2019年02月07日

ゴミムシ2種類。クロツヤヒラタゴミムシ、セアカヒラタゴミムシ。

ゴミムシはオサムシ科やこれに近い種類が属する昆虫の総称になっています。草むら、落ち葉やごみの下、朽ち木や石の下などに隠れています。夜行性で地面の上を歩き回る地表徘徊性甲虫です。ゴミムシの仲間は植物質や小さな昆虫など動物質を餌にしていて、死骸も餌にする種類もいるなど雑多です。日本にいるゴミムシの種類は1200〜1300種もいるようで種名を見つけることはかなり難しいです。ゴミムシの仲間を調べ始めたらきりがなくなりそうです。子供の頃は臭い匂いを放つことから、「へっぴりむし」と呼んでいました。臭い匂いを出すゴミムシが「へっぴりむし」と呼ばれました。昆虫で遊ぶことが少なくなった今では、子供が知らない昆虫になったのではないのでしょうか。夜行性なので普通は見ることが無いと思いますが、2種類のゴミムシを見つけたので紹介します。クロツヤヒラタゴミムシとセアカヒラタゴミムシです。
★クロツヤヒラタゴミムシ オサムシ科。体長は10・5〜14ミリ。クロツヤヒラタゴミムシは夜行性で黒い地色に光沢があります。普通種で個体数も多いようですが、あまり目にすることが無い種類の昆虫になります。夜行性で灯火の周りに集まります。昼間は落ち葉の下ヤ朽ち木の下などに隠れています。脚の色は黒褐色で、分布は北海道、本州、四国、九州。地表を徘徊する地表徘徊性の昆虫です。飛ぶことが苦手で、個体により飛べる個体と飛べない個体がいるそうです。夏場は夏眠に入り繁殖は秋に行います。越冬は幼虫で越冬するようです。新成虫は5月に発生するようです。森林性のゴミムシで小型の昆虫を捕らえるようです
良く似た種類が多く、正確には交接器を確認した方が良い昆虫になります。良く似た種類にオオクロツヤヒラタゴミムシ、クロモリヒラタゴミムシ、オオゴミムシ、マルガタツヤヒラタゴミムシがいます。それぞれの特徴を調べてみました。
・オオクロツヤヒラタゴミムシの体長は12・5〜17ミリ。前胸背と鞘翅に虹色の光沢が見えることでクロツヤヒラタゴミムシと区別することができます。
・クロモリヒラタゴミムシの特徴は胸背部側縁と鞘翅側縁部の全体が上方に湾曲していることだそうです。胸背部側縁よりも上翅(鞘翅)の反り返りを比較した方が分かりやすいようです。
・オオゴミムシは普通種で体長20〜24ミリと大型です。脚の色は黒いです。前胸背の中央には縦溝があり、前胸後端の両側にはへこみがあります。また前胸背の頭部側の幅が広く、後端では狭くなって見えます。触角の色は黒色をしています。光沢があります。成虫で越冬します。
・マルガタツヤヒラタゴミムシは形は似ているのですが体長8〜10・5ミリと小型です。マルガタツヤヒラタゴミムシに藻大変良く似た種類が多く、クロツヤヒラタゴミムシとは大きさで判断するのも良いと思います。脚の色は黄褐色をしています。
クロツヤヒラタゴミムシ.JPG
上、クロツヤヒラタゴミムシです。林の脇の樹の下の斜面で見つけました。じっとしてくれないので撮影が難しいうえ、黒土の地面の上なので分かりなくい写真になってしまいました。撮影地。神奈川県横浜市、南本宿公園。
★セアカヒラタゴミムシ オサムシ科。体長15・5〜20ミリ。セアカヒラタゴミムシの脚の色は黄褐色で地色は黒色ですが、胸背が赤褐色と黒色(黒色型)がいます。上翅(鞘翅)には光沢がありません。ある程度同じ場所を探してみても個体変異が多く、上翅(鞘翅)に赤褐色の紋がある個体や黒い上翅の個体もいるなど、幾つかのタイプがあるので、同じ種類だと分からないこともあるかと思います。餌は昆虫等の死骸を食べます。平地から山地までいる普通種で、分布は北海道、本州、四国、九州、屋久島。越冬は成虫、幼虫で越冬します。出現は3〜11月。夜行性で飛翔力があり灯火にも集まります。セアカヒラタゴミムシは捕食性でガの幼虫など小型昆虫の幼虫やナメクジも捕食するようです。
セアカヒラタゴミムシ黒タイプ.JPG
上、セアカヒラタゴミムシです。この個体は上翅(鞘翅)が黒いタイプです。赤褐色の部分が多い個体は意外と綺麗です。日中では慌てて隠れる場所を求めて動き回るので撮影が難しいです。翅に赤い斑紋のある個体には逃げられてしまいました。セアカヒラタゴミムシは動きが速いので撮影には苦労します。この個体はうまく白い壁にとまってくれたので運が良かったです。撮影地。神奈川県横浜市、南本宿第三公園。ゴミムシはマイナーな昆虫ですが夜間の灯火での観察では出会える昆虫になります。紹介の時期が遅れて今になってしまいました。
posted by クラマ at 16:36| Comment(0) | 昆虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月07日

カイガラムシの仲間(ツバキワタカイガラムシ、オキツワタカイガラムシ、サルスベリフクロカイガラムシ、ツノロウカイガラムシ等)を調べてみました。

カイガラムシは樹木、植物の害虫として有名です。カイガラムシは以前に当ブログで「オオワラジカイガラムシとルビーロウカイガラムシ(ルビーロウムシ、ルビーカイガラムシ)、イセリアカイガラムシ(ワタフキカイガラムシ)。カイガラムシは変わった形をしている昆虫です」とヒモワタカイガラムシを「木の枝にある白いリング状の輪の正体は、ヒモワタカイガラムシです」で紹介しています。今回でカイガラムシは3回目になります。カイガラムシは樹木の害虫としてとても有名で、知らない人は少ないと思います。およお昆虫とは思えない容姿をしているので、昆虫と言われても本当なの?と思う方がいると思います。実に昆虫に見えない昆虫なのです。カイガラムシは樹を弱らせたり、他の病気を誘発する原因にもなり、果樹に対して有害な害虫の1種として嫌われています。見た目の悪さによる不快害虫にもなっています。カイガラムシは見た目からは想像できなくても、分類は昆虫なので雄と雌がいます。雄と雌とで容姿も違っている雌雄異形になります。雄のカイガラムシの成虫には翅があります。後翅は退化していて2枚の翅になります。普通、樹の幹や葉で見つけるカイガラムシ類は幼虫と雌になります。雌の成虫葉気に固着しているのですが、幼虫は歩くことができますが、雌には翅が無く、成虫になると体を固着するので動けなくなってしまいます。外見から脚は見えません。カイガラムシの中でも歩くことができる珍しい種類には、雌の成体で動けるカメノコロウカイガラムシ(カメノコロウムシ)もいます。カイガラムシは植物に寄生して樹の汁を餌としています。カイガラムシと呼ぶ場合はカイガラムシ上科に属する仲間の総称になります。その種類は多く、日本には約500種類もいるそうです。ロウムシと呼ばれるカイガラムシは1般的にはロウ状の白い物質に覆われていて、白く見える種類が多くて目立つこともあり、ロウムシ属に属するカイガラムシは良く知られています。カイガラムシの仲間は種類が多く、どれもよく似ていて容姿がよほど個性的でない限り、見た目での判別は難しいです。以下は参考までにしてください。詳しい生態等は分かりません。固着している個体を見ることが多く、虫に見えない不思議な昆虫、ツバキワタカイガラムシ、オキツワタカイガラムシ、サルスベリフクロカイガラムシ、ツノロウカイガラムシ(ツノロウムシ)等を調べて見ました。
★ツバキワタカイガラムシ カタカイガラムシ科。出現は5〜6月。ツバキ、サザンカに寄生します。楕円形に見える扁平な体をしています。体色(殻の色)は暗褐色をしています。やがて体の下から白い卵膿を伸ばしていきます。見た目が同じに見える良く似たオキツワタカイガラムシとは体の色で判別します。雌が成虫で越冬するようです。
ツバキワタカイガラムシ1.JPGツバキワタカイガラムシ2.JPG
上、ツバキワタカイガラムシ。ツバキの葉にいましたが他種かも知れません。自信がないのですが、暫定的にツバキワタカイガラムシとして紹介します。
★オキツワタカイガラムシ カタカイガラムシ科。出現は5〜6月。楕円形に見える扁平な体をしています。体色(殻の色)は淡黄緑色をしています。やがて体の下から白い卵膿を伸ばしていきます。成虫、幼虫共に柑橘類、カラタチ、ツバキ類、ツバキ、サカキ、ヒサカキ、チャなどの葉に寄生します。当方の観察では柑橘類とツバキの葉で見ることが多いです。見た目が同じに見える良く似たツバキワタカイガラムシとは体の色で判別します。
オキツワタカイガラムシ1.JPGオキツワタカイガラムシ2.JPGオキツワタカイガラムシ3.JPG
上、オキツワタカイガラムシです。
★サルスベリフクロカイガラムシ フクロカイガラムシ科。白い楕円形をした小型のカイガラムシです。サルスベリの害虫として有名で、サルスベリに多く見られ樹の小枝や幹に群れをなして寄生しています。出現は6月と8月頃で、年2〜3回発生するサルスベリ、ザクロに寄生するカイガラムシです。越冬は主に卵で越冬するようです。灰褐色〜紫褐色をした成虫が白い袋の中にいます。
サルスベリフクロカイガラムシ1.JPGサルスベリフクロカイガラムシ2拡大.JPG
上、 サルスベリフクロカイガラムシです。サルスベリの樹に寄生する特有のカイガラムシといえます。
★ツノロウカイガラムシ(別名ツノロウムシ)。 カタカイガラムシ科。 体長は6〜9ミリ。ツノロウカイガラムシはツノロウムシとも呼ばれています。ロウ物質に覆われた体の外縁に8個の突起があり、背面に1本の角状突起がありますが、成長すると角はなくなっていき大きく盛り上がっていきます。形(容姿)が変わるので紛らわしい種類とも言えます。出現は幼虫は6〜7月頃で年1回発生します。通年見ることができます。日本では雄はいなくて単為生殖により雌だけで増えていく様です。ミカン、カキ、ナシ、モモ、クチナシ、ツバキ、ソヨゴ等、様々な樹の枝に寄生して樹液を吸います。ツノロウカイガラムシ(ツノロウムシ)は庭木にも普通に発生します。越冬は雌が成虫で越冬します。
似た種類に体の小さなカタカイガラムシ科のカメノコロウカイガラムシ(別名カメノコロウムシ)がいます。カメノコロウカイガラムシの体長は4ミリ程で、形は円形で外縁に8個の小さな窪みがあり、中央は盛り上がっています。カメノコロウカイガラムシの特徴として、雌は成体になっても脚が退化しないので動くことができます。越冬は雌が成虫で越冬します。  
ツノロウカイガラムシ.JPG
上、マユミに寄生していたツノロウカイガラムシで中央背面が溝状に見えている個体です。背面が盛り上がっている個体も多いです。撮影は11月なのでこのまま越冬するものと思います。ツノロウムシとも呼ばれているツノロウカイガラムシは成長すると名前の特徴になる8個の角状突起が目だたなくなり、背面にある角(角状突起)がなくなり丸味を帯びてきます。この容姿から呼び名が2個あることが頷けます。似た種類も多く、分かりにくい形になることもあります。もっと若い背面に突起のある若い個体が撮影できたら追加したいです。
カタカイガラムシ科.JPGカタカイガラムシ科2.JPG
上、不明種。カタカイガラムシ科ロウムシ属と思われる種類。カツラの樹の葉の付け根の細い小枝に寄生していました。5〜9月頃に見ます。暗褐色(アズキ色)で半球形に見える殻をしています。カタカイガラムシに似ている不明のカイガラムシです。発生している樹種により種類が違っていることもあるようなので、この種は不明です。
カイガラムシの仲間は害虫として嫌われる運命にある気の毒な昆虫になるようです。よって昆虫として人気がないと思います。やはり樹木や園芸植物の嫌われ害虫として存在感のある存在といえそうです。害虫として駆除する場合、薬剤を使う場合は若い幼虫期でないと効果は薄くなります。幼虫は小さなものが多く目立ちません。成虫になるとロウ状物質に覆われたり、殻で守られてしまうので、薬剤の効果は期待できません。成虫の場合は樹木に発生していたらヘラやハブラシ等を使って削ぎ落してしまう方法が手っ取り早いです。殻や嚢胞の中に卵がある場合があるので、そぎ落とした成体等は放置しないで捨て去った方が良いです。カイガラムシの場合、越冬体も含め樹木に付いていると分かりやすいので、見つけたら駆除することが被害を少なくするための予防になります。成体では脚が退化していて動けなくなるなど、行動範囲が狭い特徴があるので、隣の樹木や園芸植物などに移動して被害を拡大することはありません。見た目の悪さや植物に対する被害をなくすために、大きな群れになる前に見つけたら排除すると良いと思います。ロウムシ類と呼ばれるルビーロウムシ(ルビーロウカイガラムシ)、ツノロウムシ(ツノロウカイガラムシ)、カメノコロウムシ(カメノコロウカイガラムシ)は都市部でも見ることができます。またこの3種類は柑橘類に被害を与えることで、ミカン農園などの農業関係者には嫌われています。カイガラムシの仲間は種類が多く、様々な植物に寄生します。寄生されると植物の成長を阻害したり、排泄物からスス病を生き起こす可能性もあるので、庭等で見つけた場合も早めに退治することが良いと思います。冬場の落葉樹では見つけることが容易なので、薬剤を使いたくない方は、冬場に退治することもお勧めです。
posted by クラマ at 15:42| Comment(0) | 昆虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月26日

モモスズメ、ウンモンスズメ。スズメガ科の幼虫2種類。

スズメガ科の幼虫の紹介です。スズメガ科の幼虫は以前にも紹介しましたが、今回もなかなか迫力があります。太くて大きくてインパクトが強いです。イモムシ系が嫌いな方はスルーしてください。今回登場の幼虫はウンモンスズメとモモスズメの幼虫です。スズメガ科の幼虫は大きくて尾端に尾角という棘状の突起があるので分かりやすいです。当方は最初は苦手だったのですが、慣れてくると色々な種類の幼虫を見たくなってくるから不思議です。とても気持ち悪く怖そうに見えますが、毒などはありません。人に対しては意外と無害な幼虫です。モモスズメの幼虫には大変良く似た種類がいて、判別のためにもに似た種類の幼虫の写真も撮りたいと思っています。スズメガの仲間は大型なガの種類だけあって、幼虫もなかなかの大きなサイズになります。嫌いな人には耐えられない大きさになると思います。モモスズメ、ウンモンスズメを調べてみました。ウンモンスズメの成虫は当ブログ「ウンモンスズメ。緑色の大きな蛾です」で紹介しています。
★ウンモンスズメ スズメガ科ウチスズメ亜科。 幼虫の体長は60〜70ミリ。出現は4〜9月。年2化。普通種で数も多い。分布は北海道、本州、四国、九州、対馬。 幼虫はニレ科のケヤキ、ハルニレ、アキニレ。ニシキギ科のマユミの葉を食べます。ケヤキは街中の街路樹にも植えられているので、街中で見ることもあります。数も多く都市部や都市部の公園にもいます。幼虫の尾角はまっすぐに尖っていて色は紫褐色をしています。色彩は基本が緑色型です。斑紋がない個体とある個体がいます。斑紋には色や形に個体差があります。体表には4本の白い線が見えます。全身が小さな顆粒状の突起に覆われていますが、白く見える突起は大きいです。この顆粒状の白い突起(顆粒列)が並んでいることがウンモンウズメの幼虫の特徴になっています。越冬は土中に潜り蛹で越冬します。成虫は灯火に飛来します。街中の灯火でも見ることがあります。
ウンモンスズメ幼虫.JPG
上はウンモンスズメの幼虫です。斑紋の小さなタイプです。ウンモンスズメの幼虫は大きくて立派な尾角を持っています。落ちてしまったのでしょうか。台風の後、ケヤキの樹下の笹にいました。
★モモスズメ スズメガ科。スズメガ科ウチスズメ亜科。普通種。幼虫の体長は70〜80ミリ。出現は5〜9月(5〜6月、7〜8月の年2化になります)。幼虫は6〜10月。越冬は土中で蛹で越冬します。分布は北海道、本州、四国、九州、対馬、屋久島。幼虫はバラ科の植物に多く、バラ科、ウメ、アンズ、モモ、サクラ(ソメイヨシノ、ヤマザクラ、ウワミズザクラ等)、リンゴ、ナシ、カイドウなど。ニシキギ科、ニシキギ、コマユミ。ツゲ科、ツゲなどの葉を食べます。食性が広くサクラ類は公園等にも普通に植えられているので餌には不自由はしません。リンゴ、ナシ、モモ等の果樹の葉を食害するので、果樹農園の害虫になっています。モモスズメの幼虫には緑色型、緑色有斑型、黄色有斑型がいます。緑色型が多いようで、黄色型は稀になります。モモスズメの名前の由来には2説あって、後翅が桃色を帯びているからというものと、植物のモモなどに多いからという説があります。さて、命名者はどちらの特徴を取ったのでしょうか?モモスズメの成虫には似た種類にクチバスズメがいます。両種の違いは前翅基部側に見える横線の違いです。直線的に見える方がクチバスズメで曲がって見える方がモモスズメになります。幼虫になると各種の体色の個体変異や斑紋の有る無し等から、似た種類が多くなってしまうため、識別は難しくなります。特徴を踏まえ図鑑等での絵合わせが手っ取り早いのですが、この際もデジカメ等での記録が欠かせなくなります。個性的な特徴がないとガの幼虫から成虫を調べるのは難しいです。
モモスズメ1.JPGモモスズメ(スズメガ科)2.JPG
上、モモスズメです。緑型の幼虫になります。太さもある終齢幼虫です。このモモスズメの幼虫はニシキギ科のコマユミにいました。10月に撮影したので、この後、地中に潜って越冬の準備に入るのでしょう。上、横から見た所です。下、上から見た所です。
posted by クラマ at 14:38| Comment(0) | 昆虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする