2018年08月28日

ウシカメムシ、イチモンジカメムシ、ハサミツノカメムシ、アカヒメヘリカメムシ、ケブカヒメヘリカメムシ、ブチヒメヘリカメムシ、ブチヒゲクロカスミカメムシ。カメムシ科の7種類。

カメムシ科の昆虫は個性的で面白いです。カメムシの臭いというイメージを離れて見ると、実に興味深い昆虫です。種類によって姿、形、色彩などが個性的な特徴をしている昆虫です。昆虫採集の対象からは外されている種類になりますが、綺麗な種類や面白い形をしたものもいるので探してみると面白いです。今回はウシカメムシ、イチモンジカメムシ、ハサミツノカメムシ、アカヒメヘリカメムシ、ケブカヒメヘリカメムシ、ブチヒゲクロカスミカメムシ、ブチヒメヘリカメムシの7種類を紹介します。形の面白さではウシカメムシはトップクラスだと思っています。絶対に大きかったら人気が出たはずと思わせる姿は魅力的です。 アカヒメヘリカメムシ、ケブカヒメヘリカメムシ、 ブチヒメヘリカメムシはヘリカメムシ科のカメムシでこの種類は大変良く似ていて判別が難しいです。普通種なのですが小さいので意識的に見つけないと見つけられないと思います。マイナーな部類のカメムシになります。ヒメヘリカメムシ科を3種類見つけたので比較して見てください。カメムシが苦手な人は「嫌な臭い、臭い匂い」がある昆虫だからだと思います。カメムシは触らなければ臭くないので、それなりに楽しめる個性派は多い種類なのです。カメムシの匂いは身を守るための武器なので、大人しく観察する分には危害はありません。観察して見ると見方が変わるかも知れませんよ。
★ウシカメムシ カメムシ科。体長は8〜9ミリ。ウシカメムシの特徴は前胸背側角の角や牙の様に見える突き出た見事な突起です。普通のカメムシのイメージを超えた姿をしています。この見事な側角を牛の角に例えて付いた名前のようです。黄白色の地に黒い斑紋をまばらに付けたように見えます。上翅(鞘翅)には黄白色の斑紋が1対あります。普通種ながら個体数は少ないようで当方もまだ2回しか見たことがありません。驚くとすぐに葉の上などから落下(擬死)する見た目と違い臆病なカメムシです。樹上性のカメムシで出現は4〜11月。分布は本州(関東以西)、四国、九州、沖縄。アセビ、シキミ、ウバメガシ、サクラなどに寄生します。越冬は成虫で越冬します。このウシカメムシは主に植物の汁を餌にしますが、植物を餌にするだけでなく、セミやガの卵を餌にしてしまう雑食性の1面も持っているようです。実際に他の昆虫の卵を餌にしている所を観察してみたいです。幼虫は特徴的な模様をしています。幼虫にも成虫の様に角に見える突起がありますが、この突起には小さな歯が並んでいて鋸の歯の様に見えます。色彩も地味な配色の成虫と違いカラフルな模様をしています。特にお面の様に見える黒い斑紋と白い斑紋が目立ちます。腹部背面の横筋は暗紫色をしていて、何とも不思議な模様になっています。
ウシカメムシ.JPGウシカメムシ正面.JPG
上、ウシカメムシです。角と形容される突起が見事です。角は体のサイズから見てもかなりの大きさがあります。下の写真は正面から見た所です。個人的に大好きなカメムシの1種です。ウバメガシの樹の脇のシャリンバイで見つけました。この個性的で迫力のある姿は1見の価値があります。大好きなカメムシの1種ですが見つけることが難しいカメムシです。なぜにサイズが小さいのかと残念に思ってしまいます。落ち着きがなく動き回っていて撮影の難しい種類です。この特徴的な姿は樹の棘を擬態したものか、自己の危険度をアピールするものなのか分かりません。もちろんカメムシなので臭い匂いも武器にしています。驚くとすぐに地面に落ちる(擬死する)ことも踏まえると、ウシカメムシは見た目と違い、かなり気の弱い昆虫のようです。繁殖している樹を見つけて観察したいカメムシです。
★イチモンジカメムシ カメムシ科。体長は9〜11ミリ。全体的に緑色をしたカメムシです。胸背に見える横筋の色は雌雄で違います。雄の横筋の部分は橙色っぽい色をしていて、雌はこの横筋は白色をしています。イチモンジカメムシの特徴は胸背部後端に見える横1文字に見える横筋です。この特徴が名前の由来になったようです。イチモンジカメムシは豆類を餌にします。エダマメ、サヤインゲン、サヤエンドウ、ダイズ、アズキの実の汁を吸うので、農業害虫として嫌われています。ダイズに大きな被害を与えるダイズの害虫として知られています。出現は5〜10月。年1〜2回の発生をします。分布は本州、四国、九州、沖縄。成虫で越冬します。
イチモンジカメムシ雄.JPG
イチモンジカメムシの雄です。イチモンジカメムシは緑色をした見た目は可愛いカメムシなのですが、農作物を荒らす立派な害虫です。
★ハサミツノカメムシ ツノカメムシ科。体長は雄17〜19ミリ。雌18ミリ。ハサミツノカメムシは樹上性で、地色は光沢のある鮮やかな緑色をしています。特徴は雌雄共に前胸背側角が朱赤色をしていて、翅の膜膝部は暗褐色から茶褐色に見えます。雄の尾端には朱赤色に見えるハサミ状の突起があり、このハサミ状の突起(尾状突起)は平行に見えます。出現は年1化で4〜10月。新成虫は8月に出現します。分布は北海道、本州、四国、九州。平地から山地の林縁や広葉樹林に生息していて、ヤナギ類、ツタウルシ、ヤマウルシ、ミズキ、クマノミズキ、イヌザンショウ等の果実などの汁を吸います。ハサミツノカメムシは普通種ですが個体数は多くないようです。越冬は成虫で越冬します。よく似た種類にヒメハサミツノカメムシがいます。ヒメハサミツノカメムシの雄の場合はハサミ状の突起が離れていることで(ハの字型に離れています)ハサミツノカメムシと判別ができます。前胸背側角の色は、ほぼ緑色をしています。大変良く似た種類には新種のイシハラハサミツノカメムシがいます。新種なので詳しくは分かりませんが、外見が非常に良く似ていて判別は難しいです。イシハラハサミツノカメムシの触角は黒っぽく見えることが特徴のようです。体色も茶色から黒味がかかって見えるようです。正確な雌の判別をするには、交接器を確認することも必要になってくると思います。
ハサミツノカメムシ雌.JPG
上、ハサミツノカメムシの雌です。朱赤色やオレンジ色に見える前胸背側角と地色の緑色が綺麗なカメムシです。この雌はサクラの樹の樹幹にいました。写真は横位置にしてあります。ハサミツノカメムシは樹上性のカメムシなので見つけにくいです。雄の方が立派なハサミもあり派手に見えるので、雄のハサミツノカメムシの写真も撮りたいです。撮影できたら追加したいと思っています。
ヒメヘリカメムシ科のカメムシは、どれもよく似ていて判別が大変難しいです。
★アカヒメヘリカメムシ ヒメヘリカメムシ科。体長は6〜9ミリ程。アカヒメヘリカメムシは赤色の強い褐色、薄い橙褐色、黄褐色に見えるなど赤味のある体色をした普通種の小型のカメムシです。体には短毛が生えています。翅脈の上には小さな黒斑がまばらに散らばって見えます。上翅は膜質で透けています。触角の先端は赤っぽく見えます。出現は4〜11月。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。低地から山地の草原、空き地などの草地に生息していて、草の上にいる草上性のカメムシです。成虫、幼虫共にイネ科、キク科、マメ科、タデ科などの汁を餌にする広食性で、イネの穂について汁を吸うため農業害虫にもなっています。 アカヒメヘリカメムシに吸われたイネは斑点米になってしまうので、斑点米カメムシとして嫌われています。
アカヒメヘリカメムシ(ヒメヘリカメムシ科).JPG
アカヒメヘリカメムシは名前にある様に赤っぽく見える特徴があります。茶系統の種類が多い中、明るい色彩に見えます。
★ケブカヒメヘリカメムシ ヒメヘリカメムシ科。茶褐色をした体長は6〜8ミリ程のカメムシです。体全体に短毛が生えていて、腹部両端には白い縞模様が見えます。出現は4〜10月。分布は北海道、本州、四国、九州。山地の草原や河原などにいます。成虫、幼虫共にイネ科、タデ科、キク科の植物の汁を餌にします。アカヒメヘリカメムシに似ていますが、ケブカヒメヘリカメムシは腹部両端に見える縞模様と体色が茶褐色をしているので見分けることができます。
ケブカヒメヘリカメムシ.JPG
ケブカヒメヘリカメムシです。拡大して見ると、体には短毛が生えていて毛深いことが分かります。判別にはデジカメが役に立ちます。
★ブチヒメヘリカメムシ 別名ブチヒゲヘリカメムシ。ヒメヘリカメムシ科。淡褐色の小型のカメムシですが、色彩には変異があります。上翅は透明で腹部が透けて見えています。体長6〜8ミリ程。出現は4〜10月。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。草上性で草原のイネ科、キク科、成虫、幼虫共にタデ科などの汁を餌にする広食性です。公園、畑地、荒れ地などにいます。成虫で越冬します。ブチヒメヘリカメムシは当ブログ2度目の登場です。ヒメヘリカメムシ科はどれもよく似ているので、比較して見てください。腹部上面に見える模様から判別できるので、比較の写真が撮れましたら追加する予定です。小型のカメムシなので、肉眼での他種との比較は難しいです。
ブチヒメヘリカメムシ.JPGブチヒメヘリカメムシ2.JPG
ブチヒメヘリカメムシです。下は別個体を横から見た所です。他種との判別は難しいです。他種との判別には腹部背面の模様を比較することになります。写真だと翅の下(腹部背面)が見えにくいので、やはりデジカメ等で何枚か撮影して腹部背面の模様を確認することが判別の決め手になります。腹部の比較の写真がないので、写真を追加する予定です。
★ブチヒゲクロカスミカメムシ カスミカメムシ科。体長は7〜9ミリ程です。体色は黒から黒褐色で、すが、色彩に変異の多い種類のようで、黄褐色、茶褐色の個体もいるようです。腹部後方の(革質部)両端に白い斑紋が1対見えます。触角には白い横帯が見えます。黒くて小さいのであまり目立ちません。出現は4〜10月。分布は北海道、本州、四国、九州。林縁の草地や草原などにいます。広食性でヨモギ類に多いとされているようです。普通種で数も多いようですが、小さいためか当方はあまりお目にかかれないでいます。
ブチヒゲクロカスミカメムシ(カスミカメムシ科).JPG
上、ブチヒゲクロカスミカメムシ。畑地の脇の土手にいました。マメ科やイネ科、キク科など広食性のカメムシですが、農作物に大きな被害を与えるほどではないようです。
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2016年11月14日

キマダラカメムシを見つけました。関東に進出してきた大型の外来種カメムシです。

キマダラカメムシを見つけました。以前から見て見たいと思っていた外来種の大型のカメムシです。見つけた場所は神奈川県横浜市です。キマダラカメムシは暗褐色の色をしたクサギカメムシに似ていて、体形も同じような扁平な体をしているカメムシです。キマダラカメムシは台湾、東南アジアを原産とする外来種で、1770年に長崎県で発見されてから現在では本州の神奈川県、千葉県あたりまで生息範囲を広げたようです。しっかりと日本に定着した外来種のカメムシになります。キマダラカメムシの北上は温暖化だけの理由ではなく、街路樹や公園樹などの人為的な植樹によることが大きいようです。大きさは現在日本にいるカメムシ亜科の中の最大種で、とにかく大きく見えます。姿は在来種のクサギカメムシに姿も色もよく似て見えます。暗褐色の地色に名前からも解るように黄色を帯びた乳白色〜黄色の斑点と鼻先から胸背(小楯板にかけて)に見える淡い黄色から黄色い線(縦条)が入っていることがキマダラカメムシの特徴になっています。触角にも脚にも白い帯が入って見えることも特徴にあげることができます。見つけたのが11月の11日で寒いこともあり、越冬のために越冬場所を探して建物の壁の下にいたものです。大きい体と顔から前胸背部の中央に黄色っぽいラインが入っていたので、もしやと思いよく見て見ると、クサギカメムシに似ているものの初めて見るカメムシで、キマダラカメムシであることが分かりました。探している時には見つからないもので、よくこの街中で見つけられたものだと思いました。周りにはまだ緑のある地域なので、何らかの植物を餌に繁殖していたのでしょう。調べてみると街路樹や庭などにも発生することが分かったので、見つけられなかっただけだったと思います。すでに東京都には2010年に進出してきていることが分かっているので、神奈川県でも繁殖していたものと思われます。11月という時期もあるのかもしれませんが、手にたけて観察するだけですと臭い匂いは出していません。匂いを出しにくい種類なのか、匂いの強さはどの程度のものなのかは分かりません(匂いは強いようですがまだ確認していません)大型種なので飼ってみたら面白いかもしれません。観察していると、このカメムシはとにかく良く飛びます。この飛翔性も分布域を広げてきた要因の1つになるのかも知れません。今後キマダラカメムシは餌とする樹種が広いことから、繁殖が進んでいき分布域をまだ広げていくと思います。神奈川県でも普通に見る種類になっていくのでしょう。九州では成虫が越冬するために家屋に浸入する不快害虫として知られています。関東でも越冬するために家屋に侵入する不快害虫として知られる日が遠くないのかも知れません。神奈川県でもカキ、ウメ、ナシなども餌とするので農業害虫としても知られてくるかも知れません。まだなじみの薄い外来種のカメムシ、キマダラカメムシを調べてみました。
★キマダラカメムシ カメムシ科の外来種。1770年に長崎県の出島で発見されたのが最初で、当初は九州と沖縄が生息範囲と言われていましたが、2006年には岡山県、2010年には東京都で発見されました。驚くべき速さで急速に北上してきた南方系のカメムシです。原産地は台湾、東南アジアになります。食性がひろいことと温暖化がキマダラカメムシの勢力拡大に寄与したようです。成虫は越冬することから、九州方面では越冬のために人家に侵入して来る不快害虫になっています。
体長は20〜25ミリと大型です。雄と雌の違いは外見上は同じに見えるので、交接器を見る必要が有ります。キマダラカメムシの特徴としては体色は暗褐色で白色、淡黄色〜黄色い色の斑点があり、頭部中央から小楯板にかけて白色や淡黄色〜黄色をした線(縦条)が見えます。触角の先端部(第1節の下部)と脚には白い帯が入っています。在来種のクサギカメムシに似ていますがはるかに大きいサイズをしているので大きさからも判別し易いです。クサギカメムシと同じように厚みのない扁平に見える体格をしていて、体の割に顔が小さく、大きい体の先に細長い頭が突き出てついているように見えます。触角や脚は体の地色(黒褐色)と同色ですが、白い帯が入っています。分布は本州(神奈川県、東京都、千葉県あたり)、四国、九州、沖縄。市街地、公園、街路樹や庭先にも生息しているようです。食樹はサクラ、ウメ、ナシ、カキ、クワ、ヤマモモ、フジ、ニセアカシア、サルスベリ、クスノキ、ナンキンハゼなどと種類も多く、果実も餌にします。繁殖はソメイヨシノ、シダレザクラでの繁殖が知られています。出現は4〜11月。成虫で越冬します。越冬のためキマダラカメムシは家屋に侵入して来ることが知られています。自然下では樹皮の裏側、割れ目、樹洞などの隙間などに潜り込んで越冬するようです。神奈川県では気温が上がって暖かくなれば、3月から越冬から目覚めた個体を見つけることができます。越冬した冬眠明けのキマダラカメムシは、公園にある建物や樹林の近くの建物で見つけることが多いです。このことから推測してみると、家屋に侵入して来る不快カメムシとして、今後は神奈川県だけでなく、近県でも嫌われる種類になるのかも知れません。
キマダラカメムシ1.JPGキマダラカメムシ2.JPGキマダラカメムシ3.JPG
上3枚は同じキマダラカメムシです。上、地味な色のカメムシですが大きくて黄色い筋がおしゃれです。この個体は測ってみたら体長が24ミリある大物のキマダラカメムシです。この個体は淡い橙色の斑が見えます。この様に斑黄色や淡黄色の斑があっても樹の樹皮にいたら見つけにくい見事な保護色になっています。中、裏側から見た様子です。下、キマダラカメムシの特徴である頭部に見える黄色や白い線(縦条)の部分です。体の割に小さな頭をしていることも分かります。
・この写真では斑点に見える部分がは少し淡いオレンジ色に写っています。基本的に体色は大きく変わることがありませんが、個体により黄色や薄いオレンジ色に見える部分がありますが、この色のついている所は、体の白く見える部分につく色です。成虫を多数見比べるとわずかな違いがあることが分かります。当ブログ内の成虫の写真を見比べて見てください。
まだ匂いは確認していませんがかなり臭いようでが、手にたけて遊ぶくらいでは匂いは出しませんでした。飼育してみたくなる大きさのあるカメムシです。キマダラカメムシは観察中、すぐに飛んで逃げようとしました。飛翔性の強い種類になるのだと思いました。外で見つけても撮影が難しい種類だと想像がつきます。見つけた場所、神奈川県横浜市。本州に進出している方法は、自然繁殖による北上よりも、街路樹や公園の樹など植樹された樹に付いてきて分布を広げているようです。神奈川県ではまだよく知られていない種類のカメムシです。暗褐色で平たく大きいカメムシで、胸背に黄色い線が見えたらキマダラカメムシを疑ってみると良いかもしれません。
キマダラカメムシ追加.JPGキマダラカメムシ終齢幼虫.JPGキマダラカメムシ成虫追加.JPGキマダラカメムシ褐色に黄斑.JPG
上、成虫と終齢幼虫の比較です。キマダラカメムシは普通に手で持ったくらいでは匂いは出しませんでした。上の成虫はサクラとヤマモモの隣の樹にとまっていました。光の関係ではなく、黒い部分は若干、淡く見えました。撮影は2017年9月になります。体長は25ミリ程です。大きくて見ごたえのあるカメムシです。撮影地。神奈川県横浜市、南本宿公園。2年続けて発見しているので、横浜では繁殖していると思われます。2枚目、キマダラカメムシの終齢幼虫です。幼虫の方が可愛く見えます。ただ大型種だけあって、終齢幼虫でも十分に迫力がある大きさをしています。3枚目、上の幼虫が成虫になりました。白と黒がはっきりして見える個体です。撮影地。神奈川県横浜市、南本宿第三公園。下、自然光で見るともっと黄色い斑(斑紋)に見えた個体です。体色は茶褐色をしています。撮影地。神奈川県横浜市。色々と探してみると、成虫の色彩には若干の個体差があることが分かりました。
キマダラカメムシ2齢幼虫.JPG
上、キマダラカメムシの2齢幼虫。卵の殻も写っています。卵の大きさはカメムシとしては大きなサイズです。さすがに大型カメムシの卵と言ったところです。キマダラカメムシの2齢幼虫はカラフルで綺麗です。サクラの樹下のツツジの葉にいたものです。若齢幼虫の写真を追加しました。撮影地。神奈川県横浜市、旭区。幼虫は綺麗で成虫は大型なカメムシなので、カメムシが好きな当方としては気に入っている種類になります。
posted by クラマ at 00:49| Comment(5) | 昆虫・カメムシ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月23日

ミナミトゲヘリカメムシ、ブチヒメヘリカメムシ、セスジナガカメムシ、ナカボシカメムシ、ツヤマルシラホシカメムシ、シラホシカメムシ。カメムシ6種類を見つけました。

今回紹介するミナミトゲヘリカメムシ、ブチヒメヘリカメムシ、セスジナガカメムシ、ナカボシカメムシ、ツヤマルシラホシカメムシ、シラホシカメムシの6種類は生態や名前などに少し変わったところのあるカメムシ達です(シラホシカメムシを追加しました)。
ミナミトゲヘリカメムシは初めて見つけたカメムシです。北上してきた南方系のカメムシです。神奈川県、横浜市でも見ることができるようになったようです。良く行く公園の池の脇のコブシの樹に実が沢山ついていたので、実を観察している時に見つけました。コブシの実の汁を吸いに来たのでしょう。ミナミトゲヘリカメムシはクスノキ科に付くカメムシです。この公園にもクスノキは多いので、今まで見たことが無かっただけで、すでに定着しているのかも知れません。夕方だったので上手く写真が撮れませんでした。関東地方にも定着してきている種類です、観察地の神奈川県よりもヒートアイランド現象などにより、温度の高くなっている東京の方が多く確認されているようです。セスジナガカメムシは赤と黒の配色が美しいカメムシです。個体数は少ない方で、見つけにくい種類です。ナカボシカメムシは個体変異が多いカメムシで体色や斑紋に個体変異があります。特徴になっている黒い斑紋が良く分からない個体もいます。このカメムシは森林性のカメムシと言われていて、林に住むカメムシです。越冬のため人家に入りこむこともあるカメムシになるようです。ツヤマルシラホシカメムシはムラサキシラホシカメムシとも呼ばれていて、小型の個体数が多い種類ですが、ムラサキシラホシカメムシを別名とした同じ種類としたり、違う種類としても記載されるなど、紛らわしいカメムシになっています。ツヤマルシラホシカメムシとシラホシカメムシはよく似ています。背中に見える白い斑紋の大きさが違っています。大変紛らわしい種類です。ブチヒメヘリカメムシも別名ブチヒゲヘリカメムシと呼ばれていて、名前が覚えにくいです。この「ヒメ」と「ヒゲ」の部分の違いの名前の由来はどこからきているのかと、興味があるところですが、良く分かりませんでした。今回紹介するカメムシ達は姿が似ているものがいて分かりにくい種類と、名前が良く分からないなど、紛らわしい部分がある種類を紹介して見ました。ミナミトゲヘリカメムシ、ブチヒメヘリカメムシ、セスジナガカメムシ、ナカボシカメムシ、ツヤマルシラホシカメムシ、シラホシカメムシの6種類を調べて見ました。
★ミナミトゲヘリカメムシ ヘリカメムシ科。体長16〜23ミリ。出現は4〜12月(本州では10月、暖かい沖縄では12月まで活動しています)。名前にミナミ(南)と付いているように本来は南方系のカメムシの種類で分布を北上させています。特徴は、触角が細長く、触角の第4節の基部が黄色くなっています。脚と体の側縁が緑がかっていて、緑色を帯びた褐色の体をしている大型のカメムシです。体色には個体差があります。分布は、本州(茨木県以西の太平洋側)、四国、九州、沖縄。ミナミトゲヘリカメムシ は本来は南方系のカメムシで、温暖化により北上してきている種類になります。今後も北上して分布を広げていくと思われます。食樹はクスノキ科のクスノキ、タブノキ、シロダモ、シロモジヤブニッケイなど。害虫としてミカン類(早生温州、温州ミカン、ポンカンなど)に被害を与えます。加害時期は他の果樹カメムシ類よりも早く5〜6月に加害します。シークワーサーやカキ、スモモなどの果実に害を与えます。カキやスモモの被害は越冬したミナミトゲヘリカメムシによるものの被害のようです。沖縄ではシークワーサーの主要害虫に指定されています。ミナミトゲヘリカメムシには大変よく似た種類にオオクモヘリカメムシがいます。 この両種の違いは前胸部の側角に違いが見られます。ミナミトゲヘリカメムシの前胸部の側角は鋭く、斜め上方に突出していることで区別できます。とはいえ良く見ないと間違えてしまいそうです。ミナミトゲヘリカメムシの4齢幼虫はキバラヘリカメムシの5齢(終齢)幼虫に容姿が似ています。ミナミトゲヘリカメムシの幼虫は触角が細く脚の色が黒いことで見分けることができるようです。5齢になると体は黒くなってしまいます。ミナミトゲヘリカメムシの越冬は成虫で越冬します。北上の傾向が強いので耐寒性はある方の種類になるのかも知れません。
★ブチヒメヘリカメムシ 別名ブチヒゲヘリカメムシ。ヒメヘリカメムシ科。体長6〜8ミリ程。体色は暗褐色〜黄褐色、淡褐色など色彩には変異の多い種類になるようです。出現は4〜10月。分布は北海道、本州、四国、九州。見た目は小型で淡褐色をしたカメムシで、上翅が半透明で腹部背面が透けて見えています。食性は雑多でイネ科、キク科、タデ科などに多く付きます。成虫も幼虫も植物の汁を吸います。ブチヒメヘリカメムシの仲間には似たものが多く判別に困ります。越冬は成虫で越冬します。落ち葉や枯草の根元に潜り込んで越冬します。似た種類のヒメヘリカメムシ科とは体色や透明な上翅の下に見える腹部の斑紋などで判別します。とにかく小さな体をしているので、肉眼で見て判別することは困難です。草原のエノコログサなどの草上にいて、似た他種といると皆、同じに見えてしまいます。名前を知りたい場合は、デジカメで撮影しておくと便利です。大変良く似た種類にはスカシヒメヘリカメムシ、ケブカヒメヘリカメムシ、アカヒメヘリカメムシ、カスミヒメヘリカメムシがいます。
ミナミトゲヘリカメムシ.JPGミナミトゲヘリカメムシ幼虫追加.JPG
上、ミナミトゲヘリカメムシです。写りが悪いので、良い写真が撮れましたら差し替える予定です。触角と脚がとても長いカメムシです。下はミナミトゲヘリカメムシの幼虫です。クスノキの生えている脇の壁で見つけました。ミナミトゲヘリカメムシの4齢幼虫は1見するとキバラヘリカメムシの5齢幼虫に似て見えます。この個体は黒っぽく見えるので5齢幼虫だと思います。
ブチヒメヘリカメムシ.JPGブチヒメヘリカメムシ追加.JPG
上、ブチヒメヘリカメムシです。小さくて何の特徴もないカメムシに見えます。似ている種類もあるので名前を特定することが難しい種類です。ミナミトゲヘリカメムシとブチヒメヘリカメムシは神奈川県横浜市、こども自然公園で見つけました。下、別個体のブチヒメヘリカメムシ。体色が淡褐色のブチヒメヘリカメムシです。当方観察エリアでは、この色合いの個体をよく見ます。
★セスジナガカメムシ マダラナガカメムシ科。体長8ミリ。出現は4〜11月。分布は本州、四国、九州。低地から山地に生息していて、キンポウゲ科のボタンズルに依存します。見つけたかったらボタンズルを探すことがポイントになると思います。ボタンズルはキンポウゲ科の蔓性の半低木で、同じキンポウゲ科のセンニンソウとそっくりです。両種ともに毒性のある有毒植物です。ボタンズルの葉は3出複葉でセンニンソウの葉は奇数羽状複葉です。花は共に白くよく似ています。セスジナガカメムシは触角が黒く、体は鮮やかな朱色と黒の2色の配色で、小型ながらも綺麗なカメムシです。背面に2股に分かれて見える大きな黒い斑紋があります。成虫、幼虫共にボタンズルに付きます。草上性で活動は比較的に緩慢です。昼行性ですが個体数は少ない種類です。成虫は単独で行動します。越冬は成虫で越冬します。寄生する植物が限られているためか、セスジナガカメムシには中々お目にかかれないでいます。ボタンズルの有る場所を探してから見つけるようにすると見つける確率が上がるかも知れません。セスジナガカメムシは見つけて見たくなる綺麗な種類にはいるカメムシです。赤と黒の2色のカメムシは他にも居るので、この派手な色の配色はこの種の決定的な判別にはなりません。 
★ナカボシカメムシ 体長8〜9ミリ。出現は4〜11月。分布は北海道、本州、四国、九州、対馬。山地性のカメムシで広葉樹のクヌギ、コナラ、ミズナラについています。広葉樹の林縁、林などや自然の状態の良い森林公園などにも生息しています。餌はクヌギ、コナラ、ミズナラの葉などの汁。体には光沢があり多くの点刻があり、体色は淡褐色、灰緑色〜赤褐色などがあります。体色には個体差が有るようですが、この色の違いは季節による影響もあるようです。活動期には淡い赤っぽい赤褐色でも、越冬に向かうと褐色などになっていくようです。調べて見たくなるところです。ナカボシカメムシの特徴として、小楯板には2対の黒紋があります。前方にある(頭側)黒紋には変異があって、目立たないもの、紋が繋がっているものなどがあります。越冬は成虫で越冬します。樹皮の裏などで集団で越冬します。ナカボシカメムシは越冬のため家の中に侵入して来ることもある不快害虫にもなっています。灯火にも飛来するようです。
ナカボシカメムシは体色に変科のある種類なので、違いのある固体を見比べると面白いと思います。私はまだナカボシカメムシをあまり見ていないので、もっと探して体色の変異などが有るのかなどを観察してみたいです。写真を追加して見たくなる種類です。淡い色合いの赤褐色のタイプはなかなか綺麗に見えます。ナカボシカメムシは和歌山県では絶滅危惧U類、富山県では準絶滅危惧種に指定されています。
セスジナガカメムシ.JPGナカボシカメムシ1.JPG
上、セスジナガカメムシ。綺麗な赤(朱赤)と黒のツートンカラーのカメムシです。背面の黒い大きな斑の形が特徴になります。下、ナカボシカメムシです。これは赤褐色のタイプのナカボシカメムシです。個体変異の多いカメムシなので、色の違いなどを比較して見比べて見たくなる種類です。撮影地はどちらも神奈川県海老名市。
★ツヤマルシラホシカメムシ(ムラサキシラホシカメムシ)カメムシ科。ツヤマルシラホシカメムシとムラサキシラホシカメムシは同じものです。体長は5〜6ミリ。小型でツヤの有る銅色をしたカメムシです。体には光沢があり、2個の黄白斑が大きいことです。ツヤマルシラホシカメムシは小さな体をしていても白い斑が良く目立ちます。よく似たマルシラホシカメムシやシラホシカメムシとはこの斑の部分(大きさ等)で見分けます。トゲシラホシカメムシとは側角の棘で見分けます。出現は4〜10月。草原、林縁に普通にいる普通種で、餌とする植物の種類も多く、キク科のタンポポ、ハルジオン、ヒメジョオン、アレチギクなどや、マメ科のカラスノエンドウ、シロツメクサ、アカツメクサなど、イネ科のエノコログサ、カモジグサなどがあり、葉や茎、果実から汁を吸います。小さくてちょこまかと動いています。草の根際などで成虫で越冬します。
・ツヤマルシラホシカメムシ=ムラサキシラホシカメムシ(同1種)としている場合とムラサキシラホシカメムシを別種とする場合があるようです。別種とする場合は、ムラサキシラホシカメムシの体色は黒っぽい紫色をしていて、色の違いからツヤマルシラホシカメムシと分けているようです。恐らく色の違いによるものなので、ツヤマルシラホシカメムシ=ムラサキシラホシカメムシで良いと思うのですが、非常に紛らわしいです。等ブログでは同じ種類として紹介させていただきます。
★シラホシカメムシ カメムシ科。体長5〜7ミリ。シラホシカメムシは灰色を帯びた茶色をしていて、背部に1対の白斑がありもす。背面には黒い小さな点刻があります。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。イネの害虫で、斑点米発生の原因になっています。特に関東以南で問題になっている種類になります。食性はイネ科、マメ科、キク科の植物につきます。出現は4〜11月。越冬は成虫で越冬します。枯草の多い草地の枯れた草の根際、休耕田、落ち葉の多い草地やその周りの石の下などで越冬します。シラホシカメムシの白斑は小さいです。シラホシカメムシの小楯板が他の種類の似たカメムシ(マルシラホシカメムシなど)よりも短いことも特徴になっています。ツヤマルシラホシカメムシとシラホシカメムシはよく似ていますが、白斑の大きさを見て区別することができます。
ツヤマルシラホシカメムシ.JPGシラホシカメムシ.JPG
上、ツヤマルシラホシカメムシ(ムラサキシラホシカメムシ)です。普通種で数も多く、良く見るとそれなりに可愛いのですが、体の小さな小型種なので気がつかれないまま、ひっそりと生息しています。撮影地。神奈川県横浜市、こども自然公園。下、シラホシカメムシです。灰色っぽく見える体色をしています。星に例えられる白い斑紋は小さいです。撮影地、神奈川県横浜市。メヒシバにいました。ツヤマルシラホシカメムシとシラホシカメムシの写真を並べて見比べると、似ているカメムシでも違いが良く分かります。大きさは両種とも小さく分かりにくいのですが、1対の白い斑紋があります。斑紋が大きい方がツヤマルシラホシカメムシ=ムラサキシラホシカメムシで、シラホシカメムシは小さい白い斑紋になります。
posted by クラマ at 17:05| Comment(0) | 昆虫・カメムシ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする