2016年09月21日

ニホンカナヘビ(カナヘビ)とヒガシニホントカゲ(トカゲ)。青い尻尾のヒガシニホントカゲと茶色くて尻尾が長いニホンカナヘビです。

ニホンカナヘビ(カナヘビ)とヒガシニホントカゲ(トカゲ)はよく見かけることができる日本固有の爬虫類です。どちらもひっくるめてトカゲと呼ばれていることが多いです。よく見かける種類なので日本固有種の爬虫類ということが意外に思えてしまいます。カナヘビの正式名はニホンカナヘビでカナヘビ科になります。カナヘビは名前にヘビが付いていますがヘビではありません。ニホントカゲはヒガシニホントカゲとニホントカゲの2種類に分かれました。こちらはトカゲ科になります。科が違うのですがよく似ています。この3種は外敵に襲われると尻尾を切り離して逃げ出すという、とんでもなく恐ろしい方法で敵から逃げ出す方法を取ります。この習性は自切と呼ばれています。切り離された尻尾はまるで生きているかのように、暫くは動き回っています。ホラー映画のようでトラウマになりそうな光景です。子供の頃にこの自切を見て、衝撃を受けたことを覚えています。またモズに串刺しにされた「モズのはやにえ」を見つけることも良くありました。ミイラのようになったトカゲが木の枝や木の棘に刺さっているものです。最近では見ていません。これはモズが減ったからなのでしょうか。このモズが行う習性は、食べるための習性で、枝に刺して獲物を食べるそうです。長時間枝に刺されて、ミイラ化しているものも多く見ることがありましたが、乾燥したものは食べないので、そのまま放置した食べ残しの獲物のようです。モズの獲物の多くはバッタ、ガなどの昆虫類を餌として捕らえ、トカゲ、カエル、小型のヘビは少ないようです。ニホンカナヘビ もヒガシニホントカゲも変温動物なので、体を温めるために日向ぼっこをしている所をよく見ます。爬虫類は苦手な人も多いと思いますが、どちらの種類も人に害を与えることはない動物です。ニホンカナヘビ(カナヘビ)とヒガシニホントカゲ(トカゲ)を調べてみました。調べてみると違いが分かってきて面白いです。
★ニホンカナヘビ 別名カナヘビ。他にも別名は多く、カガミッチョ、カガメッチョなど沢山の呼び名があります。カナヘビ科カナヘビ属。日本固有種。カナヘビにはまぶたがあります(ヘビにはありません)。昼行性で全長16〜27センチ。分布は北海道、本州、四国、九州。平地から低山地、草原や庭、川岸の土手などに住んでいます。出現期は4〜11月。体は細長く見えます。尾が長く全体の3分の2程の長さがある。同じ種類でも北海道のカナヘビの尾は短くなり、南方の(最南)カナヘビの場合は長めになります。背面は灰褐色〜褐色、腹面は黄白色〜黄褐色をしています。体側に見られる黒褐色の色帯は鼻孔の上から眼を横切って、尻尾の付け根まで続いています。さらに目の下から始まる同色の色帯の2本の帯が見えます。耳の色が黒っぽく見え、大きさはニホントカゲよりも大きくなります。舌はヘビのように二又になっています。幼体は黒褐色をしています。草地や林縁部に多い。ニホントカゲよりも行動範囲が広く樹上2メートル程は登るそうです。食性は動物性が主で、コオロギなどの昆虫、クモ、ワラジムシ、ダンゴムシなどの節足動物を餌にします。産卵は草の根際などに産み付けられます。産卵数は2〜8個程。産卵回数は2〜3回。子供の頃は草原で産み付けられた卵をよく見ました。卵は乳白色で楕円形をしています。卵は産み落としたまま放置されます。良く知られていることですが、外敵に襲われるとトカゲなので尻尾を身を守るために自ら切る行動(自切)を取ります。切り離された尻尾は切られた後も生きているように動き回ります。自ら切り離した尻尾の部分は数カ月で再生されます。餌の状態や生活環境が悪いと再生する期間は長くなってしまいます。再生された尻尾は次からは自切 できなくなるようです。再生した尻尾には骨もなく、自切する仕組みも失ってしまいます。再生した場合は元の尻尾よりも短くなってしまうことが多いそうです。カナヘビの皮膚は乾燥して見えます。ザラザラしている感じです。春は体温を上げるため、石垣や石の上で日向ぼっこをしている所を見ることができます。ヒガシニホントカゲと違い、孵化した子供の色は黒褐色に見えます。成体になるまでに1年かかります。ニホンカナヘビ(カナヘビ)には外敵が多く、ヘビ、トリ、ネコなどに襲われます。モズに木の枝や木の棘に刺された「モズのはやにえ」がありますが、最近では見る機会が無くなってきました。爬虫類なので脱皮をして大きくなりますが、ヘビのように全身の皮を脱ぎ捨てるのではなく、断片的に皮が剝がれていきます。この脱皮の仕方はヤモリも同じになります。越冬は地中や朽ち木の中、倒木の下などに丸まって潜み越冬します。寿命は4〜5年程のようです。飼育下ですと寿命は延びて10年生きるものもいるようです。身体的な特徴は、灰色の背面をしていて、体つきが細く見え尻尾が長いです。尻尾はヘビのようにも似て見えます。肌の質感はカサカサと乾いて見えます。ニホンカナヘビは東京都で絶滅危惧U類、千葉県で準絶滅危惧類になっています。
ニホンカナヘビ1.JPGニホンカナヘビ2.JPGニホンカナベビ幼体.JPGニホンカナヘビ3.JPG
上はニホンカナヘビです。ニホンカナヘビは小さな恐竜を思わせる精悍な体と顔つきをしています。皮膚もザラザラな乾燥肌で小さくても迫力のある体をしています。いずれも別個体です。下2枚は幼体です。1番下の写真は幼体ですが全身を写したものです。いかに尻尾が長いかがお分かりいただけると思います。
★ヒガシニホントカゲ 別名トカゲ。トカゲ科。日本固有種。昼行性で体長は15〜25センチでツヤの有る体をしています。成体と幼体で別種に見えるほど違ってしまいます。
成体と幼体の違いは、ヒガシニホントカゲの幼体は金属光沢のある青色や青紫の色をした尻尾の色をしています。体には縦縞が5本見えます。成体になると褐色の体色になり、尻尾の青色は消えてしまいます。体側面に太い暗褐色の太い縦縞(縦帯)が1本になります。(ただし雌にはこの尻尾の色が残るものもいるようです。成体になるまでに2〜3年かかります。雄の方が成体になる期間は短いようです。身体的な特徴としては、成体も幼体にも縦縞があることです。頭部から尾にかけて暗褐色の縦縞(帯)があります。体つきは ニホンカナヘビよりもズングリとして見えます。雄は繁殖期には色が変わります。喉の周辺や腹部がオレンジ色に見えてきます。ニホンカナヘビ と違い、舌先は分かれていません。肌の質感はツヤツヤしています。幼体の尻尾は金属光沢のある青色に見えます。雌の場合、成体になっても尻尾の色が残ることが多いようです。寿命は良く分かっていないようですが、長いと10年ほど生きるようです。
出現期は4〜11月。ニホントカゲはヒガシニホントカゲとニホントカゲに分かれました。境界線となるのは福井県、滋賀県、三重県、和歌山県のあたりです。この辺りの地域を境に東に生息しているのがヒガシニホントカゲ。西に生息しているのがニホントカゲ。ヒガシニホントカゲ の分布は伊豆諸島を除く本州(福井県、滋賀県、三重県、和歌山県以北)、北海道。低地から高地にかけて生息していて、民家の石垣や石の割れ目の有る石積み、ブロック塀の隙間。山地の岩場、林縁や林の道の脇、草原などを住処にしています。日の当たる斜面、日向ぼっこがしやすい場所で見つけることができます。性格は臆病ですぐに物陰に逃げ込んでしまいます。この2種類の分類は2012年にDNA の違で分かれたようです。外見では頭部の前額板の形に違いが出るそうです(私は関東なので比較したことがありません)。混在する地域では、この違いを確認する必要が有ります。確認する部位は小さいので、捕まえて確認しないと分かりません。ニホントカゲは前額板が接していて、ヒガシニホントカゲの前額板は離れています。 餌は肉食性でコオロギなどの昆虫やミミズ。クモ、ワラジムシ、ダンゴムシなどの節足動物を餌にします。ヒガシニホントカゲの繁殖期は4〜5月。産卵は5〜6月に石の下や倒木の下に作られた巣穴に5〜15個の卵を産みます。親は卵が孵化するまで守ります。ヒガシニホントカゲ の外敵としてヘビ、トリ、ネコなどがいます。外敵から襲われると身を守るために、自切という自ら尻尾を切り離す習性があります。切り離された尻尾は暫くは活発に動き回り、外敵の眼をそらせることに使われます。自ら切り離した尻尾の部分は数カ月で再生されますが、餌や生育環境が悪いと再生に期間がかかってしまいます。再生した尻尾は自切 できなくなるようです。再生した尻尾には骨もなく、自切する仕組みも失ってしまいます。再生した場合は元の尻尾よりも短くなってしまうことが多いそうです。日当たりの良い斜面の土中の巣穴で冬眠します。
ヒガシニホントカゲ1.JPGヒガシニホントカゲ2.JPGヒガシニホントカゲ拡大.JPG
上3枚、ヒガシニホントカゲです。上、成体の写真です。中、まだ子供のヒガシニホントカゲです。青や青紫に光って見える尻尾が綺麗です。写真からも体にツヤの有ることが良く分かります。1番下はこの写真では見にくくなっていますが、頭の部分(額)の拡大です。前額板が離れています。前額板とは目と目の間にある大きな鱗の先端に接している2個の鱗の部分です。この部分の違いで非常によく似ているニホントカゲと判別することができます。
ヒガシニホントカゲ再生.JPG
ヒガシニホントカゲの切れた尻尾が再生されている個体の写真がストックの中から見つかりましたので追加しました。尻尾に見えている綺麗な青紫色が途中で切れています。色の途切れたところから先が再生された部分になります。白っぽく(やや半透明に見えるような白色)短い尻尾が再生されて生えています。長さは、やはりもともとの長さよりも短くなっています。再生部の太さもひと回り細く見えます。見る人によって幼体の青紫色の尻尾を持ったトカゲは気持ち悪いと言われてしまうようですが、個人的には綺麗な色だと思っています。
posted by クラマ at 11:46| Comment(2) | 自然観察・動物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月16日

カタツムリ(蝸牛)4種類。ミスジマイマイ、オナジマイマイ、ウスカワマイマイ、ニッポンマイマイを調べてみました。

カタツムリ(蝸牛)とはオナジマイマイ科の陸生巻貝の軟体動物です。カタツムリの種類の名前には「マイマイ」と付いています。正式にはマイマイと呼ぶようです。別名は総称的に「デンデンムシ」「カタツムリ」「マイマイ」などと呼ばれ良く知られています。殻から出てくる軟体部分はナメクジとよく似ていますが、殻のあるなしでナメクジとカタツムリ(マイマイ)は容易に区別することができます。カタツムリ(マイマイ)は移動能力に乏しく、自力では生息範囲を広げることが難しい種類です。そのため地域によって進化した地域の種類が多くいます。意外と思われるかもしれませんが、おなじみの良く知られたカタツムリですがオナジマイマイ、ウスカワマイマイ以外のカタツムリは、地域によって異なる種類になっているのです。カタツムリは雌雄同体の動物ですが、単独では繁殖できません。単独の生殖の場合は極めて低い産卵数と孵化率になるようです。カタツムリやナメクジは人に寄生する広東吸血線虫の宿主になるので、取り扱いに注意が必要です。広東吸血線虫は基本的には生体からは出てこないのですが、触ったりした場合には念のため、きちんと手を洗うことをお勧めします。カタツムリの活動期は長く、見られる時期は4〜11月になります。食性は草食性です。不思議なことに子供の頃は好きだったカタツムリも、やや苦手な存在になってしまいました。カタツムリは殻を持たないナメクジよりは、見た目のグロテスクな感じは少ないものの、苦手意識が出てきてしまいました。ナメクジよりはまし程度の存在に思ている人も多いのではないのでしょうか。このカタツムリ、サバイバルの本によると食可能な生き物です。食材としてフランスなどでエスカルゴと呼ばれ食用にされていることは有名なことです。日本のカタツムリは味の良い本来から食用にしているエスカルゴに近い種類になるようです。エスカルゴの代用品のアフリカマイマイよりも美味しいそうです。アフリカマイマイは沖縄で野生化しています。殻高は20センチにもなる大きさがあります。アフリカマイマイは沖縄に1930年頃に食用として持ち込まれたのが最初のようです。原産地は東アフリカのサバナ。侵略的外来種ワ−スト100、要注意外来生物に入っています。エスカルゴとして知られる別種のヒメリンゴマイマイも大阪で繁殖しているいうです。外来種のカタツムリが増えているようですね。ヒメリンゴマイマイは東京、茨木でも見つかったそうです。現在、被害をもたらす可能性の強い外来種として危険視されている種類になっています。カタツムリは巻貝の仲間ですが、ナメクジは違います。ナメクジの科は多岐に分かれている多系統群の種類になります。ナメクジの呼び名は総称になっています。以前はよく見かけたカタツムリも、いざ探してみると昔のようには見つけることができませんでした。カタツムリが這った跡には銀色っぽく光る筋が残ることがあるので、生息している場所を見つける手掛かりになります。乾燥を嫌うので雨上がりの湿気のあるときが見つけやすいです。カタツムリには右巻きと左巻きの種類がいます。観察等でカタツムリを触ったりした場合は、手をしっかり洗うことをして、菌の感染を防ぎましょう。外国でアフリカマイマイに触って広東吸血線虫に感染され、死亡した例が報告されています。子供に人気のカタツムリも危険な生き物であることを知っておいた方がよいでしょう。神奈川県で見かける4種類のカタツムリ、ミスジマイマイ、オナジマイマイ、ウスカワマイマイ、ニッポンマイマイを調べてみました。ニッポンマイマイは色彩や殻に変異の大きい種類で、基本型が関東地方の個体になっています。ミスジマイマイは大型のカタツムリ(マイマイ)で見つけやすく、当方観察地の神奈川県では普通に見ることができる種類です。
・カタツムリは巻貝の仲間ですが、ナメクジは違います。ナメクジもカタツムリと同じく、広東吸血線虫が寄生している可能性があります。生食は絶対に危険なので、生で食べてはいけません。どちらも食べることはできるのですが、当然お勧めはしません。野生のカタツムリやナメクジにはどのような雑菌や細菌が寄生しているのかもわかりません。外国で食べるエスカルゴとしてのカタツムリは、衛生状態の良い場所で、食べる目的をもって繁殖させたものです。最も日本でナメクジを食べることは聞いたことがありません。驚くことに外国ではナメクジを食べる国もあるようです。カタツムリは食材としても知られていて食べることができますが、十分に加熱することと、調理に際して広東吸血線虫の感染を防がなければなりません。当ブログは食を勧めるものではりません。食べてみようと思われた方は、あくまでも自己責任で食べてください。当方は1切の責任は負いません。
・カタツムリの殻の修復能力(再生能力)は高く、傷程度だと数週間で修復します。殻の欠損も範囲が狭ければ再際されます。殻を大きく失った場合は死んでしまいます。昔読んだ本では3分の1以下だと再生可能とありましたが、本当のところなのかどうかは分かりません。3分の1と言ってもかなりの面積がありますよね。実験することは止めておきます。再生するためにはカルシウムを十分に補給できることが、カタツムリの生死を分ける条件になると予想できます。野外で殻の渦の途中などで、殻の色が明らかに違っている部分の有る固体を見ることがあります。これは鳥か何かに襲われて再生したものと思われます。
★ミスジマイマイ(三筋蝸牛) オナジマイマイ科。日本固有種のカタツムリです。雌雄同体。右巻きで殻に縞が3本あることが名前の由来になっているカタツムリです。大型のカタツムリで殻は平たく見えます。繁殖期は4〜10月。産卵数30〜40個。樹上性(地上でも活動します)。殻高22ミリ。殻幅45ミリ。淡黄白色の殻に褐色の色帯が3本入っています。個体変異が大変多い種類で、色帯が1本の個体、2本の個体、色帯のないものなどがいます。さらに横縞模様(火炎彩)や部分的に赤味を帯びる個体もいます。軟体に背部には1本の黒褐色の帯が入っています。殻の大きさにも個体群による変異があるようです。分布は関東地方南西域、中部地方南東部、伊豆諸島の神津島に生息。平野から山地の疎林、野原、林縁、水辺付近に生息しています。神奈川県ではよく見るカタツムリです。高温、高湿度の日に動き回っています。雨の降った後などに良く見かけます。気温16度、湿度70%を下回ると動きが鈍くなり休眠に入るようです。休眠(夏)に入る場合、からの入り口は膜でふさがれます。越冬は落ち葉の下などで行います。ミスジマイマイは他のカタツムリ同様、木の葉や草の葉、コケを食べます。また殻を作るためにカルシウムも必要になります。よく人工物のコンクリートで見かけるのは、コンクリートに含まれるカルシウムを摂取しているそうです。ミスジマイマイを飼育する場合の餌は野菜類(キュウリ、キャベツ、ハクサイ、ニンジンなど)と卵の殻を与えると良いそうです。
・カタツムリを飼育しようとした場合の餌として、野菜類と卵の殻や貝殻を砕いたものを餌にして飼育できます。ミスジマイマイの寿命は3年以上、4年くらいは生きるものと思われます。カタツムリの正確な寿命は分かっていないそうですが、小型種は大体が1年未満のようです。
ミスジマイマイ1.JPGミスジマイマイ2.JPG
上2枚は別個体のミスジマイマイです。殻の色彩が違って見えるミスジマイマイです。ミスジマイマイは個体変異の有るカタツムリです。変異の幅は広く、違った模様や色彩のものを探すと面白いです。
ミスジマイマイ3.JPGミスジマイマイ4.JPGミスジマイマイ線の太いタイプ追加.JPG
上、コンクリートブロックの塀にいたミスジマイマイです。また違う柄と色をしたミスジマイマイです。軟体部の中央に黒褐色の帯が1本見えています。これがミスジマイマイの特徴になります。殻の色は赤味を帯びています。中、上と同じ個体です。500円玉と比較して見ました。500円玉が小さく見えてしまうほどの大きさです。ミスジマイマイが大きいカタツムリであることが良く分かると思います。下、殻の筋が太く殻の色彩が黒っぽく見える個体です。写真を追加しました。
ミスジマイマイ幼体1.JPGミスジマイマイ幼体2.JPG
ミスジマイマイの幼体です。とはいってもかなり大きな殻をしていました。幼体のミスジマイマイの殻は平たく見えるということなので、この個体は大きさからしてもミスジマイマイで良いと思います。この殻の模様は筋の数が少ないタイプのものです。下の写真は横から見たものです。
★オナジマイマイ オナジマイマイ科。江戸時代に東南アジアから渡来した外来種。雌雄同体。分布は北海道南部、本州、四国、九州、沖縄。ウスカワマイマイと同じように人里に多く農耕地など畑の回りや庭園に多く生息しているサツマイモについてきたようです。右巻きの殻の薄いカタツムリです。やや小型で殻高13ミリ。殻径18ミリ。螺層は5・5層。殻は殻高の低い円錐形をしています。軟体部は淡褐色をしています。大きく4タイプに分けるこよができて、殻の色が淡黄色のタイプ。淡赤褐色のタイプ。それに黒褐色の色帯のあるタイプ。帯のないタイプがあります。この特徴が分かっていても、素人の私には見た目での種の判断は難しいです。殻は半透明で薄く、軟体部(殻から出ている体の部分)淡褐色をしています。雌雄同体で産卵は冬の温度の低い時期を除いて行われますが、6〜8月が1番多く行われる時期になります。交尾回数により産卵回数が増えと産卵期も長くなります。産卵数は約20個。土の中に産み付けられます。産卵は地面の浅い所や朽ち木の下や植物の根再に産み付けられます。オナジマイマイは人里に多く農耕地など畑の回りや庭園に多く生息している種類で、山林などにはいません。餌は木の葉や草の葉、コケを食べます。オナジマイマイの寿命は3年ほどのようです。越冬は成体で越冬します。
オナジマイマイ1.JPGオナジマイマイ2.JPGオナジマイマイ3.JPGオナジマイマイ4.JPG
オナジマイマイです。オナジマイマイも色彩と模様に変異のあるカタツムリです(この4枚はオナジマイマイで良いと思います)殻が薄いカタツムリです。1番上は街路樹にいました。2〜4枚目は同じ民家の石垣にいたものです。3枚目、体をビヨーンと伸ばしています。伸び縮みができるゴムのような体をしています。目の部分も巻き込まれるように縮んでいたものが伸びあがっていきます。
★ウスカワマイマイ(薄皮蝸牛) オナジマイマイ科。外来種。雌雄同体。ウスカワマイマイの名前の由来は殻が薄いことからきているようです。夜行性で日中は落ち葉の下などに隠れています。ウスカワマイマイは球状に近く見える特徴があり、半透明で薄い殻をしたカタツムリで殻高があります。淡黄色〜紫褐色の殻の色をしています。殻には色帯(筋)がありません。軟体部は黄白色をしています。殻高20ミリ。殻径25ミリ。螺層は5・5層。オナジマイマイと同じように人里に多く農耕地など畑の回りや庭園に多く生息している種類で、繁殖力が強く野菜類の葉を食害する害虫です。山林などには生息していません。分布は北海道南部、本州、四国、九州、沖縄。草原生。乾燥に強いカタツムリです。産卵は地面(土中)の浅い部分に産み付けられます。産卵数は30〜40個ほどのようです。寿命は1年ほど。越冬は生態や幼体で越冬します。
ウスカワマイマイ1.JPG
上、ウスカワマイマイです。殻が薄く殻高の有るカタツムリです。家庭菜園の脇にある建物の壁にいました。害虫として退治されているのか、見つけることが大変です。ウスカワマイマイの軟体部の写真が撮れましたら追加したいです。
★ニッポンマイマイ ナンバンマイマイ科。ニッポンマイマイは日本で最初に名前が付けられたカタツムリです。普通種ですが個体数は少ないようです。近年、さらに数を減らしている種類になるようです。右巻きで殻高は17ミリ。殻径20ミリ。樹上性のカタツムリで殻の高いタイプと低いタイプがいるそうです。殻高のタイプは特徴的で、中心部が高い山形をしているので分かりやすいです。関東地方のニッポンマイマイが基本型になっています。出現4〜11月。分布は本州、四国東部。菜園、農地、林縁、林の周辺の草原などに生息しています。餌として野菜、コケなどを食べるようです。殻の形は三角形に見え、殻には高さがあります。殻の色は黄褐色から濃褐色で、殻の色彩や模様には地域変異があります。殻の形にも地域変異があり、この変異の大きい特徴により、他種との判別が難しい種類になっています。
ニッポンマイマイ1.JPGニッポンマイマイ2.JPG
上、ニッポンマイマイ(同1個体)です。このニッポンマイマイは殻高のあるタイプで分かりやすいのですが、もし殻が低いタイプだと判別する自信はありません。以前は菜園の付近で見た種類なのですが、今では林縁を探さないと見つけることができなくなりました。確実に数が減っているようです。草刈等が進むと生息が難しくなる種類なのかも知れません。写真からもニッポンマイマイは殻に特徴があることが分かります。軟体部が長く伸びていることも特徴になるようです。
カタツムリの殻の模様は個体差、個体変異があって様々です。殻の特徴などの違いを見ないと、どれも同じに見えてしまいます。詳しい種類となるとかなり難しく、私には良く分かりません。下のカタツムリは良く分からないものです。模様が変わっていました。初めて見る模様です。
カタツムリ不明1.JPGカタツムリ不明2.JPGカタツムリ不明3裏面.JPG
上、不明カタツムリです。個性的な模様をしています。
カタツムリも比べてみると実に違いがあるものです。なかなか個性があって面白いです。
posted by クラマ at 01:27| Comment(0) | 自然観察・動物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月18日

雪の残った公園で見つけた足跡。

雪の降った後に行ってみた自然公園で見つけたものです。足跡も探してみると面白いです。この公園にはタヌキもいるのですが、タヌキの足跡は今回は見つけられませんでした。見つけたのは、タイワンリス。カラス。キジバト。あとは犬と猫。ありふれた動物の足跡ですが、足跡探しは面白かったです。
タイワンリスの足跡1.jpgタイワンリスの足跡2.jpgハシボソガラスの足跡.jpgキジバトの足跡.jpg犬の足跡.jpg猫の足跡.jpg猫の足跡2.jpgカモの泳いだ跡1.jpgカルガモの泳いだ跡2.jpg上段左。タイワンリスの足跡です。少し、兎の足跡の形に似ていますね。画面右の足跡の幅が広がっている方が前方です。左から2番目。同じくタイワンリスの足跡。画面上に当たる方向が進行方向です。左から3番目。ハシボソガラスの足跡。大型の鳥なので、足跡がはっきり残ります。人間のように歩く足跡を残すのがハシボソガラス。より大型のハシブトガラスは足跡をそろえてピョンピョンと歩くので、足跡の見分けは簡単です。時にハシボソガラスのように歩くこともありますが、とても短い距離になります。ハシブトガラスは歩くのが苦手のようです。右。キジバトの足跡。足跡は直線的になってきます。重さも軽くなってくるので、雪の質によりキジバトより軽くなると鳥の足跡を見つけるのは難しくなりますね。コジュケも見つけたのですが、はっきりと足跡が残っていませんでした。来年の楽しみにまわします。上から2段目、左。犬の足跡。多きものから、小さいものまで、犬種もざったで沢山あって分かりません。他の動物の足跡を探すうえで、障害になりますが、人間の歩く道沿いにあることがすくいです。爪の跡、足型がはっきり残っています。右。猫の足跡。タヌキの足跡かな?と期待してしまいましたが、猫の足跡には爪の跡がありません。上から3段目、左。猫の足跡歩行パターン。少し分かりにくいですが画面上が進行方向です。右。池の薄氷、池に降り積もった雪などに残るカルガモの泳いだ跡です。繋がって泳いでいくので池に太い線上の跡が残ります。下段(1番下)カルガモが泳いでいるところです。
次回の機会があれば、タヌキ、ハクビシンもいるという噂なので、足跡を探してみようと思います。

posted by クラマ at 16:01| Comment(0) | 自然観察・動物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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