2017年09月23日

ミンミンゼミとツクツクボウシ。夏を代表する鳴き声が個性的なセミです。

ミンミンゼミもツクツクボウシも鳴き方に特徴があって、実に面白いセミです。ミンミンゼミは名前の通りに「ミーン、ミーン」と大きな音量で鳴きます。大型のセミで色も綺麗です。ミンミンゼミを観察していると個体により体色が違っていることが分かります。緑色が強いもの、水色が強いもの、黒い色が強いもの、黒化型などがいます。稀に黒色がほとんど見えないミカド型とかミカドミンミンと呼ばれるミンミンゼミも現れることが知られています。ミンミンゼミには綺麗な青や緑をベースにした複雑な斑紋が胸背部に見えています。翅は透明で美しく、体に対して大きな翅をもっています。都市化が進む中、都市部の街路樹にも多く発生しているセミです。ツクツクボウシは小型〜中型で長細く見える体形をしたセミです。小さくても鳴き声の音量はかなりのもので「オーシイツクツク、オーシイツクツク…」と変わった鳴き方をします。特に「オーシイツクツク、オーシイツクツク…」の後に聞こえる鳴き方は、人によって違って聞こえるようです。人により鳴き声の表現が非常に異なっているのです。ツクツクボウシのように音の幅や鳴き方が大きく変化する昆虫はいないと思います。警戒心が強く、人が近づくと逃げ出すことが多いセミなので、大胆なミンミンゼミよりも見る機会は減ると思います。ミンミンゼミは街路樹などで見つける時は、人間の背の高さ位にいることも多く、慌てて逃げ出すことも少ないセミです。特に午前中は木の低い所で見ることが多いです。ツクツクボウシの配色は、関東地方では若干、ヒグラシに似て見えます。はっきりとした色彩を持たないセミで、決して綺麗なセミとは言えないくすんだ緑色をして見えます。先にふれたように、ツクツクボウシは変わった鳴き声を楽しめるセミです。セミと言うとセミの抜け殻の方が見る機会が多いと思います。セミは地中にいる幼虫が羽化のために地上に出てきて、幼虫の背中の正中部分にできる裂けめから脱出して(脱皮)成虫になります。ニイニイゼミは泥まみれの抜け殻をしていますが、他のセミの場合、多くは綺麗な抜け殻をしています。セミの幼虫の形はどれも似たものが多いのですが、ツクツクボウシの幼虫は小さくて細長いことと、抜け殻の色が淡い肌色に見えるのですぐに分かります。ミンミンゼミの幼虫の抜け殻は、クマゼミ、アブラゼミ、ヒグラシの幼虫の抜け殻と似ています。種の違いは触角にでるので、触角の部分を見比べると判別することができます。ミンミンゼミの幼虫の特徴は、触角が先端に向けて徐々に細くなっていくように見えることです(当ブログ内でセミの幼虫の見分け方を紹介しています)この特徴を覚えておくと、ミンミンゼミの幼虫やミンミンゼミの抜け殻を特定することができます。暑苦しいと感じる人がいるかもしれませんが、セミの鳴き声を聞くと夏を感じることができます。個人的には、セミの鳴き声としてはミンミンゼミの鳴き声が夏らしくて1番好きです。次がツクツクボウシの鳴き声です。滑稽に聞こえる鳴き声には個体によって上手下手があって、なかなか面白いセミです。これには鳴き方の複雑さの要素もあるように思います。また全力を振り絞って鳴いているように聞こえる必死さも笑えます。必死に相手を見つけていることには間違いないのですが、思わず「突っ込み」を入れてみたくなってしまいます。当方は耳に残るツクツクボウシの鳴き声を聞かないと、夏も終わらないと思える存在のセミになっています。セミは男性の場合、あまり気にしないことが多い昆虫なのですが、女性の場合、嫌いな昆虫の上位に挙げられるようです。男女で好き嫌いの分かれる昆虫も珍しいと思います。夏を代表する昆虫と言えるミンミンゼミとツクツクボウシを調べてみました。
★ミンミンゼミ セミ科。雄雌ともに翅を含めた全長は57〜63ミリ程。体長は雄35〜37ミリ。雌33〜35ミリ。ミンミンゼミの特徴は翅が非常に長く体形は丸味のある寸詰まりに見えます。翅の色は透明です。胸背部には黒い地色に水色や緑色に見える模様(斑紋)があります。体色に黒い色がほとんどない体色をしたミンミンゼミをミカド型やミカドミンミンと呼ぶようです。稀に出る珍しいミンミンゼミと言えます。水色や緑色の濃い個体はとても綺麗です。黒色が強い個体や黒化型などがいて色彩には個体変異が多いです。ミカド型と通常型の中間型もいます。寒い地域のミンミンゼミでは黒色が強く出るようです。当方は、ミンミンゼミの色によるタイプの線引きが良く分かりません。しかし、この個体差により斑紋や色彩がばらけることがミンミンゼミの魅力だと思っています。出現は7〜9月。分布は北海道、本州、四国、九州。北海道での発生は局所的になるようです。北限は北海道の屈斜路湖の近辺になるようです。関東地方では平地から低山地まで広く生息していて数も多く普通に見ることができます。東京都、神奈川県では都市部に進出して来ていて、都市部の街路樹でも見つけることができます。関東以南になると山地に多くなる種類になるようです。昼行性で日中の暑い時間は樹の上の方にいることが多いです。成虫は主に広葉樹の樹の汁、幼虫は土中に似て植物の根から汁を吸います。越冬は初年は卵で越冬します。その後は幼虫で土中で越冬します。
ミンミンゼミ1.JPGミンミンゼミ2中間型.JPGミンミンゼミ3中間型.JPGミンミンゼミ4通常型.JPGミンミンゼミ5通常型.JPG
1枚目、ミンミンゼミの全体の形が分かる写真です。この個体は淡い黒地に緑色の個体です。2、3枚目(同1個体)、上の個体に似た配色ですが、さらに黒い色が弱く薄くなっています。ミカド型と通常型の中間型のミンミンゼミで良いようです。通常の黒色に見える部分の色が薄く、わずかにぼかした墨のような黒い色は見えるのですが、斑紋は黒と言うよりは淡い茶色に見えます。色彩が羽化して間もないミンミンゼミにも似て見える個体です。黒い部分が少ない中間型の個体です。4枚目、通常型で黒地と水色が見える個体です。神奈川県の当方観察エリアで1番多く目にする配色です。5枚目、通常型で黒地と青色(濃い水色)が見える個体です。ミンミンゼミの色彩には変異があって実に面白いです。ミンミンゼミは大きく分けてミカド型、緑色型、通常型、黒化型に分けられるようです。黒い色を欠いたミカド型のミンミンゼミ(ミカドミンミンン)も見て見たいのですが、ミカド型が出る地域には偏りがあって、地域的な変異の要素があると言えます。普通このタイプはめったに出現することがありません。ミカド型は暑い地域で出る確率が高くなるようです。さらに、これらの中間のタイプもいるので、色彩の違いを観察すると面白いです。
★ツクツクボウシ セミ科。雄雌ともに翅を含めた全長は40〜47ミリ程。体長は26〜33ミリ程。雌の腹部先端には産卵管が突き出て見えます。体色は淡い緑色やくすんだ緑色に見え、黒色の斑紋があります。ツクツクボウシは小型から中型のセミで、鳴き声に大きな特徴があるセミです。単調な鳴き方をする昆虫が多い中で、鳴き方が変わっていく不思議なフレーズを持っていて、とても昆虫とは思えないその複雑な鳴き方には驚かされます。人によって聞こえ方が変わるという不思議な鳴き方で、その鳴き方には1定の音楽的要素が備わっていることに驚かざるを得ません(めちゃくちゃに鳴いているわけではないのです)。ツクツクボウシは細い体つきをしていて、色彩にはほとんど変異がなく汚れた緑色をして見えます。翅は透明で腹部は黒く見えます。出現は7〜10月。夏の終わりごろに個体数が増えてきます。分布は北海道、本州、四国、九州。平地から低山地まで広く生息していて数も多く普通に見ることができます。北海道ではかなり個体数が少ないようです。札幌市では確認されているようですが、ツクツクボウシは関東から南に多い南方系のセミなので、北海道では珍しいセミになるようです。午前中よりも午後から活発に鳴き始めます。樹の高い所にいることが多く、地味な体色をしているので見つけにくいセミです。警戒心が強く臆病な性格で、低い所にいても人が近づくと飛んで逃げ出すことが多いです。成虫は主に広葉樹の樹の汁、幼虫は地中に生息していて植物の根から汁を吸います。幼虫の抜け殻には大きさにバラケがあって、小さなサイズから比較的に大きく見えるものまで見つけることができます。越冬は初年は卵で越冬します。その後は幼虫で土中で越冬します。ツクツクボウシはヒグラシやハルゼミに似ています。ツクツクボウシの幼虫には、セミ類から発生する冬虫夏草のツクツクボウシタケが寄生しやすいです。
ツクツクボウシ雄B1.JPGツクツクボウシ雄B2.JPGツクツクボウシ2.JPG
ツクツクボウシです。地味で目立たない色彩をしています。上2枚は別個体で写真を横位置にして比較して見ました。若干の斑紋等の違いは見受けられるものの、ツクツクボウシの場合は、ほぼ同じに見えます。下、胸背の部分の拡大です。ご覧の通り特徴のない地味な配色になっています。
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2017年09月21日

ブドウトラカミキリ、アオカミキリ。どちらも綺麗なカミキリムシです。

ブドウトラカミキリはブドウ類を餌とする害虫になっています。トラカミキリと名前に付いているのですが、名前から受けるイメージはありません。全体的には黒い色をしていて、胸背部の綺麗な赤色が目立つカミキリムシです。よく似た種類にクビアカトラカミキリがいます。1見した体格の違いはブドウトラカミキリの方が細めでクビアカトラカミキリの方が太く見えることです。ブドウトラカミキリはブドウの害虫カミキリムシとして有名ですが、胸背部の赤色が綺麗なカミキリムシです。アオカミキリは綺麗な色彩のカミキリムシです。他にも色彩の似た綺麗な種類のカミキリムシがいます。
ブドウトラカミキリもアオカミキリも神奈川県では見つけにくい珍しい種類になります。カミキリムシの幼虫は木の材を食べるので、飼育が難しい昆虫になります。簡単に飼育ができれば飼育して見たくなるような綺麗な種類も多くいます。カミキリムシ類を最近見ることが少なくなってきていることが残念です。カミキリムシは害虫として嫌われることも多い昆虫なので、好き嫌いが分かれてしまうと思います。ブドウトラカミキリ、アオカミキリと両種に似たカミキリムシを調べてみました。
★ブドウトラカミキリ カミキリムシ科トラカミキリ属。体長は9〜20ミリ(13ミリぐらいの個体が多いようです)栄養状態が良いと大きな個体になります。全体的には黒い色をしています。最大の特徴として、前胸背板(胸背部)は丸みがある縦長をしていて赤い色をしています。上翅(鞘翅)には太く白いX字に見えたり、Cを2個つなげたような形に見える黄白色〜白色に見える斑紋があります。触角が短いカミキリムシです。幼虫が寄生するとブドウの樹を枯らすことがありブドウの重要害虫として農家から嫌われています。出現期は7〜10月。成虫の発生は年1回で8月頃の発生が1番多くなります。分布は本州、四国、九州。ブドウ、ヤマブドウ、エビズルなどブドウ科の植物に寄生します。栽培品のブドウを好むので、ブドウに被害を与える有名な害虫になっています。越冬は幼虫越冬になります。若齢幼虫でブドウの節のあたりに潜みます。綺麗なカミキリムシなのですが、子供の頃庭にあったブドウにいたのを思い出します。被害にあうと若い蔓が萎れて枯れてしまいます。上翅(鞘翅)には2本の白い帯が見えます。日本のレッドデーター  長崎県では絶滅危惧T類。東京都では絶滅危惧U類。神奈川県では準絶滅危惧になっていて、やや珍しい種類のカミキリムシになります。山野で餌となるヤマブドウ、エビズルなどが減っていることによるようです。また、害虫としての殺虫方法も分かっていて、発生が抑えられていることもあり、現在ではかなり少なくなったようです。大変良く似た種にクビアカトラカミキリがいます。見比べてみないと間違いそうな位に良く似ています。
・クビアカトラカミキリとブドウトラカミキリの見分け方。 
ブドウトラカミキリの前胸背板(胸背部)は丸みのある形をしていますが、ブドウトラカミキリの方がクビアカトラカミキリよりも幅が狭く縦長に見えます。体つきを比較すると、クビアカトラカミキリの場合は太さがあり、ブドウトラカミキリの方が細く見えます。上翅に見える白いたすき掛けのように見える模様には違いがあるので、見分ける方法に最適です。斑紋はブドウトラカミキリの方が太く幅の広い✖や太いCの文字をつなげたように見えますが上部は目立つ白ではありません。クビアカトラカミキリの場合、白いたすき掛けのように見える模様は小文字の]の様に見え、白い部分(斑紋の太さ)は細くなります。クビアカトラカミキリはクヌギやコナラの伐採した木や倒木に良く集まるそうです。ブドウトラカミキリは7〜10月に出現して、ブドウ、ヤマブドウ、エビズルなどのブドウ科に寄生します。栽培品のブドウを好むので、ブドウに被害を与える害虫になっています。集まる植物にも違いがあるので、両種を判別する手掛かりになります。どちらも体の大きさには個体差が出るようです。
・クビアカトラカミキリもついでに調べてみました。
★クビアカトラカミキリ カミキリムシ科トラカミキリ属。普通種。体長7〜14ミリ。触角が短いカミキリムシで前胸背板(胸背部)は丸みが強く、赤い色をしています。胸背部も胴も太めです。上翅には小文字の]の様に見える、黄白色〜白色に見える斑紋があります。斑紋の太さは細く見えます。斑紋には若干の個体差があります。出現期は5〜9月。分布は北海道、本州、四国、九州。生息は局所的になるようです。最大の特徴は前胸背板(胸背部)は丸みがあり赤い色をしていて、。前縁(首の近い部分)には黒い縁取りがあります。普通種ですが数が減ってきているようです。クビアカトラカミキリの成虫はガマズミ、ヤブガラシ、シシウドなど多くの花の蜜を餌にします。幼虫ははクヌギ、コナラ、アキニレ、イヌシデ、カエデ類など幅広く広葉樹の倒木、伐採木の材を餌にします。普通種の割に見ることが少なく、個体数はあまり多くないようです。広葉樹の伐採木、倒木に産卵します。越冬は幼虫で材中で越冬します。
ブドウトラカミキリ1.JPGブドウトラカミキリ2.JPG
上2枚、同1個体のブドウトラカミキリです。エビズルがすぐ脇にありました。撮影は9月です。上翅の上部の白く見える帯は太く見え、赤く見える前胸背板の前縁には黒い縁取りがありません。小型のカミキリムシですが綺麗な種類だと思います。比較するためにもクビアカトラカミキリを見つけてみたくなります。撮影地。神奈川県海老名市。
★アオカミキリ カミキリムシ科カミキリ亜科。体長21〜30ミリ。アオカミキリの特徴は全体が綺麗な金属光沢をしています。頭部、胸部、腹面はツヤのある強い金属光沢で、上翅(鞘翅)は緑色でざらざらした質感のある金属光沢をしています。上翅の色は角度とか光の関係で色が違って見えます。アオカミキリの色彩には変異がありますが、基本の色は緑色になります。身体的特徴として、前胸背の前側角は、はっきりとした出っ張りがあります。またアオカミキリの触角の第1節の端は丸みがあるので、オオアオカミキリとの判別は触角を比較して見ると分かります。アオカミキリの触角の長さは翅端を超えませんが、オオアオカミキリの触角は長く体よりもはるかに長くなっています。出現は6〜8月。分布は北海道、本州、四国、九州。平地から山地の雑木林や林縁に生息しています。幼虫はカエデ類を餌にすることからカエデのある公園でも発生することがあるそうです。幼虫はイタヤカエデ、イロハモミジ、クリなどの生きた木の材を餌にするので、害虫としても扱われます。成虫は昼行性でクリ、アカメガシワ、ノリウツギなどの花に飛来して、これらの花を餌にします。翅の下は紫色で強い金属光沢があります。腹部にも強い金属光沢があります。アオカミキリの個体数はあまり多くないようで、当方のフィールドではなかなか見ることができません。日本のレッドデーターによると、東京都では絶滅危惧T類。埼玉県、高知県では準絶滅危惧種になっています。
アオカミキリと似ているオオアオカミキリ、ミドリカミキリの違い。
・オオアオカミキリは触角の第1節の端に尖った部位がありますが、アオカミキリの触角の第1節の端は丸みがあります。オオアオカミキリの触角は体長よりも長くなっています。
・オオアオカミキリの小楯板はツヤが弱く、アオカミキリの小楯板には強い光沢があります。
・ミドリカミキリは明らかに体長が小さく、符節の第1節が非常に長い特徴があります。脚が細くて長くなります。
ミドリカミキリは珍しい種類です。気になったので調べてみました。
★ミドリカミキリ カミキリムシ科カミキリ亜科。体長15〜19ミリ。体は細長くスリムな体形をしている、緑色でキラキラと光って見える金属光沢のある美しいカミキリムシです。ミドリカミキリの特徴は触角も長いのですが脚がとても長いカミキリムシで、特に後脚の長さが際立っています。胸部の側面には棘状の突起が出ています。赤紫色、緑色、青紫色など色彩には個体変異があるそうです。出現は5〜9月。分布は北海道、本州、四国、九州。平地から山地の雑木林や林縁に生息しています。クリ、ミズキ、ガマズミ、ウツギの花を餌として集まります。クリ、コナラ、ミズナラ、クヌギ、アカマツの伐採木や材木に産卵のために集まります。幼虫は枯れた樹木や弱った樹木、伐採された樹の材内にいて餌とします。ミドリカミキリは飛翔性が強く、すぐに飛んで逃げようとします。幼虫は材内で越冬します。東京都では絶滅危惧T類。熊本県、福岡県、長崎県では絶滅危惧U類。神奈川県、宮崎県では準絶滅危惧種。になっています。神奈川県では見つけることが難しいようですが、見てみたい種類です。
アオカミキリ1.JPGアオカミキリ2.JPGアオカミキリ3腹部.JPGアオカミキリ4.JPG
上、アオカミキリです。綺麗なカミキリムシなので見つけると嬉しくなります。見つけた歩道の脇にシイ類、エノキ、アカメガシワ、ミズキの樹がありました。すぐに飛んで逃げる種類なので持ち帰って撮影することにしました。3枚目は裏返して撮影しました。腹面はツヤの強い金属光沢をしています。発見場所。神奈川県横浜市。
アオカミキリ触角第1節.JPGアオカミキリ前胸背前側角と小楯板.JPG
上、アオカミキリの触角の第1節の拡大です。下、胸背部側縁と小楯板が見える様に拡大しました。小楯板にも金属光沢が見えています。
ここで紹介した似たカミキリムシの写真が撮れましたら追加したいと思っています。
posted by クラマ at 12:46| Comment(0) | 昆虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月17日

野鳥の巣5種類。メジロ、ウグイス、キジバト、キツツキ(アオゲラ)、ツバメの巣。

比較的に見つけやすいウグイス、メジロ、ツバメ、キジバト、キツツキの5種類の野鳥の巣の紹介です。この5種類は良く知られている野鳥ですが、民家の軒先など人工物に巣を作るツバメと違い、樹の枝などに巣を作る種類の野鳥では巣を見る機会は少なくなると思います。知名度や実際に見たことがある鳥とその巣と言うとツバメが1番眼につくので、ツバメの巣を知らない人は少ないと思います。キツツキの巣は樹の幹に穴を開けて作るので、見つけやすい巣と言えますが、実際に雑木林等に脚を運ばないと見る事はできません。藪や木の枝に巣を作る種類の野鳥になるとさらに見る機会は低くなってしまいます。野鳥達がヒナを外敵から守るために巣を隠すように作るからです。巣の素材は当然、自然界の素材を使って作ることが本来の習性なのですが、近年の自然が少なくなってしまった現状から、ビニールひもや針金で補強されたりしている巣もよく見られるようになってきました。カラスの巣では針金でできたハンガー等が使われる事が知られています。巣をつくるための材料不足から、都市近郊や民家付近のメジロの巣では、最近ではビニールやナイロン製のひもなどが多く使われているものを見つけます。樹の枝を綺麗に丸めた椀状の巣に上手にビニール製品を編みこんでいます。メジロの巣は鳥が作ったとは思えないほどの完成度で、その出来栄えには驚かされます。メジロは適応能力が強く、民家の庭先や街路樹に巣を作っています。以前はよく見かけたツバメの場合、巣の材料となる泥がなくなって、都市部からは激減しています。当方の観察エリアの横浜市の駅の近くのビルに巣をつくっていたツバメも、とうとう来ることはなくなってしまいました。以前からどこから泥を運んでくるのかと不思議でしたが、巣材を確保する場所がなくなって、やむなく移動してしまったのだと思います。キツツキは雑木林などの環境がなくなると少なくなってしまいます。近くの自然公園ではここ数年でキツツキ科のアオゲラが激減しました。アカゲラはもうかなり前から見ていません。近くにはすでにいないのかも知れません。小型のキツツキ、コゲラは体も小さいので、巣も小さくて済みます。コゲラはよく見ることができます。自然環境が悪化する中にあって都市部に進出しているようです。小さな体の利点を生かしてうまく適応しているようです。アオゲラもコゲラのように都市部で見ることができるようになったようです。最も身近に見ることができる野鳥にキジバトがいます。本来は雑木林などに生息していた野鳥なのですが、キジバトは人の近くで生息する種類になりました。キジバトは生き残るために早々と都市部に進出することを決めた種類になります。公園や民家の庭先に巣を作ることが知られてきました。キジバトはとんでもなく不器用な鳥で、キジバトの枝を集めて作る巣は新しくてもボロボロに見える粗末な作りです。まだ小さなヒナが落ちていたのを見たことがありますが、落ちても仕方がないと思える作りです。ウグイスの巣は笹薮の中など目立たない所につくられるので、見たことのない方は多いと思います。ウグイスは声はすれど姿が見えないということが多く、本気で探さないと巣もすぐには見つかりません。また古くなるとメジロの巣のように丈夫には作られていない事から、早く壊れてしまうかも知れません。種類によって個性的な形をした野鳥の巣を見つけて観察するのも面白いものです。
・野鳥の巣が欲しくなっても、鳥が住んでいる場合や卵やヒナなどがいる場合は、野鳥に迷惑が掛からないように巣を採らないようにしましょう。鳥が巣立った後のメジロの巣は痛みが少ない状態で樹から落ちてくることがあります。巣の作りが丈夫で標本としても保存しやすいです。ただし、野鳥の巣にはダニなどの虫が寄生していることが多いので、むやみに持ち帰らない方が良いです。メジロの巣のように壊れにくい素材でできている巣は、少しずつ丁寧に壊れないように(形が崩れないように)熱湯をかけて消毒すると良いです。そのあと速乾性のボンドなどで壊れにくくなるように補強すると良いです。ボンドは乾くと透明になってツヤが出るものがあります。ツヤのでるタイプのボンドを使った場合、気になるときは艶消しをすることも考慮した方が良いです。ボンドの質を確かめてから使う方が良いと思います。
メジロ、ウグイス、キジバト、キツツキ、ツバメの巣を調べてみました。
★メジロの巣。樹の葉が落ちてくる頃になると、樹にメジロの巣があることに気が付くことがあります。メジロの巣は低い場所から高い場所まで、環境に合わせて作るようです。普通は巣が分かりにくい常緑照葉樹林などに住んでいて、これらシイやカシなどの樹に巣を作るようです。自然の林の中でも樹高の低いウグイスカグラの樹で2回、メジロの巣を見つけていることから、安全な場所だと思ったら、低い場所にも巣を作るようです。メジロは適応能力が強く、巣は林縁、林、公園、庭先、街路樹など広範囲で見ることができます。市街地の街路樹などでは、比較的に高い樹の高い位置に作られています。秋になると街路樹の樹から落ちてきたメジロの巣を見ることもあるので、思ったよりも見つけやすい野鳥の巣と言えると思います。ススキの穂や枯草の茎、コケなどの素材にクモの糸を使って補強して作られます。巣の大きさは直径7センチ程、高さは4センチ程で形は整った椀状をしています。市街地や人家の庭先に作られるメジロの巣には、材質にナイロン性のヒモなどの人工物も巣に編み込まれるように使っています。庭先に巣を作る場合、低い樹で巣を作っていることが多いです。この傾向は理想的な高さの樹がないからかも知れません。メジロは特に巣を作る樹は選びません。巣が隠れるような樹を選んで作ります。巣の大きさはメジロが小さいので巣も手の平に乗るほど小さいサイズになります。卵やヒナが巣の中にある時に巣を覗いたり、触るなどの行為をすると、メジロは巣を見捨てて他の場所に逃げ出してしまうことが良くあるそうです。ヒナが巣立つと巣は捨てられます。巣はヒナが育つまでの家なのです。
メジロ巣3.JPGメジロの巣1.JPGメジロの巣2.JPG
上、メジロとメジロの巣です(同じ巣です)街路樹の下で拾ったものです。よく見ると白いナイロンテープの素材が使われています。この巣は熱湯で消毒はしてあるのですが、これから壊れないようにボンドで補強する予定です
★ウグイスの巣。ウグイスの巣の特徴はササの葉などでやんわりと包むようにできていることです。巣はササの葉を丸めて作ってあり、やや雑な作りで壊れやすくできています。巣の形状はボール状の形をした巣を作ります。直径は9センチ程で高さは15センチ程の大きさです。ウグイスは雄は巣を作りません。作ったのは雌のウグイスになります。ウグイスは巣を作る時期が早く、巣は春に向けてまだ寒いうちに作りだします。巣を作る場所は巣が隠れるような背の低い藪や小枝、笹薮などに作られています。巣の材質はササやススキの穂など柔らかい素材のものと草の茎、小枝などを利用して作られます。外面は雑に見える巣もありますが内側は綺麗な丸みのある形に作ってあります。鳴き声は有名ですが姿と巣を見たことがある方となると、少なくなると思います。
ウグイス巣3.JPGウグイスの巣1.JPGウグイスの巣・横.JPGウグイスの巣3.JPG
上はウグイスとウグイスの巣です。この巣はササの葉、草丈のある細い枯草の茎を主に作られています。巣の内側はササで作られていました。外壁は丈夫な草の茎などで作られています。内側は柔らかい素材のササの葉でできています。ウグイスは1夫多妻で、巣作りから子育てまでを全て雌が行います。巣はササのある山道などや道路の脇の近くに作られることが多いようですが、適応能力が高い種類なのでササが近くになくても巣を作ることはよくあるようです。雌は巣をヘビなどに襲われてヒナがいなくなってしまった(ヒナの全滅)場合や危険を感じた場合、巣を放棄して逃げてしまいます。その際は巣を離れるだけでなく、それまでの1夫多妻の関係を解消して逃げ出します。雌は逃げた先で別の雄を探して新たな巣作りをします。この習性が1夫多妻のウグイスの繁殖方法になっています。2枚目、巣の入り口がわずかに見えています。3枚目、同じ巣を横から見たものです。下、ウグイスの巣の標本を作ってみました。熱湯消毒したあと、十分に乾燥してから、速乾性ボンドで接着して強度を上げて壊れにくくしてあります。作りは大変もろい巣です。いじっていると形が壊れてきます。標本にする場合、丁寧に扱う必要が有ります(この標本は寄付しました)
★キジバト(ヤマバト)の巣。キジバトは都市部に多く生息している野鳥で普通に見ることができます。都市部に住んでいるキジバトは人慣れしていて人が近づいても逃げないものまでいます。森林、農耕地、公園、住宅地などに生息していて、巣は庭先の樹や街路樹など葉の茂った樹に作られます。巣の大きさは直径30センチ程。高さは7〜8センチ程で皿形をしています。巣の作りは簡単なもので、巣は枯れた細い小枝を組み合わせて低木の上の方に作られていることが多いです。キジバトはかなりの確率で古い巣を再利用することも知られています。古巣は自分で作ったものなのか、他のキジバトが作ったものなのかは気にしないようです。再利用する場合、わずかな補強でリホームを完成させてしまうものもいます。これはキジバトが年数回から多いと6〜7回程も繁殖することができることによる行動とも言えます。合理的に手間を省いた繁殖方法の1つとして、本能的に働くのかも知れません。庭先に巣を作られたくない方は、巣だった後撤去すると再び作られる可能性は低くなると思います。キジバトは外敵に狙われやすく、ハシブトガラス、ハシボソガラス、やヘビ(アオダイショウ)、野良猫の餌になってしまうヒナや卵が多いようです。庭先に作った場合、猫に狩られてしまうこともあるようです。外敵によるヒナや卵の被害は繁殖力でカバーしているようです。
キジバト巣B.JPGキジバトの巣.JPG
キジバトと民家の庭に作ってあった巣の写真です。この写真の巣はキジバトにしたら上手な巣です。単に枝の上に平らに枝を乗せたような雑な作りの巣も見ることがあります。昔、当方のアンズの樹に作った巣では下から卵が見えるほど雑でした。巣のできには作成者の上手下手がでるようです。キジバトの巣は樹の上の方にあることが多く、標本を作るのに巣を採ることが難しくなります。キジバトは大きいので良く目立ちます。庭先で巣を作って繁殖する場合、すぐに気が付くことが多いと思います。庭先に巣を作ることもあるので、観察しやすい野鳥の1種と言えます。キジバトは通例2羽で行動している仲の良い野鳥です。
★キツツキの巣。キツツキの仲間は樹の幹に穴を掘って巣を作ります。アオゲラの場合は生樹の幹に巣穴の直径が5センチ程の穴を開けます。アカゲラは枯れ木に巣穴の直径が4・5センチほどの穴を開けます。コゲラは生木の枯れ木部分に直径が3・5〜4センチ程の穴を開けます。巣穴だけだと分かりにくいです。コゲラは日本で1番小さいキツツキで体長は15センチです。背部には白い点状の斑紋(横縞模様)があります。この白い斑はつながって見えることもあります。雄には見えにくいのですが耳羽のあたりに赤い羽根があります。色彩には地域変異があるようです。雑木林の他に、市街、住宅地、街路樹、自然公園にも生息しています。コゲラは体が小さいので細い樹の幹にも巣を作ります。観察エリアにしている自然公園ではアカゲラは見なくなってしまいました。そのことから枯れ木の幹に作られた小さな入り口の巣穴だとコゲラ。生きている樹の幹で巣穴が大きい入り口だとアオゲラと言う感じで判別しています。アオゲラは日本固有種のキツツキで、体色は暗緑色に見えるキツツキです。顔には赤い斑紋があり、灰褐色〜灰色に見える腹部には横縞模様があります。頭部に赤い斑紋がある方が雄になります。都市部の公園などでは古いサクラの幹に巣を作ることが多くなっているようです。アオゲラは体長が29センチもある大型になります。アリが好物で地上に降りてアリを捕食することが多いそうです。山地から平地の広葉樹林を住み家にしています。鳴き声は「キョッ、 キョッ」と大きな声で鳴くので、鳴き声を手掛かりに樹を探すと見つけることができます。アオゲラもコゲラと同じく都市部に進出して来ています。都市部の公園などのサクラが古くなり、巣穴を作るなどに適してきたことも関係あるようです。個人的な見解としても、古いサクラの樹のある場所(公園等)で見る機会は多いです。
キツツキの巣大池アオゲラ.JPGアオゲラB巣.JPGコゲラ巣B.JPG
上、生きているコナラの幹に開けられている巣穴なので、アオゲラの巣で良いと思います。入り口もコゲラの巣の入り口よりも大きいです。観察エリアの公園では、古くて大きなソメイヨシノやヤマザクラに巣を作っていましたが、ほぼまとめて伐採されたので、最近ではアオゲラも見ることが無くなってきています。大きくて緑色が綺麗なので見つけると嬉しくなる野鳥です。中、アオゲラです。写りの良い写真が撮れたら差し替えを予定です。下、コゲラです。小さくて可愛いいキツツキです。
★ツバメの巣。巣の形状は椀型で、椀を半分にした形になっています。これは壁などの垂直になった壁(垂壁)に巣をつくるために、椀型を半分にした形の巣になるからです。巣の上面は開いているので雨に柔い構造になります。そのために屋根のある場所に巣を作ることが必要になります。その条件を満たす場所が、人家の軒先やビルなどの建物の壁になるのです。ツバメに関して言うと巣は完全に人工物に作ります。橋の橋脚部分当には作ることはまれで、人の住んでいる場所や人の生活している環境に接する場所に巣を作ります。ツバメは必要以上に人に慣れることはなくても、人慣れした野鳥と言えます。ツバメは縁起の良い鳥として人から危害を加えられることがなかった事も、人の傍で繁殖するようになった理由の1つになるのだと思います。その他、益鳥として好かれる野鳥でもあります。同じ野鳥でもムクドリが家の戸袋等に巣を作られると酷く嫌われてしまいます。ツバメは飛んでいる姿もりりしく、日本人好みの野鳥になっているのだと思います。ツバメの巣は泥と草でできています。水分を含んだ泥水と枯草を唾液で固めて作っていきます。巣の大きさは直径15センチ程。高さは3〜4センチ程で、巣は壁に接して作られています。直接に壁(垂壁)に作られたり、巣の下部に支えとなる物を利用して壁に面して作られたり、巣の底が受け皿のようになっている(人が作った巣台、電灯の上、何らかの物が台状になっている部分がある)部分を利用して壁に作られることがほとんどです。最近では巣の材料となる泥がない事から都市部では、都市部での繁殖が激減してきています。本来、ツバメは同じ場所に戻ってきて巣を作る渡り鳥です。子供の頃から馴染みが深かった鳥だけに、姿を見なくなってくると寂しく感じてしまいます。
ツバメB.JPGツバメ巣1.JPGツバメ巣2.JPG
上、ツバメとツバメの巣です。もっと天井が高い位置になるように作ればよいのにと思うのは人間の側から見た感想のようです。ツバメにはこの高さで良いのでしょう。数年前には3個あった巣も去年は1個(写真は昨年のものです)今年はとうとう飛来することが無くなってしまいました。駅前だったのでさすがに巣を作る材料が確保できなくなってしまったのでしょう。1番上の写真のツバメは目の前に来てくれたので、コンパクトデジカメでも良く撮れました。ツバメは飛ぶために特化したような体つきに見えます。均整のとれたスタイルの良い野鳥です。
posted by クラマ at 20:45| Comment(0) | 自然観察、野鳥 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする