2017年11月09日

ウンカ科、ヨコバイ科、スケバ科の昆虫を10種類を見つけました。似た昆虫がいて分類が難しい虫達です。

紹介するのはウンカ科(ミドリグンバイウンカ、アヤヘリハネナガウンカ、ヒシウンカ、クサビウンカの1種)。ヨコバイ科(ブチミャクヨコバイ、ミドリヒメヨコバイ、クワキヨコバイ、マエジロオオヨコバイ)。スケバ科(ツマグロスケバ、テングスケバ)の10種類です。
ウンカ、ヨコバイ、スケバは大変良く似ている昆虫で分類が難しいです。どれも小さな体をしているので、意識的に探さないと見つけにくい昆虫になっています。ウンカ、ヨコバイ、スケバの仲間は1見、どれも良く似て見えます。ウンカは小さなセミのように見える姿をした昆虫で、ウンカと言う呼び名はウンカ科に属する昆虫の総称になっています。ウンカは体長が10ミリ以下と小型になり、小さすぎて気にも留められない昆虫になっていると思われます。ウンカの後肢脛節には可動性のある距と言う器官があります。この特徴でヨコバイ科やスケバ科と区別されています。似たような種類の昆虫を見つけても、実際の所は小さな部分なので確認は難しいです。ウンカの多くはイネ科を餌にしています。イネを食害するウンカ(セジロウンカ、トビイロウンカ、ヒメトビウンカの3種類はイネの害虫として有名です)もいるので、どちらかと言うと農業に携わっている方には害虫として有名な存在になっています。農業で害虫としてのウンカ類と呼ぶ場合は、ヨコバイ類も含めた呼び名になるようです。よく似ている昆虫にヨコバイがいます。ちょっと見ただけではどの様な区別をしているのか分かりません。調べてみたら、ウンカとヨコバイの違いは触角に現れ、ウンカの場合、触角の基部が太くなるそうです。小さい昆虫の触角の基部となると、拡大して比較して見ないと判別はできないです。他にも似た種類の昆虫がいるので大変ややこしいです。ウンカは日本に100種類程いるようです。テングスケバはテングスケバ科に属する昆虫の総称で、調べてみるとウンカにある後肢脛節に可動性のある距と言う器官が無いことと、単眼は2個。日本には5種類が確認されているということです。ウンカ、ヨコバイ、スケバはどれも小さくて似ているので、大変紛らわしいです。外見で判別できない種類もいて、何が何だか分からなくなってしまいそうです。しかしこの仲間には綺麗な色をした種類もいるので、探すと意外と面白以下も知れません。名前を当てるのが難しいウンカ科のミドリグンバイウンカ、アヤヘリハネナガウンカ、ヒシウンカ、クサビウンカの1種の4種類。ヨコバイ科のブチミャクヨコバイ、ミドリヒメヨコバイ、クワキヨコバイ、マエジロオオヨコバイの4種類。スケバ科のツマグロスケバ、テングスケバの2種類を調べてみました。
★ミドリグンバイウンカ ウンカ科。普通種で全体的に明るい緑色〜黄緑色に見える綺麗なウンカです。翅は透明ですが、翅の翅脈が緑色なので、葉の上にいるととても見つけにくいです。頭部、胸背部には緑色の3本の縦条が見えます。成虫の体は扁平で葉の上に張り付くように止まっています。この時の姿が相撲の軍配の形に似ていることが名前の由来のようです。体長は5〜6ミリ。出現は7〜10月。分布は本州、四国、九州。広葉樹の葉から汁を吸うようです。クワ、アジサイ、クチナシなど食性は広いようです。広葉樹の無い草原のカナムグラ、ススキの原っぱなどにもいるようで、食性はかなり広そうです。観察エリアではアジサイを探すと簡単に見つけることができます。
ミドリグンバイウンカ1.JPGミドリグンバイウンカ3幼虫.JPG
上、ミドリグンバイウンカです。下はミドリグンバイウンカの幼虫です。淡い緑色が綺麗です。
★アヤヘリハネナガウンカ ハネナガウンカ科。体長は5ミリ前後。翅端までだと16ミリ程。翅の大きなウンカで、翅の模様が綺麗です。アヤヘリハネナガウンカの体色は橙褐色をしていて幅のあるグライダーの翼のような翅があります。透明な翅の外縁は紫褐色をしていて、翅脈は赤色を帯びています。なかなか目立つ個性的な容姿をしているウンカです。頭部には棍棒状の太い突起(触角だと思います)があります。林縁や雑木林で見つけることができますが、個体数は少ないようで、なかなかお目にかかれません。成虫は灯火にも飛来するようです。食性は分かっていません。林縁に生育している植物であることは推測することができます。ウンカの仲間なので植物の汁を餌にしているようです。分布は本州、四国、九州。山地性の強い種類のようです。出現は夏頃(7〜9月)になるようです。日本のレッドデーターでは埼玉県、群馬県、富山県、島根県では準絶滅危惧種に指定されています。森林が減るとさらに減少することが予想されます。
アヤヘリハネナガウンカ1.JPGアヤヘリハネナガウンカ2.JPG
アヤヘリハネナガウンカです。翅を飛行機のように広げてとまります。顔を見るとコウモリを連想してしまう変わった風貌をしています。アヤヘリハネナガウンカの翅は綺麗で個性的です。個性的で不思議な姿をしています。
★ヒシウンカ ヒシウンカ科。ヒシウンカと言うとヒシウンカ科の総称として呼ぶ場合と、その中の1種をさすようです。ヒシウンカ科も大変分かりにくく分類が難しい昆虫です。ヒシウンカはイネ科につく普通種で灯火にも飛来します。ヒシウンカの身体的な特徴は頭の幅が広く、前方に突出しないことです。出現は7〜8月。体長は6〜8ミリ。分布は本州、四国、九州。イネ科植物につきます。
ヒシウンカ(ヒシウンカ科).JPG
ヒシウンカです。笹の葉の上にいました。正確にはヒシウンカの1種(SP)と言うのが妥当です。ここではヒシウンカとして紹介させていただきます。
★クサビウンカの1種。マルウンカ科。この仲間も良くわかりません。似た種類が多くお手上げ状態です。体長は7ミリ前後。クサビウンカとしての分布は本州、四国、九州、沖縄。生態等は良く分かりません。クサビウンカには外来種も侵入しているようです。体色は地味な色(茶褐色、灰褐色等)をしています。
クサビウンカの1種(マルウンカ科).JPGクサビウンカの1種.JPGクサビウンカの1種2.JPGクサビウンカ幼虫.JPG
上のクサビウンカの1種は前年にはエノキに幼虫がいました。正確な判別はできないのですが、クサビウンカの1種になるようです。写真のものもエノキが近くにある場所で見つけました。小さい体なのですが、よく見ると丸っこくてセミに似ていて可愛いです。地色の違いは個体差によるものなのでしょうか。灰色っぽい個体と黒っぽく見える個体がいます。撮影した場所は同じ公園です。ウンカの仲間の幼虫はどの種も実に変わった姿をしています。1番下は幼虫です。
★ブチミャクヨコバイ ヨコバイ科。体長は7〜8ミリ。ブチミャクヨコバイ は変わった顔をしています。頭部は潰したように幅が広くなっているので、顔の幅がとても広く見えるヨコバイです。体の太さもあり、1般的な弱々しく見える体つきのヨコバイとは違って、ガッチリとした体格をしています。ブチミャクヨコバイの翅脈は白と黒の点線模様(ブチ模様)になっていることが特徴になっています。この特徴から名前にブチミャクと付いたようです。出現は6〜9月。分布は北海道、本州、四国、九州。成虫、幼虫共にブナ科の広葉樹の汁を吸います。林や林縁に多い種類になります。ブチミャクヨコバイはアワフキ科の昆虫にもよく似ています。
ブチミャクヨコバイ.JPG
ブチミャクヨコバイです。アップで見ると平べったいブチミャクヨコバイの顔には迫力があります。昆虫をイメージとする顔には見えません。爬虫類の様な顔つきにも見えてしまいます。ちょっと怖さを感じてしまいますが、見慣れるとキモ可愛く見える様になります。ブチミャクヨコバイは林縁の草などの葉の上にいる所を見つけることができます。
★ミドリヒメヨコバイ ヨコバイ科。体長は3ミリ前後。ミドリヒメヨコバイ類は似た種類が多く、チャノミドリヒメヨコバイ、ミカンノミドリヒメヨコバイ、マメノミドリヒメヨコバイ、カキノヒメヨコバイ、キウイミドリヒメヨコバイ、ゴボウノミドリヒメヨコバイなどがいます。外見上の他種との判別が難しいものが多く、翅脈にも変異が現れるようなので正確な判別は難しいです。ミドリヒメヨコバイは柑橘類、キウイの害虫にもなっています。ミドリヒメヨコバイは果実を食害します。ミカンノミドリヒメヨコバイ、チャノミドリヒメヨコバイ も柑橘類につくようです。発生している樹種が大きな決め手の1つになりますが、多食性の昆虫なので紛らわしいです。越冬は成虫で越冬します。出現は5〜11月に多く、5〜8回程発生するそうです。出現するようです。分布は北海道、本州、四国、九州。成虫で越冬する種類なので、暖かい地域ですと1年中見ることができるようです。ミドリヒメヨコバイ類は果実に被害をあたえる害虫として有名です。チャノミドリヒメヨコバイは沖縄にも生息しています。
ミドリヒメヨコバイの1種(笹にいた).JPG
上、正確にはミドリヒメヨコバイの1種とする方が正しいですが。ここではミドリヒメヨコバイとして紹介します。この仲間はよく似ていて、肉眼での判別は不可能なようです。正確な名前を当てるのが難しい超難解の昆虫です。発生している樹種が分かると、種類を絞り込むことはできます。ただし、好みの果実の他、雑草にもいるので判別は難しいです。ヨコバイの仲間は種類も多く未記載種がとても多いそうです。
★クワキヨコバイ フトヨコバイ科。体長は8〜10ミリ。普通種で緑色をしたヨコバイです。頭部に3個の黒点があります(頭部先端にある黒点は1個)。雄と雌で体色が違います。色の濃い方が雄のようです。クワキヨコバイは総称的な呼び名にもなっているようで、外見上の判別が難しい種類もいるようです。出現は5月。分布は北海道、本州、四国、九州。クワ、成虫、幼虫共にイネ科の植物の汁を吸います。卵で越冬します。似た種類にコクワキヨコバイ、オオクワキヨコバイがいて外見での判別は難しいようです。オオクワキヨコバイには会合線に沿って淡い黒色等の筋があるようです。
クワキヨコバイ(フトヨコバイ科).JPGクワキヨコバイ拡大.JPG
クワキヨコバイの1種。判別に自信がないです。この仲間は100種類以上いるうえ、似たものもいて外見での判別が難しいようなので、クワキヨコバイの1種とすることが良いようです。当方には正確な判別はできません。よく見ると小さくて緑色系の可愛い昆虫です。コクワキヨコバイかクワキヨコバイが近いと思います。当方には識別することはできませんが、頭部に3個の黒斑があるのでクワキヨコバイの仲間になります。下は右側の個体をアップしたものです。
★マエジロオオヨコバイ ヨコバイ科オオヨコバイ亜科。体長は雄6ミリ。雌は6・5ミリ。背中に蒼黒い太い帯が見えるヨコバイです。雄の体色は蒼黒く見えます。雌の場合、前胸背の前縁と小楯板が黄色く見え、黄色い部分が雄よりも多く見えます。斑紋には個体差があります。出現は5〜9月。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。ミカン科、バラ科の植物につき成虫、幼虫共に餌として汁を吸います。越冬は卵で越冬します
マエジロオオヨコバイB7・23.JPG
マエジロオオヨコバエの雌。雄の写真も撮りたいのですが、なかなか縁がなくて撮影できないでいます。
・テングスケバ科は日本には5種類がいるそうです。テングスケバ科はヨコバイに近い昆虫になります。
★ツマグロスケバ テングスケバ科。前翅端に黒い斑紋があることからツマグロのスケバと言うことからついた名前のようです。ツマグロスケバは複雑な模様が見える褐色の体に透明な翅をしていて、翅端にある黒い斑紋が特徴です。地色は褐色〜明るい茶色の個体もいるので、地色に個体差があるものと思います。脚には白い帯が何本か見えます。前脚では3本の白い帯が見えます。大型で体長は7〜9ミリ(翅端までは11〜15ミリ程)。出現は7〜10月。分布は本州、四国、九州、沖縄。沖縄にはオキナワテングスケバと言う非常に良く似た種類がいるようです。成虫、幼虫共にアカメガシワの汁を吸います。アカメガシワのある近くの林や草地で見かけます。他の樹種につくかは分かりません。ツマグロスケバは灯火に集まるようで、公園のトイレの壁でも見ることがあります。危険を感じると撥ねて逃げ出します。ツマグロスケバは出現が遅いので卵で越冬するものと思います。
ツマグロスケバ1.JPGツマグロスケバ2.JPG
ツマグロスケバです。この個体の体色は明るい茶色をしています。複眼は縞縞模様に見えて面白いです。普通種でも夜行性なのか、それとも寄生する樹が限られているためか、当方はあまり見かけることはないです。トイレの壁で見ることがあるので、主に夜行性で灯火に集まる習性があるのかと思います。昼間見つける時は葉の上や茎に大人しくとまっています。
★テングスケバ テングスケバ科。体長は10〜12ミリ(翅端まで12〜15ミリ)。淡い鮮やかな緑色の地にオレンジの縦筋模様が綺麗な昆虫です。上から見ると胸背に4本のオレンジ色の縦条線が見えます。外側の線はVの字型にも見えます。テングと名前についているように、テングスケバの特徴は、テングをイメージさせるような長い突起が頭部前面(鼻先)から突き出て見えることです。翅は透き通っていて綺麗です。複眼は縞縞模様になっています。オレンジ色っぽい縞が綺麗です。出現は8〜10月。分布は本州、四国、九州、沖縄。イネ科の植物が生えている林縁や草原にいて、イネ科の植物を餌としています。沖縄にはオキナワテングスケバと言う似た種類のスケバがいます。サトウキビにつくようです。オキナワテングスケバは頭(突き出た部分の上面)と胸部腹面が黒くなっていることが特徴です。
テングスケバ(テングスケバ科).JPG
上、テングスケバです。頭の先(鼻先)が大きく前方に突き出ている特徴があるので、似た種類が多い中でも科を絞り込むことができる種類です。 
紹介したこれらの仲間には綺麗な体色をした種類もいるので、小さくても魅力的な昆虫と言えます。小さな昆虫にも目を向けると楽しいものです。
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2017年10月30日

コバネハサミムシ(キアシハサミムシ)、ヒゲジロハサミムシを見つけました。お尻にハサミがあるハサミムシ科の昆虫です。

ハサミムシの1番の特徴は尾端にある大きなハサミです。お尻の先にクワガタの大顎にも似た角状のハサミがあり、腹部は扁平で長細くむき出しになっている異様な姿をしています。ハサミムシは子育てをする変わった習性も持っている昆虫です。ハサミムシは雑食性で何でも食べます。主に肉食性が強い傾向があって、小型の昆虫類を捕らえて食べるほか、植物性のものも餌にします。餌の好みは種類によって多少変わるようです。ハサミムシ類は容姿が似たものが多く、正確な種類の判別は難しいので、ハサミムシと総称的な呼び名で呼ぶことがおかしくない昆虫です。腹部が長く扁平で、尾端に大きなハサミを持っている変わった容姿をしていることで、ハサミムシ類の昆虫であることはすぐに分かるので、知っている方は多いのではないのでしょうか。雌雄の違いはハサミムシの最大の特徴であるハサミに現れます。ペアでいると良く分かるのですが、大きく湾曲した立派なハサミを持つ方が雄で、雌のハサミの湾曲は弱く直線的に見えます。ハサミの形状は種類によって違いがあるので、特徴のある種類なら分かりやすいのでしょうが、よく似た種類もいるので正確な判別は難しくなります。ヒゲジロハサミムシは1か月程飼育したことがあります。ケース内に土は使わないで、隠れる場所だけを作り飼育しました。餌はアラゲキクラゲを与えました。アラゲキクラゲは腐らない(腐りにくい)ので、餌としては大変楽です。綺麗に食べてくれるので汚れも気にならないという利点があります。本来は肉食性が強いので、小型の昆虫も与えないといけないのでしょうが、餌として与える昆虫が分からなかったことと、長く飼う予定はなかったのでキノコを使いました。本来の餌となるのは生息状況を考えるとダンゴムシやワラジムシが妥当ではないのかと推測します。昆虫等の代わりの餌としては雑食性なので、カツオブシや煮干しを使うことができます。餌に使ったアラゲキクラゲは、あまりカチカチに乾燥させると食べられないかもしれないので、硬くなりすぎないように適度に水分を含ませました。ケース内は湿気が強くならない方が良いようです。ハサミムシを本格的に飼育しようとする場合には、土の上に隠れる場所を作ってあげたり、餌が腐って汚れないようにすると良いと思います。つまりはケース内はできるだけ自然に近い状態(種類によって)を作ってあげることが好ましいでしょう。ハサミムシは夜行性で昼間は隠れているので姿を見ることは難しいのですが、丈夫で飼育しやすい昆虫になります。子供の頃には強そうな大きなハサミのあるハサミムシを、石をひっくり返して探して遊んだ記憶があります。特異な容姿をしている昆虫、コバネハサミムシ(キアシハサミムシ)、ヒゲジロハサミムシを調べてみました。
★コバネハサミムシ(キアシハサミムシ) ハサミムシ科。体長11〜15ミリ。出現は4〜10月。分布は本州、四国、九州、沖縄。光沢のある黒い体色に脚が乳白色や黄白色をしたハサミムシです。触角にも特徴があり、触角の先端には2節の白い節があります。コバネハサミムシの特徴は小さな翅の痕跡があることです。この翅の痕跡を確認すれば似た種類との判別がしやすくなります。食性は雑食性で肉食性として小型の昆虫を捕らえたり死骸も食べるほか、植物質やキノコも食べます。キノコはアイバシロハツ、ナラタケを食べているコバネハサミムシを確認しています。
雌雄の違いは尾端にある大きなハサミの形状で区別することができます。雄のハサミムシの場合、雌よりも大きくハサミが湾曲しています。湾曲した立派なハサミを持っている雄に対して、雌の場合は直線的なハサミの形になります。性質は夜行性になります。成虫で越冬。草むら、林内の倒木や枯れ木、朽ち木、樹皮の下、落ち葉の下、石の下などの湿気のある場所を好みます。
・似たハサミムシとの比較。
コバネハサミムシ(キアシハサミムシ)にはよく似たヒゲジロハサミムシがいます。コバネハサミムシ(キアシハサミムシ)には小さな翅の跡(痕跡)がありますが、ヒゲジロハサミムシには翅の痕跡がありません(無翅)。体長は18〜30ミリでヒゲジロハサミムシの胴回り(腹部)は太く幅が広く見えます。触角の先端には2節の白い節があります。脚の色は白い色をしています。ハマベハサミムシも似ていますが、ハマベハサミムシの場合は大型で体長は19〜35ミリ。ハサミの形が左右違うことと、脚の色が黄白色から黄褐色をしています。ハサミムシは形がどれも似ているので判別は難しいです。ヒゲジロハサミムシに似たコヒゲジロハサミムシはヒゲジロハサミムシよりも小型で、太さが無く細長く見え、触角の先端部には白い部分があるものの、個体差によりあまり目立たないので黒色に見える個体が多いようです。体色は淡いオレンジ色を帯びたような色をしているそうです。
コバネハサミムシ.JPG
コバネハサミムシです。アイバシロハツ(キノコ)にいた個体です。白いキノコの上にいたので撮影しやすかったです。
★ヒゲジロハサミムシ ハサミムシ科。ヒゲジロハサミムシの体色は黒色〜やや赤みを帯びた黒色をしています。ヒゲジロハサミムシの場合、ペアでいても雄のハサミの湾曲が弱いので、1見して雌雄が分かりにくいです。ヒゲジロハサミムシには翅の痕跡がありません(無翅)。体長は18〜30ミリでヒゲジロハサミムシの胴回り(腹部)は太く幅が広く見えます。触角の先端には2節の白い節があります。名前からすると触角が白そうなイメージがあるのですが、この特徴はコバネハサミムシ(キアシハサミムシ)も同じなので、間違ってしまいそうです。脚の色は白い色をしていて、脚に見える幅のある黒い部分(黒く環状になっています)は基部に近いところにあり、この環状になっている黒い部分は明瞭になっています。よく似たコヒゲジロハサミムシは黒い部分は不明瞭で腿節の中ほどに見えるそうです。比較して見たいです。出現期は4〜11月。4〜5月に新成虫になります。分布は本州、四国、九州、沖縄。林内、雑木林の倒木の下や切株の周り、石の下などにいることが多いです。ヒゲジロハサミムシは幼虫で越冬します。餌は雑食性で、小さな昆虫から植物質を食べます。キノコ(アラゲキクラゲ)を食べていることを確認しています。行動は夜行性で昼間は落ち葉や倒木の下などに隠れています。
ヒゲジロハサミムシ.JPG
ヒゲジロハサミムシです。撮影しやすくするために家に持ち帰りました。ハサミムシはご覧の通り変わった姿をした昆虫です。
posted by クラマ at 15:31| Comment(0) | 昆虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月29日

ハネナガオオアブラムシとクリオオアブラムシ。どちらも樹に発生する大型のアブラムシです。

小さいサイズのアブラムシが多い中で、ハネナガオオアブラムシとクリオオアブラムシは共に大型のオオアブラムシ亜科に属するアブラムシになります。ハネナガオオアブラムシは翅も長く、やたらと大きく見えるアブラムシです。翅は透き通っていて、腹端から大きく突き出て伸びていて、アブラムシとしては体格も強そうに見える、なかなか立派な姿をしています。無翅型も大きなサイズなので存在感があるアブラムシです。ハネナガオオアブラムシは普通よく目にするアブラムシと違い、針葉樹を餌として発生するアブラムシになります。普通種になるようですが、発生する樹種により見る機会は少ないと思います。クリオオアブラムシも樹に発生するアブラムシで、クリの樹の害虫アブラムシとしても有名です。体色が黒い色をしているので、時に驚くほど大きな集団(コロニー)を作り、樹の1部が黒色化したように見えることもあります。名前にクリ(栗)とついているように、クリの木にいることが多く、クリの害虫として嫌われています。クリオオアブラムシはブナ科の植物に寄生しています。有翅型のクリオオアブラムシの翅には白い斑紋があって、黒い体と黒い翅に見える白い斑紋が個性的です。1般的にはアブラムシ類は害虫としての害や、特異な体の形が気持ち悪いと嫌われがちになっている昆虫です。アブラムシの容姿を可愛いとみるか、グロテスクと見るかの差は大きいと思うのですが、個人的にはアブラムシは面白い形をしているので嫌いではありません。オオアブラムシ亜科に属するハネナガオオアブラムシとクリオオアブラムシを調べてみました。
★クリオオアブラムシ アブラムシ科オオアブラムシ亜科。有翅型のクリオオアブラムシの成虫の翅は黒い色をしていて、翅には白い斑紋があります。無翅型雌の成虫は4〜5ミリで光沢のある黒色の体色をしています。角状管は短く目立ちません。太った体に似合わない細い脚をしたアブラムシです。クリオオアブラムシの有翅型には雄と雌がいて4ミリ程で黒い大きな翅をもっています。クリの害虫としても有名です。出現は4〜11月。越冬した卵から孵化した幼虫は早いと3月から現れます。4〜5月頃は無翅型の雌が発生して単為生殖します。10〜11月の期間に無翅の雌と有翅の雄が現れ幹や枝に卵を産みます(両性生殖)。ブナ科のクリ、カシワ、クヌギ、コナラ、ミズナラ、ウバメガシ、シラカシなどに寄生します。クリオオアブラムシはブナ科の植物の若枝や新梢に群れを成して発生していて、成虫、幼虫共に樹の汁を餌とします。驚くほど大きな集団(コロニー)を作ることもあり、樹の幹が黒く見えることもあります。越冬は卵で越冬します。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。山林や雑木林、林縁、自然公園、クリ畑などに生息しています。クリオオアブラムシはトビイロケアリやアカヤマアリなど数種類のアリと共生しています。クリオオアブラムシが出す甘露を求めてアリがやってきて、甘露を餌とすることからアリがクリオオアブラムシを守るという利害が1致した共生関係を作ります。天敵はヒラタアブ類の幼虫やテントウムシ類になります。動きが鈍いうえ、見た目よりもはるかに弱い(柔らかい外殻)体をしているので、天敵の肉食昆虫の絶好の餌になってしまいます。甘露によりアリを沢山呼ぶことができれば、アリがクリオオアブラムシの天敵の邪魔をしてくれるので、おのずと生存確率は上がりそうです。
クリオオアブラムシ.JPGクリオオアブラムシ横.JPG
クリの木にいたクリオオアブラムシです。黒い体をした大きなアブラムシです。クリの木で良く見かけることができます。4月〜11月まで見られるアブラムシなので、どんな奴か見たいと思われたら、公園等のクリの木を見つけると探すことができます。有翅型の写真が撮れたら追加したいと思います。上、クリオオアブラムシとアミメアリです。このクリオオアブラムシはアミメアリと共生関係を結んでいました。アミメアリは小さなアリなのですが、用心棒として働いています(共生関係)下、横から見ると膨らんで見えます。若齢幼虫も黒い色の体をしています。腹部後端にあるクリオオアブラムシの角状管は短くて見えにくいです。撮影地。神奈川県横浜市、南本宿第三公園。
★ハネナガオオアブラムシ アブラムシ科オオアブラムシ亜科。体長は6〜7ミリ。普通種で有翅型と無翅型がいます。無翅型で6〜7ミリ、翅のある有翅型で翅までいれると10ミリと大きな体のアブラムシです。ハネナガオオアブラムシの有翅型は名前の通りに翅が長く突き出ている大型のアブラムシです。有翅型は茶褐色で胸背は黒色をしていますが、体色には黒色、灰色、茶褐色などの個体差があります。腹背の上部には白いロウ状物質が見えます。出現は4〜10月。分布は北海道、本州、四国、九州。モミ類のモミ、トドマツやイヌガヤ科のイヌガヤに寄生します。本州ではモミ類、イヌガヤにつきます。ハネナガオオアブラムシは群生して発生しています。卵は幹に産み付けられ、越冬は卵で越冬します。
ハネナガオオアブラムシ1.JPGハネナガオオアブラムシ2.JPG
ハネナガオオアブラムシです。シャリンバイの葉の上にいました。翅の長さがとても長いアブラムシです。実に名前と特徴があっています。この仲間も似たものが多くいるので、詳しく調べるとハネナガオオアブラムシに似た種類かも知れないのですが、大まかな特徴から、ここではハネナガオオアブラムシとして紹介することにしました。下の写真では黒い棘の様に見える角状突起が見えています。透明な翅の外縁部には黒褐色の縁取りが見えています。撮影地。神奈川県海老名市。
posted by クラマ at 17:21| Comment(0) | 昆虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする