2017年12月08日

ウコギとウコギの葉柄にできるゴール(虫こぶ)ウコギハグキツトフシを見つけました。

単にウコギと呼ばれる場合は総称的な呼び名になっていて、ヤマウコギ、ヒメウコギ、エゾウコギ、オカウコギ、ウラジロウコギ、ミヤマウコギなど数種があります。ウコギ科のウコギは食べることもできます。山菜として1般的に利用される種類はヤマウコギ、ヒメウコギ(園芸種で山菜として栽培されたものが野生化しています。高さは1〜2メートル。雌雄異株ですが日本にあるのは雌株のみになります)になるようです。ただしウコギはクセのある山菜としても知られています。食用とする場合はアクの少ないヒメウコギが多く利用されるようです。同じく山菜として利用される似た植物にコシアブラ(ウコギ科)があります。ヤマウコギの鋸歯は単鋸歯。ヤマウコギに非常によく似ているオカウコギ(別名マルバウコギ)の分布は本州(福島県以西)、四国、九州。オカウコギ(別名マルバウコギ)の鋸歯は重鋸歯になっています。オカウコギは日本固有種とされています。特徴は葉痕や葉柄の下に鋭い棘があり、葉の裏の脈の上に立毛(毛状突起)があります。数は少ない種類になります。非常に良く似ているため細かい所を見ないとヤマウコギと判別ができないオカウコギも山菜として食べられるようです。間違っても味等は大差のないものなのかもしれません。ただし、口に入れるものだけに正しい知識(判別)はできた方が良いと思います。
当方はウコギは食べたことがありません。周りにも食べたことがある人がいないので、1度挑戦してみようと思っています。食用には春の新芽を使い、テンプラなどにするようです。テンプラ以外はアクが強いため、1度、2〜3分ほど塩茹でしてから冷水でアクを抜くようです。ウコギはアクが強い(苦味が強い)ことで有名な山菜なので、好き嫌いが出る味なのかも知れません。
・ここで食べられることを紹介しましたが、当ブログは食べることを勧めるためのブログではありません。間違って他の種類の植物と誤食して具合が悪く成ったり、病院に行くはめになっても当方は1切の責任は持ちません。食べてみようと思った方は、あくまでも自己責任でチャレンジして見てください。山菜等、自信のないものは口にしない方が良いです。
ヤマウコギの樹の葉の付け根にコブができているのを見つけました。調べてみるとヤマウコギにできるゴール(虫こぶ)の ウコギハグキツトフシであることが分かりました。ウコギトガリキジラミと言うキジラミの1種により葉の付け根の茎(葉柄)が変形した物です。成虫で越冬するようなのですが、12月5日に虫こぶを割ってみると中にウコギトガリキジラミの幼虫が入っていました。幼虫は綿のような白い物をまとっていました。観察していると寒くなったのか、身を隠すためなのか、カッターで半分にしたウコギハグキツトフシの幼虫の部屋に潜り込んでしまいました。見つけたウコギの樹には沢山の ウコギハグキツトフシができていました。ほとんどが割れていない状態(脱出痕の無い状態)のものでした。ウコギハグキツトフシの中に、この時期でもまだ幼虫が入っていることになります。地域的な事も関係するのか、発見地の神奈川県横浜市では、幼虫の状態で ウコギハグキツトフシの中で越冬するものもいるように思います。また、この樹の様子を見に行って、落ちた(落葉した)ウコギハグキツトフシの様子を観察する予定です。神奈川県では成虫、幼虫で越冬するのかと思います。 ウコギハグキツトフシの形には個性があります。大きさも大きい塊から小さな塊などばらつきが見えました。この大きさの違いは中に入っている幼虫の数の違い(幼虫のいる部屋の数)だと推測することができます。
ヤマウコギとヤマウコギのゴール、 ウコギハグキツトフシを調べてみました。
★ヤマウコギ(別名オニウコギ、ウコギ) ウコギ科。普通種で高さは2〜4メートルの雌雄異株の落葉低木。日本固有種として紹介されたり、外来種とされるなど正確には良く分かりません。分布は本州(岩手県以南)、四国(高知県)。山地や丘陵地に自生します。葉は互生。5枚の小葉(5小葉)が出ています。葉の形には変異があるようです。葉柄は長く3〜7センチ。ヤマウコギの特徴は、樹皮はヒビ割れていて鋭い棘が生えています。うっかり触ると痛い目にあってしまいます。丈夫で耐寒性があり、日陰にも強い性質があります。人家の垣根として使われています。花期は5〜6月。甘い香りが強いようです。ヤマウコギは山菜としても利用できます。よく似ているオカウコギ(マルバウコギ)は葉が小さく、ヤマウコギの半分位の大きさになるようです。ヤマウコギにはオカウコギの葉裏にある立毛(毛状突起)はありません。特徴をあげてみたものの、この2種はよく似ているので混同されていてもおかしくありません。ヤマウコギには ウコギハグキツトフシという虫こぶ(ゴール)が作られます。作られる部位は葉の葉柄や小葉の基部で、大きく膨らんだ形をしています。
ウコギの葉.JPGウコギの枝.JPG
上、ウコギの葉です。新芽の写真を追加する予定です。下、ウコギの小枝に生えている刺です。とても鋭く太さもある棘です。
★ウコギハグキツトフシ キジラミ科のウコギトガリキジラミが作るゴール(虫こぶ)です。葉の葉柄や小葉の基部で、大きく膨らんだ形をしています。葉の葉柄が膨れているものを多く見ます。ウコギハグキツトフシは中にいる幼虫が羽化して脱出するまでは完全に密封した状態で出口がありません。9〜10月にウコギハグキツトフシから幼虫が脱出します。ウコギハグキツトフシは幼虫の部屋が沢山ある構造になっています。脱出した跡は縦に深く裂けた状態になっています。ウコギトガリキジラミは成虫で越冬して翌年の3月に産卵が行われます。
ウコギハグキツトフシ1.JPGウコギハグキツトフシ2.JPGウコギハグキツトフシ3.JPG
ウコギハグキツトフシです。形やできる場所に若干の差があります。
ウコギハグキツトフシ脱出痕1.JPGウコギハグキツトフシ脱出痕2.JPG
ウコギハグキツトフシの中の幼虫が脱出した脱出痕が見えているものです。厚い外皮が見事に縦に裂けていることが分かります。幼虫が脱出するときにこのように見事な裂け目ができるとは、虫こぶの仕組みに驚かされてしまいます。
ウコギトガリキジラミ幼虫1.JPGウコギトガリキジラミ幼虫2.JPG
ウコギハグキツトフシの中に入っていたウコギトガリキジラミの幼虫。幼虫の体には白い綿状のものが付いています。産卵期の3月に成虫の写真が取れたら追加したいです。体表のワタの様な物質が剥がれると翅の形が見えます。終齢のように見えます。12月に入っているので終齢でこのまま春を待って(越冬して)から脱出するのだと推測します。ウコギハグキツトフシを見つけた場所は神奈川県横浜市、こども自然公園。大部分の葉が黄色くなって散っていました。
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2017年10月14日

クヌギにできる虫こぶ(ゴール)5種類。クヌギエダイガフシ、クヌギハケタマフシ、クヌギハケツボタマフシ、クヌギハヒメツボタマフシ、クヌギハマルタマフシ。

クヌギには面白い形をした虫こぶ(ゴール)ができます。クヌギハケタマフシ、クヌギハケツボタマフシ、クヌギエダイガフシ、クヌギハヒメツボタマフシの4種類のゴールは同じクヌギの樹にできていました。クヌギは虫こぶ(ゴール)ができやすい樹木と言えるようです。虫こぶはダニ、タマバエ、アブラムシなどの昆虫が植物に作る奇形で、虫えいや英名のゴールとも呼ばれています。多くはコブ状になることが知られています。様々な木に様々な形をした虫こぶ(ゴール)を作ります。クヌギはゴールができやすい植物でゴールの種類も多いです。ゴールを見つけたい、見てみたいと思われたら、クヌギの樹を見つけて観察して見ると良いと思います。今回紹介する種類とは別の種類のゴールもクヌギで見つけることができる思います。植物に奇形を起こしてできることから、気持ちが悪いと思う方もいると思いますが、虫が作る不思議な形の造形物を観察するのも面白いものです。クヌギとクヌギエダイガフシ、クヌギハケタマフシ、クヌギハケツボタマフシ、クヌギハヒメツボタマフシ、クヌギハマルタマフシの5種類を調べてみました。クヌギハケタマフシには大変良く似たクヌギオオケタマフシがあります。形状がやや違うようですが、分布が重なる地域だと判別は難しそうです。形状等を比較して見たいです。虫こぶ(ゴール)は似たものもあるので正確な分類は難しいです。
クヌギを調べてみました。
★クヌギ ブナ科。高さ15〜メートルになる落葉高木。雌雄同株。樹皮は灰褐色〜灰黒色で不規則にひび割れています。分布は本州(岩手県、山形県以南)、四国、九州、沖縄。里山や雑木林に生育している樹木ですが、コナラなどよりもはるかに少ない種類になります。花期は4〜5月。ドングリは球形をしていて直径は約20ミリ。実は2年かけて9〜10月に黒く熟します。葉は互生。葉の形は長楕円形で長細く、葉の長さは8〜15センチ。幅は2〜4センチ程になります。葉の葉柄は短く、葉脈の先端(鋸歯の先)は針状に尖って飛び出ています。この針状に尖った部分は白っぽく見えます(葉緑素を欠くため白っぽく見えています)。よく似た樹にアベマキとクリがあります。ドングリを見ないと区別しにくいのですが、よく似ている葉にも違いがあります。丸っこくて美味しそうに見えるクヌギのドングリは渋くて通例は食用としませんが、水に何度もさらすなどの手間をかけることで、渋を取り除けば食用として使えるそうです。樹の葉や樹は、アベマキやクリと大変良く似ていますが、判別方法を知っていると見分けることができます。
クヌギ、アベマキ、クリの違い(葉とドングリで区別する方法)。
・クヌギ クリの葉とよく似ていますが鋸歯の先にある棘状の部分は、クヌギでは白っぽく見えます。葉が成長すると葉の裏にあった微毛は抜け落ち、葉の裏側は緑色に見える様になります。クヌギのドングリは綺麗な球形に近い形に見えます。クリよりもはるかに柄が短くなっています。 
・アベマキ 葉裏に大きな比較になる特徴があります。アベマキの葉裏は毛深くて白っぽく(灰白色に)見えます。この微毛は星条毛と呼ばれています。鋸歯の先にある棘状の部分は白っぽく見えます。葉柄はクリよりもはるかに柄が短くなっています。アベマキとクヌギはドングリも似ていますが、アベマキのドングリはクヌギのドングリよりも縦長になっています。 
・クリ 葉の表面には光沢があります。クリの葉の葉裏の脈上には微毛が生えています。鋸歯の先の針状の部分まで緑色に見えます。クリの葉の葉柄は長く、比較するとアベマキの葉柄は極めて短く見えます。食用として流通している皆様お馴染みのクリのドングリは、トゲトゲの海に生息しているウニの様なイガに包まれています。
クヌギの若いドングリ.JPGクヌギの若い実2.JPG
上はクヌギの若い実(未成熟のドングリ)です。落下して来るクヌギのドングリはよく見ることがあると思いますが、若いドングリの実は実が見えていない状態だと、トゲトゲの塊やイガ状に見える花の形に見えます。クヌギの実(ドングリ)は2年かけて立派なドングリになるのです。下はまだ青い(緑色をした)ドングリがが見えています。この状態だとクヌギのドングリだと分かります。
★クヌギエダイガフシ クヌギエダイガタマバチが作る(作成者)ゴール(虫こぶ)です。若いクヌギの枝につくられる、樹の実によく似たゴールです。クヌギエダイガフシは球形に近い形をしていて可愛い形の樹の実にも見えます。似ている形と言うと、クリの樹の若いイガや毛玉の様にも見えます。よく見ると全体を包むようにできているイガ状の突起は反り返っていて、突起には軟毛が密生しています。枝先の茎にできているので、クヌギの若い未成熟な実だと思ってしまいそうです。単独でできている場合と群生している場合がありますが、多くは群生していて繋がって見えるものが多いです。クヌギエダイガフシは単性世代のゴール(虫こぶ)で夏に形成されます。クヌギエダイガフシの中から羽化して出てくるクヌギエダイガタマバチは雌で雄は出てきません。両性世代のゴールは冬芽に形成されクヌギハナコツヤタマフシと呼ばれます。両性世代のゴールになるので、クヌギハナコツヤタマフシの中からは雄と雌が出てきます。クヌギエダイガタマバチは10月に羽化して産卵は秋から春にかけて行われるようです。越冬はクヌギエダイガフシの中で羽化して成虫越冬します。
クヌギエダイガフシ1.JPGクヌギエダイガフシ2.JPG
上、クヌギエダイガフシです。上の写真は1個ですが、下の写真のように数個が固まっているものを良く見かけます。下では大きさを1円玉と比較してあります。良く昆虫がこの様な形のものを作り上げたのかと、感心してしまいます。
★クヌギハケツボタマフシ タマバチ科のクヌギハケツボタマバチがクヌギやアベマキの葉の表面に作るゴールです。クヌギハケツボタマフシは全体的には茶褐色の色をしていて、長い毛で覆われていて、扁平な球状や扁平な壺の様な形をしています。中央部は凹んでいて中央部は白くリング状に見えています。この特徴から、目玉模様や茶色い色をしたウニの様にも見えて面白いです。外縁には白い棘状の長い毛があります。クヌギハケツボタマフシの中には、クヌギハケツボタマバチの幼虫が1匹入っています。越冬はこの中で蛹で越冬するようです。単性世代のゴールになります。大きさは直径2〜3ミリ程。
クヌギハケツボタマフシ2.JPGクヌギハケツボタマフシ3.JPGクヌギハケツボタマフシ1.JPGクヌギハケツボタマフシ4裏.JPG
上、クヌギハケツボタマフシ。大きさは2・5ミリ程のものが多かったです。単独で葉の上にできているものやくっついてできているものがあります。フジツボの様な形に見える明るい茶色の毛で覆われた虫こぶ(ゴール)です。1番下は葉の裏側から見た所です。葉の裏には大きな変化は見られません。
★クヌギハヒメツボタマフシ タマバチ科のクヌギハヒメツボタマバチがクヌギやアベマキの葉の表面に作るゴールです。直径2・5〜3ミリと小型。秋に葉から落下します。 クヌギハケツボタマフシに似ていますが、クヌギハヒメツボタマフシの方が小さいです。良く見ないと間違えてしまいそうです。
クヌギハヒメツボタマフシ1.JPGクヌギハヒメツボタマフシ2.JPG
上、クヌギハヒメツボタマフシです。小さくてクヌギハケツボタマフシにも似ているので、良く見ないと見間違えそうです。個体数が少ないのでしょうか。クヌギハケツボタマフシはすぐに見つかるのですが、クヌギハヒメツボタマフシはなかなか見つかりませんでした。成熟すると綺麗な色をしています。
★クヌギハケタマフシ 7〜9月に見られるタマバチ科のクヌギハマルタマバチがクヌギやアベマキの葉の裏側に作るゴールです。クヌギハケタマフシは葉の側脈に沿って作られ白色の細かい毛で覆われています。クヌギハマルタマフシの色は黄白色から赤色で、先端部に向けてやや細まった形をしています。海の岩場に生息するフジツボの様な形を連想させます。先端の頂部は凹んでいます。中の幼虫が育つとクヌギハケタマフシは葉から落下します。クヌギハケタマフシは単性世代で両性世代のゴールは3月にクヌギハケタマフシから脱出した雌がクヌギやアベマキの花芽に産卵して両性世代となるクヌギハナカイメンフシが形成されます。越冬は成虫越冬。 クヌギハケタマフシの中で越冬します。分布は本州(関東以北)。大きさは直径5〜8ミリ。球形に近い形をしている特徴があります。
クヌギハケタマフシ1.JPGクヌギハケタマフシ2.JPGクヌギハケタマフシ3.JPGクヌギハケタマフシ4.JPGクヌギハケタマフシ拡大5.JPGクヌギハケタマフシ表.JPG
クヌギハケタマフシ。上、直径は6ミリ。葉の裏に作られます。銀白色に見えますが、成熟してくるとワイン色のように色が変わってきます。私的には可愛い形で色も綺麗だと思います。見つけたクヌギでは3・5〜6・5ミリの大きさでした。1番上はまだ丸くなる前の未熟なクヌギハケタマフシです。台形の様な形をしています。2枚目、葉の裏に群生しています。3枚目、成長して来ると丸みが出てきます。銀白色に見える短毛も綺麗です。4、5枚目、成熟してくると赤味が出てきます。ワイン色に見えなかなか綺麗です。よく似たものにクヌギハオオケタマフシがあります。クヌギハケタマフシは球形に近い形をしている様なので、クヌギハケタマフシで良いと思いますが、どちらの種も存在する地域なので迷ってしまいます。当方は形状から判断しているので、成熟しないと判別ができないと思いました。下、葉の表側から見t所です。クヌギハケタマフシのある表側の中心部は黄色い色をしていて、やや盛り上がって見えます。間違っているかもしれないので、クヌギハオオケタマフシも調べてみました。
★クヌギハオオケタマフシ タマバチ科のクヌギハオオケタマバチがクヌギやアベマキの葉の裏側に作るゴールで中には幼虫が1匹入っています。クヌギハオオケタマフシは単性世代で両性世代のゴールは3月にクヌギハオオケタマフシから脱出した雌がクヌギやアベマキの花芽に産卵して両性世代となるクヌギハナワタフシが形成されます。越冬は成虫越冬。11月に成虫は羽化してクヌギハオオケタマフシから脱出して越冬に入りますが、遅いものはそのまま中に留まり越冬します。3月頃から羽化するようです。分布は本州(関東以南)、四国、九州。大きさは直径5〜8ミリ。クヌギハオオケタマフシの形はクヌギハケタマフシが球形に近い形になるのに対して、丸みが少ないよいうです。比較して見て見たいです。
★クヌギハマルタマフシ クヌギハマルタマフシの形は球状で色は黄白色〜赤色。成熟すると赤くなるようです。クヌギ、アベマキの葉の葉脈に沿って作られます。単性世代のゴールで、大きさは4〜6ミリ程と大きさに差があります。秋に羽化して脱出して来るのは、すべて雌のクヌギハマルタマバチになります。タマバチ科のクヌギハマルタマバチが葉の表側に作るゴールです。分布は本州、四国、九州。クヌギハマルタマフシの中には幼虫が1匹入っているそうです。雌は冬にクヌギの花芽に産卵します。ここで生まれた幼虫が春にクヌギハナケタマフシと言う両性世代のゴールを作ります。冬に産卵することから越冬は卵になるのでしょうか。それとも産卵後でも成虫は生きているのでしょうか。詳しくは分かりませんでした。
クヌギハマルタマフシ.JPG
クヌギハマルタマフシです。クヌギの葉で見つけました。赤くなると小さくても見つけやすくなります。赤い色をした丸い球が葉の上についていると可愛く見えます。
昆虫が作るゴールには気持ちの悪い形のものも多いのですが、クヌギにできるゴールは可愛い形のものが多いので、観察すると楽しいと思います。
posted by クラマ at 14:43| Comment(0) | 虫こぶ(ゴール) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月22日

ヤブニッケイの葉にできたコブ状の虫こぶ(ゴール)、 ニッケイハミャクイボフシとヤブニッケイを調べてみました。

ニッケイはクスノキ科クスノキ属の常緑樹です。ニッケイ、ヤブニッケイ、マルバニッケイ(マルバニッケイの分布は九州、沖縄)などがありますが、よく見かけることができるのはヤブニッケイです。ヤブニッケイとニッケイは大変良く似ています。植え込みにあったヤブニッケイ(クロダモ)の樹で、ニッケイの葉にできる虫こぶ(ゴール)の、ニッケイハミャクイボフシを見つけました。名前にあるように葉の脈に沿って作られるゴールです。同じクスノキ科のクスノキにできるクスノキハクボミフシとよく似ています。ニッケイ(肉桂)と言うと聞きなれない植物の名前になるようですが、ニッキとかシナモンと呼ぶと聞いたことがある植物の名前になると思います。ニッキとはニッケイ(肉桂)の樹の細根を乾燥させたもので、お菓子の材料などの香辛料として使われています。日本産のニッケイよりも中国原産種やベトナム原産種の方が芳香が強く、現在では食材等の原料には中国原産種のシナニッケイやベトナム産、セイロンニッケイが使われているようです。グレードとしてはベトナム山地産のニッケイが最高級とされています。そのニッケイとそっくりなのがヤブニッケイです。ヤブニッケイの根はニッキとして使うことができません。ニッキは根を使うことから、樹の数が減ってしまったようです。沖縄(沖縄本島、徳之島、久米島)には日本原産とされるオキナワニッケイがあります。本州のニッケイは原料を採るために栽培された栽培品が野生化したものなどになるようです。ヤブニッケイやニッケイの葉は香辛料に使うことができます。ゲッケイジュ(ローリエ)の代わりに使うことがあるようです。ヤブニッケイの葉をシナモンリーフと言って(商品名)ハーブティーとして使うこともできるようです。植物体で葉に含まれる含有量が1番少ない部位になります。味等、まったく試したことが無いので、どのようなものかは分かりませんが、肉や魚料理の匂い消しや香り付けには有効かもしれませんね。
・当ブログは食材等にするために勧めているわけではありません。店で購入すれば間違いはないと思いますが、野外で間違って他の植物を採取して使われて体調を崩しても、当方は1切の責任は負いません。また芳香や味の差などは記載によるもので、ニッキやシナモンと1般的に言う食材としての製品を、当方は産地を比較して食したことなどもありませんので、あくまでも参考までにしてみてください。実際にどの程度の差があるのかという興味は湧いてくるところです。昔は乾燥させたシナモンの根や樹皮が簡単に手に入ったのですが、最近では専門店にいかないと目にすることは少ないと思います。
ヤブニッケイと ニッケイハミャクイボフシを調べてみました。
ニッケイとヤブニッケイの違いは葉に現れます。葉の違いを比較して見ることにします。
・ニッケイの葉は葉先が長く尖っています。葉の形は長楕円形で、葉は細長く見えます。特徴的な葉の3行脈がはっきりと見えます。葉の側脈が先端まで達しています。葉裏の色は粉のように見える白色で微毛が生えています。高さは3〜9メートル。
・ヤブニッケイの葉はニッケイよりも丸みがあります。葉先の他がった部分は少ないです。特徴的な葉の3行脈はニッケイと比べるとはっきりしていません。葉の側脈が先端まで達していません。葉裏の色は淡い緑色で無毛。高さ15〜20メートル。ヤブニッケイには虫こぶ(ゴール)の ニッケイハミャクイボフシができます。ニッケイには付きにくいそうです。
★ヤブニッケイ 別名クロダモ。クスノキ科。高さ15〜20メートルの雌雄異株の常緑高木。分布は本州(福島県以南、福島県浜通り、富岡町が北限)、四国、九州、沖縄。北限の福島県では準絶滅危惧種になっています。山地に自生していますが、耐潮性もある丈夫な性質から植樹されていて公園などでも見ることができます。庭木や風よけ(防風)の目的でも植えられているようです。特徴的な葉の3行脈がはっきりと見えるニッケイ属の植物です。葉は対生ですが、わずかにずれがあります(擬似対生)葉の表面(表側)には光沢があり、裏側は灰白色をしています。葉の形は狭卵形や長楕円形で葉の長さは6〜12センチ。葉には独特の匂いがあります。花期は6月で、雌株にできる実は11〜12月に黒く熟す楕円形の実がつきます。幹の色は暗褐色をしています。
★ニッケイハミャクイボフシ ニッケイトガリキジラミがニッケイ、ヤブニッケイの葉に作る虫こぶ(ゴール)です。ヤブニッケイに多く見ることができます。ニッケイハミャクイボフシは葉脈上や葉脈に沿って作られます。数個が葉につくものや沢山のニッケイハミャクイボフシができている葉などがあります。ほとんどが単独(1個)ではなく、ほぼ複数で葉にできています。ニッケイハミャクイボフシ はクスノキ科のクスノキの葉にできるクスノキハクボミフシとそっくりなゴールです。こちらの虫こぶ(ゴール)はクストガリキジラミにより葉の上に作られるという違いがあります。ニッケイトガリキジラミ(トガリキジラミ科)は2齢幼虫で越冬して、翌年の3〜4月に羽化します。羽化した成虫は新葉に産卵します。孵化した幼虫は葉裏の窪みの部分に生息しています。葉の裏側にある1つの窪みに1匹の幼虫がいます。分布は本州、四国、九州。ニッケイトガリキジラミの写真が撮れたら追加したいと思っています。
ヤブニッケイ葉.JPG
上、ヤブニッケイの葉です。この樹の近くにはもう少し葉の細いヤブニッケイの樹もありました。クスの樹の葉の脈にはダニ室がありますが、ヤブニッケイの葉にはダニ室はありません。
ニッケイハミャクイボフシ1.JPGニッケイハミャクイボフシ2.JPGニッケイハミャクイボフシ裏側.JPG
ニッケイハミャクイボフシです。ビルの脇の植え込みに植栽されていたヤブニッケイで見つけました。葉にボツボツのイボ状の瘤ができます。上は数が少ないですが、中の写真では多くが脈に沿ってできています。黄色く見える部分が綺麗です。下は中の写真と同じ葉の裏側です。撮影地。神奈川県横浜市、みなとみらい。
植物にできるゴールを面白いと見るのか、気持ち悪いと見るのかには個人差が大きいと思います。多くは気持ち悪く感じるのでしょうが、ゴールに興味が出てくると見つけると嬉しくなってしまいます。
posted by クラマ at 16:50| Comment(0) | 虫こぶ(ゴール) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする