2016年11月14日

キマダラカメムシを見つけました。関東に進出してきた大型の外来種カメムシです。

キマダラカメムシを見つけました。以前から見て見たいと思っていた外来種の大型のカメムシです。見つけた場所は神奈川県横浜市です。キマダラカメムシは暗褐色の色をしたクサギカメムシに似ていて、体形も同じような扁平な体をしているカメムシです。キマダラカメムシは台湾、東南アジアを原産とする外来種で、1770年に長崎県で発見されてから現在では本州の神奈川県、千葉県あたりまで生息範囲を広げたようです。しっかりと日本に定着した外来種のカメムシになります。キマダラカメムシの北上は温暖化だけの理由ではなく、街路樹や公園樹などの人為的な植樹によることが大きいようです。大きさは現在日本にいるカメムシ亜科の中の最大種で、とにかく大きく見えます。姿は在来種のクサギカメムシに姿も色もよく似て見えます。暗褐色の地色に名前からも解るように黄色を帯びた乳白色〜黄色の斑点と鼻先から胸背(小楯板にかけて)に見える淡い黄色から黄色い線(縦条)が入っていることがキマダラカメムシの特徴になっています。触角にも脚にも白い帯が入って見えることも特徴にあげることができます。見つけたのが11月の11日で寒いこともあり、越冬のために越冬場所を探して建物の壁の下にいたものです。大きい体と顔から前胸背部の中央に黄色っぽいラインが入っていたので、もしやと思いよく見て見ると、クサギカメムシに似ているものの初めて見るカメムシで、キマダラカメムシであることが分かりました。探している時には見つからないもので、よくこの街中で見つけられたものだと思いました。周りにはまだ緑のある地域なので、何らかの植物を餌に繁殖していたのでしょう。調べてみると街路樹や庭などにも発生することが分かったので、見つけられなかっただけだったと思います。すでに東京都には2010年に進出してきていることが分かっているので、神奈川県でも繁殖していたものと思われます。11月という時期もあるのかもしれませんが、手にたけて観察するだけですと臭い匂いは出していません。匂いを出しにくい種類なのか、匂いの強さはどの程度のものなのかは分かりません(匂いは強いようですがまだ確認していません)大型種なので飼ってみたら面白いかもしれません。観察していると、このカメムシはとにかく良く飛びます。この飛翔性も分布域を広げてきた要因の1つになるのかも知れません。今後キマダラカメムシは餌とする樹種が広いことから、繁殖が進んでいき分布域をまだ広げていくと思います。神奈川県でも普通に見る種類になっていくのでしょう。九州では成虫が越冬するために家屋に浸入する不快害虫として知られています。関東でも越冬するために家屋に侵入する不快害虫として知られる日が遠くないのかも知れません。神奈川県でもカキ、ウメ、ナシなども餌とするので農業害虫としても知られてくるかも知れません。まだなじみの薄い外来種のカメムシ、キマダラカメムシを調べてみました。
★キマダラカメムシ カメムシ科の外来種。1770年に長崎県の出島で発見されたのが最初で、当初は九州と沖縄が生息範囲と言われていましたが、2006年には岡山県、2010年には東京都で発見されました。驚くべき速さで急速に北上してきた南方系のカメムシです。原産地は台湾、東南アジアになります。食性がひろいことと温暖化がキマダラカメムシの勢力拡大に寄与したようです。成虫は越冬することから、九州方面では越冬のために人家に侵入して来る不快害虫になっています。
体長は20〜25ミリと大型です。雄と雌の違いは外見上は同じに見えるので、交接器を見る必要が有ります。キマダラカメムシの特徴としては体色は暗褐色で淡黄色〜黄色い色の斑点があり、頭部中央から小楯板にかけて淡黄色〜黄色をした線(縦条)が見えます。触角の先端部(第1節の下部)と脚には白い帯が入っています。在来種のクサギカメムシに似ていますがはるかに大きいサイズをしているので大きさからも判別し易いです。クサギカメムシと同じように厚みのない扁平に見える体格をしていて、体の割に顔が小さく、大きい体の先に細長い頭が突き出てついているように見えます。触角や脚は体の地色(黒褐色)と同色ですが、白い帯が入っています。分布は本州(神奈川県、東京都、千葉県あたり)、四国、九州、沖縄。市街地、公園、街路樹や庭先にも生息しているようです。食樹はサクラ、ウメ、ナシ、カキ、クワ、ヤマモモ、フジ、ニセアカシア、サルスベリ、クスノキ、ナンキンハゼなどと種類も多く、果実も餌にします。繁殖はソメイヨシノ、シダレザクラでの繁殖が知られています。出現は4〜11月。成虫で越冬します。越冬のためキマダラカメムシは家屋に侵入して来ることが知られています。自然下では樹皮の裏側、割れ目、樹洞などの隙間などに潜り込んで越冬するようです。
キマダラカメムシ1.JPGキマダラカメムシ2.JPGキマダラカメムシ3.JPG
上3枚は同じキマダラカメムシです。上、地味な色のカメムシですが大きくて黄色い筋がおしゃれです。この個体は測ってみたら体長が24ミリある大物のキマダラカメムシです。黄色から淡黄色の斑があるものの、樹の樹皮にいたら見つけにくい見事な保護色になっています。中、裏側から見た様子です。下、キマダラカメムシの特徴である黄色い線(縦条)の部分です。体の割に小さな頭をしていることも分かります。・この写真では斑点は少し淡く写っています。
まだ匂いは確認していませんがかなり臭いようでが、手にたけて遊ぶくらいでは匂いは出しませんでした。飼育してみたくなる大きさのあるカメムシです。キマダラカメムシは観察中、すぐに飛んで逃げようとしました。飛翔性の強い種類になるのだと思いました。外で見つけても撮影が難しい種類だと想像がつきます。見つけた場所、神奈川県横浜市。本州に進出している方法は、自然繁殖による北上よりも、街路樹や公園の樹など植樹された樹に付いてきて分布を広げているようです。神奈川県ではまだよく知られていない種類のカメムシです。暗褐色で平たく大きいカメムシで、胸背に黄色い線が見えたらキマダラカメムシを疑ってみると良いかもしれません。
キマダラカメムシ追加.JPG
上、キマダラカメムシの写真を追加しました。普通に手で持ったくらいでは匂いは出しませんでした。サクラとヤマモモの隣の樹にとまっていました(樹種はまだ調べていません)撮影は2017年9月になります。体長は25ミリ程です。大きくて見ごたえのあるカメムシです。撮影地。神奈川県横浜市、南本宿公園。2年続けて発見しているので、横浜では繁殖していると思われます。
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2016年08月23日

ミナミトゲヘリカメムシ、ブチヒメヘリカメムシ、セスジナガカメムシ、ナカボシカメムシ、ツヤマルシラホシカメムシ、シラホシカメムシ。カメムシ6種類を見つけました。

今回紹介するミナミトゲヘリカメムシ、ブチヒメヘリカメムシ、セスジナガカメムシ、ナカボシカメムシ、ツヤマルシラホシカメムシ、シラホシカメムシの6種類は生態や名前などに少し変わったところのあるカメムシ達です(シラホシカメムシを追加しました)。
ミナミトゲヘリカメムシは初めて見つけたカメムシです。北上してきた南方系のカメムシです。神奈川県、横浜市でも見ることができるようになったようです。良く行く公園の池の脇のコブシの樹に実が沢山ついていたので、実を観察している時に見つけました。コブシの実の汁を吸いに来たのでしょう。ミナミトゲヘリカメムシはクスノキ科に付くカメムシです。この公園にもクスノキは多いので、今まで見たことが無かっただけで、すでに定着しているのかも知れません。夕方だったので上手く写真が撮れませんでした。関東地方にも定着してきている種類です、観察地の神奈川県よりもヒートアイランド現象などにより、温度の高くなっている東京の方が多く確認されているようです。セスジナガカメムシは赤と黒の配色が美しいカメムシです。個体数は少ない方で、見つけにくい種類です。ナカボシカメムシは個体変異が多いカメムシで体色や斑紋に個体変異があります。特徴になっている黒い斑紋が良く分からない個体もいます。このカメムシは森林性のカメムシと言われていて、林に住むカメムシです。越冬のため人家に入りこむこともあるカメムシになるようです。ツヤマルシラホシカメムシはムラサキシラホシカメムシとも呼ばれていて、小型の個体数が多い種類ですが、ムラサキシラホシカメムシを別名とした同じ種類としたり、違う種類としても記載されるなど、紛らわしいカメムシになっています。ツヤマルシラホシカメムシとシラホシカメムシはよく似ています。背中に見える白い斑紋の大きさが違っています。大変紛らわしい種類です。ブチヒメヘリカメムシも別名ブチヒゲヘリカメムシと呼ばれていて、名前が覚えにくいです。この「ヒメ」と「ヒゲ」の部分の違いの名前の由来はどこからきているのかと、興味があるところですが、良く分かりませんでした。今回紹介するカメムシ達は姿が似ているものがいて分かりにくい種類と、名前が良く分からないなど、紛らわしい部分がある種類を紹介して見ました。ミナミトゲヘリカメムシ、ブチヒメヘリカメムシ、セスジナガカメムシ、ナカボシカメムシ、ツヤマルシラホシカメムシ、シラホシカメムシの6種類を調べて見ました。
★ミナミトゲヘリカメムシ ヘリカメムシ科。体長16〜23ミリ。出現は4〜12月(本州では10月、暖かい沖縄では12月まで活動しています)。名前にミナミ(南)と付いているように本来は南方系のカメムシの種類で分布を北上させています。特徴は、触角が細長く、触角の第4節の基部が黄色くなっています。脚と体の側縁が緑がかっていて、緑色を帯びた褐色の体をしている大型のカメムシです。体色には個体差があります。分布は、本州(茨木県以西の太平洋側)、四国、九州、沖縄。ミナミトゲヘリカメムシ は本来は南方系のカメムシで、温暖化により北上してきている種類になります。今後も北上して分布を広げていくと思われます。食樹はクスノキ科のクスノキ、タブノキ、シロダモ、シロモジヤブニッケイなど。害虫としてミカン類(早生温州、温州ミカン、ポンカンなど)に被害を与えます。加害時期は他の果樹カメムシ類よりも早く5〜6月に加害します。シークワーサーやカキ、スモモなどの果実に害を与えます。カキやスモモの被害は越冬したミナミトゲヘリカメムシによるものの被害のようです。沖縄ではシークワーサーの主要害虫に指定されています。ミナミトゲヘリカメムシには大変よく似た種類にオオクモヘリカメムシがいます。 この両種の違いは前胸部の側角に違いが見られます。ミナミトゲヘリカメムシの前胸部の側角は鋭く、斜め上方に突出していることで区別できます。とはいえ良く見ないと間違えてしまいそうです。ミナミトゲヘリカメムシの4齢幼虫はキバラヘリカメムシの5齢(終齢)幼虫に容姿が似ています。ミナミトゲヘリカメムシの幼虫は触角が細く脚の色が黒いことで見分けることができるようです。5齢になると体は黒くなってしまいます。ミナミトゲヘリカメムシの越冬は成虫で越冬します。北上の傾向が強いので耐寒性はある方の種類になるのかも知れません。
★ブチヒメヘリカメムシ 別名ブチヒゲヘリカメムシ。 ヒメヘリカメムシ科。体長6〜8ミリ。体色は暗褐色〜黄褐色など変異の多い種類になるようで、うっすらと緑色を帯びて見えます。出現は4〜10月。分布は北海道、本州、四国、九州。小型で淡褐色をしたカメムシ。上翅が半透明で腹部背面が透けて見えています。食性は雑多でイネ科、キク科、タデ科などに多く付きます。成虫も幼虫も植物の汁を吸います。ブチヒメヘリカメムシの仲間には似たものが多く判別に困ります。越冬は成虫で越冬します。落ち葉や枯草の根元に潜り込んで越冬します。
ミナミトゲヘリカメムシ.JPGミナミトゲヘリカメムシ幼虫追加.JPGブチヒメヘリカメムシ.JPG
上、ミナミトゲヘリカメムシです。写りが悪いので、良い写真が撮れましたら差し替える予定です。触角と脚がとても長いカメムシです。中、ミナミトゲヘリカメムシの幼虫です。写真が撮れたので追加しました。クスノキの生えている脇の壁で見つけました。ミナミトゲヘリカメムシの4齢幼虫は、1見するとキバラヘリカメムシの5齢幼虫に似て見えます。この個体は黒っぽく見えるので5齢幼虫だと思います。下、ブチヒメヘリカメムシ。特徴のないカメムシに見えます。似ている種類もあるので名前を特定することが難しい種類です。撮影地はどちらも神奈川県横浜市、こども自然公園。
★セスジナガカメムシ マダラナガカメムシ科。体長8ミリ。出現は4〜11月。分布は本州、四国、九州。低地から山地に生息していて、キンポウゲ科のボタンズルに依存します。触角が黒く、体は鮮やかな朱色と黒の2色の配色で、小型ながらも綺麗なカメムシです。背面に2股に分かれて見える大きな黒い斑紋があります。成虫、幼虫共にボタンズルに付きます。草上性で活動は比較的に緩慢です。個体数は少ない種類です。越冬は成虫で越冬します。セスジナガカメムシには中々お目にかかれないでいます。ボタンズルの有る場所を探してから見つけるようにすると見つける確率が上がるかも知れません。見つけて見たくなる綺麗な種類です。赤と黒の2色のカメムシは他にも居るので、この派手な色の配色はこの種の決定的な判別にはなりません。
★ナカボシカメムシ 体長8〜9ミリ。出現は4〜11月。分布は北海道、本州、四国、九州、対馬。山地性のカメムシで広葉樹のクヌギ、コナラ、ミズナラについています。広葉樹の林縁、林などや自然の状態の良い森林公園などにも生息しています。餌はクヌギ、コナラ、ミズナラの葉などの汁。体には光沢があり多くの点刻があり、体色は淡褐色、灰緑色〜赤褐色などがあります。体色には個体差が有るようですが、この色の違いは季節による影響もあるようです。活動期には淡い赤っぽい赤褐色でも、越冬に向かうと褐色などになっていくようです。調べて見たくなるところです。ナカボシカメムシの特徴として、小楯板には2対の黒紋があります。前方にある(頭側)黒紋には変異があって、目立たないもの、紋が繋がっているものなどがあります。越冬は成虫で越冬します。樹皮の裏などで集団で越冬します。ナカボシカメムシは越冬のため家の中に侵入して来ることもある不快害虫にもなっています。灯火にも飛来するようです。
ナカボシカメムシは体色に変科のある種類なので、違いのある固体を見比べると面白いと思います。私はまだナカボシカメムシをあまり見ていないので、もっと探して体色の変異などが有るのかなどを観察してみたいです。写真を追加して見たくなる種類です。淡い色合いの赤褐色のタイプはなかなか綺麗に見えます。ナカボシカメムシは和歌山県では絶滅危惧U類、富山県では準絶滅危惧種に指定されています。
セスジナガカメムシ.JPGナカボシカメムシ1.JPG
上、セスジナガカメムシ。綺麗な赤(朱赤)と黒のツートンカラーのカメムシです。背面の黒い大きな斑の形が特徴になります。下、ナカボシカメムシです。これは赤褐色のタイプのナカボシカメムシです。個体変異の多いカメムシなので、色の違いなどを比較して見比べて見たくなる種類です。撮影地はどちらも神奈川県海老名市。
★ツヤマルシラホシカメムシ(ムラサキシラホシカメムシ)カメムシ科。ツヤマルシラホシカメムシとムラサキシラホシカメムシは同じものです。体長は5〜6ミリ。小型でツヤの有る銅色をしたカメムシです。体には光沢があり、2個の黄白斑が大きいことです。ツヤマルシラホシカメムシは小さな体をしていても白い斑が良く目立ちます。よく似たマルシラホシカメムシやシラホシカメムシとはこの斑の部分(大きさ等)で見分けます。トゲシラホシカメムシとは側角の棘で見分けます。出現は4〜10月。草原、林縁に普通にいる普通種で、餌とする植物の種類も多く、キク科のタンポポ、ハルジオン、ヒメジョオン、アレチギクなどや、マメ科のカラスノエンドウ、シロツメクサ、アカツメクサなど、イネ科のエノコログサ、カモジグサなどがあり、葉や茎、果実から汁を吸います。小さくてちょこまかと動いています。草の根際などで成虫で越冬します。
・ツヤマルシラホシカメムシ=ムラサキシラホシカメムシ(同1種)としている場合とムラサキシラホシカメムシを別種とする場合があるようです。別種とする場合は、ムラサキシラホシカメムシの体色は黒っぽい紫色をしていて、色の違いからツヤマルシラホシカメムシと分けているようです。恐らく色の違いによるものなので、ツヤマルシラホシカメムシ=ムラサキシラホシカメムシで良いと思うのですが、非常に紛らわしいです。等ブログでは同じ種類として紹介させていただきます。
★シラホシカメムシ カメムシ科。体長5〜7ミリ。シラホシカメムシは灰色を帯びた茶色をしていて、背部に1対の白斑がありもす。背面には黒い小さな点刻があります。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。イネの害虫で、斑点米発生の原因になっています。特に関東以南で問題になっている種類になります。食性はイネ科、マメ科、キク科の植物につきます。出現は4〜11月。越冬は成虫で越冬します。枯草の多い草地の枯れた草の根際、休耕田、落ち葉の多い草地やその周りの石の下などで越冬します。シラホシカメムシの白斑は小さいです。シラホシカメムシの小楯板が他の種類の似たカメムシ(マルシラホシカメムシなど)よりも短いことも特徴になっています。ツヤマルシラホシカメムシとシラホシカメムシはよく似ていますが、白斑の大きさを見て区別することができます。
ツヤマルシラホシカメムシ.JPGシラホシカメムシ.JPG
上、ツヤマルシラホシカメムシ(ムラサキシラホシカメムシ)です。普通種で数も多く、良く見るとそれなりに可愛いのですが、体の小さな小型種なので気がつかれないまま、ひっそりと生息しています。撮影地。神奈川県横浜市、こども自然公園。下、シラホシカメムシです。灰色っぽく見える体色をしています。星に例えられる白い斑紋は小さいです。撮影地、神奈川県横浜市。メヒシバにいました。ツヤマルシラホシカメムシとシラホシカメムシの写真を並べて見比べると、似ているカメムシでも違いが良く分かります。大きさは両種とも小さく分かりにくいのですが、1対の白い斑紋があります。斑紋が大きい方がツヤマルシラホシカメムシ=ムラサキシラホシカメムシで、シラホシカメムシは小さい白い斑紋になります。
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2016年08月04日

ツヤアオカメムシ、チャバネアオカメムシ、ヒメチャバネアオカメムシ、クヌギカメムシ、ヘラクヌギカメムシ。緑色のカメムシを見つけました。

緑色をしたカメムシにツヤアオカメムシ、アオクサカメムシ、チャバネアオカメムシ、ヒメチャバネアオカメムシ、クヌギカメムシ、ヘラクヌギカメムシなどがいます。ツヤアオカメムシ、アオクサカメムシは丸みのある体をしていて、綺麗な緑色が良く似合っている可愛いカメムシです。カメムシは顔も可愛く動きもチョロチョロしていて好きな昆虫です。匂いが臭くなければ最高です。大人しく扱えば、そう簡単に悪臭の洗礼は受けないので、ひたすら刺激を与えないように注意すればひどい目には合いません。ツヤアオカメムシとアオクサカメムシにはやはり大変よく似たミナミアオカメムシがいます。よく見ないとどの種類だか分からなくなってしまいます。クヌギカメムシは私が見つけにくい種類になっていて、なかなか見つけることが出来ないでいます。クヌギカメムシは大きくて幅もあり、体は頑丈そうに見えます。よく見ると可愛いカメムシは悪臭のイメージが強いため、嫌われてしまうことが多い気の毒な昆虫です。チャバネアオカメムシにはヒメチャバネアオカメムシという大変良く似ているカメムシがいて、1見して区別することが難しい大変紛らわしい種類になっています。ヒメチャバネアオカメムシは南方系のカメムシで北上しているようです。チャバネアオカメムシよりも小型のカメムシです。もっと多くのチャバネアオカメムシを見たいところですが、神奈川県では数が少なくなかなかお目にかかれないでいます。クヌギカメムシに大変良く似たヘラクヌギカメムシの写真を追加しました。緑色をした6種類のカメムシを調べてみることにしました。
★ツヤアオカメムシ カメムシ科。体長14〜17ミリ。分布は本州、四国、九州、沖縄。ツヤのある鮮やかな緑色をした綺麗なカメムシ。体型は丸みを帯びていて体には小さい点刻があります。ツヤアオカメムシには遺伝的な体色の変異が20種類ほど知られているようです。ツヤアオカメムシは昼行性のカメムシですが、昼は大人しく葉や果実にとまっています。緑色をしたカメムシなので、葉の色に同化していて見つけにくいです。普通種なのですが春から夏の時期には見つけることが難しくなります。夜間の灯火に良く集まる習性があるので、日中よりも夜間の灯火の周りで良く見つけることが出来ます。自然の中では、秋になって緑が少なくなってくるころに見つけやすくなる種類です。ツヤアオカメムシはもとは南方系のカメムシで、北上をしている種類になります。モモ、ウメ、カキ、ナシ、ビワ、ミカンなどほとんどの果樹を加害する害虫になっています。群集性があり大発生すると柑橘類などに大きな被害を与えることが知られています。汁を吸われた果実は凸凹になってしまいます(吸汁された場所は深く凹んでしまいます)広食性のカメムシで適応力が強いです。幼虫は主にスギ、ヒノキの球果を餌にします。越冬は成虫で、常緑広葉樹の樹林内で、樹皮下などを利用して越冬します。観察しているとミズキ、クマノミズキの実に成虫、幼虫を多く見ることが出来ます。スギ、ヒノキが主に利用されているようですが、ミズキの実がある頃は、ミズキやクマノミズキがかなり利用されていると思います。(ミズキでは他の種類のカメムシも多く見ることが出来ます)
ツヤアオカメムシ1ペア.JPGツヤアオカメムシ2.JPG
ツヤアオカメムシです。ミズキの木についていました。下はミズキの実の汁を吸っているツヤアオカメムシです。ツヤの有る緑色が綺麗です。撮影地。神奈川県横浜市、こども自然公園。
ツヤアオカメムシには、大変よく似た種類にミナミアオカメムシ、アオクサカメムシがいます。アオクサカメムシをついでに調べてみました。写真が撮れましたら追加をする予定です。               
★アオクサカメムシ カメムシ科。体長12〜17ミリ。光沢のない緑色の綺麗なカメムシ。体型は丸みを帯びています。緑色で可愛い体型のカメムシです。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。森林や林縁に多い種類になります。体色や斑紋に遺伝的な個体差が有るものがいるそうです。出現は7〜10月で年2〜3回の発生。昼行性ですが灯火にも良く飛来します。草の上にいる草上性で動きは活発です。アオクサカメムシは成虫で越冬します。とてもよく似た種類にミナミアオカメムシ、ツヤアオカメムシがいます。ミナミアオカメムシと同じ生息地のものは交雑が認められ、紛らわしい個体が数タイプあるそうです。アオクサカメムシも個体数が多く、緑色をしたカメムシを代表する種類になると思います。ツヤの無い体の特徴でよく似たツヤアオカメムシと区別ができます。アオクサカメムシは多食性でイネ科、マメ科、キク科の植物や野菜や果物に被害を与える害虫になっています。特にマメ科のダイズに大きな被害を与えることがあります。アオクサカメムシは分布域も広く食性も幅広いので、目にすることの多いカメムシだと思います。緑色をした臭いカメムシと認識されている人も多いのではないのかと思っています。知らない人でも緑色のカメムシの臭いは強いので、触らない方が良い、臭い種類と覚えておくと良いと思います。                      
よく似た3種類。アオクサカメムシ、ツヤカメムシ、ミナミアオカメムシの見分け方。
・ツヤアオカメムシ 体はツヤ(光沢)がある緑色をしています。ツヤアオカメムシの最大の特徴になっていて、光沢が強く小楯板には3つの小斑紋はありません。側角はアオクサカメムシより丸まっていて飛び出て見えません。触覚の2か所が黒い帯になっています。
(触覚の第3、4節の先端に黒色部があります)
・ミナミアオカメムシ ツヤ(光沢)のない緑色をしています。アオクサカメムシより若干細長い体つきで小楯板には3つの薄い小斑紋がある。触覚の先が褐色になっています。
(第3、4、5節に褐色の部分があります)
・アオクサカメムシ ツヤ(光沢)のない緑色をしています。小楯板に3つの薄い黄色い小斑紋があります。側角はツヤアオカメムシより出っ張っています。触覚の先は白くなっています。(第3、4、5節に黒色部があります)
アオクサカメムシとチャバネアオカメムシは等ブログの「家に入ってくるカメムシ。クサギカメムシ、マルカメムシ、チャバネアオカメムシ、アオクサカメムシ、マツヘリカメムシ、オオトビサシガメなどがいます。」でも紹介していて、2度目の登場になります。
★チャバネアオカメムシ カメムシ科。チャバネアオカメムシは緑色で翅が茶色をした普通種で、ごく普通に見られるカメムシになります。色彩に変異があります。個体の変異で褐色の個体もいるそうです。体長10〜12ミリ。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。平地から山地まで幅広く生息しています。食性も広いので、雑多な植物で見ることができる数の多い普通種になります。越冬は成虫で越冬します。チャバネアオカメムシは昼行性のカメムシですが、夕方から活発に動き始め灯火にも集まります。出現は4〜11月。年2〜3回の発生。新成虫は6〜7月と8〜9月に出現します。この新成虫が越冬に向かいます。普段はスギ、ヒノキの球果を餌としますが、この餌が足りない時に農作物に移動して大きな被害を与えます。カメムシの中で作物に1番大きな被害を出します。常緑広葉樹の落ち葉の下で成虫越冬しますが、家の中に入ることも多いようです。そのため不快害虫としても良く知られています。チャバネアオカメムシの越冬個体は暗褐色、茶褐色に体色が変わります。夏の緑色の鮮やかな個体と越冬固体の中間に見える個体も秋には現れます。120種以上の植物に寄生するなど、適応力、繁殖力ともに強いようです。春はサクラ、キリ、クワなどで葉や実の汁を吸い、次にウメ、モモ、ナシ、カキ、ブドウ、ミカンなどの果実に移動後、産卵のためにスギ、ヒノキに移動するというサイクルがあるようです。チャバネアオカメムシは果樹を加害する有名な害虫で、汁を吸われた果実は凸凹になってしまいます(吸われた部分は深く凹んでしまいます)チャバネアオカメムシの発生量が多い時には果樹に大きな被害を与えることがあります。チャバネアオカメムシは集合ホルモンを出すため群れる習性があります。夜灯火に集まる性質と集合ホルモンを出すことから、ライトトラップとフェロモントラップで駆除されます。数が多い種類なので、越冬以外の時期にも家の中に入り込むこともあります。洗濯物に紛れていて、うっかり匂いをつけてしまう被害を聞くことがあります。チャバネアオカメムシは適応力と数の多さから青いカメムシ(緑色をしたカメムシ)の代表的な存在になっています。チャバネアオカメムシは当ブログ2度目の登場です。
★ヒメチャバネアオカメムシ カメムシ科。体長7・5〜9・5ミリ。ヒメチャバネアオカメムシは温暖化で北上しているようですが、神奈川県ではめったに見つけることができない種類です。南日本には多い普通種になりますが、こちらではまだレアな種類になっています。チャバネアオカメムシが体長10〜12ミリあることに対してヒメチャバネアオカメムシは体長7・5〜9・5ミリと小さく、体つきを見比べると、大げさに表現すると、チャバネアオカメムシがやや長細く見える感じに対して、やや丸みを帯びて見えます。両種を区別するための特徴は前翅の翅の色と前胸背側縁の部分に出ます。ヒメチャバネアオカメムシの前翅の翅の色は灰白色で、チャバネアオカメムシの前翅よりも薄く見えます。ただチャバネアオカメムシでも前翅の色の薄い個体もいます。前胸背側縁の部分の色は緑色で、チャバネアオカメムシに見られる黒い線(暗褐色や黒色)は見えません。最もこの部分の色に関しては微妙で、チャバネアオカメムシでもほとんど黒く見えない個体もいます。個体差で前翅の色も薄い茶色をしたチャバネアオカメムシもいるので、体つき(体格と大きさ)、前翅の翅の色、前胸背側縁の部分の黒い線(暗褐色や黒色)の有無、の3点を確認しないと間違いやすいです。この2種類は大きさ以外、本当によく似ています。分布は本州(どこまで北上しているのか分かりません)、四国、九州、沖縄。ヒメチャバネアオカメムシは南に多くいる普通種になります。神奈川県では稀に見つかっています。食性はキク科の植物やツゲ、ネズ、アセビなどに付いていて、植物の汁を吸います。越冬は不明(南方ではチャバネアオカメムシとヒメチャバネアオカメムシは混在しているので、似た生態をしていると思われます)
チャバネアオカメムシ.jpgヒメチャバネアオカメムシ.JPGチャバネアオカメムシ黒線.JPG
上、チャバネアオカメムシです。翅に茶色い部分が見えます。良く見かける数の多い普通種なので、ご存知のカメムシになるかと思います。中、ヒメチャバネアオカメムシです。大変良く似ています。両種の違いを挙げてはみたものの、写真で見ても同じに見えてしまいます。下、チャバネアオカメムシの前胸背側縁部の拡大です。黒い線があることが分かっていただければ幸いです。ただ、個体によりこの線が見えにくいものもいるのが困りものです。写りが悪いので良い写真が撮れましたら差し替える予定です。プラスチックケース越しの撮影で写りが悪くなっています。撮影地。神奈川県横浜市。ヒメチャバネアオカメムシは見つけにくいのですが、良い写真が撮れましたら写真を追加する予定です。
★クヌギカメムシ クヌギカメムシ科。体長12ミリ。昼行性で動きは緩慢です。雌雄は外見上、同じように見えます。出現期4〜12月。年1回の発生になります。分布は本州、四国、九州。平地から山地の林縁に生息しています。触覚が長くクヌギカメムシは気門が黒いことが特徴になっています。体形はやや幅のある縦長の緑色の体をしたカメムシ。雑木林にいてナラ、コナラ、ミズナラ、クヌギ、カシワなどの樹にいます。秋には体色が変化します。よく似た種類にヘラクヌギカメムシ、サジクヌグイカメムシがいて、外見では判別がむずかしいので、生殖器や気門の色を見ることなどが必要になってきますが、それでも分かりにくい判別が難しいカメムシです。秋になると紅色や褐色を帯びた色に体色が変化します。クヌギカメムシは昼行性で群集しない種類になります。ナラ、コナラ、ミズナラ、クヌギ、カシワなどの葉や芽、果実の汁を吸います。産卵の時期は遅く10下旬から12月に行われます。卵の数は30〜40個程が幹のシワの深い部分や樹皮下に産み付けられます。卵塊はひも状をしています。越冬は卵で越冬します。西日本では普通種ですが、東日本では数の少ない種類になります。
クヌギカメムシ.jpg
クヌギカメムシです。触角が長くて立派に見えます。この種類には縁が無く、なかなか見つけることができません。郊外に行かないと探すことが難しいようです。良い写真が撮れましたら追加する予定でいます。撮影地、神奈川県横浜市こども自然公園。
分類が難解なカメムシにクヌギカメムシ、ヘラクヌギカメムシ、サジクヌギカメムシがいます。この3種類はどれも緑色をしたカメムシで、平たい扁平な形をしたカメムシです。外見上の判別ができないほど似ている種類になります。ヘラクヌギカメムシの写真が撮れたので追加しました。
★ヘラクヌギカメムシ 別名ニセクヌギカメムシ。別名の通り極めて分類が難しい種類のカメムシになります。体長11〜13ミリ。普通種でヘラクヌギカメムシの気門は体色と同じで不明瞭。この違いでクヌギカメムシとは判別することができます。また神奈川県ではクヌギカメムシよりも個体数は多いです。よく似たクヌギカメムシは東日本では個体数が少ない種類になります。出現は4〜11月。分布は本州、四国、九州。平地〜低山地の林や林縁。食樹となる樹が多い自然公園などに生息しています。餌は葉や若枝、果実の汁を吸います。クヌギ、カシワ、コナラ、ミズナラに集まります。特にコナラに多く集まるようです。越冬は卵で越冬します。非常によく似たサジクヌギカメムシは個体数が少ないうえに、主にクヌギに集まります。正確な判別は生殖器を見ないと判別できません。クヌギカメムシ、ヘラクヌギカメムシ、サジクヌギカメムシは生殖器と気門を見て判断しないといけないほど、判別が難しい種類になります。判別の難しい大変厄介なカメムシです。
ヘラクヌギカメムシ1.JPGヘラクヌギカメムシ横.JPG
ヘラクヌギカメムシです。緑色で扁平な体つきをしています。写真のカメムシは個体数の多いこととコナラにいたことから、適当になってしまうのですが、ここではヘラクヌギカメムシとして紹介します。コナラの幼木で見つけました。昼行性で動きが緩慢な大人しいカメムシです。分類が難解なクヌギカメムシ、ヘラクヌギカメムシ、サジクヌギカメムシには手を付けたくないというのが本心です。サジクヌギカメムシより見つけやすいクヌギカメムシもヘラクヌギカメムシも、私の観察フィールドではなかなか見つけることができない種類です。ヘラクヌギカメムシの別名がニセクヌギカメムシというのですがニセというよりも同じにしか見えないほど似ています。
・この3種類は外見上にはわずかな違いがあるようですが、識別に利用できる程、確定した特徴は無いようです。つまり外見での判別は個体差もあることにより、外見での判別は不可能となっているようです。ザックリと、クヌギカメムシ科の総称的な呼び名のクヌギカメムシとまとめて呼ぶにふさわしい昆虫です。
カメムシの色をイメージすると茶色か緑色を連想する方が多いと思いますが、個人的には緑色のカメムシの方が可愛く見えてしまいます。カメムシは種類の多い昆虫なので探してみると色や模様が個性的であることが分かります。カメムシは見つけることが楽しくなる昆虫です。
posted by クラマ at 18:41| Comment(0) | 昆虫・カメムシ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする