2015年05月15日

アオモンツノカメムシ。小さくてもカラフルなカメムシです。

キヅタの実を見ていたら沢山のカメムシの幼虫を見つけました。後日、確認するとアオモンツノカメムシであることが分りました。幼虫はベニモンツノカメムシの幼虫によく似ており、やや赤みのある幼虫もいたので、成虫になるのを待っていました。成虫もアオモンツノカメムシとベニモンツノカメムシは似ている個体もあり厄介です。さらによく似たヒメアオモンツノカメムシもいるので、判別が難しくなります。アオモンツノカメムシの模様の鮮明さや色に個体差もあり、普通種で個体数の多いカメムシになるのですが、間違いやすい種類になってしまいます。このアオモンツノカメムシはキヅタの実に群れていたものですが、鳥達に食べられて実がすぐになくなってしまい、幼虫もあまり見られなくなっていたので、成虫にお目にかかれるのかどうか心配していたのですが、なんとか無事に撮影することができました。カメムシを鳥が食べることは無いと思いますが、鳥達がついばんで実を落としてまい、幼虫も1緒に落ちてしまったので、結果として少なくなってしまっていたものではないのかと思います。このキヅタは生垣のやや高さのあるところにあるもので、実が落下してしまうとアスファルトの上に落ちてしまううえ、掃除もされてしまうので木から落ちたら最後、成長することは難しいと思います。幼虫の愛らしい所に、腹部背面には人の顔に見える斑紋があり、変な顔のオジサンに見えて笑えます。とても愛嬌のある幼虫です。アオモンツノカメムシは昼行性なので日中に見ることができますが、葉を動かしてしまうと葉裏などに逃げ出してしまいます。アオモンツノカメムシを調べてみました。
★アオモンツノカメムシ ツノカメムシ科。体長7〜9ミリ。普通種で個体数が多く、出現期は4〜10月。年1回の発生になります。昼行性で越冬は成虫での越冬になります。分布は本州、四国、九州、沖縄。緑色の地に赤褐色〜暗褐色のX字に見える斑紋があります。上翅膜質部は透明です。昼行性ですが灯火にも来ます。ウコギ科の花や実に多く、ヤツデ、タラノキ、コシアブラ、ウド、キヅタの花や実を餌にします。他にカエデ、ミズキなど食性は幅広いようです。幼虫は主に花、幼虫は実を餌にするようです。幼虫は落下した実を餌にするようです。これは実についていた幼虫が、熟した実と共に落下することによるものなのでしょうか。幼虫期には腹背部に人の顔に見える紋があります。この顔に見える斑紋も見分ける特徴になると思います。似た種類にはヒメアオモンツノカメムシ、ベニモンツノカメムシがいます。大雑把な判別法として、成虫の腹部に黒く見える点(気門)が並んでいるのがベニモンツノカメムシになります。ヒメアオモンツノカメムシは背部のX字に見える斑紋が分かりやすいようです。またアオモンツノカメムシと比べるとヒメアオモンツノカメムシの前胸背側角(前胸部の脇のとがった部分)の突出は弱く、小楯板の色は濃くならない特徴があります。生息地は山地に多く生息しているようです。アオモンツノカメムシとベニモンツノカメムシは同じ発生時期に生息地も重なるものがいて、同じ場所にいることもあるようです。さらに色のよく似た物もいることから見ただけでは判別が難しくなるようです。
アオモンツノカメムシ1.jpgアオモンツノカメムシ2.jpgアオモンツノカメムシ3.jpg
アオモンツノカメムシです。よく見ると少しづつ斑紋の模様が違います。この3枚の写真の個体は、基本的なX字が弱く、赤色が強く出ていたらベニモンツノカメムシにも似てしまいます。
アオモンツノカメムシ腹側.jpgアオモンツノカメムシ幼虫.jpg
上、腹側の写真です。淡い色のグラデーションが綺麗です。下、幼虫です。変な顔に見える模様が楽しいです。アオモンツノカメムシがもっと大きかったら人気が出そうですね。臭くなければ間違いなく綺麗な色の昆虫なだけに残念です。
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2015年05月13日

ヨコヅナサシガメ、ヤニサシガメ、シマサシガメ、アカサシガメ、アカシマサシガメ、ビロードサシガメ、ヒゲナガサシガメ、オオトビサシガメ、ハネナガマキバサシガメ。サシガメ科、9種類を見つけました。

サシガメはカメムシ目サシガメ科の昆虫の総称です。普通のカメムシと違い肉食性で他の昆虫を捕食して、鋭い口吻を獲物に突き立てて体液を吸います。うっかり捕まえようなどとして指でも刺されたら大変です。痛みはアシナガバチに刺された時の痛みに近いそうです。サシガメの顔は細長くて、よく見るとユーモラスな顔をしています。とても刺したりするような凶暴な顔には見えません。でもそこは他の昆虫を捕えて捕食する肉食性の昆虫なので、それなりの武器は持っているという事です。サシガメの口吻は鋭く、他の昆虫に突き立てて体液を吸ってしまいます。人間の皮膚は簡単に突き通してしまいます。サシガメは危険なカメムシとして覚えておく必要が有る昆虫です。むやみに触らないように十分に注意しましょう。5月になるとカメムシ類が活発に動き出して、色々な種類を見つけることができるようになります。カメムシ類は南方系の昆虫なので、温かくなると元気に活動を始めます。また温暖化による影響で、生息範囲を北上させているようです。カメムシと比べるとサシガメ類には大きなものが多く、やや細長く見える体と長い脚が特徴になります。ヨコヅナサシガメ、ヤニサシガメ、シマサシガメ、アカサシガメ、アカシマサシガメ、ヒゲナガサシガメ、オオトビサシガメ、ビロードサシガメ、ハネナガマキバサシガメの9種類を見つけたので調べてみました。ヨコヅナサシガメとアカサシガメ、オオトビサシガメは2度目の登場になります。過去に記載した「ヨコヅナサシガメと日本最大のサシガメ、オオトビサシガメ。どちらも危険なカメムシです。」と「赤いカメムシ、アカサシガメを見つけました。」があります。こちらも参考にしてみてください。新しくヒゲナガサシガメを追加し6種類になりました。見つけにくいサシガメにアカシマサシガメとヒゲナガサシガメがいます。アカシマサシガメはツヤの有る鮮やかな赤色と黒の配色が美しいサシガメです。普通種ですが数は少ない種類になり、なかなか見つけることができませんでした。アカシマサシガメは地上を徘徊して獲物を探す徘徊性で、主にヤスデを専門に狙うことで知られているヤスデが大好物なサシガメです。サシガメの中では1番美しい種類だと思います。ヒゲナガサシガメは樹上性の強いサシガメで数も少ない種類になるので、見つけることは難しいと思います。名前の通りに触角が体よりも長いサシガメです。細い体に地色が黄色で綺麗な色のサシガメです。ビロードサシガメは形はアカサシガメに似ています。同じように地上を徘徊するサシガメで、林床など人目に付かないところで生活しているサシガメなので、普通種の割に見つけることが難しい種類になっています。ビロードサシガメの個体数は少ないようです。サシガメの仲間もヨコヅナサシガメ、ヤニサシガメ、シマサシガメ、アカサシガメ、アカシマサシガメ、ヒゲナガサシガメ、オオトビサシガメ、ビロードサシガメ、ハネナガマキバサシガメ、サシガメ科の9種類の写真を比較して見るとそれぞれの違いとサシガメ科の特徴がつかめると思います。カメムシの仲間は形や色が個性的で実に面白い昆虫です。大きな種類が多いサシガメの中でも、ハネナガマキバサシガメは小型の細長い体形をしたサシガメです。ハネナガマキバサシガメを追加しました。
★ヨコヅナサシガメ サシガメ科。サシガメ科の外来種。体長16〜24ミリ。出現期は4〜10月。越冬は集団で幼虫で越冬します。分布は本州の関東地方以南(長野県よりも北上したようです)四国、九州。6〜7月に産卵します。肉食性で他の昆虫を捕えます。幼虫は集団で自分達より大きな獲物を捕らえて食べている姿も目にします。昼行性で獲物を求めて木の幹を歩き回っています。ヨコヅナサシガメを多く見るのはサクラ、エノキ、ケヤキなどの大木が多く、ニレ科、バラ科の植物に多いようです。サクラの太い幹の樹皮には、割目や樹洞ができやすくヨコヅナサシガメの隠れ家にはもってこいです。産卵や越冬は樹洞や樹皮の割れ目で行われます。ヨコヅナサシガメは幼虫で越冬します。サクラの大木は探す際のポイントの1つになると思います。光沢のある黒い体と腹部の脇にある結合板はとても大きく、黒と白の縞模様になっているので良く目立ちます。頭部と脚は黒くて細長いです。体の1部に赤い部分がありますが成虫では少なく、幼虫には赤く見える部分が多いです。羽化したての成虫の体は赤く、時間がたつと黒く体色が変化していきます。神奈川県横浜市の観察ポイントの自然公園では5月の連休の頃が羽化の時期になり、まだ赤い体をした成虫を見ることができることがあります。成虫の動きはのろいのですが、大きさもあるので刺されたら大変危険です。幼虫に刺されてもかなりの痛みを受けるようです。成虫、幼虫ともに注意しなければならない昆虫になります。
★ヤニサシガメ サシガメ科。名前の由来はヤニのような物質が体についていることからのようです。脚にヤニがついていてヤニサシガメの脚は凸凹して見えます。名前に付いているように、ヤニサシガメの最大の特徴はヤニのような物質を体につけていることにあります。これは寄生しているマツなどのヤニを自分で体に塗っていることによるものらしいです。触ったことは無いのですがベタベタしているのでしょうか?サシガメなので捕食する獲物(他の昆虫など)を逃がさないようにベタベタでくっつけて捕まえやすくするという戦法なのでしょうか。そう考えるとかなりのキテレツ昆虫になりますね。体長は12〜16ミリ。普通種ですが見る機会は少ないです。発生している木を見つけても成虫は見つけにくいようです。普通種なのですが個体数は多くないようです。餌は他の昆虫を捕える肉食性になります。出現期は5〜10月で年1化。新成虫は6〜7月に現れます。見つけるポイントは主にクロマツやアカマツなどのマツの木を生活の場所にしていますので、見られるのもマツの木とそのそばの草の上が多いです。ヤニサシガメはスギ、ヒノキの針葉樹、マツ(主にアカマツ、クロマツ)を生活場所にしています。分布は本州、四国、九州。越冬は幼虫で行われ、小集団を作りマツの樹皮の下や根際で終齢幼虫で越冬します。肉食性のヤニサシガメはマツの木で生活しているので、餌としてマツの天敵になるマツカレハの幼虫を捕えてくれるので、マツを守る益虫と言えます。人間に対しては、マツカレハは皮膚のかぶれを引き起こすケムシなので、人にも有益な存在になっています。この害虫の毒ケムシ、マツカレハの天敵であり、マツの食害を防ぐことにもなるので、立派に益虫として働いてくれていることになります。最近では松枯れや他種との競合により数を減らしてきているようです。
似ている種類にシマサシガメとヨコヅナサシガメがいます。ヤニサシガメの体の特徴は1見、シマサシガメに似ていますが、ヤニサシガメの場合、ヤニで脚が凸凹としており、体に鈍い光沢のようなものがあります。腹部の結合板はシマサシガメとヨコヅナサシガメの中間のようにも見えます。ヤニサシガメの特徴として触覚に2か所の白い帯があることでシマサシガメと見分けることができます。シマサシガメの触覚には白い帯はありません。またシマサシガメからはシャープな感じを受けるのですが、ヤニサシガメは脚が凸凹していて、全体的にいびつな感じを受ける体つきになっています。ヨコヅナサシガメも似て見えるのですが、ヨコヅナサシガメの方が大きいので違いは見比べると分かると思います。またヨコヅナサシガメの腹部(結合板)は幅が広く見えることで見比べることができます。
★シマサシガメ サシガメ科。体長13〜16ミリ。シマサシガメは個体数の多い普通種で見つけることは比較的に簡単です。黒い地色に脚に白いストライプが見える綺麗なサシガメです。腹部の結合板の部分は白い縞模様に見えます。出現期は5〜8月。分布は本州、四国、九州。低山地の草の上などで普通に見ることができる種類です。昼行性で葉の上にいることが多く見つけやすい種類なのですが、臆病な性格ですぐに葉の裏側などに逃げてしまいます。サシガメ科なので成虫、幼虫共に肉食性で、チョウ、ガ、テントウムシなど他の昆虫を捕えます。成虫は単独で活動しています。越冬は成虫越冬します。草の根元、木の割れ目、樹洞などで越冬します。ヨコヅナサシガメに似ていますが腹部の幅が狭く、ヨコヅナサシガメよりもはるかにスマートに見え、体長も短くなるので見分けることができます。シマサシガメの体の配色は白と黒のカメムシで、スマートでバランスの良い体型をしています。シマサシガメの特徴として触覚は黒く縞はありません。脚には白い帯があります。腹部の脇にある結合板は白と黒の縞模様になっています。よく似ているヤニサシガメとの区別には触覚を見ることで判別することができます。シマサシガメを捕まえようとすると刺されることが多いようです。このサシガメも要注意です。シマサシガメの幼虫にはオレンジ色(橙色)の部分がありとても綺麗に見えます。幼虫の時期にはオレンジ色(橙色)の部分があるのですが、成虫になると黒と白の2色の配色になります。この色の違いから同じ種類とは思えないかも知れません。幼虫が綺麗に見えても刺されたら痛いので、触らない方が良いと思います。
★アカサシガメ サシガメ科。体長14〜17ミリ。アカサシガメの体色には変異が見られます。体の色は紅色系で淡い橙色、赤色、朱赤色のサシガメです。見つけることが楽しいサシガメです。稀に黒色斑の見られるものもいます。脚の色も黒いものや淡い朱色縞のあるものなど、体色等に変異の多い種類になり、見つけることが楽しくなるサシガメです。出現期は4〜9月。分布は本州、四国、九州、対馬。越冬は草むらの草の根元などで単独で成虫で越冬します。肉食性で他の昆虫を捕えます。口吻をつきたてて捕らえた昆虫の体液を吸います。昼行性で低木、草むらの草の葉の上や葉影などにいる草上性のサシガメで普通種になります。普通は単独で行動しています。体色や黒斑、脚の色などに個体変異があります。綺麗なサシガメですが臆病で、すぐに葉の裏に隠れたり飛んで逃げてしまいます。カメラを向けると葉の裏に逃げ込んでしまい撮影に手を焼きます。幼虫も橙色っぽい赤色や朱赤色の美しい体色をしています。昼行性なのでその気になって探せば見つかるかも知れません。アカサシガメは綺麗な色をしているサシガメなので1見の価値があると思います。色に個体差が有るので色の違う個体を探すのも面白いと思います。幼虫は群れている所を見たことがないので、ヨコズナサシガメと違い小型の獲物を狙うことが多いと予想しています。名前にアカ(赤)と付いていますが、アカサシガメの体の色はアカシマサシガメのような濃くツヤの有る色とは違っています。おとなしい感じの赤色系になります。
★アカシマサシガメ サシガメ科。普通種ですが数は少のすくない在来種の美しいサシガメです。体長は11〜15ミリ。ツヤのある赤と黒のコントラストが美しく赤色が目立つ綺麗なサシガメです。雌雄共にツヤの有る赤色が美しく、腹側(下面)は黒い色をしています。胸背部に十字に見える溝があり、その周りは盛り上がっています。雌雄の区別は外見上同じに見えますが、雌の方が1回り大きくなります。似た種類は5種類いますが、数はアカサシガメが1番多いようです。分布は本州、四国、九州。出現は4〜11月。平地から山地の林縁、草原、畑地の植物の根際や石の下に生息しています。地上を徘徊して餌を探す徘徊性のサシガメです。捕らえる餌はヤスデが主で、他にワラジムシ、ダンゴムシも捕らえるようです。昼行性で単独で生活しています。美しいツヤの有る黒と赤の配色には個体差があるようです。成虫で越冬します。越冬は植物の根際や石の下で行われます。アカシマサシガメには似て見える種類が多いのですが、非常によく似たクビグロアカサシガメは体長が6〜10ミリと小型で、胸背の頭側が黒い色をしています。他に似た種類のナカグロアカサシガメは本州には生息していないことで見分けられます。アカヘリサシガメは胸背版の形がシマサシガメやアカサシガメに似ていることで区別ができます。
★ビロードサシガメ サシガメ科。体長は11〜14ミリ。頭部と胸部は黒く、強いツヤがあります。上翅は黒い色で翅の付け根は黄白色をしています。腹部外縁は朱色を帯びています。名前の由来はビロードのような光沢からきているようです。出現は4〜11月。分布は本州、四国、九州、沖縄。林縁や林床に生息しています。ビロードサシガメは単独で地上を徘徊する徘徊性のサシガメで、小型の昆虫類や、ダンゴムシ、ワラジムシ、ヤスデなどを餌として捕獲します。越冬は成虫で、落ち葉の下や植物の根際、石の下などの隙間で越冬します。住んでいる場所も目立たないところなのですが、数は多くないようです。ビロードサシガメは普通種の割に、あまり見かけることができない種類になります。他のサシガメのイメージと比べると、のっぺりと平らで長い体つきをして見えます。動きは緩慢で可愛く見えます。逃げ回らないので写真撮影も楽にできます。沖縄にはよく似た種類のオキナワハラアカサシガメがいて、この種は腹部外縁が黄褐色で鮮やかな朱色が見えます。
ヨコヅナサシガメ4.jpgヨコヅナサシガメ終齢幼虫.jpg
上、ヨコヅナサシガメの成虫です。金属光沢のある黒と白の配色の大型のカメムシになります。体の割に脚は細いのですが、実物を見ると迫力はかなりのものになります。成虫の腹部結合板は大きく白と黒の縞模様になっています。腹部の幅もありがっしりとした印象を受けます。下、ヨコヅナサシガメの5齢(終齢)幼虫です。腹側から腹部前面は特に目立つ赤色をしています。サクラの幹の割れ目に群れていました。幼虫には背面にも赤い部分があります。成虫、幼虫共にサクラの木にいたものです。樹上性のサシガメ類の脚は長くて細いことが特徴になります。
ヤニサシガメ2.jpgヤニサシガメ1.jpg
ヤニサシガメです。2枚とも同じ個体です。脚が凸凹しています。ヨコズナサシガメとシマサシガメの中間のような姿にも見えます。写真を見比べてみると違いが分かって面白いと思います。ヤニサシガメが地味なサシガメであることは間違いありません。見つけた場所はスギ、ヒノキのある林縁の草の上です。ヤニサシガメの触覚にある白い帯(少し分かりづらいですが)が見えます。見分ける特徴になるものです。
シマサシガメ.jpgシマサシガメ幼虫1.jpg
上、シマサシガメの成虫です。写真はストックしてあったものです。とてもバランスが良い洗練された形をしています。下、シマサシガメの幼虫です。この幼虫はキヅタで見つけたものです。部分的に見えるオレンジ色が綺麗です。成虫の白黒の配色も良いのですが、幼虫にあるオレンジ色の部分が消えてしまうのは少しもったいないとも思ってしまいます。幼虫は単独でいました。
アカサシガメH27.jpgアカサシガメ幼虫.jpg
上、アカサシガメの成虫です。クズの葉の上にいたものです。葉の上で獲物が来るのを待っていたのでしょう。アカサシガメは個体変異があり、色彩などに個体差が出るので面白いです。見つけることが飽きない種類になります。下、アカサシガメの幼虫。黄橙色をした幼虫です。アカサシガメは幼虫の時から美しい色をしています。横から見た配色がおしゃれです。横から撮影するとサシガメの口吻が良く見えます。成虫の写真の撮影場所は神奈川県横浜市、こども自然公園。幼虫は横浜市旭区で撮影。サシガメが普通のカメムシと違って見える体の特徴の1つに脚の長さがあります。樹上性のサシガメの脚は長くて細いものになります。サシガメでも地上を歩くタイプの種類では、脚の作りはしっかりとしているそうです。体の作りを観察することが生活の様式を探る手掛かりにもなるということです。
アカシマサシガメ.JPG
アカシマサシガメです。アカサシガメのおとなしい柔らかい赤色とは対照的な、光沢の強い鮮やかな赤色と黒の配色を持つ綺麗なサシガメです。地上を徘徊してヤスデを探す肉食性のハンターです。ヤスデを餌にすることから、やや湿った場所に生息していると思われます。
★ヒゲナガサシガメ サシガメ科。体長14〜16ミリ。普通種ですが数は少ない樹上生のサシガメです。出現は6〜9月。分布は本州、四国、九州の低山地から山地の林縁に生息しています。常緑樹の葉の上などに住む樹上生で、成虫も幼虫も他の昆虫を捕らえます。細長い体に地色が鮮やかな黄色いサシガメで、黄色い地色に濃褐色から茶褐色をしています。ヒゲナガサシガメは名前の通りに触角が体よりも長いです。幼虫も成虫と似た姿をしていて細長い体をしています。細長い体はナナフシの幼虫にも似て見えます。ヒゲナガサシガメの前胸背部後方の側縁には細く鋭い棘が1対付いています。越冬は幼虫で越冬します。成虫は灯火にも飛来します。
ヒゲナガサシガメ卵.JPGヒゲナガサシガメ.JPGヒゲナガサシガメ口吻.JPG
ヒゲナガサシガメです。上、ヒゲナガサシガメの卵です。幼虫が脱出した後の卵です。卵の蓋を内側から開けて脱出しています。中、下、雌のヒゲナガサシガメ。下、口吻の部分を拡大しました。この写真でも分かるように細い体でも鋭い口吻をたたんで持っています。横から見るとガガンボにも似て見えます。サシガメのイメージから少し違って見えてしまいます。他の種類ほどではないにしろ、やはり刺されると痛いようです。この個体は公園のトイレの灯火の下にいたものです。なかなか見ることができないでいた種類なので、見つけられて良かったです。
★オオトビサシガメ サシガメ科。当ブログですでに登場している迫力のある大型のサシガメです。サシガメの種類を知る上でも再登場してもらいました。家にも侵入して来る危険なサシガメです。刺されないようにしないといけません。体長20〜27ミリと大きく、オオトビサシガメは日本最大のサシガメ科のカメムシになります。分布は本州、四国、九州。生息は低地から山地の日当たりの良い樹上や草や低い木の上に生活している樹上生のサシガメです。肉食性で、成虫も幼虫も共に餌とする他の昆虫が近づくのを待ち伏せて捕まえます。成虫の出現は4〜11月発生は年1回の発生で昼行性になります。新成虫は8月下旬ごろに現れます。越冬は成虫で越冬します。樹皮の下、樹洞、岩の割れた隙間などを利用して越冬します。越冬は集団で行われますが、単独でも越冬します。成虫は暖かいと3月下旬から動き出しすので、早い時期から見ることもあります。雄も雌も似た体をしていますが、雌の腹部には横幅があり、前胸の幅より腹部が横に張り出しています。雄の場合は腹部の幅が狭く縦長に見えます。単独で行動しています。口吻は鋭く、刺された場合は痛みが強いです。オオトビサシガメは越冬の目的のため家の中にも侵入してくることが知られています。動作は緩慢ですが刺されたら大変なので、覚えておいた方が良い種類になります。
オオトビサシガメ(7種類に追加).JPG
上、オオトビサシガメです。横幅はヨコヅナサシガメに引けをとるものの、実物を見れば1目瞭然の大型サイズのサシガメで、全身は茶褐色をしていて迫力のある大きさが魅力です。このオオトビサシガメは林縁の樹下の草の上にいました。撮影地。神奈川県横浜市、こども自然公園。
ビロードサシガメ.JPG
ビロードサシガメです。地味なのですが不思議な色合いをしている魅力的な種類です。ビロードサシガメは動きが緩慢で大人しいサシガメです。でもいくら大人しくても刺されないように注意はした方が無難です。石の下などを住処にしているので、のっぺりとした体つきをしているのだと思います。ビロードサシガメは地味な色のサシガメですが頭胸部には強い光沢があります。このサシガメの魅力は形が可愛い所です。葉に乗せて撮影しました。撮影地。神奈川県横浜市、南本宿第三公園。
★ハネナガマキバサシガメ マキバサシガメ科。体長は7〜9ミリ。灰褐色の細長い体をした小型のサシガメ。出現は4〜10月。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。エノコログサなどが生えているような草原にいます。細くて小さなサシガメですが、他の昆虫を捕らえる肉食性です。似た種類も多いので判別が難しいです。越冬は成虫の出現時期から成虫で越冬するものと思います。
ハネナガマキバサシガメ1B.JPGハネナガマキバサシガメ2口吻拡大B.JPG
上、ハネナガマキバサシガメ。体が細く弱々しく見える小型のサシガメです。小さいうえによく飛んで逃げ出すので、撮影が難しい種類です。下、口吻の部分の拡大です。横から見ると口吻がみえるのでサシガメの仲間だと分かります。ハネナガマキバサシガメも肉食性なので小さな体でも鋭い口吻を持っています。サシガメ科の昆虫を9種類そろえることができました。比較して見ると面白いです。
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2015年04月22日

地上性のカメムシ、ツチカメムシ、マルツチカメムシを見つけました。ヨコヅナサシガメの幼虫も元気でした。

春になって昆虫も活動を始める季節になってきました。ツバキキンカクチャワンタケを探していると落ち葉の下から見慣れない小さな甲虫が出てきました。後端の部分を見るとカメムシの仲間のように見えます。写真を撮って調べてみるとマルツチカメムシであることが分りました。ツチカメムシの仲間は多くのカメムシが地上の木や草などについて生活しているのに対して、地上で暮らす種類になります。体長は4〜10ミリ程と小さな種類が多く、見つけにくいことから普段はなかなか見ることができない種類になります。夜間の灯火にも来ることがあるようです。ツバキキンカクチャワンタケ(略称ツバキン)を探していて、マルツチカメムシを見つけることができたことは運が良かったです。ツチカメムシの仲間はどれも非常によく似ています。ツチカメムシと大変よく似た種類にはコツチカメムシがいます。この両種の違いは拡大して見て、前胸背部の点刻の違いを比べて判断します。点刻の違いというだけあって、この両種は似すぎています。ツチカメムシの仲間は落ち葉の下や植物の根際などを住みかにして、土に潜って植物の根の汁を吸ったり、地上に落ちたクスノキ、ヤツデ、クズなどの実の汁を吸って生きています。成虫は成虫越冬して春に活動を再開します。産卵は地中に産卵します。マルツチカメムシをツチカメムシとしていた写真を訂正しました。ツチカメムシの写真を追加して紹介します。混乱させてしまったことをお詫び申し上げます。
3月頃から活動を再開するヨコヅナサシガメは4齢になっていて、木の幹を歩き回り獲物を探していました。若齢の時は沢山群れて生活していますが、5齢に近づくと数が減って見えます。ここまで育つのに共食いをしたのか、成虫に近づき単独の行動をとりやすくなるのか、数はまばらになってきます。外来種のヨコヅナサシガメは最近では普通に見ることができる種類になってきました。幼虫を含めて4〜10月まで見られる出現時期の長いカメムシです。見つけてもうっかり触ってはいけません。刺されるととても強い痛み(激痛)を伴う危険な昆虫でもあります。ツチカメムシ科のツチカメムシとマルツチカメムシの2種類とサシガメ科のヨコヅナサシガメを調べてみました。
★ツチカメムシ ツチカメムシ科。黒くて光沢のある地上性のカメムシです。コツチカメムシと酷似しています。ツチカメムシの頭部前縁には短刺列がなく点刻は粗く大きさはまばらになっています。コツチカメムシとは前胸背部にある点刻列を見比べて見分けます。体長は7〜10ミリの小型になります。小さいけれどガッシリっとしていて、いかにも土に潜れるという強度を持っているように見えます。体色はつやのある黒色で、黒い金属光沢があります。分布は北海道、本州、四国、九州。出現期は4〜10月。餌は植物の根の汁やクスノキ、ヤツデなどの地面に落ちた実の汁を吸っています。地上性のカメムシで森林、草地、樹下の落ち葉の下などにいます。産卵は春に行われ地中に産み付けれれます。越冬は成虫越冬します。灯火に飛んでくることもあるようです。
・よく似たツチカメムシとコツチカメムシの違い。
見分けるための違いは、コツチカメムシの場合は前胸背部、胸背部の点刻が多く、点刻の大きさは1様で密になっているようです。また頭部前縁には短刺列があります。ツチカメムシの場合、頭部前縁には短刺列がないことと、点刻が粗く大きさもまばらになっています。
★マルツチカメムシ ツチカメムシ科。体長は4〜5・5ミリ。体型は小判型で丸みを帯びて見えます。頭部の前縁には短刺が並んでいます。体の外縁には長いトゲ(短刺)が複数生えています。脚にはやや太いトゲが生えています。私見で出現は3〜10月?。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。樹や草の根際や石の下、落ち葉の下などの浅い地中に生息しています。餌は地表に落ちた果実や種子を食べます。ツチカメムシの仲間であることと、3月に見つけていることから、越冬は成虫で越冬すると思います。ツチカメムシの仲間は似た種類が多く紛らわしいです。
★ヨコヅナサシガメ サシガメ科。インド〜中国原産の外来種。成虫、幼虫共に肉食で他の昆虫を捕えて餌にします。時に集団で大きな獲物を襲う事もあります。分布は本州、四国、九州。光沢のある黒い体に腹部側縁に白と黒の縞模様のある大型のサシガメ。体長は16〜24ミリ。出現時期は4〜10月。幼虫の時期が長いので、比較的によく見られるのは幼虫になります。幼虫は様々な木の幹に見られます。若齢ほど群れを成して生活をしています。幼虫は木の幹を歩き回り獲物を探しています。繁殖は6〜7月に行われます。幼虫には共食いの傾向がみられるようです。この習性は若齢ほど強く徐々に共食いはしなくなっていくようです。集団で越冬して、3月頃から活動を再開して4〜5月に羽化します。サシガメ科の口吻は鋭く刺されると激痛を与えられます。危険な昆虫として覚えておく必要があります。
マルツチカメムシ1.jpgマルツチカメムシ2.jpg
上、マルツチカメムシです。カメムシっぽく見えませんね。丸っこい小判型の形が可愛いです。体の外側縁に細長い針のようなトゲが出ているのが分かります。面白い特徴です。
ツチカメムシ.JPGツチカメムシ頭部.JPG
ツチカメムシです。同じ個体です。下は頭部の拡大です。写真では見えていないのですが、脚には鋭い棘がたくさん生えています。黒くて光沢のあるツチカメムシの姿は小さなゴキブリにも似て見えます。撮影中、動き回って石垣を登っていました。そして石垣の間の隙間に入っていきました。
ヨコヅナサシガメ幼虫3月.jpg
ヨコヅナサシガメの幼虫です。活発に木の幹を歩き回って獲物を探していました。撮影は3月下旬になります。撮影場所、神奈川県横浜市、南本宿公園。
ヨコヅナサシガメ追加.JPG
ヨコヅナサシガメの成虫です。写真を追加しました。成虫には迫力があります。個性的な体と白い縞模様が特徴になります。刺されると酷く痛いので捕まえようとしない方が良いです。ヨコヅナサシガメは当ブログの他記事でも紹介しています。
posted by クラマ at 15:29| Comment(0) | 昆虫・カメムシ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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