2017年05月13日

ミカドトックリバチ(トックリバチ)とドロバチヤドリニクバエ。

ミカドトックリバチ(別名トックリバチ)が葉の上で、捕らえてきたイモムシを巣に運ぶための態勢を整えている所を発見しました。止まっていたすぐそばの石垣の隙間に巣が作ってありました。巣の中に餌のイモムシ(ガの幼虫)を運ぶ観察ができる幸運に巡り合うことができました。観察しているとトックリバチなどドロバチ類のストーカー、ドロバチヤドリニクバエがミカドトックリバチを追いかけてきた所を発見しました。このニクバエ科のハエはスズバチ、オオフタオビドロバチ、などドロバチ類の巣に侵入してウジ(1齢幼虫)を産み落とすそうです。様子を見ているとドロバチヤドリニクバエが異常に巣に接近して巣に入り込もうとしました。寄生ニクバエと分かっていたので、ハチに刺されないようにハエを追い払いました。ハエは諦めないで巣の近くから逃げませんでした。ミカドトックリバチはよほど良い狩場を近くに見つけたのか3〜4分ぐらいで戻ってきます。トックリバチは驚く速さで麻痺してビロンと伸びた動かないイモムシを巣の中に頭から押し込んでいきます。ミカドトックリバチがイモムシを運び込むたびに、ドロバチヤドリニクバエは巣の近くまで寄っていきます。ミカドトックリバチのトックリ状の巣は、まだ詰め込む餌のイモムシ等が満たされていないので、まだ蓋がされていない状態です。ドロバチヤドリニクバエはミカドトックリバチが離れたすきに巣の中に侵入してウジを産み付ける卵胎生で、その機会を狙っています。ここでもドロバチヤドリニクバエの侵入は防いであげました。巣を発見してから3匹のイモムシ(同1種に見えます)を詰め込んだ後、口元に茶色い球状の塊を運んできました。巣の中が餌のイモムシで満たされると卵を産んで蓋をします。蓋も泥で塞がれます。蓋をするための泥を運んできたのは2回です。何とこの蓋は2回運んだ分量の泥で塞がれました。このことから蓋は2〜3回運ばれる泥で塞がれることが予測できました。
★ミカドトックリバチ スズメバチ科ドロバチ亜科。日本特産の普通種で良く見かける種類になります。単独行動をする狩蜂です。別名トックリ状の泥の巣を作ることから、トックリバチと呼ばれています。総称的に似た仲間をトックリバチと呼んでいることもあるので、トックリバチの方が呼び名として有名です。体長10〜15ミリ。特徴は黒い体に黄色い斑紋がありますが、この黄色紋には変異があります。腹部には2本の黄色い縞が見えます。雄雌はほぼ同じに見えますが、雄の頭盾は全体が黄色くなっています。巣の形状は泥でツボやトックリに見える巣を作ります。出現は5〜10月(春型は5〜7月、夏型は7〜10月)の年2化。分布は北海道、本州、四国、九州。平地から山地まで広く生息しています。成虫は多くの種類の花の蜜などを餌にします。日当たりの良い草原の花などの花に訪れています。攻撃性のない大人しいハチです。幼虫の餌となるイモムシはガの幼虫です。巣の中には卵が1個産み付けられます。巣の中で麻酔をかけられたガ類のイモムシは、生きながら幼虫の餌にされてしまいます成虫になると巣から脱出していきます。巣の入り口が開いていたら成虫が脱出したことが分かります。巣の大きさには大小があり、巣の大きさは餌の量に比例するようです。大きな巣からは雌が、小さな巣からは雄が出てくるそうです。越冬は巣の中で前繭で越冬します。
出現が7〜9月と言われていましたが、春にも居ることが不思議でしたが、年2化で春型と夏型がいることが分かってきました。このことを発見した昆虫研究者の大きな成果です。季節型の違いは、春型のミカドトックリバチは黄色い斑紋が小さく、夏型のミカドトックリバチの斑紋は大きく黄色がはっきりと見えることです。このことから詳しく分かるまでは季節型が別種とされていたことがありました。それにしても黒い地色に黄色の紋や筋がある種は多くいるので、この仲間を見つけたら写真を撮って調べないと分からなくなってしまいます。
ミカドトックリバチ.JPG
上、ミカドトックリバチの雌。葉の上で巣にいれる前にイモムシの体制を整えているようです。この獲物はシャクトリムシと呼ばれるガの幼虫のようです。撮影は5月で、黄色い紋が小さい春型のミカドトックリバチになります。
ミカドトックリバチ巣2.JPGミカドトックリバチ巣1.JPGミカドトックリバチ巣3.JPG
上、スムーズにイモムシを頭から巣の中に突っ込みます。巣の位置が悪く、ピントを合わせている間に獲物は巣の中に押し込まれてしまいます。見事な早業です。ミカドトックリバチは巣に獲物を素早く入れることに集中していて、近くに天敵のドロバチヤドリニクバエがいても気にしていないようです。すぐ次の獲物を捕らえて運び込むために飛んで行ってしまいました。写真、中と下は泥で作られた巣の様子です。中、巣の入り口まで獲物が詰め込まれているのが見えています。この状態になると後は入り口を塞ぐだけです。下、巣の中が餌で満たされると、最後の仕上げに外敵の侵入を防ぐため、口に咥えてきた茶色い団子状の泥で入り口は泥で完全に塞がれてしまいます。茶色く見えていたのは水分を含んでいるためです。乾燥するとすと巣と同じ色になります。入り口を塞いだ後は、次の巣を作るために飛んでいきました。
ドロバチヤドリニクバエ(ニクバエ科).JPG
上、ドロバチヤドリニクバエです。ドロバチヤドリニクバエは卵胎生のニクバエ科で体長3〜7ミリ。トックリバチや オオフタオビドロバチなどの巣の中にウジを産み落とすそうです。ニクバエ科の特徴として胸背部に不明瞭ですが3本の縦条が見えます。その他詳しくは分かりません。このドロバチヤドリニクバエの大きさは体長7ミリ位でした。寄生バエの行動を見たことが無かったので大変貴重な観察をすることができました。観察場所、神奈川県横浜市、南本宿第三公園。

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2017年05月12日

ハナミズキ(花水木)とヤマボウシ(山法師)。大変よく似た植物です。

5月になると華やかな花を咲かせるハナミズキとヤマボウシが目立つようになってきます。ハナミズキとヤマボウシの花はそっくりです。樹形も葉の形も同じに見えます。生えている場所も似ていて、街路樹、公園樹、庭木とどちらも同じように使われています。どちだったかな?と思いながら花を見ている方も多いことと思います。花が咲き終わらないと見分けがつかない位に良く似た植物です。ヤマボウシは食用になる赤く熟す球形の実を付けますが、ハナミズキの赤い実は小さく細長い果実が数個付きますが、まずくて食用にはならないそうです。どちらも園芸品種も多いのでちょっと見ただけでは分かりにくいです。比較のためにヤマボウシは当ブログ、再度の登場になります。等ブログ「ヤマボウシ。花と食べられる赤い実が楽しめる植物です」でヤマボウシの記事を書いているので、ヤマボウシに興味があればそちらも参照してみてください。ハナミズキとヤマボウシを調べてみました。
★ハナミズキ(花水木)ミズキ科ミズキ属。アメリカ原産の落葉高木。高さは5〜12メートルですが、日本では5〜6メートルのものが多く、あまり大きくならないようです。ハナミズキの樹皮は灰黒色で細かいひび割れが見えます。別名はアメリカヤマボウシこの名前の由来はアメリカから渡来下ヤマボウシに似た植物であることからついた名前のようです。英名はドックウッド。犬のノミ対策に薬として使われたことからついた名前のようです。ハナミズキは日本がソメイヨシノをアメリカに送った返礼として日本に送られてきたという話があります。花が紅色に見える種類はベニバナハナミズキと呼ばれています。葉は対生で側脈がはっきりと見えます。葉の形は楕円形から卵円型で、よく見ると葉の形は少しずつ微妙に違って見えます。葉の長さは8〜15センチ。葉の裏面には白い短毛が生えています。秋には赤く紅葉します。花は4月〜5月に白〜ピンク色、淡い紅色などの花を咲かせます。花の花期は長く、大きな花弁に見える部分は総苞になります。ハナミズキの総苞片の先は窪んでいます。この特長を覚えておくと良く似たヤマボウシと区別がつきやすくなります。本来の花は小さく中心に固まって見える部分になります。ハナミズキの花は4枚の大きなハナビラにみえて綺麗です。観賞用としての園芸品種が多い種類です。実は核果で楕円形で9〜10月に赤く熟します。試したことはありませんが、実は大変まずく食用には適さないようです。野鳥ではオナガ、ムクドリ、ヒヨドリ等が実を食べにきます。鳥にしてみると、最後まで実のついている他の種類の木もあることから、まだ美味しい部類に入るのかと思います。
ハナミズキ.JPG
上、ハナミズキの花です。よく見ると花弁に見える総苞の先は窪んでいます。葉の形はハナミズキももヤマボウシもよく似ていますが、ハナミズキの方が長細く見えます。
★ヤマボウシ(山法師)別名ヤマグルマ、ヤマグワ、コクワダンゴギなど別名は多い植物です。ミズキ科ミズキ属の日本固有種の落葉高木。高さは10〜15メートル。樹形は整っていて選定は必要ない部類の植物で幹の色は灰褐色をしています。雌雄同株で非常によく似た近縁種にアメリカヤマボウシ(ハナミズキ)があります。ヤマボウシの名前の由来は、白い花(総苞片)を頭巾に見立て、花の部分を坊主頭に見立てたところからついた名前のようです。分布は本州、四国、九州、沖縄。やや湿気を好み、雑木林など山野に自生しています。街路樹、庭園、庭木、公園などに良く利用されているので簡単に見つけることができます。花びらに見える4枚の白い部分は総苞片都呼ばれる部分で、本来の花は中央の丸く見える部分になります。花は球形で集合花と呼ばれる花になります。よく見ると小さな花が20〜30個が集まっていることが分かります。総苞片とは花序(花の集まった部分)を保護する苞葉で、苞葉とは葉が変態した変態葉になります。花序全体の基部を包む苞として、花を保護するために形を変えた葉になります。自生種の花の色は白色ですが、園芸品種も多くヤマボウシの花の色は、白、ピンク、帯緑色などがあります。花の柄が長く、花は天(上)を向いて咲きます。よく似たヤマボウシとハナミズキの花の特徴には、よく見ると違いがあることが分かります。違いはハナビラにみえる総苞の先に出ます。ヤマボウシの花びらに見える部分(総苞)は尖っていて、ハナミズキの場合は窪んでいます。花期は5〜7月で総苞は落ちないで残るので、花として長く見ることができます。果実は球形をしていて8〜9月に赤く熟し食べることができます。ヤマボウシの実の付き方は変わっていて、実が上向きに付きます。柄がしっかりしているので球形をした実が上を向いてなっています。形はサクランボを思わせるトゲトゲのある実が、赤く熟して上を向いて実っているのも見ごたえがあります。花の段階では見分けが難しい両種ですが、実が付くと1目瞭然で見分けがつきます。実には1〜5個の種子が入っています。秋に赤く熟す実は甘く、果実酒、ジャム、生食として利用されます。食べる所は少ないのですが、生食の実の味は個人的には甘くて美味しいと思います。どうも生食の場合、味に好き嫌いが出るようです。葉の付き方は対生で、葉の形は卵円形や楕円形で葉脈がはっきりしています。葉先は尖っていて葉の長さは4〜12センチ。葉脈がはっきりしています。10月頃から徐々に紅葉していくので、紅葉を楽しむこともできます。葉の形は、よく似たハナミズキの葉よりも丸みがあります。ヤマボウシも品種を改良されたものも多く、食用に特化した果実の大きなファスティーハード(白花)、ミルキーウェイ(白花)、ビッグアップル(やや黄色を帯びた白花)という種類があります。実の収穫もできる種類は庭木にすると花、紅葉、収穫と3通りの楽しみ方ができます。花にこだわるなら華やかな赤花も綺麗です。赤花系にはサトミ(赤色を帯びた白花)、ゲンペイ(赤と白が分かれて見える花)、ベニフジ(赤花)などの品種があり用途により好みのヤマボウシを選ぶことができます。食用に適した果肉部分の多い大粒の実のなるヤマボウシも食べて見たくなります。
ヤマボウシ花.JPGヤマボウシ葉1.JPGヤマボウシ葉2.JPG
上、ヤマボウシの花です。下2枚は同じ木に生えていた葉です。葉の形は整っていないで、同じ木でも若干の違いがあります。葉の形はヤマボウシの方が丸みを帯びます。比べて見ると同じにしか見えなかった植物でも違いを見つけることができます。
posted by クラマ at 15:35| Comment(0) | 自然観察・植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月09日

オオイエバエ、オオセアカクロバエ、サシバエ、ハナレメイエバエ。イエバエ科のハエ達です。

ハエ目イエバエ科のハエは日本全国に生息していて、不快害虫、衛生害虫としてあまりに有名です。種類が非常に多く、体色も黄色、黒色、褐色、灰色など様々です。しかも似た種類が多く、種の名前を特定するとなると難しいものが多く、同じように見えるものがとにかく沢山いて非常に困難を極めます。イエバエ科は成長速度が速く卵から成虫まで10日〜2週間程しかかかりません。日本には250種類以上もいて、日中から活発に活動して人家や人家周辺で普通に見ることができます。これほど良く知られている昆虫もいないと思います。種類が多いことから餌とするものも雑多で、花の蜜、他の昆虫、動物の死骸や糞、動物の血液など実に様々ですが、多くが汚い環境で繁殖するため、衛生上汚く病原菌等を伝播して感染症を広めることから大変嫌われています。現在ではすくなくなったものの、食品に混ざることもある昆虫です。幼虫はウジと呼ばれていて、気持ち悪がられています。ハエの特徴として多くは雄の場合、複眼(目)が接近していて、くっついて見えます。雌の場合は複眼が離れているので、外見上では雌雄の区別はつきやすいです。イエバエというとイエバエ科の総称として呼ばれる場合と、イエバエという種類の名で呼ばれる場合がありますが、多くはまとめて総称的にイエバエと呼ばれることが多いようです。イエバエという種類は人家内で見れれることが多い普通種のハエなので付いた名前のようです。昔はゴミ捨て場や畜舎周辺などで大発生していたことがありますが、衛生環境の良くなった現在では昔ほど多くは見ることは無くなってきています。あまり知られていませんが、動物の血を餌としているハエがいます。血を吸うハエがいるなんて、と驚かれるかも知れませんが、サシバエという畜舎に生息する吸血性のハエがいます。血を餌にするハエがいることは、1般的にはあまり知られていないと思います。人を刺すことがあるハエ、しかも血を吸うハエがいることを想像するだけで、寒気がする方もいると思います。サシバエはその食性から畜産農家の困った害虫になっています。幸いなことにサシバエは人を刺すことがあっても、カのように積極的に人の血を吸うような行動はしません。サシバエの仲間は灰色っぽい体をしています。イエバエ科の仲間を調べるにはやはり翅脈を見比べる必要が有ります。オオイエバエとサシバエの場合、翅脈はイエバエ科としては少し違って見えます。大まかな科の判別は翅脈である程度見分けることができますが、さらに詳しい名前を市レベルとなると、僅かな翅脈の違い、毛の配列や生え方等、交接器の形状等を確認しなくてはいけないので、写真撮影だけでは、ほぼ判別は無理というのが本当のところです。当ブログのハエについては、あくまでも見た目の大まかな判別によるものになります。紹介する オオイエバエ、サシバエはよく見て比較しないと同じに見えてしまいます。オオイエバエも総称になっていています。オオイエバエ属の オオセアカクロバエは小楯板が橙褐色をしているので、大きさ等からこの種だと当りを付けることができます。とはいえ、似たものが多いハエが多いので、このような感じに見えるハエがオオイエバエ属になるという参考にしてみてください。中型で眼の離れている体長5〜6ミリのハエを見つけました。この種類はイエバエ科ハナレメイエバエ亜科になるようです。ハナレメイエバエは名前の通り雌雄共に眼(複眼)が離れていて、中型の細長く見えるハエです。眼の間に鋭い毛が生えていて、頭部はよく見ると怖い顔のように見えます。この仲間は調べてみると超難解で手に負えません。名前を割り出すことなど当方には全く不可能です。ハナレメイエバエの仲間として紹介します。イエバエ科のハエ4種類。 オオイエバエ、オオセアカクロバエ、サシバエ、ハナレメイエバエの仲間を調べてみました。
★オオイエバエ イエバエ科オオイエバエ属。普通種。体長7〜9ミリ。胸背部に4本の黒い縦条が見えます。オオイエバエ属としては、小楯板に見える赤褐色が不鮮明な種類もいます。腹部は黒と白の配色になっています。イエバエの場合、腹部に黄色っぽい色が見えます。オオイエバエは高い飛翔力を持っています。オオイエバエの翅脈はサシバエに似ていて、イエバエ科の翅脈と違っています。分布は北海道、本州、四国、九州。出現は3〜11月。オオイエバエは成虫で越冬します。豚舎、鶏舎に多く発生し人家にも侵入することがあるハエになります。人家周辺に多いので、最も目にする機会のある大型のハエになります。林縁や林内にも生息しています。幼虫(ウジ)の餌は動物の糞を餌にするので、衛生上良くなく、病原菌を媒介します。似た種類にサシバエ、イエバエがいます。イエバエとよく似ていますがイエバエよりも大きく腹部の色に違いが出ます。サシバエは黒い口吻を持ち皮膚を突き刺して血液を吸います。腹部は白と黒の市松模様のようになっています。見た目も翅脈の形もオオイエバエとサシバエはよく似ています。                  オオイエバエの仲間にはモモグロオオイエバエ(体長12〜14ミリ程。脚の色が黒い特徴があるようです。)、オオセアカクロバエ(体長10〜12ミリ)などの大型のイエバエもいます。オオイエバエの体長が7〜9ミリだとすると、10ミリを超える似た種類のものは、オオイエバエ属の種類になると思います。オオイエバエと簡単に言っても、このように訳が分からなくなってしまいます。
オオイエバエ1.JPGオオイエバエ2翅脈(イエバエ科).JPG
上、オオイエバエの写真になります。(オオイエバエもしくはオオイエバエ属)見るからに体格の良いハエです。下、上と同じ個体の翅脈です。翅脈にはイエバエ科の特徴を見ることができます。
★オオセアカクロバエ イエバエ科オオイエバエ属。体長10〜12ミリ。よく似たセアカクロバエよりも大きく、小楯板の後端は橙褐色で翅の付け根の部分も橙褐色をしています。オオセアカクロバエは林縁に多く生息していて畑など農作地周辺にも居ます。オオセアカクロバエ は人家ではあまり見かけません。分布は北海道、本州、四国、九州?
オオセアカクロバエ(イエバエ科)1.JPGオオセアカクロバエ2.JPG
オオセアカクロバエ。この個体は規模の大きい家庭菜園の脇の林縁の歩道にいました。小楯板の下端に見える橙褐色が特徴になります。よく似た種類にセアカクロバエがいます。セアカクロバエは同じイエバエ科で体長8〜10ミリ。オオセアカクロバエよりも小さく特徴は似ていて、小楯板の下端は橙褐色をしているそうです。分布は北海道、本州、四国、九州?                               写真はないのです、モモグロオオイエバエとイエバエもついでに調べてみました。            
★モモグロオオイエバエ 普通種のイエバエ科オオイエバエ属で体長は12〜14ミリ。特徴は大型で胸背には4本の黒い縦筋が見えることが挙げられます。名前の通り、脚の色が黒色であることが特徴になるようです。オオイエバエとの比較では、オオイエバエの脚の腿節は褐色になっているそうです。出現は3〜11月。成虫で越冬。分布は北海道、本州、四国、九州。平地から山地にいるようです。モモグロオオイエバエの幼虫は金沢大学の赤石大輔先生と中村浩二先生の研究によると、イグチ科やテングタケ科の大型で柔らかいキノコを餌として利用するそうです。肉食性もあり、終齢幼虫は同じキノコにいる他のハエ類の幼虫を捕食するそうです。モモグロオオイエバエは毒キノコのテングタケ類を餌にできるタフなハエなのです。テングタケ科は有名な毒キノコですが、うまみ成分を多く含んでいる毒キノコなので、毒に当たらないモモグロオオイエバエには馳走になるようですね。詳しく調べたかったら、テングタケ科のキノコに湧いているウジを育てると、モモグロオオイエバエの成虫の確率が高いので、観察することができるかも知れません。モモグロオオイエバエと思われる写真が撮れましたら追加する予定です。                            
★イエバエ イエバエ科。体長は6〜8ミリ。雌雄とも複眼は離れています。胸背に4本の黒い縦条線が見えます。腹部の色は黄褐色(腹部第2節、第3節の色)をしています。最大の特徴は前胸側板に毛が生えていることです。腹部の色、模様には個体差や地域差が出るようです。出現は3〜11月。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。人家周辺でも発生して人家に侵入することが多いハエになります。人糞、家畜の糞、堆肥、腐った食物、生ごみなどが好きで、幼虫の餌となります。成長が早く、卵から成虫までは約10日程です。成虫で越冬します。イエバエとモモグロオオイエバエの写真が撮れましたら写真を追加したいと思っています。
★サシバエ イエバエ科。体長は雄3〜65ミリ、雌5〜8ミリ。体色は全体敵に灰色をしています。胸背部には4本の黒い縦条が見えます。サシバエの翅脈はオオイエバエの翅脈に似ていて、他のイエバエ科の翅脈と違っています。腹部の模様は市松模様のようになっています。口元から黒い色をした口吻が突き出ています。出現は4〜11月。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。人や家畜などの動物の血液を吸う吸血性のハエです。雄も雌も血液を餌にします。幼虫は堆肥に発生します。畜産農家などで牛などに被害を与える害虫です。牛が吸血によるストレスを受けるそうです。当然、吸血による感染症も引き起こします。人の血も吸う怖いハエなので注意が必要です。サシバエは非常に高い飛翔力をもち長距離の移動も可能です。ハエとしても知られています。似た種類に本州以北に生息するのサシバエがいます。越冬は蛹で行われます。詳しく知りたい方は、兵庫県立農林水産技術総合センターのホームページで、専門技術員の長井秀樹先生がサシバエについて詳しく書かれていました。サシバエの成虫は羽化の翌日から吸血が可能で、特に牛の血が好きで吸血量は朝夕2回、雄は9・45ミリグラム。雌は16・43ミリグラムも吸うそうです。サシバエは涼しい時間帯に吸血するそうです。吸血性のハエは日本国内には6種いるそうです。
サシバエ1.JPGサシバエ・横2.JPG
上、サシバエです。写真では分かりにくいのですが、黒く突出している刺すための口吻があります。サシバエの仲間は、この突き出た口吻が特徴になっていて、この部位を確認できたら分かりやすい種類になります。血を吸うハエが日本にいるなんて信じられないかもしれませんが、サシバエは人の血も吸うことができる吸血性のハエです。写真で見るよりも実物はオオイエバエにそっくりに見えます。比べて見ないと同じハエだと思ってしまうと思います。サシバエは畜産農家のある近くで見つけることができます。
★ハナレメイエバエはイエバエ科ハナレメイエバエ亜科になる小型から体長5〜6ミリ程の中型の大きさのハエです。ハナレメイエバエの仲間には何種類かいて、その総称になっています。種名まではあてずっぽうでも分からない位に難解です。ハエの分類はどれも難しく、皆同じに見えてしまいます。ここでは ハナレメイエバエの仲間としておきます。
ハナレメイエバエ亜科・胸背部.JPGハナレメイエバエ亜科・頭部・胸背部.JPGハナレメイエバエ亜科・体側.JPGハナレメイエバエ亜科・中脚後側の3本の刺.JPG
上の写真はイエバエ科ハナレメイエバエ亜科の1種です。ハナレメイエバエの仲間も種類が多く、種類の名前を当てるのは当方には到底無理です。ハナレメイエバエの仲間は、このようなハエだと思って参考にしてみてください。この個体は捨てられた竹林のタケノコの汁を吸っていました。種類が分からなくて大変苦労したハエなので拡大写真も載せてみました。1番上でイエバエ科の翅脈の特徴が分かります。頭部(複眼の間)は口のように見える割れた頭をしています。3枚目、横から見た拡大です。下、腿節に3本の刺が見えています。脚の色は淡いオレンジ色に見えます。符節部分は黒い色をしています。
イエバエに属するハエは名前が違っていても、みな同じにしか見えないという恐ろしい特徴を持っている、実に特定が難しい種類の昆虫です。素人には判別できないということが実際の所です。これほど見る機会の多い普通の昆虫なのに奥が深すぎます。撮影が難しい種類も多く、カメラを近づけると逃げられてしまうことが多いうえ、ブレたりピントが合わなかったりと、思いのほかてこずってしまいます。ハエの利点は他の昆虫が見つけられない時などには、良い時間つぶしの遊び相手になることです。名前を見つけることも難しい昆虫なのですが、勢いで紹介してきました。ハエは紹介するのに勇気がいる昆虫になります。
posted by クラマ at 20:08| Comment(0) | 昆虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする