのですが、生きた個体はなかなか見ることができないでいました。軟体部分の幅も広く、殻も大きな迫力のあるカタツムリ(マイマイ)です。若干の湿り気がないと見つけることが難しい種類なのかもしれません。降水量0%の霧雨の日に見つけました。
見つけてみたい種類のコハクオナジマイマイは千葉県房総半島南部には定着していて、神奈川県でも確認されています。今後見つけてみたいカタツムリです。関東地方での分布は茨木県、千葉県、東京都、埼玉県、神奈川県で確認されています。東海地方にも進出しているようです。どうやら繁殖力は強いようです。運よく見つけられましたら写真を追加したいと思っています。カタツムリは面白いだけでなく、危険な面も持っています。カタツムリには人体に害を与える危険な寄生虫が寄生しているので、必ず触ったら手を洗うようにしましょう。カタツムリを食べる食文化もあるのですが、生で食べる人はいないと思うのですが、カタツムリは決して生で食べてはいけません。カタツムリの寄生虫にはロイコクロリディウム、広東住血線虫、ブラキライマ属吸虫などがいます。これらは日本でも確認されている寄生虫です。本来ロイコクロリディウムは人に寄生することはありませんが、体内に寄生する可能性があります。1番危険なのが広東住血線虫で、感染した場合、治療法や特効薬がまだ見つかっていないことです。食べなくてもカタツムリの殻だけでなく、通った後のネバネバ(粘液)などに触った場合も手を洗うようにした方が良いわけになります。面白い生き物なので飼う人もいると思います。ペットとして飼う場合にも衛生面には注意が必要になります。安全に飼って楽しんでください。
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2019年06月27日

樹に生えていたコケ5種類。ヒナノハイゴケ(クチベニゴケ)、サヤゴケ、タチヒダゴケ、コゴメゴケ、カラヤスデゴケ。

今回は樹に生えているコケを見つけてみました。樹の樹幹、樹皮、倒木上にあるコケでも、岩や石の上、石積みなどの塀でも見つけることができる種類もあります。普通に見られる身近な公園、街路樹にあるコケを探してみました。今回見つけたコケは比較的に汚染に強い種類になります。特に道路脇の街路樹で見つけられる種類は大気汚染と乾燥に強い種類になります。コケは乾燥時と湿潤時では容姿が変わるので、同じ種類の同じものを見比べると面白いです。似た種類が多いので、詳しくは顕微鏡等を使って調べないといけないことは前回も述べましたが、何分似た種類も多いので名前に間違いがあることが考えられます。今回も正確な種類の判別のための顕微鏡検査はしていません。写真が間違っている可能性もあることを踏まえて参考にしていただけたらと思っています。コケは乾燥時よりも水分を含んだ状態の方が特徴が分かりやすく、葉を広げた状態を作るために、観察時に霧吹きなどで水分を与えると特徴が分かりやすくなります。今回のコケは最も普通に見ることができる種類といえるので、探せば簡単に見つかるかも知れません。ヒナノハイゴケ(クチベニゴケ)、サヤゴケ、タチヒダゴケ、コゴメゴケ、カラヤスデゴケ。を調べてみました。ヒナノハイゴケ(クチベニゴケ)は岩やコンクリート壁にも着生するコケで、今回は樹幹に発生するコケとして紹介しました。樹幹で見ることの方が普通で、当ブログ2度目の登場です。
★ヒナノハイゴケ(クチベニゴケ) ヒナノハイゴケ科。雌雄同株。コケとしては分かりやすい種類になります。ヒナノハイゴケの特徴は凾フ帽が取れると先端部に赤色が見えることです。この特徴からヒナノハイゴケの別名としてクチベニゴケと呼ばれることがあります。凾フ先端が赤く見えることが別名のクチベニゴケの名前の由来となっていて、別名の方が覚えやすいかも知れません。茎は密に分枝して這うように広がっていきます。樹幹に大きな群落をつくることもあります。葉は背葉と腹葉があり、背葉は卵形をしています。葉は乾いても縮みません。葉の色は淡緑色〜暗緑色で葉先は尖っていて中肋はありません。乾燥している時は色は薄く見えます。凾ヘ卵形で長さは0・9〜1・8ミリで多数の凾付けることが多いです。剿Xが取れると橙色の蓋(ふた)があります。蓋が取れると見える口環は赤色から赤褐色をしています。凾ノは剋浮ェあります。剳ソは極めて短く葉に隠れて見えません。凾ヘ小さいのですが赤味を帯びて見えることから、凾多数つけている時期には樹幹にコケガ生えていることに気が付くことがあります。分布は本州、四国、九州。普通はヒナノハイゴケは低地の樹上に生えていますが、岩上にも生育しています。普通は樹上に多く生育している種類ですが、茎には仮根もあるので岩上や表面の粗いコンクリート上でも生育している所を見ることができます。ヒナノハイゴケは他のコケ類よりも乾燥に強く日の当たる場所でも生育できるので、日当たりの良い樹幹にも生育している丈夫なコケです。
ヒナノハイゴケ樹幹のコケ1.JPGヒナノハイゴケ樹幹のコケ2.JPG
ヒナノハイゴケ(クチベニゴケ)。サクラやケヤキの樹幹で見つけることができます。大気汚染にも強い種類なので、都市部の街路樹でも見つけることができます。凾ェ橙色をして見える特徴があるコケで、別名クチベニゴケの名前があります。淡い色の蓋のヒナハイゴケも見つけました。個体差があるようです。上、凾フ様子です。周りに見える黄色い色は地衣類のロウソクゴケです。下、葉が開いた状態です。葉は形が2通りあります。背葉は卵形をしています。
★サヤゴケ ヒナノハイゴケ科。サヤゴケは市街地でも普通に見られる、低地〜山地の樹木の樹皮に着生している小型のコケで低地に多いようです。小さな盛り上がった塊で、しっかりとして見えます。サクラの古木に多く見られます。高さは5〜20ミリ。茎(植物体)が立ち上がったように見えます。葉は2ミリ程と小さい披針形です。乾燥時には葉は茎に接してしまいますが、葉は縮れません。深緑色で樹幹に塊を作って張り付いています。分布は北海道、本州、四国、九州。街路樹や公園のサクラなどの樹幹に塊を作って張り付いています。サヤゴケは日当たりの良い樹幹に群生して大きな塊に見えることもあります。大気汚染には強くないので、都市部の汚染の進んだ環境では生育できません。この性質から大気汚染の指標植物とされています。サヤゴケの凾フ部分は成長の過程で見え方が変わります。帽がついていると凾フ先端が尖って見えます。帽が取れると花の蕾の様に見えます。小さいので拡大して見ないと分からないのですが、剋浮ヘ1列で16本あるようです。剋浮ニは凾フ上部、胞子がでる出口の外縁に見える小さな花びらのように見える部分です。剳ソは長さ1・5〜3ミリ。サヤゴケの特徴は凾覆う雌苞葉が鞘状に柄を包んでいることです。この特徴が名前の由来にもなっているようです。
サヤゴケ.JPGサヤゴケ乾燥時.JPGサヤゴケ.JPG
サヤゴケです。上は湿潤時のサヤゴケです。こんもりとして見えます。サクラの樹幹にあったもので、小さくてもしっかりとした塊を作っています。サヤゴケの周りに見えているのはレプラゴケです。サヤゴケとレプラゴケが何とも言えない美しさを見せてくれています。凾ヘまだ帽を付けている状態の写真になります。中、びっしりと付いたサヤゴケの凵Bウメの樹にタチヒダゴケと競って生えていました。下、サヤゴケの凵B先端の黄色い色が可愛いです。
★タチヒダゴケ 別名コダマゴケ。タチヒダゴケ科。タチヒダゴケは樹木の樹皮に着生して生育する雌雄同株のコケです。乾燥した状態では葉を閉じていて目立ちませんが、雨が降ると1気に緑色の葉を広げます。乾燥時の葉は縮れないで茎に対して閉じてます。乾燥した状態でも凾ヘ良く見えています。タチヒダゴケの凾ヘ卵型(楕円形)をしていて、凾ノは8本の縦縞があります。剳ソは極めて短いです。外剋浮ヘ8本あります。鋭く尖った先端をした帽をかぶっています。剿Xには深い縦筋が入っています。茎は10ミリ前後と小さなコケですが、凾ェ良く目立つという特徴があります。 分布は本州、四国、九州。低地から山地の樹幹上に小さな塊になって着生しています。
稀に岩上にも生育するようです。タチヒダゴケは乾燥に強く、日当たりのよい広葉樹の樹幹で見ることが多いです(針葉樹ではまだ見たことはありません)小型ですが探すと見つかる種類です。
タチヒダゴケ凾P.JPGタチヒダゴケ凾Q.JPG
上、タチヒダゴケです。上は若い凾ナ帽をかぶっています。可愛い卵に似た楕円形の凾ヘ刃よりも大きく存在感があります。ウメの樹にありました。下、帽が取れた状態です。サクラの樹幹にありました。剋浮ヘ8本あります。拡大すると可愛い凾ェ魅力的なコケです。
★コゴメゴケ コゴメゴケ科。コゴメゴケは小型のコケで乾燥や大気汚染にとても強く、剳ソも10ミリ以下で小さな凾付けます。枝葉の長さも1ミリ以下の小さなコケです。市街地などの街路樹に多いコケです。分布は北海道、本州、四国、九州。サクラやケヤキなどの街路樹で厚みの少ない大きな塊を作っていることが多く、街路樹を探すと見つけることができます。サクラ、ケヤキ、クスで見ることが多いですが、針葉樹にも付くことがあります。山地には少ないようです。コゴメゴケは都市部に適応した乾燥と汚染に強いコケなので街路樹や都市部の公園でも探すと見つかりやすいです。
コゴメコケ乾燥時.JPGコゴメゴケ湿潤時.JPG
コゴメゴケです。駅前に近いバス通りの街路樹(ケヤキ)にありました。街路樹、自然公園などではケヤキ、サクラに多いです。冬場でも雨上がりには樹幹に緑色になったコゴメゴケが見られます。
★カラヤスデゴケ ヤスデゴケ科。雌雄異株。カラヤスデゴケは乾燥にも強い最も普通に見られるヤスデゴケで、茎は樹幹や石の表面を不規則に分枝して這います。植物体は、やや光沢のある紫褐色や赤褐色、暗褐色に見えます。乾燥時は黒っぽく見え、湿り気を帯びると緑色を帯びて見えます。背片は卵形で重なり連なって長く伸びて見えます。複葉の葉先は2裂していて切れ込みは1/3程になります。ヤスデの様にも見えなくもないコケ類とは1見思えない不思議な形をしたコケです。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。低地の常緑樹や落葉樹の樹幹、岩上にも生育するようです。大気汚染にも強い種類のコケと共に確認できるので、大気汚染にも強いようです。生育する樹種は多いようで、色等、変異のある種類になるようです。良く似たミドリヤスデゴケは緑色から赤褐色をしています。ミドリヤスデゴケの腹葉の切れ込みは浅くなります。
カラヤスデゴケ1.JPGカラヤスデゴケ2.JPG
カラヤスデゴケです。海藻やゴカイやイソメの様な海の生物にも似て見える、実に不思議な姿のコケです。上、周りのピンクっぽい色等は地衣類の色です。下、ケヤキで見つけました。地衣類と競って生育していました。カラヤスデゴケは樹幹に張り付いたように枝を伸ばす、面白い形のコケです。変わった形だけでなく、乾燥時の色は干したヒジキの様にも見える色をしています。緑色をしていないコケなので、コケの仲間というよりも地衣類かと思ってしまうコケです。
コケは植物体は似たものが多いので、見分けるのは難しくなります。凾付けている時期に凾フ特徴を調べると種類が分かるものもあります。コケの凾ヘ形が個性的なものもあるので、拡大してみると面白いです。冬や春先など、まだ他の植物が活動を始める前でも観察することができるのでお勧めです。今回紹介した種類は普通種なので、公園や街路樹を探すと見つけることができると思います。観察には凾ェ付く頃が面白いです。
posted by クラマ at 03:58| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月26日

ハグロハバチの幼虫。イモムシ型の幼虫は、カラフルで黒い斑紋が並んでいます。

ハバチは葉っぱを食べて育つ不思議なハチです。今回紹介するハグロハバチは普通種で、雑草のスイバ、ギシギシ、イタドリの葉を餌にしているハチです。ハグロハバチの幼虫は普通種で簡単に見つけることができます。ハバチの幼虫の特徴は頭部が大きく、複眼の部分(目)が黒くて大きいことです。イモムシとしては、とても愛嬌のある可愛い顔に見える種類が多いです。ハバチの幼虫の場会、他のハチ類の幼虫が蜂蜜を貰ったり、蓄えられた花粉等を食べて育つのとは違い、葉に産み付けられた卵が孵ると、自力で生きていかなければなりません。ガやチョウの幼虫の様に葉を食べて成長して行きます。姿はイモムシ型なので、ハチの幼虫であることは知っている人以外には驚きの事実になると思います。探してみるとハバチの仲間は様々な植物に寄生していることを発見することができます。ハバチは種類の多い珍しくない存在なのです。ハバチは幼虫よりも成虫の方が見つけにくく、似た種類が多いので判別が難しくなります。幼虫は容姿の特徴、食べる餌の種類(食草、食樹)により、成虫よりも分かりやすくなっています。チョウやガとハバチの幼虫の見分け方は腹脚の数を数えることで見分けることができます。チョウやガの場合、腹脚は4対(あるいは4対以下)、ハバチの場合は腹脚の数が多く5対以上あることです(種類によって腹脚の数は変わります)。頭部にも違いがあります。ハバチの複眼は大きく、丸く大きな頭部(顔面)には眼にあたる1対の黒い斑紋が見えます。この2つの特徴が当てはまったら、見つけた幼虫は、ほぼハバチである可能性が高いです。ハバチ類は種類により雑多な樹の葉や草の葉を餌にしているのですが、似たイモムシがいても、この特徴を知っているとガやチョウの幼虫と見分けることができます。普通種のハグロハバチの幼虫は年4〜5化する地域もあり、11月まで見ることができるうえ、スイバ、ギシギシ、イタドリが雑草として生えていることから、見つけることが簡単な種類になるので、観察に向いているハバチになります。ハグロハバチと不明種のハバチの写真を紹介します。当ブログ、ハバチの紹介は今回で3回目になります。
★ハグロハバチ 幼虫はタデ科のスイバ、ギシギシ、イタドリの葉を食べます。出現は5〜11月。成虫の出現は4〜10月。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。年4〜5世代と発生も多く、数も多いので普通に見ることができるハバチの幼虫です。葉に穴の開いているスイバ、ギシギシ、イタドリを探せば高い確率で見ることができます。観察地では特にスイバ、ギシギシに多く見られます。イタドリにも発生していますがスイバ、ギシギシ程ではありません。ハグロハバチの成虫は毒針をもたないので、刺されることはありません。幼虫は20ミリ程になるイモムシ型でハチの幼虫には見えません。幼虫は青緑色で腹部下面は黄色味を帯びています。体側には黒い斑紋が並んでいます。頭部は黄色で黒い水玉模様が並んで見える幼虫です。若齢幼虫でも大きくなった幼虫でも、葉裏で丸くヘビがとぐろを巻くような形で丸まっていることが多いです。頭部を下にして尻部を上方に位置した状態にしてまるまっています。とても面白い習性です。若齢だと黄色い頭部と体側に並んだ丸い斑紋が可愛いです。体色には個体差があって青緑色、薄緑色、青緑色などに見える個体がいます。同じ食草の個体群は全部同じ体色をしていることから、食べる餌の違いによるものなのかと思います。終齢に近づくと体色が濃くなり暗青緑色や暗い藍色に見えます。終齢になると頭部の色も黒っぽく変わります。幼虫は土中に潜り蛹になります。越冬は蛹で行います。成虫は4月に羽化します。
ハグロハバチ幼虫.JPGハグロハバチ・ギシギシ幼虫2.JPG
ハグロハバチの幼虫です。成虫を見つける方が難しいハチです。幼虫の体側には11〜12個の丸い斑紋が等間隔で並んでいます。この黒い水玉模様に見える斑紋と食草からハグロハバチの幼虫であることが分かります。若齢から終齢まで個体群により色の変異がある種類なので、探してみると色彩に濃淡などの個体差等があるので、実に面白いです。上、スイバにいました。体側の斑紋(黒斑)が12個あります。下、ギシギシの葉にいた別個体です。こちらは11個あります。若い幼虫は色が薄く綺麗に見えます。終齢に近づくほど体色は濃く暗い色になります。
・コンボウハバチ類の幼虫は多くは広葉樹の葉を食べるようです。以下はコンボウハバチ類と思われる幼虫です。種類は分からません。
ハバチ幼虫。ハバチ科ヤブガラシ.JPGハバチ。トウネズミモチに寄生・名無し.JPG
種類の分からなかったハバチの幼虫です。上、ヤブガラシにいた幼虫。下、トウネズミモチの葉にいた幼虫。
ハバチの幼虫は名前の分からないものも多くいます。日本にはハバチの仲間が800種類ほどいるそうです。探すと見たことのない幼虫が沢山見つかるかも知れません。ポイントは腹脚の数です。5対以上ならハバチで間違いありません。寄生していた植物を記録しておくと、幼虫から種類が分かるものもいると思います。刺される心配のないハチなので、植物と合わせて観察すると面白いと思います。当初は苦手感のあった幼虫ですが、見慣れてくると可愛く見えてくるから不思議です。
posted by クラマ at 16:14| Comment(0) | 昆虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする