2015年12月25日

ハコネイボゴケ。岩の上に生える緑色の地衣類です。

ハコネイボゴケは緑色をした石の上に生えるコケに見えます。イボゴケ科の地衣類になります。地衣類はコケと違い、菌類と藻類が共生して地衣体という特殊な体を作っています。菌類は水分を吸収することで水分を供給し、藻類は光合成によって栄養を作り出すことによって、お互いに助け合って共生しています。ハコネイボゴケの地衣体は柔らかめの石の上を好んで発生し、岩や石などに固着して岩や石と1体化している痂状地衣になります。地衣体の色は(表面に見える色)灰白色〜暗緑色をしています。水分を含むと藻類が共生していることから緑色に色が変わっていきます。乾燥している時には目立たなかった灰白色の色をしていたハコネイボゴケも目立つようになります。試薬での種の確定はしていないのですが、ここではハコネイボゴケとして紹介させていただきます。地衣体が緑色で子器が黒いということがハコネイボゴケの特徴になっています。簡単な特徴は、緑色を帯びていて岩に張り付いて生えているイボのある地衣類です。観察していると、子器は平たい盤状のものから盛り上がって行くようです。地衣体が緑色で、子器が黒く盛り上がってイボのようになっていると、見つけやすいです。乾燥時から緑色をしているものもありますが、色だけでは他の地衣類と間違えてしまうと思います。地衣類には似た物が多く、種類を特定するには正確には試薬を使わないと難しいことは言うまでもありません。ハコネイボゴケを調べてみました。
★ハコネイボゴケ イボゴケ科(BACIDIA属)の痂状地衣。分類は子嚢地衣類。岩上に生えます。石の表面に固着して石と1体化しています。地衣体の色は灰白色、灰緑色、暗緑色で、湿潤時、水分を含むと緑色が強くなって見えます。地衣体表面は細かい顆粒があります。子器の形はレキデア型で盤の色は茶黒色〜黒色で平坦〜凸面をしています。径は0・5〜1・5ミリ。果殻は炭質。分布は本州(仙台以南)四国、九州。温暖な地域の柔らかい質の岩や石、石垣などの岩上に生えています。ヘリトリゴケが硬い岩上を好み、日向にも見られることに対して、ハコネイボゴケは日陰のやや湿った場所の柔らかい岩上を好むようです。ハコネイボゴケの学名が BACIDIA HAKONENSIS というので箱根で発見されたのかも知れません。ハコネイボゴケは名前の感じから、箱根に限定されているのかな?と思いがちですが普通種になります。大気汚染に強い種類のようで都市部にも見られるようです。
ハコネイボゴケ1.jpgハコネイボゴケ2.jpg
地衣体です。どちらも緑色系の地衣体です。どちらも乾燥時の写真になります。
ハコネイボゴケ乾燥時1.jpgハコネイボゴケ乾燥時2藤棚.jpgハコネイボゴケ乾燥時3.jpg
乾燥時の写真です。1、2枚目、湿り気や水分を含んでいないと灰色系のものですと目立ちません。小さい子器は平たいことが見てとれます。盤は成長すると盛り上がっていくようです。灰白色のハコネイボゴケを少し離れたところから見つけると、ヘリトリゴケに1番似て見えるかと思います。子器がイボ状になって岩についているものも良く見つけます。3枚目、やや拡大した写真です。3枚目では、平たい盤上の子器と盛り上がった子器が見られます。子器の形はレキデア型になります。地衣体は灰色の強い個体です。
ハコネイボゴケ湿潤時.jpgハコネイボゴケ比較.JPG
上、湿潤時のハコネイボゴケです。くすんだ緑がかっていた地衣体が強い緑色に変わってしまいます。下、湿気を帯びているハコネイボゴケの子器を100円玉と比較してみました。この個体の子器は大きく見えました。上の個体とは別のハコネイボゴケです。黄色っぽく見えているのはロウソクゴケモドキです。試薬を使わない視認でハコネイボゴケとして、紹介させていただきました。素人ゆえ、間違っていましたらご容赦願います。
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2015年10月27日

ダイダイサラゴケ、トゲカワホリゴケ。石の上で見つけた地衣類(ライケン)です。

地衣類は分類が難しく、試薬を使って調べていないので、間違っているかも知れません。正確にはダイダイサラゴケの1種、トゲカワホリゴケの1種とする方が良いかも知れません。見た目の特徴でダイダイサラゴケとトゲカワホリゴケとして紹介させていただきます。ダイダイサラゴケはサラゴケ科、トゲカワホリゴケはイワノリ科になりますが、もちろんトゲカワホリゴケは地衣類で海藻や淡水系のノリではありません。ダイダイサラゴケとトゲカワホリゴケは樹上(樹皮)、岩や石の上に生えます。今回見つけた物は岩上に発生していたものです。ダイダイサラゴケによく似た種類に、子器がさらに小さいコツブダイダイサラゴケガあります。コツブダイダイサラゴケの子器の盤の直径が0・4〜0・8ミリと小さく、ダイダイサラゴケの子器の盤では0・4〜2ミリと大きくなります。子器の盤がとても小さく、盤の色が肌色をしたものがあります。おそらくこちらがコツブダイダイサラゴケになるものと推測しています。ダイダイサラゴケの子器は12月頃から翌年3月(4月初め)頃まで見られます。子器は円形の皿形をしたレカノラ型で地衣体の表面に散在します。子器は多くついているもの、少ししかついていないものなどが見られます。ダイダイサラゴケとして今回紹介させていただきます。トゲカワホリゴケは黒っぽい海藻に似ています。トゲカワホリゴケは、トゲ+カワホリ+コケです。トゲと名前にある部分は裂芽のことで、無性生殖器官になります。カワホリとはコウモリの古い呼び方です。なるほど、よく見るとコウモリの羽の膜状の部分と色も厚みの感じも似ています。コケはそのままコケのことです。乾燥が続くと小さくなって消えてしまいます。岩上にトゲカワホリゴケが生えていた形跡は見ることができる場合もありますが、岩上生のコフキジリナリアやムカデゴケがすぐに消えないで成長していくことを考えると、発生の時期を外すと見つけることが難しくなります。地衣類の中でも1番ワカメなどの海藻にイメージがあっている姿形をしています。石にワカメのようなものがはりついて発生していたら、イワノリ科のカワホリゴケの仲間と思ってよいかと思います。この仲間も良く似た物が何種類かあります。幸いなことにトゲカワホリゴケの発生する石を見つけたので、運よく観察の機会を持つことができました。ダイダイサラゴケ、トゲカワホリゴケを調べてみました。
★ダイダイサラゴケ サラゴケ科。樹上(樹皮上)、岩上、土の上の苔の上などに発生します。痂状固着地衣。地衣体は灰色〜薄い黄緑色。日陰では暗オリーブ色をしています。地衣体にコケが混ざりこんで、おやっと思うものもあります。子器は12月から3月(観察スポットでは4月初めまで見ることができます)地衣体の大きさは10センチを超えるものもあります。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。地衣体には粉芽も裂芽もありません。子器はレカノラ型で0・4〜2ミリで円形の皿形をしています。盤の色は橙黄色、赤橙色、黄赤色。よく似た種類に、子器がさらに小さいコツブダイダイサラゴケガあります。コツブダイダイサラゴケの子器の盤の直径は0・4〜0・8ミリで、盤の色は肌色など薄い色になるようです。子器は円形の皿形をしていてレカノラ型になります。
★トゲカワホリゴケ イワノリ科。低地から山地の樹上(樹皮上)、岩上に発生します。分布は北海道、本州、四国、九州。地衣体の大きさは直径3〜6センチ。地衣体の色は暗褐色、暗緑褐色、黒色などの色をした薄い膜状をした葉状地衣です。特徴は中央から伸びるシワがなく、円筒状、粒状、サンゴ状の裂芽があります。背面は深裂していて子器は稀に付くそうです。裂芽を付けたワカメを連想させる容姿をしています。裂片の先は丸く幅が広いです。水分を吸収するとゼラチン状になります。トゲカワホリゴケの名前にあるトゲは裂芽の部分を指し、これは無性生殖器官になります。カワホリとはコウモリの古い呼び方です。コウモリに似た色と地衣体の薄い膜上の裂片を持つことから付いた名前のようです。
ダイダイサラゴケ1.jpgダイダイサラゴケ2乾燥時.jpgダイダイサラゴケ3.jpg
ダイダイサラゴケです。石の表面に生えていました。地衣体の上にコケが生えて混ざっている個体もありました。1枚目、ややいびつな盤の形をしていました。大きさは1・5ミリ位。2枚目は乾燥している時に撮影しました。3枚目は湿潤時の様子です。盤の色が薄いのが気になります。コツブダイダイサラゴケの特徴の薄い色に近いのかも。間違っていましたらご勘弁ください。写真は数か所で撮影したものです。
トゲカワホリゴケ.jpgトゲカワホリゴケ2.jpg
トゲカワホリゴケです。なんでワカメが石に生えてるの?と突っ込みを入れたくなります。写真を追加しました。下の写真の物は乾燥時のもので、色が薄く灰色をしています。裂芽(無性生殖器官)が沢山付いていました。場所は上の個体を見つけた場所から近い所に生えていたものです。湿潤時は黒く見えていました。撮影地は神奈川県横浜市。
ついでに地衣類と思われる不明種の写真を下に載せます。樹皮上に生えていました。全く何の種類だか名前も分りません。シダを思わせる形をしています。デンドライト(忍石)やデンドライトクォーツの中に入り込んでいるシダに似た模様に似ています。古くなるとシダのような形を失い不規則な網目のような塊に見えます。
不明1.jpg不明2.jpg不明3.jpg
地衣類には分からないものや似た物が多くあります。成長が進むと3枚目の写真のようになっていきます。写真の物は全くなんだか分かりませんでした。
posted by クラマ at 18:18| Comment(0) | 地衣類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月22日

マツゲゴケ、ヒカゲウチキウメノキゴケ。ウメノキゴケ科の地衣類(ライケン)です。

マツゲゴケとヒカゲウチキウメノキゴケはウメノキゴケによく似たウメノキゴケ科の地衣類(ライケン)です。どちらも樹上(樹皮)と岩上に着生(固着している)する葉状地衣になります。マツゲゴケは裂片の先端部にマツゲのような黒い毛(シリア)を多くつけることから、マツゲゴケと名前が付いたようです。裂片の先端にソラリア(粉芽塊=粉芽が集まった塊)ができることが特徴で、ソラリアの付く裂片の先端部の裏側は白い色をしています。ソラリアをつける裂片には通例シリアはついていません。この特徴からマツゲゴケは似た種類の多いウメノキゴケ科の中でも比較的に分かりやすい部類に入ると思います。ヒカゲウチキウメノキゴケは大変見分けることが難しく良く調べないと間違ってしまいます。地衣類の分類では試薬が多く使われています。見た目では判断ができない種類が多いからです。試薬を使っての判別はできないので、ここでは見た目の特徴で名前を特定していますので、間違っていたら何卒ご容赦ください。ヒカゲウチキウメノキゴケの特徴はパスチュール(泡芽)はあるのですが粉芽状にならないことです。パスチュールは地衣体表面にできる中空の泡状の突起のことで、これは無性生殖器になります。パスチュールは泡芽とも言います。地衣体は不規則に分枝して広がり、裂片の先は丸くなっています。地衣体の色は灰白色から褐色を帯びた灰色をしています。大雑把な観察では、地衣体表面の粉芽の部分が粉っぽいか、粉っぽくないかをまず確認すると良いかも知れません。ウメノキゴケの仲間は細かく分類すると、大変よく似た物が多く存在する種類であることに驚いてしまいます。専門家以外が、ザックリと似た種類をまとめてウメノキゴケと言っている理由もわかるというものです。マツゲゴケとヒカゲウチキウメノキゴケはウメノキゴケの仲間でどちらも大気汚染には弱いようです。マツゲゴケは都市部には無い種類といわれいていましたが、東京都の皇居内で生育が確認されました。皇居内での調査で、地衣類の種類がかなり増えていることが分かったようです。都市部の汚染度がかなり改善されてきているようです。
★マツゲゴケ ウメノキゴケ科の葉状地衣。大気汚染には弱い種類になります。1般的には都市部では見ることができない種類になっています。樹皮上、岩上に着生していて、低地から低山地に生育しています。分布は本州(関東以西)、四国、九州。地衣体の大きさは10〜20センチ。地衣体は灰白緑色〜灰褐色で裂芽はつきません。地衣体は深裂して多数の裂片に分枝しています。裂片の先端部分にソラリア(粉芽塊=粉芽が集まった塊)ができることが特徴で、ソラリアの付く裂片の先端部の裏側(腹面)は白色をしています。ソラリアをつけるこの白い裂片部には通例シリア(黒いマツゲのように見える毛のような物)はついていません。マツゲゴケの名前の由来は、裂片の先にある黒いマツゲに似たシリアが多くつくことから来たようです。よく似た種類にオオマツゲゴケガあります。こちらは裂片の先の腹面が黒いことで区別ができます。マツゲゴケの表面にはとても細かい網目のような模様があります。
★ヒカゲウチキウメノキゴケ ウメノキゴケ科の葉状地衣。大気汚染には弱い種類になります。樹皮上、岩上に着生しています。分布は北海道、本州、四国、九州。北海道や東北地方ではかなり数が少ないようです。関東以西に多い種類になります。最大の特徴はパスチュール(泡芽)はあるのですが粉芽状にならないことです。パスチュールとは地衣体表面にできる中空の泡状の突起のことで、無性生殖器になります。大きさは2〜10センチで不規則に分枝してロゼット状に広がります。裂片の先は丸く、幅は1〜4ミリになるようです。地衣体の色は灰白色から褐色を帯びた灰色をしています。よく似た種類にハヤチネウメノキゴケがありますが試薬を使っての判別になるようです。見た目では判別できないということになります。粉芽状にならないことがこの種の特徴になります。
マツゲゴケ1.jpgマツゲゴケ2.jpgマツゲゴケ4.jpg
マツゲゴケです。先端部分にできるソラリアが特徴的です。3枚目の写真で黄色く見えているものはロウソクゴケのようです。周りにロウソクゴケが生えていて樹皮上で競合しているようです。
ヒカゲウチキウメノキゴケ.jpg
ヒカゲウチキウメノキゴケ。ウメノキゴケに大変よく似ています。ここでは非常によく似たハヤチネウメノキゴケとは地衣体の感じから区別してヒカゲウチウチキウメノキゴケとして紹介しています。またはハヤチネウメノキゴケには中央に裂片があるらしいことも参考にしました。間違っていましたどうかご勘弁願います。
posted by クラマ at 13:31| Comment(0) | 地衣類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする