2018年01月02日

カゲロウ類( クサカゲロウ科、ヒメカゲロウ科、ヒメカゲロウ科の14種類)を見つけました。カゲロウは優曇華の花を作る昆虫です。

カゲロウと言うと緑色で弱々しく飛ぶトンボに似た体をしたイメージがあると思います。カゲロウの仲間はクサカゲロウ科、ヒメカゲロウ科などそれぞれに非常に良く似たものが多くいて、正しい種類の判別が難しい昆虫です。特徴の違いは種によってあるにしても、体が小さいのでちょっと見ただけでは判別することができません。単にクサカゲロウと呼ぶとクサカゲロウ科の総称になります。クサカゲロウ科などは普通にいる昆虫で、珍しい種類ではないのですが、調べてみると実に大変多くの種類がいることが分かりました。日本には40種類以上いるそうです。今まで同じ種類だと思っていた緑色の弱々しい体つきをしたカゲロウが、実は別種だった可能性が高かったわけで、見た目の判断から完全に混同してたことになります。過去記事でヤマトクサカゲロウを取り上げていますが、カゲロウの種類を確認するためにも、他の種類のカゲロウ類を写真に撮りためていたので、ここで確認できた種類を紹介したいと思います。できれば成虫、幼虫を対で紹介したかったのですが、いざ探すとなると見つけることが大変でした。分かったものだけ紹介させていただきます。クサカゲロウ科は透き通った翅にレース状の模様(翅脈)が見えることが特徴になっています。カゲロウの仲間は柔らかく弱い体をしている昆虫なのに、成虫越冬するたくましさも持っていて、その生命力には驚かされます。幼虫と成虫のギャップも面白い昆虫です。成虫は弱々しく見えても肉食性の昆虫で、餌としてアブラムシやハダニを食べてくれるので益虫と言うことになります。クサカゲロウ科では成虫が花の蜜や甘露を餌にする種類と成虫、幼虫共にアブラムシなどを食べる肉食性のタイプがいます。口は小さいのですが成虫に餌としてアブラムシを与えると食べるようです。詳しくは分からないのですが、雑食性の面が強いようです。餌の好みは種類によって違いがあるかも知れません。当方は成虫が餌としてアブラムシを食べている所は見たことがありません。機会があったら成虫にアブラムシを与えて食べる所を確認して見ることも必要になるかも知れません。ヒメカゲロウ科もどれもよく似ていて難解です。そのうえ小型になるので、さらに判別が難しくなります。クサカゲロウ科8種類(ヤマトクサカゲロウ、スズキクサカゲロウ、カオマダラクサカゲロウ、ヨツボシクサカゲロウ、クモンクサカゲロウ、アミメクサカゲロウ、クロヒゲフタモンクサカゲロウ、ヒメニセコガタクサカゲロウ)とヒメカゲロウ科5種類(チャバネヒメカゲロウ、ウスチャバネヒメカゲロウ、コチャバネヒメカゲロウ、ホソバヒメカゲロウ、ヤマトヒメカゲロウ)。ヒロバカゲロウ科1種類(キマダラヒロバカゲロウ)を調べてみました。あまり目立たない小さな昆虫ですが、微妙な違いを見比べて見ると面白いです。クサカゲロウの仲間は雄よりも雌の方が若干大きく、体長があります。似た種類が多い昆虫なので、正確には種類や雌雄の判別は交接器を確認しないと難しいです。当方は雌雄の判別や交接器の違いは分かりません。外見上の特長から種名を当てはめてみました。
クサカゲロウ科の8種類。・クサカゲロウの仲間は5〜9月頃に良く見つけることができるようになります。透き通った翅と緑色の体が特徴になっています。飛び方も変わっていて、ヒラヒラと弱々しく飛ぶ姿は独特な飛び方とも言えます。日中は林縁など樹木のある環境にいて、成虫、幼虫共に低木や草の葉の上にいます。成虫は夜は灯火にも集まってきます。成虫は花の蜜や甘露を主に食べるようですがアブラムシも食べることが知られてきました。どの種類がどの程度、肉食性が強いかなどはまだ不確かです。クサカゲロウの仲間の卵は別名、優曇華の花と呼ばれています。変わった形をした卵で、この卵を産んだ親がクサカゲロウ類だと知らないと、ただ奇妙なものにしか見えないと思います。昆虫の卵に不思議な名前がついていることが面白いです。
★ヤマトクサカゲロウ(別名ニッポンクサカゲロウ) クサカゲロウ科。ヤマトクサカゲロウは個体数も多く普通に見つけることができる普通種です。とは言え似た種類が多く、他種との判別は難しくなります。体長は10ミリ前後で、前翅長18〜23ミリ。緑色の美しい体色をしていて、体つきは細長く弱々しく見えます。背中の中央に黄緑色の筋が見える特徴があるカゲロウです。越冬する時期になると体色は黄褐色の体に変色します。この特徴を知らないと色の違いから別種だと思ってしまうほどです。ヤマトクサカゲロウの翅は淡い緑色を帯びて見える半透明で柔らかい翅をしています。翅脈は体色と同じ緑色で、翅は細かい小室が集まって網目状に見えています。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。平地から低山地の野原、草原、庭先などにも生息しています。飛び方はヒラヒラと弱々しくて、ゆっくりと飛ぶ特徴があります。昼間にも見ることができますが、ヤマトクサカゲロウは夜行性が強く灯火に良く集まって来る習性があるので、外灯の下や灯火のある壁で見つけることができます。出現は4月〜11月。越冬は成虫で越冬します。面白いことに活動期の体色は緑色ですが、越冬に入った成虫は体色が黄褐色に変わってしまいます。翅脈の色も体色と同じ色に変わってしまいます。成虫は顎が小さくほとんど餌を食べないようです。餌として食す場合、花の花粉やアブラムシの出す甘露を餌にするようです。幼虫は肉食性で主にアブラムシを捕らえて食べますが、コナジラミ、ハダニも餌とします。クサカゲロウの卵は変わった形で産み付けられています。糸のようなもので葉などにぶら下がってついていて別名「ウドンゲ(優曇華)の花」と呼ばれています。このぶら下がった卵の様子が花の雄しべなどに似ていることから呼ばれたようです。ちなみに優曇華とは実在しない想像上の植物になります。しかも開花は3千年に1度と言われる植物です。なんとも良く分からない名前が付けられたものです。
ヤマトクサカゲロウと非常によく似た種類にスズキクサカゲロウがいます。1見しただけでは区別が難しいです。両種の区別は目の横にある黒斑の模様の違いと口元にあるヒゲは下唇髭(かしんしゅ)と小腮髭(しょうさいしゅ)と呼ばれ、この部位の色の違いを見て識別の手掛かりの1つとすることもできます。ヤマトクサカゲロウは目の横にある黒斑の部分が目についていること(ジグザグ状に見える黒斑が目に接触していること)と、口元にあるヒゲが薄茶色に見えることです。確認する部位が小さく肉眼での確認は難しいので、デジカメ等に撮影して拡大して見たり、ルーペを使わないと判別できません。
・ヤマトクサカゲロウとスズキクサカゲロウの見分け方は、顔の目の脇と口元のヒゲの部分を見比べて区別をします。ヤマトクサカゲロの場合、目の横にある黒斑が目(複眼)についていること(接触している)と、口元にあるヒゲが薄茶色に見えることです。スズキクサカゲロウの場合は、目の横にある黒斑が目についていないこと(離れている)と、口元のヒゲの色は濃い黒(黒褐色)に見えることです。ヨツボシクサカゲロウは顔にある黒斑が2対あって全部で4個見えます。
ヤマトクサカゲロウ.JPGヤマトクサカゲロウ幼虫1.JPG
上、ヤマトクサカゲロウ(別名ニッポンクサカゲロウ)の成虫。ヤマトクサカゲロウは当ブログで紹介しており、2度目の登場になります。下、ヤマトクサカゲロウの幼虫。ゴミを背負わないタイプの幼虫になります。とても長細い体をしています。
クサカゲロウ類の卵.JPG
上、クサカゲロウ科の卵。別名「ウドンゲ(優曇華)の花」と呼ばれているものです。釣り糸の先に卵がぶら下がっているように見えます。この形を花の雄しべに見立てて、想像上の花の「優曇華の花」と表現したようです。想像力を働かせる不思議な形態の卵には違いありません。卵がまとまって産み付けられる特徴から、ヨツボシクサカゲロウの卵が「優曇華の花」と呼ばれるようです。他にもまとまって産み付ける種類がいるかもしれません。これらをまとめて「優曇華の花」として良いようです。この卵は鉄のパイプに産み付けられていました。卵は産みやすい人工物にも産み付けるようです。
★スズキクサカゲロウ クサカゲロウ科。体長10ミリ前後。前翅長13〜16ミリ。出現は4〜11月。分布は本州、四国、九州。緑色の体に背中の中央に黄緑色の筋が見えるカゲロウです。背中の中央に同じように黄緑色の筋が見えるヤマトクサカゲロウに非常に良く似ています。スズキクサカゲロウの場合、目の横にある黒斑が目(複眼)についていないこと(わずかに離れていて接触していません)と、口元にあるヒゲが黒褐色に見えることです。もう少し詳しく説明すると、下唇髭(かしんしゅ)と上に見えるヒゲは小腮髭(しょうさいしゅ)や小顎髭などと呼ばれるヒゲは黒い部分が多く黒褐色に見えます。越冬は成虫で越冬します。スズキクサカゲロウの成虫は気温が下がり冬になっても体色はそのまま(緑色)です。よく似ているヤマトクサカゲロウの越冬個体は体色が黄褐色に変わります。体長はほぼ変わらない大きさなのですが、ヤマトクサカゲロウと比べると若干小さく見える(小型になる)ようです。ただし、大きさでの判断は個体差があることから、顔の斑紋などの特徴の違いを確認する必要があります。
スズキクサカゲロウ(若齢).JPGスズキクサカゲロウ.JPGスズキクサカゲロウ頭部拡大.JPG
上はスズキクサカゲロウの幼虫です。1番上はまだ若齢で体が小さいです。下は顔の部分の拡大です。獲物を捕らえた所です。幼虫の顎には湾曲した長細いハサミがあります。これで挟まれたら体の柔らかいアブラムシは逃げられません。スズキクサカゲロウの成虫はヤマトクサカゲロウとそっくりで、顔(目の横)にある斑紋を見て判別します。
★カオマダラクサカゲロウ クサカゲロウ科。体長11〜13ミリ。前翅長11〜14ミリ。カオマダラクサカゲロウは普通種で、体色は緑色で背中の中央に黄緑色の筋が見え、翅脈は緑色をしています。似たものが多く、顔にある黒い斑紋の形で他種と区別します。カオマダラクサカゲロウの特徴は顔にある黒い斑紋が漢字の「人」のように見える形をしていることです。口元にあるヒゲは下唇髭(かしんしゅ)と呼ばれ褐色に見えます。上に見えるヒゲは小腮髭(しょうさいしゅ)や小顎髭などと呼ばれ黒と白の配色(まだら)になっています。昆虫の器官の部位の読み方等は非常に難しいです。出現は2月〜11月。分布は 本州、四国、九州、沖縄。幼虫はアブラムシや小型のカイガラムシを食べる肉食性です。カオマダラクサカゲロウは柑橘類につくアブラムシ等の天敵になっていて、ミカン農家などでは益虫として知られていて、役に立つ昆虫になっています。幼虫はゴミを背負って葉の上などを歩き回っています。カオマダラクサカゲロウの幼虫のように、ゴミを背負っている幼虫は他にも多くいて、種類の判別は難しいです。成虫は夜行性で灯火にも集まります。越冬は成虫で越冬します。越冬個体の体色は緑色のままです。
カオマダラクサカゲロウ1.JPGカオマダラクサカゲロウ拡大2.JPGカオマダラクサカゲロウ幼虫1.JPGカオマダラクサカゲロウ幼虫2顔.JPG
上2枚はカオマダラクサカゲロウの成虫。下2枚は幼虫です。カオマダラクサカゲロウの特徴は、顔(目の脇)にある「人」の字の形に見える黒い斑紋です。この黒斑は複眼に接していません(離れています)。幼虫はごみを背負っています。頭部に見える斑紋の形等が、他の種類と見分ける手掛かりになります。
★ヨツボシクサカゲロウ クサカゲロウ科。体長13〜15ミリ。前翅長18〜23ミリ。クサカゲロウとしては普通種の大型種になります。このヨツボシクサカゲロウの成虫は臭い匂いを出します。臭い匂いを出す種類は限られています。大きな特徴は、顔に4個の黒い斑紋があることです。体色は緑色で背中の中央に黄白色〜黄緑色の筋が見えます。分布は北海道、本州、四国、九州。出現は4〜8月。6〜9月の年2化。卵はまとまって産み付けられます。夜行性で灯火にも集まります。成虫は昼間は葉の裏などでじっとしています。成虫は甘露や花の蜜、アブラムシを餌にするようです。幼虫も肉食性で主にアブラムシを好んで食べるようです。他にハダニ類も餌とします。越冬は蛹で越冬します。
ヨツボシクサカゲロウ1.JPGヨツボシクサカゲロウ顔.JPG
ヨツボシクサカゲロウです。小さな体のカゲロウ類が多い中にあっては、見つけた時に大きく見えます。体の大きさと顔にある4個の黒い斑紋が特徴になります。ヨツボシクサカゲロウは年2化するカゲロウなので見る機会も多い普通種になります。幼虫は樹木の葉や草の葉などにいます。下は顔の拡大です。大きな飛び出た眼(複眼)の色が赤っぽくて綺麗です。夜行性なので顔に対して複眼が大きいのでしょう。
★クモンクサカゲロウ クサカゲロウ科。体長は11〜15ミリ程。体の大きな普通種で、前翅長16ミリ。クモンクサカゲロウの特徴は、体色は緑色で顔に9個の小さな黒斑があります。名前にあるクモンは9個の紋からきているのでしょう。上から見ると頭に3個の黒斑が目立ちます。前翅前縁の横脈は黒い色をしています。分布は北海道、本州、四国、九州。出現は4〜10月。幼虫は肉食性で主にアブラムシを食べますがハダニ類などの小型の昆虫も餌にします。成虫は甘露や花の蜜、アブラムシなどの小型昆虫を餌にするようです。成虫は灯火にも集まります。成虫で越冬します。分布は広く普通種になるようですが数が少ないのか、なかなか見つけることができません。成虫で越冬します。
クモンクサカゲロウ1.JPGクモンクサカゲロウ拡大横顔.JPGクモンクサカゲロウ頭部拡大.JPG
クモンクサカゲロウです。特徴は顔に9個の斑紋があるので判別しやすい種類になります。林縁で見つけました。クサカゲロウとしては大型種になります。
★アミメクサカゲロウ(別名アミメカゲロウ) クサカゲロウ科。体長16〜19ミリ程。前翅長22〜26ミリ。クサカゲロウ科の中で1番大きな種類になります。大きいといっても緑色の体をしているので、葉の上にとまられると分かりにくいです。アミメクサカゲロウの特徴は大型で翅に幅があり、翅の形が大きく横に広がって見えることです。これはとまるときに翅を横に広げることから、翅の幅がより広く見えるためです。また翅の中央付近には1対の黒い斑紋があります。触角は黄褐色で体長の2倍ほども長さがあります。触角の基節外側には紫褐色の斑紋が見えます。成虫は灯火に飛来します。分布は本州、四国、九州。出現は5〜11月。成虫はアブラムシの出す甘露を餌にするようです。幼虫は白い体で、白い色のワタの様な塵を載せています。幼虫は肉食性でアブラムシなどの小型の昆虫を食べます。幼虫は照葉樹に見られます。成虫で越冬します。アミメクサカゲロウはミドリヒメカゲロウに似ていますがはるかに大型になります。ミドリヒメカゲロウは体長が5〜6ミリで翅も緑色に見えます。
アミメクサカゲロウ幼虫1.JPGアミメクサカゲロウ幼虫2顔拡大.JPG
上はアミメクサカゲロウの幼虫です。アミメクサカゲロウの幼虫は白い綿の塊のように見えます。体も塵も白くて綺麗です。成虫の写真も撮れたら追加したいです。
★クロヒゲフタモンクサカゲロウ クサカゲロウ科。体長は15〜16ミリ。前翅長10〜17ミリ。小型の種類になります。特徴は口ヒゲの部分(先端節)の黒色は濃い黒色になっていて、胸背には黄色い筋が見えないことと、翅の上にある毛が暗い暗褐色〜黒色をしているそうです。顔には目の前に黒い斑紋があって、触角柄節の外側が暗色になっています。似たものが多く正確な判別には翅脈を調べないいけないところなのでしょうが、当方には翅脈までは全く分かりません。分布は本州、四国、九州、沖縄。幼虫はごみを背中に乗せています。幼虫は肉食性で成虫は灯火にも集まります。
クロヒゲフタモンクサカゲロウ.JPG
クロヒゲフタモンクサカゲロウです。顔の特徴と大きさからクロヒゲフタモンクサカゲロウで良いのかと思います。似た種類が多いので判別は難しいです。
★ヒメニセコガタクサカゲロウ クサカゲロウ科。前翅長9〜13ミリ。分布は本州、四国、九州、沖縄。沖縄では普通種。他の地域では数が少ない種類になるようです。幼虫で判別するのはお手上げで、全く自信がありません。「Chrysopidaeクサカゲロウ科」と言うサイトを見つけて開いてみると見ると、幼虫の顔までが紹介されていました。これを参考に似ている種類を当ててみました。詳しくカゲロウ類を知りたい方は、上記サイトをご覧になることをお勧めします。
ヒメニセコガタクサカゲロウ?幼虫1.JPGヒメニセコガタクサカゲロウ?幼虫顔拡大.JPG
上2枚はヒメニセコガタクサカゲロウの幼虫の写真だと思います。幼虫は顔によく似た斑紋を持っているので分かりにくいのですが、幼虫は白い地色でゴミを背負っています。この特徴からヒメニセコガタクサカゲロウが1番似ていたので、カオマダラクサカゲロウの幼虫もよく似ているのですが、ここではヒメニセコガタクサカゲロウとして紹介しておきます。幼虫の判別はとても難しいです。
クサカゲロウ科などカゲロウの仲間は口が小さいので少食だとは思うのですが、クサカゲロウ科の成虫がアブラムシを食べる肉食性なのか(積極的に食べるのか、雑食性的な嗜好なのか)種類を確かめて飼育することもしてみたくなります。実際には餌を用意するのも難しいのですが興味の湧く所です。
・ヒメカゲロウ科の5種類。 チャバネヒメカゲロウや ウスチャバネヒメカゲロウなど似たものが多く判別には大変苦労します。写真で紹介しましたが間違っているかもしれません。ヒメカゲロウ科は体が小さく、茶褐色系の体色をしています。名前の照合に手間取り、暫く紹介を控えていた難解の昆虫です。色も形も同じに見えてしまう種類が多く、正しい判別方法(当方の判別)には課題が残ってしまいます。正確には翅脈の違いなどを確認しなくてはいけなくなります。当ブログで紹介するにあたって特に勇気のいる種類になっています。ヒメカゲロウの仲間は茶色系で透き通った翅をしています。ヒメカゲロウ科も夜行性で灯火に飛来します。大きさの目安に、今度見つけたら前翅長などを測れるようにメジャーを用意することも必要だと思いました。幼虫はアブラムシやハダニ類などを餌にすることから益虫とされています。
★チャバネヒメカゲロウ ヒメカゲロウ科。体長10ミリ程(?)。出現は4〜11月。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。成虫で越冬します。幼虫は肉食性で多種のアブラムシ類の体液を吸って餌にします。農作物に発生するアブラムシを積極的に捕食してくれるので、益虫として注目されています。アブラムシ類の天敵になる存在とは知りませんでした。幼虫は細長い体形で体色は暗褐色で白色の斑紋があります。 よく似た種類にウスチャバネヒメカゲロウがいますが チャバネヒメカゲロウの方が若干大きくなるそうです。成虫は灯火に飛来します。翅の中央付近から後部にかけて翅脈上に階段状の濃い線が見えます。
チャバネヒメカゲロウ2・6月.JPGチャバネヒメカゲロウ翅脈.JPG
★ウスチャバネヒメカゲロウ ヒメカゲロウ科。体長9ミリ。チャバネヒメカゲロウとよく似ていますがチャバネヒメカゲロウよりも小さい体をしているそうです。ウスチャバネヒメカゲロウの開帳は18ミリ。よく似たチャバネヒメカゲロウの開帳は15〜20ミリになるようです。どちらにしても小さいですね。分布は本州、四国、九州、沖縄。(北海道の分布は不明)。幼虫はアブラムシを食べます。翅には翅の中央付近から後部にかけて翅脈上に階段状の濃い線が見えます。成虫は灯火に飛来します。ウスチャバネヒメカゲロウについては詳しくは分かりませんでした。判別等が難しすぎます。
ウスチャバネヒメカゲロウ?5・24.JPGウスチャバネヒメカゲロウ翅脈1.JPG
とりあえずウスチャバネヒメカゲロウとして紹介します。間違っているかも知れません。判別が難しすぎます。
★コチャバネヒメカゲロウ ヒメカゲロウ科。半透明の茶色い翅に2本程の線が明瞭に見えています。この線に見える部分は翅脈にある黒色の部分が明瞭になって見えているものです。コチャバネヒメカゲロウの特長とすることができます。成虫は灯火に飛来します。詳しくは分かりません。
コチャバネヒメカゲロウ?.JPGコチャバネヒメカゲロウ翅脈の1部.JPG
★ホソバヒメカゲロウ ヒメカゲロウ科。 体長は7〜9ミリ程。開帳は16ミリ。小型のヒメカゲロウです。ホソバヒメカゲロウは横から見ると他の似た種類よりも高さが無く、細長く見えます。名前のように翅が細く見える特徴のあるヒメカゲロウで、翅にはまばらに小さな紋が見えます。ホソバヒメカゲロウは特徴のある体形から、ヒメカゲロウの仲間では名前が分かりやすい種類になると思います。出現は3〜11月。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。小型のヒメカゲロウなのですが、やはり幼虫はアブラムシを餌にします。成虫で越冬します。
ホソバヒメカゲロウ.JPG
ホソバヒメカゲロウの体は他種よりも細長く見えます。特徴は見ての通り小型で細長い体をしていることです。
★ヤマトヒメカゲロウ ヒメカゲロウ科。数の多い普通種になります。ヤマトヒメカゲロウの翅にはチャバネヒメカゲロウやコチャバネヒメカゲロウの様な翅に見える線状の模様は不明瞭で見えません。透明な翅には灰褐色の紋が多くあります。そのことから翅の色は灰褐色に見えます。出現は4〜10月。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。成虫は灯火に飛来します。越冬は成虫で越冬します。開帳が15〜16ミリと言う小型になります。開帳とは翅を広げた時の大きさなので、かなり小さいことが分かります。
ヤマトヒメカゲロウ.JPG
ヤマトヒメカゲロウ。開帳とは翅を広げた時の大きさになります。前翅長を測っておけば良かったです。
上記のヒメカゲロウ科もどれもよく似ていて難解です。どれも同じに見えてきます。間違っている可能性がありますが、あえて名前を当てて紹介して見ました。
・ヒロバカゲロウ科。この仲間は幼虫は水生とされている種類になります。まだよく生態が分かっていない種類になります。幼虫は小型の昆虫を食べる肉食性で、水辺のコケや倒木などを住処にしている半水生になるようです。ヒロバカゲロウ科は水田、沼地などの湿地、流れの緩い水場、流れの弱い小川などに多いようです。成虫もその近辺で発見されるようです。
★キマダラヒロバカゲロウ ヒロバカゲロウ科。前翅長は14〜18ミリ。出現は6〜9月。分布は北海道、本州、四国、九州。幼虫は半水生で肉食性。灯火に飛来します。成虫と幼虫が判明しているのはキマダラヒロバカゲロウだけになります。
キマダラヒロバカゲロウ.JPG
キマダラヒロバカゲロウです。林縁の樹の葉の上にいました。見つけた場所のすぐ近くには、小さな流れのある湿地と小さな流れがある水場があります。前年もこの場所で見つけています。環境からキマダラヒロバカゲロウで良いと思います。
カゲロウの仲間は普通種であっても、興味を持って探さないと見つけにくいかも知れません。またカゲロウの仲間を見つけても似ている種類が多いので、デジカメ等で撮影して特徴を見つけないと種類が分からないことがほとんどだと思います。成虫だけでなく幼虫もとても種類が分かりにくいです。特徴が分かりにくいゴミを背負っているタイプの幼虫だと、名前を調べることはさらに難しくなります。見つけたら写真等で確認できる記録を残しておくと名前が分かるかも知れません。
posted by クラマ at 15:17| Comment(0) | 昆虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月18日

ヨモギハムシ(ハムシ科)。ヨモギにいる色彩に変異のある綺麗なハムシです。

ヨモギハムシは名前にあるようにヨモギに寄生するハムシです。4月頃から見ることができますが産卵が行われる10〜11月頃になると他の昆虫も少なくなるので見つけやすくなります。ヨモギハムシは形はやや細長く見えるハムシの仲間が多い中、背面は丸みがあり盛り上がっていて、どちらかと言うとコガネムシに似た体形をしています。1見、黒く見えるハムシなのですが、色彩には変異があります。金属光沢があるので光の角度によって体色が美しく見えます。ヨモギハムシは北海道から沖縄までと広い範囲に生息していることと、食草が主にヨモギを食べることから地域的に生活史が異なることが知られています。この昆虫は飛ぶのが苦手で、飛んで逃げるよりも脚をたたんで丸くなって地面に落下して死んだふりをします。いざ歩き出すと思ったよりも早く歩いて移動します。ヨモギハムシは昼行性で個体数も多いので、餌のヨモギの株を探すと見つけることができます。秋(9月以降)が産卵期になるのですが、11月半ばでもまだペアを組んでいる個体も多くいます。冬の間に卵を産む地域のヨモギハムシもいます。地域差により産卵期の長さに違いのある昆虫になります。産卵時期の雌は腹部が大きくなるので、雄と雌の区別は簡単になります。普通種のハムシ、ヨモギハムシを調べてみました。
★ヨモギハムシ ハムシ科。体長7〜10ミリ。普通種のヨモギハムシはコガネムシに似た丸味のあるしっかりとした体つきをしています。前胸背板の前縁部は幅があり、両側の前胸背板側縁の先は張り出して見えます。上翅には細かい点刻が見えます。雌は腹部が大きく、体も雄よりも2回り程大きな体つきをしています。黒くて地味なハムシに見えますが、金属光沢が強く小さくても綺麗に見えます。体色には個体変異があり、黒い地色に黄金色、黄銅色、紫藍色、青藍色など変異がある金属光沢が美しいハムシです。腹面にも同様な色の光沢があります。基本的には藍色の系統と銅色の系統の2タイプになります。飛翔性は弱く飛ぶことを得意としません。捕まえても飛んで逃げ出すことよりも歩いて逃げようとします。また危険を感じると脚をひっこめて死んだふり(擬死)をします。ヨモギハムシの出現は4〜11月の年1化。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。平地から山地のヨモギが生えている草原、道端、空き地や人家付近に生息しています。寄生する植物はキク科のヨモギ、セイタカアワダチソウ、ヤマシロギクなどにつきます。ゴボウやキクも餌にするので害虫としての側面もあります。成虫は昼行性で成虫、幼虫共にヨモギを主な餌として葉などを食べます。幼虫は夜行性で土中で蛹になります。越冬は成虫と卵で越冬します。ヨモギハムシは北海道にも生息しているだけに寒さに強い性質があります。神奈川県では気温が下がって他の昆虫の活動が鈍って来る頃(11月)にも見かけることができます食草とするヨモギを例にすると、ヨモギは九州以南では1年中生えているのですが、中部以北では完全に地上部が枯れてしまうので、地域により越冬方法が変わることになります。当然、生活史も北と南に生息する個体だと差異が生じてきます。
ヨモギハムシに似た種類にはアイヌヨモギハムシ、オオヨモギハムシ、ミヤマヨモギハムシがいます。この似ている3種類を比較して調べて見ました。
・アイヌヨモギハムシ。北海道固有種。食草はキク科の植物を食べます。体長は6〜9ミリ。分布は北海道。光沢が強く体色には銅色、赤紫色など地域変異があるようです。後翅は退化していて飛ぶことはできません。主な食草はフキ類、ヨブスマソウ、エゾゴマナなどのようです。
・オオヨモギハムシ。オオヨモギハムシの仲間は後翅が退化していて飛べないと言う変わった特徴があります。体長は7〜12ミリ。分布は北海道、本州北部(南限は岩手県)。本州では青森県と岩手県のみで確認されています。岩手県では準絶滅危惧種になっています。生息数は少なくヨモギハムシよりも大きくてズングリとした体格に見えるそうです。主な食草はフキ類(アキタブキなど)、ヨブスマソウ、エゾゴマナ、ハンゴンソウなどのようです。特徴は前胸背板の側方に明瞭な縦溝があるそうです。神奈川県にはいない種類なので当方は見たことがありません。オオヨモギハムシも体色に変異があり、黒色、赤紫色、青藍色などの色彩がある様です。
・ミヤマヨモギハムシ。準絶滅危惧種(日本のレッドデーター)。分布は北海道。北海道固有種で数が少ない希少種になります。標高の高い場所に生息しています。体長は7〜8ミリ。
似ているといっても神奈川県ではこの似た3種とは地域的に重なることが無いので、識別は容易です。北海道で見つけたら交接器も調べて確認しないと他種との判別は難しくなりそうですね。
ヨモギハムシ.JPGヨモギハムシ顔.JPGヨモギハムシ点刻.JPG
上、ヨモギハムシの雄と雌です。ヨモギハムシはハムシとしては大きい方になります。雄の方が2回り程小さく見えます。雌は羽化したてだと分かりにくいかもしれませんが、秋になると雌の腹部を見ると翅から腹部がはみ出て見えるので判別は容易になります。左側が雄で右の腹面が見えている方が雌です。中、前方から見た所です。両側の前胸背板側縁の先は張り出して見えます。下、上翅にはまばらに点刻があります。擬死をしている所を撮影しました。捕獲地、神奈川県横浜市、みなとみらい。歩道脇のヨモギにいました。都市部にも見事に適応しているようです。飛翔する個体は少ないのですが、雌の方はケースの中で何度か飛んでいました。
色彩にバリエーションを持つ昆虫は探すと面白いです。色彩の違うヨモギハムシを見つけたら写真を追加する予定です。ヨモギハムシは雑草として生えているヨモギを餌にすることから、飼育しやすい昆虫だと思います。稀にいる黄金色のタイプは綺麗そうなので、見つけたら飼育してみたいです。
posted by クラマ at 17:16| Comment(0) | 昆虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月09日

ウンカ科、ヨコバイ科、スケバ科の昆虫を10種類を見つけました。似た昆虫がいて分類が難しい虫達です。

紹介するのはウンカ科(ミドリグンバイウンカ、アヤヘリハネナガウンカ、ヒシウンカ、クサビウンカの1種)。ヨコバイ科(ブチミャクヨコバイ、ミドリヒメヨコバイ、クワキヨコバイ、マエジロオオヨコバイ)。スケバ科(ツマグロスケバ、テングスケバ)の10種類です。
ウンカ、ヨコバイ、スケバは大変良く似ている昆虫で分類が難しいです。どれも小さな体をしているので、意識的に探さないと見つけにくい昆虫になっています。ウンカ、ヨコバイ、スケバの仲間は1見、どれも良く似て見えます。ウンカは小さなセミのように見える姿をした昆虫で、ウンカと言う呼び名はウンカ科に属する昆虫の総称になっています。ウンカは体長が10ミリ以下と小型になり、小さすぎて気にも留められない昆虫になっていると思われます。ウンカの後肢脛節には可動性のある距と言う器官があります。この特徴でヨコバイ科やスケバ科と区別されています。似たような種類の昆虫を見つけても、実際の所は小さな部分なので確認は難しいです。ウンカの多くはイネ科を餌にしています。イネを食害するウンカ(セジロウンカ、トビイロウンカ、ヒメトビウンカの3種類はイネの害虫として有名です)もいるので、どちらかと言うと農業に携わっている方には害虫として有名な存在になっています。農業で害虫としてのウンカ類と呼ぶ場合は、ヨコバイ類も含めた呼び名になるようです。よく似ている昆虫にヨコバイがいます。ちょっと見ただけではどの様な区別をしているのか分かりません。調べてみたら、ウンカとヨコバイの違いは触角に現れ、ウンカの場合、触角の基部が太くなるそうです。小さい昆虫の触角の基部となると、拡大して比較して見ないと判別はできないです。他にも似た種類の昆虫がいるので大変ややこしいです。ウンカは日本に100種類程いるようです。テングスケバはテングスケバ科に属する昆虫の総称で、調べてみるとウンカにある後肢脛節に可動性のある距と言う器官が無いことと、単眼は2個。日本には5種類が確認されているということです。ウンカ、ヨコバイ、スケバはどれも小さくて似ているので、大変紛らわしいです。外見で判別できない種類もいて、何が何だか分からなくなってしまいそうです。しかしこの仲間には綺麗な色をした種類もいるので、探すと意外と面白以下も知れません。名前を当てるのが難しいウンカ科のミドリグンバイウンカ、アヤヘリハネナガウンカ、ヒシウンカ、クサビウンカの1種の4種類。ヨコバイ科のブチミャクヨコバイ、ミドリヒメヨコバイ、クワキヨコバイ、マエジロオオヨコバイの4種類。スケバ科のツマグロスケバ、テングスケバの2種類を調べてみました。
★ミドリグンバイウンカ ウンカ科。普通種で全体的に明るい緑色〜黄緑色に見える綺麗なウンカです。翅は透明ですが、翅の翅脈が緑色なので、葉の上にいるととても見つけにくいです。頭部、胸背部には緑色の3本の縦条が見えます。成虫の体は扁平で葉の上に張り付くように止まっています。この時の姿が相撲の軍配の形に似ていることが名前の由来のようです。体長は5〜6ミリ。出現は7〜10月。分布は本州、四国、九州。広葉樹の葉から汁を吸うようです。クワ、アジサイ、クチナシなど食性は広いようです。広葉樹の無い草原のカナムグラ、ススキの原っぱなどにもいるようで、食性はかなり広そうです。観察エリアではアジサイを探すと簡単に見つけることができます。
ミドリグンバイウンカ1.JPGミドリグンバイウンカ3幼虫.JPG
上、ミドリグンバイウンカです。下はミドリグンバイウンカの幼虫です。淡い緑色が綺麗です。
★アヤヘリハネナガウンカ ハネナガウンカ科。体長は5ミリ前後。翅端までだと16ミリ程。翅の大きなウンカで、翅の模様が綺麗です。アヤヘリハネナガウンカの体色は橙褐色をしていて幅のあるグライダーの翼のような翅があります。透明な翅の外縁は紫褐色をしていて、翅脈は赤色を帯びています。なかなか目立つ個性的な容姿をしているウンカです。頭部には棍棒状の太い突起(触角だと思います)があります。林縁や雑木林で見つけることができますが、個体数は少ないようで、なかなかお目にかかれません。成虫は灯火にも飛来するようです。食性は分かっていません。林縁に生育している植物であることは推測することができます。ウンカの仲間なので植物の汁を餌にしているようです。分布は本州、四国、九州。山地性の強い種類のようです。出現は夏頃(7〜9月)になるようです。日本のレッドデーターでは埼玉県、群馬県、富山県、島根県では準絶滅危惧種に指定されています。森林が減るとさらに減少することが予想されます。
アヤヘリハネナガウンカ1.JPGアヤヘリハネナガウンカ2.JPG
アヤヘリハネナガウンカです。翅を飛行機のように広げてとまります。顔を見るとコウモリを連想してしまう変わった風貌をしています。アヤヘリハネナガウンカの翅は綺麗で個性的です。個性的で不思議な姿をしています。
★ヒシウンカ ヒシウンカ科。ヒシウンカと言うとヒシウンカ科の総称として呼ぶ場合と、その中の1種をさすようです。ヒシウンカ科も大変分かりにくく分類が難しい昆虫です。ヒシウンカはイネ科につく普通種で灯火にも飛来します。ヒシウンカの身体的な特徴は頭の幅が広く、前方に突出しないことです。出現は7〜8月。体長は6〜8ミリ。分布は本州、四国、九州。イネ科植物につきます。
ヒシウンカ(ヒシウンカ科).JPG
ヒシウンカです。笹の葉の上にいました。正確にはヒシウンカの1種(SP)と言うのが妥当です。ここではヒシウンカとして紹介させていただきます。
★クサビウンカの1種。マルウンカ科。この仲間も良くわかりません。似た種類が多くお手上げ状態です。体長は7ミリ前後。クサビウンカとしての分布は本州、四国、九州、沖縄。生態等は良く分かりません。クサビウンカには外来種も侵入しているようです。体色は地味な色(茶褐色、灰褐色等)をしています。
クサビウンカの1種(マルウンカ科).JPGクサビウンカの1種.JPGクサビウンカの1種2.JPGクサビウンカ幼虫.JPG
上のクサビウンカの1種は前年にはエノキに幼虫がいました。正確な判別はできないのですが、クサビウンカの1種になるようです。写真のものもエノキが近くにある場所で見つけました。小さい体なのですが、よく見ると丸っこくてセミに似ていて可愛いです。地色の違いは個体差によるものなのでしょうか。灰色っぽい個体と黒っぽく見える個体がいます。撮影した場所は同じ公園です。ウンカの仲間の幼虫はどの種も実に変わった姿をしています。1番下は幼虫です。
★ブチミャクヨコバイ ヨコバイ科。体長は7〜8ミリ。ブチミャクヨコバイ は変わった顔をしています。頭部は潰したように幅が広くなっているので、顔の幅がとても広く見えるヨコバイです。体の太さもあり、1般的な弱々しく見える体つきのヨコバイとは違って、ガッチリとした体格をしています。ブチミャクヨコバイの翅脈は白と黒の点線模様(ブチ模様)になっていることが特徴になっています。この特徴から名前にブチミャクと付いたようです。出現は6〜9月。分布は北海道、本州、四国、九州。成虫、幼虫共にブナ科の広葉樹の汁を吸います。林や林縁に多い種類になります。ブチミャクヨコバイはアワフキ科の昆虫にもよく似ています。
ブチミャクヨコバイ.JPG
ブチミャクヨコバイです。アップで見ると平べったいブチミャクヨコバイの顔には迫力があります。昆虫をイメージとする顔には見えません。爬虫類の様な顔つきにも見えてしまいます。ちょっと怖さを感じてしまいますが、見慣れるとキモ可愛く見える様になります。ブチミャクヨコバイは林縁の草などの葉の上にいる所を見つけることができます。
★ミドリヒメヨコバイ ヨコバイ科。体長は3ミリ前後。ミドリヒメヨコバイ類は似た種類が多く、チャノミドリヒメヨコバイ、ミカンノミドリヒメヨコバイ、マメノミドリヒメヨコバイ、カキノヒメヨコバイ、キウイミドリヒメヨコバイ、ゴボウノミドリヒメヨコバイなどがいます。外見上の他種との判別が難しいものが多く、翅脈にも変異が現れるようなので正確な判別は難しいです。ミドリヒメヨコバイは柑橘類、キウイの害虫にもなっています。ミドリヒメヨコバイは果実を食害します。ミカンノミドリヒメヨコバイ、チャノミドリヒメヨコバイ も柑橘類につくようです。発生している樹種が大きな決め手の1つになりますが、多食性の昆虫なので紛らわしいです。越冬は成虫で越冬します。出現は5〜11月に多く、5〜8回程発生するそうです。出現するようです。分布は北海道、本州、四国、九州。成虫で越冬する種類なので、暖かい地域ですと1年中見ることができるようです。ミドリヒメヨコバイ類は果実に被害をあたえる害虫として有名です。チャノミドリヒメヨコバイは沖縄にも生息しています。
ミドリヒメヨコバイの1種(笹にいた).JPG
上、正確にはミドリヒメヨコバイの1種とする方が正しいですが。ここではミドリヒメヨコバイとして紹介します。この仲間はよく似ていて、肉眼での判別は不可能なようです。正確な名前を当てるのが難しい超難解の昆虫です。発生している樹種が分かると、種類を絞り込むことはできます。ただし、好みの果実の他、雑草にもいるので判別は難しいです。ヨコバイの仲間は種類も多く未記載種がとても多いそうです。
★クワキヨコバイ フトヨコバイ科。体長は8〜10ミリ。普通種で緑色をしたヨコバイです。頭部に3個の黒点があります(頭部先端にある黒点は1個)。雄と雌で体色が違います。色の濃い方が雄のようです。クワキヨコバイは総称的な呼び名にもなっているようで、外見上の判別が難しい種類もいるようです。出現は5月。分布は北海道、本州、四国、九州。クワ、成虫、幼虫共にイネ科の植物の汁を吸います。卵で越冬します。似た種類にコクワキヨコバイ、オオクワキヨコバイがいて外見での判別は難しいようです。オオクワキヨコバイには会合線に沿って淡い黒色等の筋があるようです。
クワキヨコバイ(フトヨコバイ科).JPGクワキヨコバイ拡大.JPG
クワキヨコバイの1種。判別に自信がないです。この仲間は100種類以上いるうえ、似たものもいて外見での判別が難しいようなので、クワキヨコバイの1種とすることが良いようです。当方には正確な判別はできません。よく見ると小さくて緑色系の可愛い昆虫です。コクワキヨコバイかクワキヨコバイが近いと思います。当方には識別することはできませんが、頭部に3個の黒斑があるのでクワキヨコバイの仲間になります。下は右側の個体をアップしたものです。
★マエジロオオヨコバイ ヨコバイ科オオヨコバイ亜科。体長は雄6ミリ。雌は6・5ミリ。背中に蒼黒い太い帯が見えるヨコバイです。雄の体色は蒼黒く見えます。雌の場合、前胸背の前縁と小楯板が黄色く見え、黄色い部分が雄よりも多く見えます。斑紋には個体差があります。出現は5〜9月。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。ミカン科、バラ科の植物につき成虫、幼虫共に餌として汁を吸います。越冬は卵で越冬します
マエジロオオヨコバイB7・23.JPG
マエジロオオヨコバエの雌。雄の写真も撮りたいのですが、なかなか縁がなくて撮影できないでいます。
・テングスケバ科は日本には5種類がいるそうです。テングスケバ科はヨコバイに近い昆虫になります。
★ツマグロスケバ テングスケバ科。前翅端に黒い斑紋があることからツマグロのスケバと言うことからついた名前のようです。ツマグロスケバは複雑な模様が見える褐色の体に透明な翅をしていて、翅端にある黒い斑紋が特徴です。地色は褐色〜明るい茶色の個体もいるので、地色に個体差があるものと思います。脚には白い帯が何本か見えます。前脚では3本の白い帯が見えます。大型で体長は7〜9ミリ(翅端までは11〜15ミリ程)。出現は7〜10月。分布は本州、四国、九州、沖縄。沖縄にはオキナワテングスケバと言う非常に良く似た種類がいるようです。成虫、幼虫共にアカメガシワの汁を吸います。アカメガシワのある近くの林や草地で見かけます。他の樹種につくかは分かりません。ツマグロスケバは灯火に集まるようで、公園のトイレの壁でも見ることがあります。危険を感じると撥ねて逃げ出します。ツマグロスケバは出現が遅いので卵で越冬するものと思います。
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ツマグロスケバです。この個体の体色は明るい茶色をしています。複眼は縞縞模様に見えて面白いです。普通種でも夜行性なのか、それとも寄生する樹が限られているためか、当方はあまり見かけることはないです。トイレの壁で見ることがあるので、主に夜行性で灯火に集まる習性があるのかと思います。昼間見つける時は葉の上や茎に大人しくとまっています。
★テングスケバ テングスケバ科。体長は10〜12ミリ(翅端まで12〜15ミリ)。淡い鮮やかな緑色の地にオレンジの縦筋模様が綺麗な昆虫です。上から見ると胸背に4本のオレンジ色の縦条線が見えます。外側の線はVの字型にも見えます。テングと名前についているように、テングスケバの特徴は、テングをイメージさせるような長い突起が頭部前面(鼻先)から突き出て見えることです。翅は透き通っていて綺麗です。複眼は縞縞模様になっています。オレンジ色っぽい縞が綺麗です。出現は8〜10月。分布は本州、四国、九州、沖縄。イネ科の植物が生えている林縁や草原にいて、イネ科の植物を餌としています。沖縄にはオキナワテングスケバと言う似た種類のスケバがいます。サトウキビにつくようです。オキナワテングスケバは頭(突き出た部分の上面)と胸部腹面が黒くなっていることが特徴です。
テングスケバ(テングスケバ科).JPG
上、テングスケバです。頭の先(鼻先)が大きく前方に突き出ている特徴があるので、似た種類が多い中でも科を絞り込むことができる種類です。 
紹介したこれらの仲間には綺麗な体色をした種類もいるので、小さくても魅力的な昆虫と言えます。小さな昆虫にも目を向けると楽しいものです。
posted by クラマ at 00:49| Comment(0) | 昆虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする