2019年06月17日

ヒゲナガハナノミ。蛍に似ている昆虫です。

ヒゲナガハナノミは雄と雌で体色が違う昆虫で、成虫の容姿はホタルに似ています。似た所はあって、幼虫は水辺に棲む水棲昆虫になります。ホタルはホタル科で、ヒゲナガハナノミはナガハナノミ科に属します。、雌は全体的に黒く、前胸の後方が暗橙色をしているので、ホタルに似て見えます。ヒゲナガハナノミはナガハナノミ科の仲間の大型種になります。ナガハナノミ科としては最も普通に見ることができる種類です。湿地帯や林縁のある水田の脇を探すと見つかる確率は高いです。生息地から離れることは少なく、幼虫が育つ場所の近くにいます。雄の体色には変異があり、茶褐色、淡い茶色、黒(黒色型)などがいます。当方の観察地では茶色系の上翅に茶褐色の筋が入っています。特に雄の櫛歯状の大きなヒゲ(触角)は可愛いです。雌は黒い体をしていて、知らないと同種の雌だとは思わないと思います。ホタルに似た体格と前胸部の後縁部が橙色を帯びているので、初めてみた時には、すぐにホタルの種類に似ていると思いました。丁度、観察エリア(ヒゲナガハナノミのいる場所)がゲンジボタル、ヘイケボタルの生息場所なので、余計にそのように思った次第です。雄は生息場地の葉の上などでよく見ますが、雌には縁がないのかほとんど見ることがありません。湿地に住む昆虫なのでヒゲナガハナノミを見る機会は他種よりも低くなるので、この可愛い昆虫を知らない人も多いと思います。ヒゲナガハナノミはその生態が良く知られていない事でも有名です。雄と雌で違う種類に見えるヒゲナガハナノミを調べてみました。
★ヒゲナガハナノミ  ナガハナノミ科。体長8〜12ミリ。雄雌で体色が違い、体表には微毛が生えています。名前にある様にヒゲ(触角)が長く目立ちます。特に雄の触角は櫛歯状で大きく見えます。雄の上翅は茶褐色をしています。稀に黒色型も出るようです。雌の触角は鋸歯状になっています。雌の体色は黒色で前胸の後縁は橙色をしています。サイズは雌の方が雄よりも若干大きくなります。出現は5〜7月。分布は本州、四国、九州。幼虫は水棲で上流域の湿地や湿地の湿った土壌、水田の近くに生息していて、尾端を水面に出して呼吸しているそうです。ヒゲナガハナノミの幼虫は流れの早い場所には生息していません。幼虫は円筒形の体形をしており、サイズは成虫よりも大きくなります。詳しい生態はまだ解明されていない昆虫になります。
ヒゲナガハナノミ雄ナガハナノミ科.JPG
上、ヒゲナガハナノミの雄。雄は茶色で縞模様があり、お洒落です。観察地のヒゲナガハナノミの雄の上翅には黒い筋が入っています。長くて大きな触角がとても可愛いです。
ヒゲナガハナノミ雌1.JPGヒゲナガハナノミ雌 2.JPG
ヒゲナガハナノミの雌です。写真は同じ個体です。雄と違い黒い色をしています。アメンボのいる水田の水面であがいていました。コメツキムシかと思って助けた所、なんとラッキー。ヒゲナガハナノミの雌でした。持っていたプラスチックの入れ物にいれて撮影しました。撮影後開放しました。撮影地、神奈川県横浜市、こども自然公園。雌はヒメボタル、雄は色は違いますが、見た感じがベニボタルに似ています。観察地では保護されているゲンジボタルの生息地に生息しています。ホタルにあやかり安全に生息できています。上流域に多いとされる種類なので、綺麗な水が必要なように思います。餌は何を食べているのだろうか。これから研究者によって解明が進んでいく昆虫です。
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2019年06月14日

マダラヒメバチとクチキヒメバチ亜科の1種を見つけました。

ヒメバチというと寄生蜂の総称になります。ヒメバチ科に属する種類は大変多く、似た種類も沢山いて専門家でも判別が難しい種類になっています。生態も良く分かっていない研究が進んでいない種類の昆虫になります。世界にヒメバチ科の昆虫は10万種程いるともされています。昆虫界の中で最大の派閥を持っていることになります。当然、多種多様な個性を持っていて分類も非常に難しい昆虫です。当方は、科が分かれば良いかなと思う種類になっています。今回見つけた2種は、当観察エリアではよく見ることができるのですが、キスジクチキヒメバチやクロヒゲフシオナガヒメバチに似たクチキヒメバチ亜科の1種は名前を当てることができませんでした。よく見るとどちらも綺麗なハチです。この両種(ヒメバチ科)は他の昆虫に卵を産み付ける寄生蜂になります。寄生蜂と言う怖いと思うかも知れませんが、人を攻撃するような危険なハチではありません。人に卵を産み付けたり、多くは刺すような行動はしません。ただカリバチ、ハナバチの仲間は刺すことがあるので、手で捕まえようとしない方が良いです。昆虫を麻痺させたりするなどの毒も含んでいるので、アシナガバチやオオスズメバチのような攻撃性は無くても、刺される危険性は排除できません。やはりハチの仲間として注意した方が良いです。マダラヒメバチとクチキヒメバチ亜科の1種を調べてみました。
★マダラヒメバチ ヒメバチ科。体長は約15ミリ。普通種で綺麗な配色(黒、黄色、橙色)のヒメバチです。黒い体色で小楯板は黄色く、脚は黄色い地色が目立ち、黒と橙色(橙褐色)の斑模様になっています。出現は5〜8月。分布は北海道、本州、四国、九州。マダラヒメバチ は寄生蜂で、アゲハチョウの幼虫に寄生して蛹の中で育ちます。寄生された蛹は黒ずんだ色になり、チョウにはなれないでマダラヒメバチが出てくることになります。他にアゲハ類に寄生するハチもいるのですが、出てきた成虫の体色に黄色い部分が多いのはマダラヒメバチになります。越冬は成虫で越冬します。成虫は土に潜って越冬するようです。葉の上で見ることが多く、人を刺すことが無い大人しい種類です。似た種類が多いヒメバチ科ですが小楯板の黄色い色が特徴になります。個体数は多いようでよく見ることができます。ヒメバチ科は仲間の数が多く、生態等が解明されていない種類が多いそうです。
マダラヒメバチ(ヒメバチ科).JPG
上、マダラヒメバチです。草地や林縁の草等の葉の上にいる所を見かけます。小さいのですが脚の黄色が目立ちます。ご覧の通り小型のハチですが綺麗な配色をしています。
★ヒメバチ科クチキヒメバチ亜科の1種。キスジクチキヒメバチに似ています。キスジクチキヒメバチの場合は朽ち木の中にいるカミキリムシの幼虫に卵を産み付けます。分布は北海道、本州、四国、九州。詳しい生態は分かっていないようです。クロヒゲフシオナガヒメバチにも似ています。クロヒゲフシオナガヒメバチの場合は、卵は葉を巻くガの幼虫に産み付けます。見つけたクチキヒメバチ亜科の1種は朽ち木の中の幼虫に産卵していました。
ヒメバチ科クチキヒメバチ亜科の1種.JPGヒメバチ科クチキヒメバチ亜科の1種2.JPG
上、クチキヒメバチ亜科の1種。産卵管が体長よりも長い特徴があります。見つけた朽ち木の切株の周りには沢山(7匹ほど)集まっていました。似た種類がいて不明です。この種類ははっきり言ってお手上げです。名前が分かりません。産卵管が長くて「こんなもので刺されたら大変!」と思ってしまう迫力がありますが、カメラを近づけると逃げ出してしまう臆病な性格をしています。キスジクチキヒメバチやクロヒゲフシオナガヒメバチに似ていますが、ちょっと違うようです。ハチ類は名前の分からない種類が多いので迷うことが多いです。小型種になればなるほど分からなくなってしまいます。撮影地、神奈川県横浜市、こども自然公園。昨年に見つけていた場所に行ってみたら今年もいました。
ヒメバチ科のハチは種類の多さも知られていて、日本でも2000種類ほど知れれているようですが、まだまだ発見される種類になっているようです。似たものがいても別種という可能性が多い昆虫になっているということです。研究者も少なく、今後も分類が難しいハチのグループになるようです。
posted by クラマ at 15:25| Comment(0) | 昆虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月18日

ビロードツリアブ。洋ナシ型をした毛に覆われたツリアブ科の昆虫です。

ビロードツリアブは春のサクラの花が咲く前に現れる、春のさきがけのような昆虫です。体つきも丸みのある洋ナシ型の体形に茶褐色〜淡褐色の毛で覆われた、愛嬌のある昆虫です。春になると探してみたくなる昆虫です。ビロードツリアブはハエの仲間でツリアブ科になります。名前に付いているようにビロード状に見える毛に頭部から腹部まで覆われていて、フワフワに見える腹部の大きく見える洋ナシの様に見える体形が可愛いです。顔つきも変わっていて、ストローの様に長い口吻が前方に突き出ています。この長い口吻を使って奥行きのある花からも蜜を吸うことができます。この黒く鋭く尖った凶器にも見える口吻で、人を刺すようなことはないので、見た目と違って怖いことはありません。似たような姿のハチもいるのですが、ビロードツリアブはハエの仲間でツリアブ科になるので、ハチの様に刺したりはしません。ビロードツリアブは飛行技術に優れていて、空中で静止するホバリングが得意技です。呼びながら空中で静止して、花の蜜を吸う曲芸的な行動もします。姉の動きが早く、何かにとまっている時でも翅を高速で動かしていることもあります。臆病な性格で近づきすぎると飛んで逃げてしまうので、やや撮影の難しい昆虫になります。日向ぼっこをしている個体を見つけると観察しやすいいです。単独で見ることも多いのですが、草原や花のある場所では数匹が近くに飛んでいることもあります。成虫の発生は3〜5月で、早春に現れる昆虫なので、この時期を逃すと普通種なのですが、見たことが無いという人も多いと思います。体色は色の濃淡があり、やや個体差があります。翅の色は透明な翅の前縁に黒い斑紋が見える変わった配色をしています。作り物のミツバチのおもちゃにも似て見える愛嬌のある形と、顔の前方に長く突き出た口吻があることを覚えておくと分かりやすいです。昼行性なので3月になると出現するので、日当たりの良い野原や公園を探すと見つかるかも知れません。観察すると面白い昆虫です。ビロードツリアブを調べてみました。
★ビロードツリアブ ツリアブ科。昼行性。ビロードツリアブは茶褐色〜淡褐色の毛で覆われた丸味のある体をしています。ビロードツリアブの特徴は黒くて長い口吻と翅が透明な部分と黒い斑紋により2色に見えることです。ツリアブの名前はホバリングが得意で、空間につるされたように静止したように見えることからきているようです。雌雄の判別は複眼が接している方が雄で、離れている方が雌になります。丸味のあるモコモコに見える体は可愛いです。体長は8〜12ミリ。出現は3〜5月。春に現れるハナアブです。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。平地〜低山地の林縁、自然公園、公園、草地、畑地など都市郊外でも見ることができる普通種です。日当たりの良い開けた場所を好み、成虫は様々な花の蜜を吸います。幼虫は土中に巣を作るヒメハナバチの仲間の幼虫のための餌や、幼虫や蛹を餌にして食べてしまう肉食性です。卵はハチの巣穴の入り口に産み付けられ、孵化すると巣穴に入り込むようです。3月に出現することから幼虫か蛹で越冬するものと思われます。
ビロードツリアブ.JPGビロードツリアブ2.JPG
ビロードツリアブです。長い体毛の色には濃淡等の個体差があります。撮影地、上、神奈川県横浜市。下、神奈川県横浜市南本宿第三公園。まだ昆虫の少ない3月にハナアブの仲間とビロードツリアブを見ることができます。腹部が太く毛で覆われた面白い姿は、愛嬌があって可愛く見えます。
posted by クラマ at 15:35| Comment(0) | 昆虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする