★ニホンカナヘビ 別名カナヘビ。他にも別名は多く、カガミッチョ、カガメッチョなど沢山の呼び名があります。カナヘビ科カナヘビ属。日本固有種。カナヘビにはまぶたがあります(ヘビにはありません)。昼行性で全長16〜27センチ。分布は北海道、本州、四国、九州。平地から低山地、草原や庭、川岸の土手などに住んでいます。出現期は4〜11月。体は細長く見えます。尾が長く全体の3分の2程の長さがある。同じ種類でも北海道のカナヘビの尾は短くなり、南方の(最南)カナヘビの場合は長めになります。背面は灰褐色〜褐色、腹面は黄白色〜黄褐色をしています。体側に見られる黒褐色の色帯は鼻孔の上から眼を横切って、尻尾の付け根まで続いています。さらに目の下から始まる同色の色帯の2本の帯が見えます。耳の色が黒っぽく見え、大きさはニホントカゲよりも大きくなります。舌はヘビのように二又になっています。幼体は黒褐色をしています。草地や林縁部に多い。ニホントカゲよりも行動範囲が広く樹上2メートル程は登るそうです。食性は動物性が主で、コオロギなどの昆虫、クモ、ワラジムシ、ダンゴムシなどの節足動物を餌にします。産卵は草の根際などに産み付けられます。産卵数は2〜8個程。産卵回数は2〜3回。子供の頃は草原で産み付けられた卵をよく見ました。卵は乳白色で楕円形をしています。卵は産み落としたまま放置されます。良く知られていることですが、外敵に襲われるとトカゲなので尻尾を身を守るために自ら切る行動(自切)を取ります。切り離された尻尾は切られた後も生きているように動き回ります。自ら切り離した尻尾の部分は数カ月で再生されます。餌の状態や生活環境が悪いと再生する期間は長くなってしまいます。再生された尻尾は次からは自切 できなくなるようです。再生した尻尾には骨もなく、自切する仕組みも失ってしまいます。再生した場合は元の尻尾よりも短くなってしまうことが多いそうです。カナヘビの皮膚は乾燥して見えます。ザラザラしている感じです。春は体温を上げるため、石垣や石の上で日向ぼっこをしている所を見ることができます。ヒガシニホントカゲと違い、孵化した子供の色は黒褐色に見えます。成体になるまでに1年かかります。ニホンカナヘビ(カナヘビ)には外敵が多く、ヘビ、トリ、ネコなどに襲われます。モズに木の枝や木の棘に刺された「モズのはやにえ」がありますが、最近では見る機会が無くなってきました。爬虫類なので脱皮をして大きくなりますが、ヘビのように全身の皮を脱ぎ捨てるのではなく、断片的に皮が剝がれていきます。この脱皮の仕方はヤモリも同じになります。越冬は地中や朽ち木の中、倒木の下などに丸まって潜み越冬します。寿命は4〜5年程のようです。飼育下ですと寿命は延びて10年生きるものもいるようです。身体的な特徴は、灰色の背面をしていて、体つきが細く見え尻尾が長いです。尻尾はヘビのようにも似て見えます。肌の質感はカサカサと乾いて見えます。ニホンカナヘビは東京都で絶滅危惧U類、千葉県で準絶滅危惧類になっています。
上はニホンカナヘビです。ニホンカナヘビは小さな恐竜を思わせる精悍な体と顔つきをしています。皮膚もザラザラな乾燥肌で小さくても迫力のある体をしています。いずれも別個体です。下2枚は幼体です。1番下の写真は幼体ですが全身を写したものです。いかに尻尾が長いかがお分かりいただけると思います。
★ヒガシニホントカゲ 別名トカゲ。トカゲ科。日本固有種。昼行性で体長は15〜25センチでツヤの有る体をしています。成体と幼体で別種に見えるほど違ってしまいます。
成体と幼体の違いは、ヒガシニホントカゲの幼体は金属光沢のある青色や青紫の色をした尻尾の色をしています。体には縦縞が5本見えます。成体になると褐色の体色になり、尻尾の青色は消えてしまいます。体側面に太い暗褐色の太い縦縞(縦帯)が1本になります。(ただし雌にはこの尻尾の色が残るものもいるようです。成体になるまでに2〜3年かかります。雄の方が成体になる期間は短いようです。身体的な特徴としては、成体も幼体にも縦縞があることです。頭部から尾にかけて暗褐色の縦縞(帯)があります。体つきは ニホンカナヘビよりもズングリとして見えます。雄は繁殖期には色が変わります。喉の周辺や腹部がオレンジ色に見えてきます。ニホンカナヘビ と違い、舌先は分かれていません。肌の質感はツヤツヤしています。幼体の尻尾は金属光沢のある青色に見えます。雌の場合、成体になっても尻尾の色が残ることが多いようです。寿命は良く分かっていないようですが、長いと10年ほど生きるようです。
出現期は4〜11月。ニホントカゲはヒガシニホントカゲとニホントカゲに分かれました。境界線となるのは福井県、滋賀県、三重県、和歌山県のあたりです。この辺りの地域を境に東に生息しているのがヒガシニホントカゲ。西に生息しているのがニホントカゲ。ヒガシニホントカゲ の分布は伊豆諸島を除く本州(福井県、滋賀県、三重県、和歌山県以北)、北海道。低地から高地にかけて生息していて、民家の石垣や石の割れ目の有る石積み、ブロック塀の隙間。山地の岩場、林縁や林の道の脇、草原などを住処にしています。日の当たる斜面、日向ぼっこがしやすい場所で見つけることができます。性格は臆病ですぐに物陰に逃げ込んでしまいます。この2種類の分類は2012年にDNA の違で分かれたようです。外見では頭部の前額板の形に違いが出るそうです(私は関東なので比較したことがありません)。混在する地域では、この違いを確認する必要が有ります。確認する部位は小さいので、捕まえて確認しないと分かりません。ニホントカゲは前額板が接していて、ヒガシニホントカゲの前額板は離れています。 餌は肉食性でコオロギなどの昆虫やミミズ。クモ、ワラジムシ、ダンゴムシなどの節足動物を餌にします。ヒガシニホントカゲの繁殖期は4〜5月。産卵は5〜6月に石の下や倒木の下に作られた巣穴に5〜15個の卵を産みます。親は卵が孵化するまで守ります。ヒガシニホントカゲ の外敵としてヘビ、トリ、ネコなどがいます。外敵から襲われると身を守るために、自切という自ら尻尾を切り離す習性があります。切り離された尻尾は暫くは活発に動き回り、外敵の眼をそらせることに使われます。自ら切り離した尻尾の部分は数カ月で再生されますが、餌や生育環境が悪いと再生に期間がかかってしまいます。再生した尻尾は自切 できなくなるようです。再生した尻尾には骨もなく、自切する仕組みも失ってしまいます。再生した場合は元の尻尾よりも短くなってしまうことが多いそうです。日当たりの良い斜面の土中の巣穴で冬眠します。
上3枚、ヒガシニホントカゲです。上、成体の写真です。中、まだ子供のヒガシニホントカゲです。青や青紫に光って見える尻尾が綺麗です。写真からも体にツヤの有ることが良く分かります。1番下はこの写真では見にくくなっていますが、頭の部分(額)の拡大です。前額板が離れています。前額板とは目と目の間にある大きな鱗の先端に接している2個の鱗の部分です。この部分の違いで非常によく似ているニホントカゲと判別することができます。
ヒガシニホントカゲの切れた尻尾が再生されている個体の写真がストックの中から見つかりましたので追加しました。尻尾に見えている綺麗な青紫色が途中で切れています。色の途切れたところから先が再生された部分になります。白っぽく(やや半透明に見えるような白色)短い尻尾が再生されて生えています。長さは、やはりもともとの長さよりも短くなっています。再生部の太さもひと回り細く見えます。見る人によって幼体の青紫色の尻尾を持ったトカゲは気持ち悪いと言われてしまうようですが、個人的には綺麗な色だと思っています。