ツマキヘリカメムシとオオツマキヘリカメムシは激似のカメムシです。どちらも光沢のない黒褐色の体色をしています。外見での判断はとても難しく大きさはオオツマキヘリカメムシが1回り大きくなります。オオツマキヘリカメムシの雄の腹部の先には突起があって、ツマキヘリカメムシの雄には突起がないことで区別ができますが。雌の場合は判断がつかない位によく似ています。ツマキヘリカメムシは体は暗色の剛毛に覆われるという特徴があり、オオツマキヘリカメムシよりも毛深く見えます。この毛はツマキヘリカメムシは尖って立ち上がって見える特色があり、オオツマキヘリカメムシの毛は寝て見えます。デジカメにとって拡大しないと分からないレベルの差になります。オオツマキヘリカメムシもオオはついていてもツマキヘリカメムシより大きいという意味しかなく、どちらも小さいので種類を区別することは難しいです。体つきはツマキヘリカメムシの体の方が厚みがあります。この2種の特徴として翅多型と言って翅の長さが違う長翅型と短翅型があります。普通見るのは飛翔力の短翅型になります。この2種は小さくてもかなり臭いらしいので」注意も必要です。小さいからと侮ると臭い匂いをかがされてしまうことになってしまいます。ツマキヘリカメムシを見つけたのはツツジの植え込みに混ざって生えていたヤブガラシの蔓でした。かなり群生していましたが、このツツジによくいるカメムシが極小のスコットヒョウタンナガカメムシです。普通は気が付くような大きさではありません。ハエのように小さいし、上から見たら小型のハエやハチと見間違ってしまうかも知れない容姿と大きさです。形も平べったい扁平なカメムシを連想するより、ハエやハチに形が似て見えてしまいます。こちらも地味な色をしています。特徴は背中の翅の会合部にある白紋です。体の特徴として前脚の基部がやたらと太く見えます。チカラコブの塊のような前脚をしています。このスコットヒョウタンナガカメムシにもよく似たサビヒョウタンナガカメムシがいますが、違いは先の白紋の有無と前脚の色の違いです。サビヒョウタンナガカメムシの前脚は黒くスコットヒョウタンナガカメムシの前脚の色は明るい茶色になります。オオモンシロナガカメムシも地味な色のカメムシで細長い大型のナガカメムシになります。こちらのものもよく似た種類がいてオオシロヘリナガカメムシがいますが前胸板の側縁に白い模様があることでオオモンシロナガカメムシと区別します。他にモンシロナガカメムシが似ています。モンシロナガカメムシの写真が撮れましたので追加しました。モンシロナガカメムシとヨツボシヒョウタンナガカメムシを追加して6種類のカメムシの紹介になります。
★ツマキヘリカメムシ ヘリカメムシ科。体長は8〜10ミリ。分布は本州、四国、九州、沖縄。出現は5〜10月で、成虫、幼虫共にウド、スイバ、イタドリ、ギシギシ、キイチゴ類の汁を吸います。光沢のない黒褐色〜こげ茶色の体色に暗色の剛毛に包まれていて体つきはオオツマキヘリカメムシよりも厚い体をしています。毛は濃く立ち上がっています。小さいカメムシなのですが厚みがあることが特徴になっています。触覚の先端は橙色をしています。腹部後方は丸っこく広く広がっています。ツマキヘリカメムシはオオツマキヘリカメムシよりも毛深く見えます。昼行性で動きは鈍いです。群がって集団でいることが多い種類になります。臭いは強いようです。倒木や草の寝際などで成虫で越冬します。集団で越冬するようです。
★オオツマキヘリカメムシ ヘリカメムシ科。体長は8〜12ミリ。分布は本州、四国、九州、沖縄、対馬、屋久島、種子島。光沢のない黒褐色〜こげ茶色の体色に暗色の毛が生えています。毛はツマキヘリカメムシのように立っていません。体つきは極めてツマキヘリカメムシと似ていますが、こちらはやや厚みが少なくなります。雄のお尻の先には突起があり、雄の判別はこの部分でできますが、雌では区別できなくなります。成虫、幼虫共に木の汁を吸います。イタドリ、ウド、アザミ、スイバ、ノイバラ、キイチゴ類を餌にします。昼行性で動きは鈍いです。草の寝際などで成虫で越冬します。
★スコットヒョウタンナガカメムシ ヒョウタンナガカメムシ科。体長は5〜6ミリの小型、というより極小なカメムシで全体が明るい茶褐色をしています。特徴は前胸板にうっすらと2本の縦の条線がみえることと翅の会合部にある縦長の白紋の斜め下にも小さな白紋があることです。前脚が太く見えることも特徴です。脚の色は明るい茶色をしています。ツツジに多く生息しているようです。ハエやハチの仲間にも見えてしまいそうです。分布は本州、四国、九州、沖縄。よく似た種類にサビヒョウタンナガカメムシがいますが、こちらは全体的に黒っぽい色をしていて脚の色も黒いことから区別できます。スコットヒョウタンナガカメムシはツツジにいることが多いそうです。やはりツツジで見つけることができました。
★オオモンシロナガカメムシ ナガカメムシ科の日本特産主。名前の由来になっている上翅に見える1対の白い斑紋が特徴的です。普通種で黒褐色の体に白い紋が特徴の細長い大型のナガカメムシになります。体長は10〜12ミリ。出現は4〜11月。分布は本州、四国、九州、沖縄。オオモンシロナガカメムシは各種樹林の林縁の林床などに生息している徘徊性のカメムシです。昼行性で歩き回って地面に落下した実(ヤツデ、クスなど)や地下茎の汁を餌にします。よく似た種類にオオシロヘリナガカメムシがいますが、こちらは前胸板の側縁に白い模様があることで区別できますが、他にも似た種類がいるようで正確な区別は難しくなる種類になります。新成虫は7〜11月。越冬した個体は4〜5月に現れます。越冬は成虫で越冬します。灯火にも良く寄ってくるようです。危険を感じると素早く歩いて逃げ出します。オオモンシロナガカメムシを見つけても、見つける場所が暗い林床などが多く、しかもじっとしていることが少ないので撮影にはてこずります。飛んで逃げることはしないようで、ひたすら素早く歩いて逃げ出します。


上、ツマキヘリカメムシです。下はオオツマキヘリカメムシ。この2種類はよくとても似ています。やはりデジカメ等で特徴の違いを見比べないと種類の判別に迷ってしまいます。

スコットヒョウタンナガカメムシです。とにかく小さな小型のカメムシです。写真を拡大して見るとカメムシの仲間であることが分かるという位な小型のカメムシです。この個体はツツジにいたものを撮影のため容器に移して撮影したものです。スコットヒョウタンナガカメムシには大変良く似たものがいます。


上の2枚、オオモンシロナガカメムシです。上は公園のトイレの壁にいました。下は日中に地上を歩いていました。
★モンシロナガカメムシ ナガカメムシ科。普通種で体長は6〜7・5ミリ。モンシロナガカメムシの特徴は上翅の地色が黄褐色で黒い斑紋があり、翅の後端の両側には1対の明瞭な白い白斑があり目立ちます。前胸背部の頭部側から中央は黒い色をしており、下端外縁は白色の斑に見えます。小楯板は黒い色をしています。触角は第4節の基部が白く(黄白色)見えます。黒と白の配色ながら何気に綺麗に見えます。出現は5〜11月。分布は本州、四国、九州。地上性を徘徊する徘徊性のカメムシです。餌は植物の地表に落下した実や地下茎の汁を吸います。間違いやすい似たカメムシにアムールシロヘリナガカメムシ、オオモンシロナガカメムシ、シロヘリナガカメムシがいます。
モンシロナガカメムシと似ているアムールシロヘリナガカメムシ、オオモンシロナガカメムシ、シロヘリナガカメムシとの違い比べて見ました。
・モンシロナガカメムシと大変良く似た種類にアムールシロヘリナガカメムシ(ナガカメムシ科 )がいます。見分け方は小楯板を見て判別します。モンシロナガカメムシの小楯板は黒い色をしていますが、アムールシロヘリナガカメムシの小楯板には1対の白い斑紋があります。極わずかな違いですがこの部位(小楯板)を見れば判別ができます。
・似た名前の種類にはオオモンシロナガカメムシ(ナガカメムシ科)がいます。容姿もモンシロナガカメムシとアムールシロヘリナガカメムシに似て見えますが、オオモンシロナガカメムシは大きくて黒っぽく見えるので違いは分かります。体長は10〜12ミリと大きく、特徴は翅に見える白斑が3角形に見えることです。オオモンシロナガカメムシは成虫越冬なので同じ科のモンシロナガカメムシも成虫越冬だと勝手に思っています。
・紛らわしい名前を持つシロヘリナガカメムシという種類もいます。体長は7〜8ミリ。ナガカメムシ科で別名ウスグロシロヘリナガカメムシと呼ばれるように、全体が薄い黒色に見えます。体の外縁部が薄い白色で、名前のイメージとは違って地味な色をしています。小楯板には1対の白斑があります。容姿は白斑の無い地味な色なので、オオモンシロナガカメムシが似て見えます。シロヘリナガカメムシは別名の方が分かりやすいような気がするカメムシです。この種は見た目だけではなく名前も紛らわしい種類が多くいて混乱しそうです。それぞれ特徴を挙げて見たものの、個体差も考えられることから、容姿は紛らわしい種類になってしまいそうです。
モンシロナガカメムシはダイズやイネの農業害虫としても扱われます。体内にカビの菌を持ったカメムシに汁を吸われたイネは斑点米になってしまいます。このイネの病気を引き起こす原因となるカメムシは斑点米カメムシと呼ばれます。多くの種類のカメムシがいますが、地上性のモンシロナガカメムシも米に被害を与えるも斑点米カメムシに入っています。普段は草地などの地表にいるのですが、田んぼに飛来して被害を与えることがあるようです。斑点米とは玄米が部分的に黒くなってしまった米です。変色した米は当然ながら商品にはならないので、稲作農家には大損害となってしまいます。斑点米を起こすカメムシは60種類を超えるようです。温暖化によりこれらカメムシが北上していくことが予測できます。


上、モンシロナガカメムシです(写真は別個体です)日中、ムクノキのあった下で沢山確認できました。残念ながら大量のムクノキの実が落下していた場所なのですが、根元から切られてしまいました。周りに餌となる木は、ほぼない状態なので来年の発生に影響すると思います。この木の樹下に生息していたキシノウエトタテグモもかなり死滅してしまいました。雨水の直撃が原因になるようです。下、上の写真の個体がいた近くの花壇の花に来ていたモンシロナガカメムシです。色合いが違っています。撮影地。神奈川県横浜市、南本宿第三公園。モンシロナガカメムシは数匹の小さな集団を作って行動しているようです。1匹見つけると近くに別のモンシロナガカメムシを見つけることができます。白と黒の配色の地味な色合いをした普通種ですが、見つけると嬉しくなります。地表で活動している普通種ですが、それゆえ意識して探さないと見つけることができません。植物の花に登ることもあるようです。昼行性でちょろちょろと動く姿が可愛いです。
★ヨツボシヒョウタンナガカメムシ ヒョウタンナガカメムシ科。体長6〜7ミリ。ヨツボシヒョウタンナガカメムシには前胸背後葉に4個の小さな黄白色の斑点(斑紋)があります。この特徴が名前の由来のようです。上翅の地色は黒く斑のように見えますが、白っぽく見える部分には個体差があり、淡い赤褐色などに見える個体もいます。小型の普通種で個体数も多く、エノコログサなどのネコジャラシ類、カモジグサ、メヒシバ、イネなどイネ科植物やタデ科のオオイヌタデなどで見かけます。エノコログサに多くいて、ヨツボシヒョウタンナガカメムシはエノコログサの穂を探すとかなりの確率で見つけることができます。ヨツボシヒョウタンナガカメムシはイネの斑点米の原因を作る斑点米カメムシの1種としても知られていて、イネの害虫カメムシにもなっていますが、大きな被害を与える程ではないようです。ヨツボシヒョウタンナガカメムシは小さなカメムシで、胸部(前胸背の両端)はくびれて狭く見えることと、上翅中央付近が白っぽく見えるため、実際よりも1見スマートに見えます。注意して見ないとアリのようにも見えてしまいます。幼虫も成虫と同じ植物の汁を吸います。成虫は灯火にも飛来します。出現は4〜11月。分布は本州、四国、九州、沖縄。公園、草原や河原、空き地などのエノコログサなどのイネ科植物のある場所にいます。活動は11月までと遅いので、そのまま成虫で越冬すると思われます。


ヨツボシヒョウタンナガカメムシです。名前がやたらに長いのに体は小さなカメムシです。小さいうえ、カメラを向けると逃げ出すので撮影にはとても苦労します。このカメムシの顔はアリに似た顔をしています。色彩には色の濃淡などがあります。撮影地。神奈川県横浜市。下のヨツボシヒョウタンナガカメムシは持ち帰って撮影しました。
ツマキヘリカメムシ、オオツマキヘリカメムシ、スコットヒョウタンナガカメムシ、オオモンシロナガカメムシ、どれも地味な色のカメムシです。小さい種類ということなどもありますが、どの種も意識的に探さないと目にすることが少ない種類になると思います。小さいので気が付かないだけで、ヨツボシヒョウタンナガカメムシはエノコログサを見つけると簡単に見つけることができます。オオモンシロナガカメムシとモンシロナガカメムシは地上性のカメムシなので、どうしても見つけにくくなってしまいます。