2014年12月16日

マルカメムシ、ホオズキカメムシ、ブチヒゲカメムシ。害虫カメムシ3種を見つけました。

臭い匂いを出す昆虫として有名な嫌われ者のカメムシですが、この種類は個性的で見ている分には可愛くて興味深いです。カメムシは幼虫と成虫とで形や色の違うものも多く、見ていると面白くなる昆虫です。間違って触ってしまった時の臭いの害や農作物に与える被害はあるので、増えすぎると可愛いとはいっていられない昆虫になっています。害虫として知られるマルカメムシ、ホオズキカメムシ、ブチヒゲカメムシの3種類を調べてみました。マルカメムシは当ブログで2度目の登場になります。マルカメムシの体色の違う個体の写真も撮れましたので紹介させていただきます。マルカメムシの幼虫は粗い毛が密生していて、つるつるで光沢のある成虫とは正反対の姿をしています。観察しているとマルカメムシの体色には変異が見られます。体の色の違うマルカメムシを見つけて比較するのも面白いです。
★マルカメムシ マルカメムシ科。普通種でカメムシとしては珍しい丸っこい形のコガネムシに似たカメムシです。人家に侵入してくるカメムシとしても知られています。体長5〜5・5ミリ。分布は本州、四国、九州。出現は4〜11月。昼行性。灯火にも飛来します。成虫で群れになって越冬します。腹部後方が丸い形の光沢のある暗黄褐色のカメムシ。主にマメ科の植物を餌とします。産卵はヤマフジ、クズなどで行われます。幼虫はヤマフジ、クズ、ヌスビトハギを餌にします。農作物ではマメ科のダイズ、アズキ、インゲンなどに被害を与えます。また越冬のため人家に侵入してくる不快昆虫としての害を与えます。探すときはクズに多くついているので、クズの新芽や葉の茎の部分を探すと見つけられる確率が高くなります。集団でいることが多いです。農作物の食害をはじめ人家に入り込んだり、洗濯物にまぎれていたりと、何かと嫌われる迷惑な昆虫になっています。野外ではクズが近くにあるとマルカメムシがいる可能性が高くなり、注意が必要になってきます。色々と個体を調べていると体の色には変異があるようです。マルカメムシは小さな体に似合わず、かなりの悪臭を放つことで知られています。小さくても油断できないカメムシです。幼虫は粗い毛が密生した変わった形をしています。短毛の密生している若いクズの葉にいると見分けがつかなくなります。手に止まらせてみると手にかすかな匂いが付きました。幼虫でも刺激して匂いを出されると臭いのかもしれません。
★ホオズキカメムシ ヘリカメムシ科。普通に見られる種類になります。茶色いカメムシのイメージに合ったやや扁平な体つきをしています。体長10〜13ミリ。分布は本州、四国、九州、沖縄。出現は4〜11月で年1〜2化。新成虫は8月から出現します。灰褐色〜灰黒褐色。背中には短い毛がびっしりと生えています。後ろ足の腿節が太くなっています。ホオズキカメムシは見た目でガッシリとして見えます。臭いカメムシとしても知られますが、カメムシの臭さの強度ではとてつもなく臭いという訳ではないようです。若干弱い部類に入るようです。昼行性で活発に動き回ります。成虫で越冬します。農作物に被害を与えることで有名です。サツマイモ、トマト、ナス、ピーマンなどに被害を与えます。ヒルガオ科のアサガオ、ヒルガオやホオズキも餌にします。名前の由来と植物のホオズキは関係ないようです。害虫として沖縄ではサトウキビに害を与えます。茶色くて大きなカメムシで数も多いので比較的に簡単に見つけられるカメムシになります。
★ブチヒゲカメムシ カメムシ科。色彩の変化が多い種類になります。黄褐色〜赤褐色で体長10〜14ミリ。触覚と腹部の脇に白と黒の斑模様があり、背面の中央部には白紋があります。名前の由来は触覚の斑から来ているそうです。出現は3〜10月。分布は北海道、本州、四国、九州。マメ科、キク科の植物につき、ダイズ、ワタ、ゴマ、インゲン、ソラマメなどに被害を与えます。ダイズの豆を吸汁するときに、ダイズ子実汚斑病を起こす菌を保菌しているブチヒゲカメムシがいるとダイズにこの病気が感染してしまいます。保菌している数は多くないようですが要注意です。成虫は花の蜜も吸います。地域により発生回数が違い1〜3回の発生になります。よく似た種類にムラサキカメムシがいます。
マルカメムシ淡緑色.jpgマルカメムシ1.jpgマルカメムシ追加2.JPGマルカメムシ2.jpgマルカメムシ追加.JPG
上5枚、マルカメムシです。色の違うマルカメムシを集めてみました。どれもクズで見つけたました。体色に色の違いがあり面白いカメムシです。2枚目、4枚目、神奈川県海老名市。他は神奈川県横浜市。マルカメムシは普通は1枚目のように群れていることが多いです。5枚目の個体は4枚目と比べると点刻の部分の色がはっきりしていました。窪んだ部分が褐色の点に見えます。マルカメムシの出す臭いは強く、とても臭い匂いで知られています。うっかり触らないようにしましょう。
マルカメムシ幼虫1.JPGマルカメムシ幼虫2.JPGマルカメムシ幼虫3.JPG
上3枚、マルカメムシの幼虫です。成虫とはまるで違う昆虫の様に見えます。粗い短毛が密生していて、平べったい体をしています。中、若い短毛が生えているクズの葉についていると、体色も葉の色によく似ていて、見事なカムフラージュになっています。ご覧の通り、クズの葉にいるマルカメムシの幼虫は見つけにくくなっています。右側が幼虫の頭になります。下、手に止まらせて顔を拡大して見ました。顔はカメムシらしい顔をしていました。幼虫はテントウムシに似た体をしています。
ホオズキカメムシ1.jpgホオズキカメムシ2.jpg
上2枚、ホオズキカメムシです。黒っぽい個体と灰色の色の薄い個体です。ホオズキカメムシの体には短毛がびっしりと生えている毛深いカメムシです。撮影地、神奈川県海老名市。ホオズキカメムシは庭先などでも繁殖しているようで、住宅街の生け垣の壁などで良く見かけています。特徴のないカメムシで、このカメムシも臭い匂いを出します。
ブチヒガカメムシ.jpg
こちらはブチヒゲカメムシ。地味な配色ながら綺麗に見えるカメムシです。このブチヒゲカメムシは草むらのアカツメクサが多い所にいました。神奈川県大和市、憩いの森。
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2014年12月14日

マツヘリカメムシとオオトビサシガメ。家の中にも入ってくる大きなカメムシの種類になります。

日本最大のカメムシ、オオトビサシガメと外来種のマツヘリカメムシの紹介です。以前マツヘリカメムシの大発生を確認していた公園で、この冬に向けた越冬のための個体を探しに来たものの激減していました。数か所ある各トイレの壁に毎回1匹を見る程度です。これはどうしたことなのでしょうか。今までにない記録的な40〜50センチもの積雪があったこの冬の大雪を、2度も乗り越える体力がなかったという事なのでしょうか。6月から8月の間、3回程マツヘリカメムシの幼虫を探しに行ってみましたが、見つけることができなかった分けです。探したのはマツの枝をまじかで見ることのできる木での確認となったものの、1匹も確認できないことはおかしいなと思っていました。もっとも増えすぎてしまう事は、マツに被害を与えるということから良くないことなのですが、幼虫の写真は撮影しておきたいと思っていました。この時にはオオトビサシガメの幼虫を見つけることができました。長細い体で脚が長く、色も似ているので、まだマツヘリカメムシの幼虫を見たことがなかったことで、1瞬、こいつかな?と思ってしまいました。オオトビサシガメは危険な昆虫で、手でつかもうとすると刺されてしまうことがあり、幼虫も同様に指すことがある十分に危険な昆虫になります。緩慢な動きに騙されてはいけません。刺されるとかなりの激痛があるようです。症状は刺された時にはハチに刺されてような、激しい痛みがあり、そのあと痒くなるようです。症状は数日で収まるようですが、痒みが強い場合は病院に行くことも検討されると良いと思います。この刺されたことによる症状は、同じサシガメの仲間のヨコヅナサシガメと同じようです。マツヘリカメムシに限らず、昨年はトイレの壁に群がっていたのを確認していたクサギカメムシ、オオホシカメムシも各1匹程度の発見にとどまり、やはり雪の影響、冬の寒さの影響を受けたのではないのかなと思いました。カメムシの大量発生には、種類にもよりますが、スギ、ヒノキの球果を餌にするものも多く、球果が少ない年は餌を求めて分散していきますので、スギ、ヒノキの球果の少ない年は、よりカメムシの仲間を見る機会は増えると思います。またカメムシには南方系のものも多く、寒くて雪の多い年には減少するという事があるかと思ったりしています。これらのことから確認できる種類の変化や個体数についての変動は、今後もあるのではないのかと思いました。マツヘリカメムシを取り上げるのは3回目で当ブログではおなじみのカメムシになります。詳しくは過去のマツヘリカメムシの記事を参照くだされば幸いです。マツヘリカメムシとオオトビサシガメを調べてみました。オオトビサシガメの成虫の写真が撮れましたので追加しました。オオトビサシガメは、さすが日本最大級とあって大きなカメムシです。マツヘリカメムシとオオトビサシガメはやや似て見えます。
★マツヘリカメムシ ヘリカメムシ科。原産地は北米。細長く大型のカメムシで体長15〜20ミリ。東京を中心に勢力を拡大中の外来種。分布は本州の関東地方になります。後ろ脚の脛節がオール状で、背中のひし形の紋が特徴です。この紋は薄く目立たない個体のものもいます。大きくてノロノロしているのでこいつもなかなか可愛いです。昼行性で成虫で越冬します。出現は3〜11月。雌と雄はよく似ています。マツヘリカメムシは名前のようにマツの球果や新芽についています。餌は成虫、幼虫ともに球果(マツカサ、マツボックリのこと)種子、マツの新芽などから汁を吸うマツの害虫になっています。越冬は成虫で行われます。越冬のため家の壁の隙間や人家の中にも侵入してくるカメムシになります。3月に見られるものは越冬から目覚めた個体になります。今後、温暖化に伴い生息範囲を広げていくと思われます。
★オオトビサシガメ サシガメ科。体長20〜27ミリ。1見しただけで大きく見えるサシガメ科の中で最大の大きさを誇ります。オオトビサシガメは日本最大のカメムシになります。大型で茶褐色で脚が長いという特徴があります。分布は本州、四国、九州。低地から山地の日当たりの良い樹上や草や低い木の上にいます。食性は肉食で、成虫、幼虫共に他の昆虫が近づくのを待って捕食します。鋭い口吻を突き立てて体液を吸って餌にします。出現は4〜11月。年1回の発生で新成虫は8月下旬ごろに現れるようです。雄と雌の違いは雄は長細く見え、雌の腹部は横幅があり、大きく見えることで区別でます。雌の腹部の幅が広く、前胸の幅より腹部の幅が広くなるので、容姿から判断することができます。全体的には縦長で脚の長い、茶褐色の体をしています。成虫は昼行性で単独で行動しています。動きは緩慢でノロノロしていますが、手でつかもうとすると刺されることがあり、刺されると激痛があるようですので、十分な注意が必要です。これはサシガメの仲間全般にいえることになります。カメムシ特有のひどい臭いの害はなくても、危険な昆虫として覚えておくと良いでしょう。越冬は成虫で行われ、樹皮の下、樹洞などの他、岩の割れ目の隙間などで越冬します。越冬は通例集団で行われるようですが、単独で越冬することもあるようです。オオトビサシガメは越冬のため家の壁など建物の隙間や人家に侵入してくるカメムシの仲間としても知られています。鋭い口吻で刺されると皮膚は赤くはれあがり、ハチに刺されたような激しい痛みをうけるようです。その後には痒みが続く症状が出ます。何もしなくても数日で治るようですが、痛みや痒みが激しい場合は病院に行くことが有効です。オオトビサシガメは危険な昆虫として覚えておいた方が良いと思います。名前の由来は大きな、トビ色のサシガメ。からきているようです。名前にあるトビは色の事で、トビ色ということのようです。オオトビサシガメの出す臭いはバナナに似た匂いだそうですが、ちょっと突いたくらいでは匂いを出してくれませんでした。よって匂いは未確認です。
オオトビサシガメ幼虫1.jpgオオトビサシガメ幼虫2.jpgオオトビサシガメ1.JPGオオトビサシガメ横2.JPGオオトビサシガメ翅の下.JPGオオトビサシガメ追加(マツヘリとオオトビ記事).JPG
上6枚、オオトビサシガメです。1枚目、オオトビサシガメの幼虫。まだ細長い若齢になります。2枚目、同じくオオトビサシガメの幼虫。脚の長いことが良く分かりますね。成虫は日本最大の大きさですが、長細い体つきは幼虫のころからの体質のようですね。3枚目以下、雄の成虫です。オオトビサシガメの雄の腹部は幅が広くありません。4枚目、横から見たところです。口吻が見えています。5枚目、翅の下。地味な背面とは違って、暗赤色の腹部背面をしています。6枚目(最後)オオトビサシガメの自然光での写真が撮れましたので追加しました。
マツヘリカメムシ3月24日.jpgマツヘリカメムシ11月.jpg
上、マツヘリカメムシ。3月に撮影した越冬から目覚めたと思われる個体です。下、11月に撮影した越冬前の個体です。いずれも撮影地は神奈川県横浜市、こども自然公園。マツヘリカメムシもオオトビサシガメも似た体形をしていますね。動きは鈍くても刺すことが有るので、オオトビサシガメは間違っても掴まないようにしてください。痛い目に合うと大変です。
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2014年12月08日

家に入ってくるカメムシ。クサギカメムシ、マルカメムシ、チャバネアオカメムシ、アオクサカメムシ、マツヘリカメムシ、オオトビサシガメ、ナカボシカメムシ、キマダラカメムシなどがいます。

家の中に侵入して来るカメムシの種類を紹介します。10月頃からカメムシの中には、人家近くや家などの建物の中に侵入して、越冬するための準備を始める種類がいます。不快害虫として家に入ってくるカメムシは、越冬する種類のカメムシになる訳です。カメムシはスギやヒノキの球果が少ないと、人家の近くや畑などに餌を求めて集まってきます。そしてそのカメムシが寒くなり成虫で越冬する準備を始めます。越冬するために暖かく身を隠せる場所として、人家や建物などの隙間に集まってきます。しかも仲間を集めるフェロモンを出すことで集団を作ってしまう事もあります。カメムシはご存知のように臭い匂いを出すものも多く、家の中で踏みつけたり、誤って触ったりして臭い匂いを出されたらと思うと、ゾッとしてしまいます。カメムシも臭くない種類のものもいるのですが、家の中に入ってくるものには臭いものが多いようです。万が1に備えてどのような昆虫なのか知っていおいて損はないと思います。家の中に入ってきやすいカメムシには、チャバネアオカメムシ、クサギカメムシ、マルカメムシ、アオクサカメムシ、スコットカメムシ、マツヘリカメムシ、オオトビサシガメ、ナカボシカメムシ、キマダラカメムシがいます。他に北上してきているアオクサカメムシそっくりなミナミアオカメムシもいて、この2種、ミナミアオカメムシとアオクサカメムシの雑種も見られるようになってきたようです。これはこの2種がとてもよく似たフェロモンを持っていることによりますので、交雑により紛らわしい個体が、この2種の競合する生息圏で見られるようになるという事です。最近関東などで見られるようになった外来種のマツヘリカメムシも、10月から越冬のため建物の壁についているものを良く見かけるようになりますので、近くに松の木があり、この種が生息していたら越冬のため建物に侵入してきます。マツヘリカメムシも建物が好きなカメムシです。同じく外来種のキマダラカメムシは関東地方にまで北上してきました。キマダラカメムシは九州では知られている侵入カメムシですが、とうとう神奈川県にまで北上してきました。写真が撮れましたので追加して紹介させていただきます。
カメムシが室内に侵入した場合、エアコンの中、タンスの裏などの物陰や入り込める場所(隙間)を探して潜むことが多いようです。侵入したばかりだと、洗濯物やたたんだ衣服に潜っているものもいるようです。踏んだしまったりなどで、家の中で臭い匂いを出されたら大変です。見つけたら刺激しないように何かに掴まらせて外に出すなど、触らないようにすることがベストです。掃除機で吸い取ることは止めましょう。臭いをばらまく結果が目に見えてきます。ホウキで掃き捨てることもだめです。刺激を受けて臭い匂いを出してしまいます。悪臭を利用したテロ攻撃を受けたような悲惨な状況になってしまうでしょう。大人しく扱えば簡単には臭い匂いは出しません。カメムシは小さいのでどこから入られたのか解らない場合もあります。カメムシが家の周りに発生していた場合、完全に侵入を防ぐことは難しいと思います。1度冷静になってから、カメムシを刺激しない方法で排除することをお勧めします。侵入カメムシとして知られる、クサギカメムシ、チャバネアオカメムシ、マルカメムシ、アオクサカメムシ、スコットカメムシ、オオトビサシガメ、マツヘリカメムシ、ナカボシカメムシ、キマダラカメムシを調べてみました。(キマダラカメムシを追加しました)好まれざる客として、人家に不法侵入して来るカメムシの種類の正体が解るかも知れません。参考にしてみてください。
★クサギカメムシ カメムシ科。普通に見られます。体長13〜18ミリ。触角に黄褐色の帯が2本あります。分布は本州、四国、九州、沖縄。出現は4〜11月。成虫で越冬します。昼行性。灯火にも集まります。臭い匂いを出します。雌は雄より1回り大きくなりますが、外見上は区別できません。群れる習性があり、食性は広く農作物の害虫としても有名です。マメ科のダイズ、インゲンをはじめ、カキ、ナシ、モモ、ウメ、リンゴなどの果実やクワ、クサギ、ヒノキなどを餌にします。幼虫は果実には付きません。幼虫はスギ、ヒノキの球果。クサギカメムシは暗褐色に黄褐色が入って見える体をしています。大きさや斑紋の変化の多い種になります。名前のクサギはこの植物の名前から来ています。観察では幼虫はスギ、ヒノキ以外でも見ることが多いので、かなり適応力が強いと思われます。10月頃から建物に侵入することが多くなってきます。侵入してくるカメムシの代表になります。建物での越冬が大好きな種類になります。やたらに臭いカメムシで知られています。クサギカメムシは果物や不快害虫として良く知られています。
★チャバネアオカメムシ カメムシ科。緑色で翅が茶色の普通に見られるカメムシです。チャバネアオカメムシには色彩の変異が知られています。個体の変異で褐色の個体もいるそうです。体長10〜12ミリ。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。平地から山地まで分布していて、多くの種類の植物で見ることができます。成虫で越冬します。チャバネアオカメムシは昼行性のカメムシですが、夕方から活発に動き始め灯火にも集まります。出現は4〜11月。年2〜3回の発生が有るようです。新成虫は6〜7月と8〜9月に出現します。チャバネアオカメムシは普段はスギ、ヒノキの球果を餌としますが、この餌が足りない時に農作物に移動して大きな被害を与えます。カメムシの中で作物に1番大きな被害を出します。常緑広葉樹の落ち葉の下で成虫越冬しますが、家の中に入ることもあるようです。越冬個体は暗褐色、茶褐色に体色が変わります。夏に見られる緑色の綺麗な個体と越冬固体の中間の体色の個体も夏の終わりから秋に見られます。チャバネアオカメムシは120種以上の植物に寄生するなど、適応力、繁殖力ともに強いです。春はサクラ、キリ、クワなどで葉や実の汁を吸い、次にウメ、モモ、ナシ、カキなどの果実に移動後、産卵のためにスギ、ヒノキに移動するというサイクルがあるようです。チャバネアオカメムシは果樹を加害する有名な害虫で、汁を吸われた果実は凸凹になってしまいます(吸われた部分は深く凹んでしまいます)チャバネアオカメムシは集合ホルモンを出すため群れる習性があります。夜灯火に集まる性質と集合ホルモンを出すことから、ライトトラップとフェロモントラップで駆除されます。数が多い種類なので、越冬以外の時期にも家の中に入り込むこともあります。洗濯物に紛れていて、うっかり匂いをつけてしまう被害を聞くことがあります。チャバネアオカメムシは個体数も多く、青いカメムシ(緑色のカメムシ)の代表的な存在になっています。果樹の害虫と家に侵入して来る不快害虫の両方で知られているカメムシになります。非常によく似た種類にヒメチャバネアオカメムシがいます。こちらは1回り小さく、前胸背側縁部も緑色をしています。チャバネアオカメムシの前胸背側縁部には黒い線が見えます。両種が混在して生息している地域もあるので、混同されていると思います。
★マルカメムシ マルカメムシ科。褐色で小さく都心部に多いカメムシで、カメムシというよりは甲虫に見える小型の種類です。体長5〜5・5ミリと小さく目立たない大きさです。分布は本州、四国、九州。集団で成虫越冬します。昼行性ですが灯火にくることもあります。出現は4〜11月。体色には色彩の変化が見られます。光沢のある暗黄褐色で腹部後方が丸くなっています。扁平な体型が多いカメムシの中でも丸っこい形なので、このカメムシを初めて見た時にはカメムシの仲間とは思えませんでした。人家の近くにいて普通に見られる種類になります。餌は主にマメ科のヤマフジ、クズ、ハギ科のヌスビトハギを好み、産卵もヤマフジ、クズで行われます。農作物の被害ではダイズ、アズキ、インゲンなどのマメ科の植物が被害を受けます。成虫はクズの茎や新芽の部分にいることが多いです。通常はかたまって集団でいますが、単独のものも見ることがあります。注意が必要になってくる月は10〜11月で、マルカメムシは都市部で人家に侵入してくることが多い種類になるようです。マルカメムシはマメ科のクズに特に多くつく種類なので、家の近くにクズが生えていたら注意が必要になると思います。クズを探すと簡単に見つけることが出来るカメムシです。
★アオクサカメムシ カメムシ科。体長12〜17ミリ。光沢のない緑色の綺麗なカメムシ。体型は丸みを帯びています。緑色で可愛い体型のカメムシです。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。森林や林縁に多い種類になります。動きは活発です。出現は7〜10月。年2〜3回の発生になります。アオクサカメムシは昼行性ですが灯火にも良く飛来します。アオクサカメムシは成虫で単独で越冬します。落ち葉の下などに潜り込んで越冬します。とてもよく似た種類にミナミアオカメムシ、ツヤアオカメムシがいます。ミナミアオカメムシと同じ生息地のものは交雑が認められ、紛らわしい個体が数タイプあるそうです。遺伝的にも変異がある種類になります。アオクサカメムシも個体数が多い普通種で、青いカメムシと表現される緑色の体色をしたカメムシを代表する種類になると思います。ツヤの無い体の特徴でよく似たツヤアオカメムシと区別ができます。「緑色なのにアオ(青)クサカメムシ?」と、不思議に思われる方がいるかもしれませんが、昔の日本では、青と緑は共にアオと表現されていました。それで現代では別の色で表されている青と緑ですが、過去の表現から混ざって使われているようです。日本語的には許される表現になっています。
よく似た3種類。アオクサカメムシ、ツヤカメムシ、ミナミアオカメムシの見分け方。
・アオクサカメムシ 小楯板に3つの薄い黄色い小斑紋があります。側角はツヤアオカメムシより出っ張っています。触覚の先は白くなっています。
・ツヤアオカメムシ 光沢が強く小楯板には3つの小斑紋はありません。側角はアオクサカメムシより丸まっていて飛び出て見えません。触覚の2か所が黒い帯になっています。
・ミナミアオカメムシ アオクサカメムシより若干細長い体つきで小楯板には3つの薄い小斑紋がある。触覚の先が褐色になっています。
このアオクサカメムシに似た種類も侵入してくると思われます。
★スコットカメムシ カメムシ科。人家に侵入するカメムシとして北海道、東北で有名なようです。まだ見たことはありません。体長9〜11ミリ。出現は4〜10月。分布は北海道、本州。山地に生息するカメムシになります。成虫で越冬します。自然化では樹皮の下で越冬するそうです。
★オオトビサシガメ サシガメ科。臭いはありませんが、サシガメ類は鋭い口吻を持っていて刺されることがあります。幼虫であっても刺されてしまうとかなり痛いようです。肉食性の全身が茶褐色のサシガメで体長20〜27ミリ。体は細身に見えるものの大型のサシガメ類です。出現は4〜11月で年1回の発生。分布は本州、四国、九州。成虫は集団で越冬します。匂いの被害よりも刺されると危険なカメムシになります。オオトビサシガメは刺されると痛いので注意が必要な危険種になります。
★マツヘリカメムシ ヘリカメムシ科。体長15〜20ミリ。全体的に縦長で赤褐色〜褐色の光沢のないやや大型のカメムシ。とんでもなく臭いということはないようです。マツヘリカメムシは臭い種類もいるヘリカメムシ科の中でも臭いは若干弱いようです。マツヘリカメムシは、ここ数年で東京を中心に分布を急速に広げている外来種で、本来の生息地はカナダ、アメリカ、メキシコになります。体の特徴として後ろ足の脛節がオール状で、背中にはひし形の紋が見えます。この紋は個体により不鮮明なものもいます。出現は3〜11月。成虫、幼虫共にマツに寄生して、新芽や球果についています。成虫で越冬します。灯火にも集まります。10月以降、建物の壁などで見かけるようになるので、繁殖数の多い地域では室内に侵入してくる被害が多くなると考えられます。私の良く行くマツヘリカメムシの発生している公園では、10月頃から松林の脇のトイレの壁で見つけることが出来ます。越冬場所を求めてトイレの壁に集まってきます。
撮影ができた種類があれば追加していく予定です。
クサギカメムシ.jpgチャバネアオカメムシ.jpgマルカメムシ3.jpgツヤアオカメムシ.jpgマツヘリカメムシ(11月).jpg
1番上、クサギカメムシ。クマノミズキにいたものです。2番目、チャバネアオカメムシ。カシの木にいたものです。3番目、マルカメムシ。体の色には個体差があります。クズの葉にいたものです。4番下、ツヤアオカメムシ。クマノミズキにいたものです。1番下、マツヘリカメムシ。越冬のため公園のトイレの壁にいたものです。
オオトビサシガメ追加1.JPGオオトビサシガメ追加2.JPG
上、オオトビサシガメです。写真下、横向きの写真で見えていますが、口にはサシガメ科なので鋭い口吻があります。匂いよりも刺されるとことが怖い危険なカメムシになります。
★ナカボシカメムシ カメムシ科。体長8〜9ミリ。出現は4〜11月。分布は北海道、本州、四国、九州、対馬。山地性のカメムシで広葉樹のクヌギ、コナラ、ミズナラなどの林縁、林などや自然林の多い森林公園などにも生息していて、餌はクヌギ、コナラ、ミズナラの葉などの汁を吸います。灯火にも飛来するようです。光沢のある体をしていて、表面には多数の点刻があります。ナカボシカメムシの体色には変異が多く、灰緑色〜赤褐色と色には幅ががあります。活動期には淡い赤っぽい赤褐色でも、越冬に向かうと褐色などになっていくようです。ナカボシカメムシを見分ける特徴には、小楯板にある2対の黒紋がありますが、頭側側に見える背部の黒紋には変異が多く、不鮮明に見えるものや黒紋が繋がって見えるなどの違いがあります。ナカボシカメムシの越冬は成虫で、樹皮の裏などで集団で越冬します。その性質から家の中に侵入して来ることもある不快害虫にも含まれてきます。森林性なので都市部ではあまり侵入されることはありません。山地性の種類ということですが、自然の環境が良い低地の都市部の公園にも生息しているので、侵入される可能性はあります。
ナカボシカメムシ追加.JPG
上、ナカボシカメムシです。体色や斑紋に個体変異がある種類になります。この個体は赤褐色のタイプになります。森林性のカメムシですが、集団で越冬する習性があります。
当ブログ「マツヘリカメムシとオオトビサシガメ。家の中に入ってくる大きなカメムシの種類になります。」でマツヘリカメムシとオオトビサシガメを、マルカメムシは「マルカメムシ、ホオズキカメムシ、ブチヒゲカメムシ。害虫カメムシ3種を見つけました。」でマルカメムシを紹介しています。クサギカメムシも「クサギカメムシ、良く見かける茶色のカメムシです。」で紹介してあります。よろしかったらこちらも参照ください。
★キマダラカメムシ カメムシ科。外来種。1770年に長崎県の出島で発見されたのが最初で、国内では九州と沖縄で生息していた種類ですが、2006年には岡山県、2010年には東京都に進出するまでに北上してきました。現在も北上中していると思われる南方系のカメムシです。キマダラカメムシの本来の原産地は台湾、東南アジアになります。食性が広いこと。温暖化が進んでいること。人為的な植栽(街路樹、公園樹などによる)により、キマダラカメムシは分布を広げています。キマダラカメムシは成虫で越冬することから、九州方面では人家に侵入して来る不快害虫(侵入カメムシ)になっています。キマダラカメムシは日本にいるカメムシ亜科では最大で、体長は20〜25ミリと大型になります。雄と雌はよく似ていて外見での判別は難しく、雌雄の判別には交接器を見る必要が有ります。キマダラカメムシの身体的特徴は、暗褐色の地みな地色に淡黄色〜黄色い色の斑点があることです。よく似たクサギカメムシとの見分け方として頭部中央から小楯板にかけて淡黄色〜黄色をした線(縦条)が入っています。触角の先端部(第1節の下部)と脚には白い白帯があります。よく似た在来種のクサギカメムシと同じように見える厚みのない扁平な体格をしていますが、大きさはキマダラカメムシの方がはるかに大きくなります。分布は本州(現在は神奈川県、東京都、千葉県あたりまで)、四国、九州、沖縄。生息地は自然林よりも市街地、公園、街路樹や庭先に生息しているようです。食樹はサクラ、ウメ、ナシ、カキ、クワ、ヤマモモ、フジ、ニセアカシア、サルスベリ、クスノキ、ナンキンハゼなどと種類も多く、リンゴなどの果実も餌にします。繁殖のための樹種としてソメイヨシノ、シダレザクラが知られています。出現期は4〜11月。成虫で越冬する際にキマダラカメムシは家屋に侵入して来ることが知られています。九州地方で家屋の浸入が多いようです。野外での越冬場所としては、樹皮の裏側、割れ目、樹洞、倒木や積み重なった木などの隙間に潜り込んで越冬するようです。
キマダラカメムシ追加家に入るカメムシ.JPG
上、キマダラカメムシです。見つけたのは神奈川県横浜市。見て見たいと思っていた種類です。今回初めて見ました。見つけたときはクサギカメムシかと思いましたが、大きかったのでよく見て見たらキマダラカメムシでした。体長を測ってみると24ミリありました。
紹介する侵入カメムシの名前を調べる際の手助けになると思います。参考にしてみてください。
posted by クラマ at 20:31| Comment(0) | 昆虫・カメムシ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする