2016年01月30日

ハナグモ、ワカバグモ、アズチグモ、ガザミグモ。カニグモ科のクモ4種類です。

カニグモ科のクモ4種類の紹介です。この4種類のクモ達(ハナグモ、ワカバグモ、アズチグモ、ガザミグモ)は、花や葉の上にいて獲物が来るのを待ち伏せています。小さなクモですが花や葉の上を探すと見つけることができます。カニグモ科は網を張らない徘徊性のクモになります。動きは緩慢なものが多く、カメラを近づけても怖がって逃げ出すことは少ないです。カニグモ科の特徴として体がやや平たく、脚を平面的に広げて居て、脚は長めになります。ハナグモはその名の通りに花の上によくいます。ワカバグモは花や葉の上で見ることができます。この2種類は数も多く、普通種になるので見たことのある人は多いと思います。緑色を基調とした可愛い色のクモです。アズチグモも葉の上や花にとまっていますが、雄の体色は白い色や黄白色をしている個性派です。小さいので分りにくいかも知れませんが、顔には三角形のサングラスかゴーグルつけたように見える模様があって、なかなかユニークなクモです。ガザミグモはその名前にガザミとついているように、甲殻類のガザミ(ワタリガニ)に似た姿をしています。これらカニグモ科のクモ達には愛嬌があって怖いクモのイメージが湧いてきません。カニグモ科のクモは低い草の上、花や葉の上、枝先、花の近くにいることが多く、獲物の捕らえ方は待ち伏せ型の狩りをします。個体差もあるので探して見ると面白いと思います。クモの発生は過ぎてしまいましたが、カニグモ科のハナグモ、ワカバグモ、アズチグモ、ガザミグモの4種類を調べてみました。
★ハナグモ カニグモ科。 個体数の多い普通種で、網を張らない徘徊性のクモ。長い第1歩脚、第2歩脚を使って獲物を捕らえます。ハナグモは名前のように低い草の上や花で多く見ることができます。幼体は全身緑色をしていて、幼体の時期には雌雄の区別は難しいです。脚を広げて花にとまっている所を良く見かけます。獲物は他の昆虫を待ち伏せて捕える待ち伏せ型の狩りをします。ハナグモの成体の腹背には褐色紋があります。雄の頭胸部と脚は赤褐色をしていて、第1歩脚、第2歩脚には縞模様があります。雌のハナグモの頭胸部と脚は緑色をしています。腹部の色は白っぽく見えます。ハナグモの斑紋には変異が多いです。この褐色の斑紋はドクロに見えたり、宇宙人のグレイに見えたりと様々です。紋の無い無紋型もいます。違った斑紋を持つハナグモを探すのも面白そうです。体長は、雄は3〜4ミリ。雌は6〜8ミリ。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。出現時期は4〜10月(11月)。低山地の日当たりのよい場所を好み、公園、河川敷、草原などに普通に生息しています。産卵期は6〜8月。葉を巻いた巣を作り、その中に産卵します。卵は親が保護します。ハナグモの越冬は成体で越冬します。
★ワカバグモ カニグモ科。 個体数の多い普通種で、網を張らない徘徊性のクモ。都市部から山地まで、広く生息しています。低い草の上や花で多く見ることができます。葉や花の上にいますが、主に葉の上にいて他の昆虫を待ち伏せる待ち伏せ型の狩りをします。体は縦に細長く全身が緑色をした綺麗なクモです。透き通るような緑色、綺麗な黄緑色、淡い緑色をしています。雄の成体は触肢、頭部、胸部、脚の色が桃色(ピンク色)〰赤褐色をしている(色の薄い個体もいます)ので、成熟した雄のワカバグモは頭部前方と第1脚、第2脚の付け根が赤くなる特徴から雌と区別することができます。体長は、雄7〜11ミリ。雌9〜12ミリ。 分布は北海道、本州、四国、九州。出現時期は4〜11月。越冬は成虫で越冬します。秋も深くなってくると緑色の体の色が良く目立ってきます。ワカバグモの成体の雄の赤褐色の個体は、なかなかオシャレで綺麗です。ワカバグモの名前の由来は、若葉の頃に現れる、若葉色をしたクモから来たようです。綺麗な緑色の体色は1見の価値があります。
★アズチグモ カニグモ科。網を張らない徘徊性のクモ。低い草の上や花で多く見ることができます。葉の上などで他の昆虫を待ち伏せる待ち伏せ型の狩りをします。腹部の後方が膨らんだ形をしていて、オニギリを思わせる形をしています。第1脚、第2脚が長いことも特徴になります。体色や斑紋には個体差が多く、雌は白色、黄白色などをしていて斑紋には個体差が多いです。雄は茶褐色をしています。体長は、雄2〰3ミリ。雌6〜8ミリ。分布は本州、四国、九州、沖縄。出現時期は5〜9月。野山の草や低木の葉の上、公園の植え込み、人家付近などにいますが、都市部には少ない種類になります。産卵は7〜8月に行われ孵化は9月になります。越冬は幼体で越冬します。顔には三角形のサングラスやゴーグルにも見える面白い模様があります。顔をマスクで隠しているようにも見えます。アズチグモは個性的な顔をしているクモなのです。アズチグモの最も変わった所は、体の色を変化させることができることです。この色彩変化は短時間では出来ません。2〰3日をかけて行われるようです。例えば黄色い花の上では黄色い体に、白い花の上では白い体の色に色彩を変化させることができます。また紫外線の量でも色彩を変化させることができるようです。周りの紫外線の量により体色を変化させることにより、周囲の色に紛れて獲物を捕らえる(狙う)仕組みのようです。紫外線で色彩を変化させることができるクモには、このアズチグモとヒメハナグモがいます。何とも忍者っぽいクモなのです。
★ガザミグモ カニグモ科。網を張らない徘徊性のクモ。低い草の上や花の上で見ることができますが、花よりも通例、木の上や木の葉の上にいることが多いです。狩りの方法は葉の上などで他の昆虫を待ち伏せる待ち伏せ型になります。ガザミグモは第1脚、第2脚が非常に長く、脚を大きく広げて獲物となる昆虫を待ち伏せします。脚を広げたガザミグモはとても大きく見えます。このガザミグモはカニに似た姿をしています。腹部の左右両脇が大きく張り出していて台形をしています。名前に付いているガザミ(甲殻類のワタリガニ)に似ていてピッタリのネーミングになっています。ガザミグモは雌雄の体色の差がはっきりしているクモで雌雄が別種に見えてしまいます。体長は、雄4〜6ミリ。雌8・5〜12ミリ。カニグモの仲間では大型になります。雄は頭胸部と第1脚、第2脚が黒色。色が濃く光沢があります。雌は全体的に褐色(淡褐色〜褐色、赤褐色)をしています。ガザミグモの体色には個体変化があります。分布は北海道、本州、四国、九州。出現時期は4〜10月。林縁、林道、草原の木や葉の上にいる樹上生、草上性の徘徊性のクモです。越冬は成虫で行われ、樹皮の下に潜っています。
ハナグモ(無紋型)雌.jpgハナグモ2雌.jpgハナグモ追加紋の違うタイプ3.JPGハナグモ紋の違うタイプ4.JPGハナグモ雄・幼体.JPG
上4枚ハナグモの雌です。1枚目はハナグモの雌で無紋型になります。2〜4枚目、ハナグモの雌ですが紋の形がどれも微妙に違う個体です。ハナグモには紋に個体変異があり面白いです。違った紋の形をもつハナグモを見つけるのも楽しいです。個性があって見つけることが楽しくなるクモです。ハナグモは緑色に褐色の紋がある綺麗なクモで、日の当たる花の上にいることが多いので見つけやすいクモと言えます。1番下(5枚目を追加)は雄の幼体です。どうも雄の成体には縁が無いようで、なかなか見つけられません。
ワカバグモ幼体.jpgワカバグモ雌11月雌.jpgワカバグモ雄2.jpgワカバグモ追加(4月).JPG
上4枚、ワカバグモです。1枚目は幼体。2枚目11月に撮影。雌のようです。雌は卵を産んだ後は腹部が細くなってしまうので雄と非常によく似た体形になってしまいます。11月という時期を考えると雌のようです。3枚目、脚に赤い色が見えています。この赤く見える脚が雄のワカバグモの特徴になります。4枚目は4月に撮影した越冬成体です。写真を追加しました。
アズチグモ1.jpgアズチグモ2.jpg
アズチグモです。オニギリの形に似た腹部と顔面の目に部分にある三角形の模様が特徴です。
ガザミグモ雄.jpgガザミグモ雌.JPG
ガザミグモの雄と雌です。上、雄のガザミグモです。建物の壁に居ました。容姿に合った上手い名前が付いていると感心してしまいます。カニっぽく見える面白いクモです。下、ガザミグモの雌です。見ての通り、ガザミグモは雄と雌で色合いが違っています。雌は茶色っぽい体色(淡褐色〜褐色)をしています。ガザミグモは強そうな長くて太い第1歩脚、第2歩脚がひときわ目立っています。第1、第2歩脚は獲物を捕らえるために使われます。大きく広げて待ち構えていると、さらに大きく見えてきます。雌雄ともにがっしりとした体格をしている個性的なクモです。
これらのクモの他の写真が撮れましたら追加していく予定です。
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2015年12月03日

ネコハエトリ、ネコハグモ。葉の上にいる小さなクモです。

今回のクモは猫(ネコ)が名前に付くクモ2種類、ネコハエトリとネコハグモです。ネコハエトリは2度目の登場になります。大きな目と毛深い所が可愛いクモです。上から見ると大きな目が目立ちます。正面から見ると、さらに大きく見えます。このデカい目で獲物を探しているのでしょう。ハエトリグモの仲間は脚が短く、目が大きいという特徴があります。ネコハエトリの雄は基本となる色が黒で、個体変異があっても色の変異は雌程ではありません。雌のネコハエトリは明るい茶色系の色をしているものが多く、腹部が太く大きいうえ雄よりも毛深い特徴があります。雌は雄に比べ色、腹部背面の斑紋など個体差が激しいため、違った模様や色の雌グモを見つけるのも面白いです。昔の遊びの少なかった時代には、ホンチと呼ばれていて、雄のクモ同士を戦わせる遊びがありました。ネコハエトリは葉の上にいる徘徊性のクモで巣を作りません。他の昆虫などを待ち伏せてとびかかって捕え餌にします。大きさは8ミリ程度ですが、中には1センチを超える雄のクモもいます。猫にも色々な柄(模様)と色があるように、このクモも名前にネコが付くように個性的な色と模様が面白いクモになります。ネコハグモはとても小さなクモで体長は3〜5ミリと極小サイズです。普通種で珍しい種類ではないのですが、小さすぎてその存在に気づかれないようです。このクモも色には個体差があります。ネコハグモの幼体は赤い色をしていて、成体になるとまるで別の種類になったように色が変わってしまいます。丸い腹部の茶色いネコハグモは、茶トラ猫のようで可愛く見えます。小さすぎることが残念です。ネコハグモは葉の上にいて、粗末な役に立ちそうもないスケスケのボロボロの巣を張ります。ハッキリ言ってとんでもなく粗末なボロ屋です。この不規則な粗末な網はボロ網と呼ばれます。そのまんまですね。クモの網で獲物をくっつけて捕らえるためのものではないようです。捕える獲物も当然に小物になります。ハダニなどのダニ類、ヨコバエ、小さなハエやカの仲間を餌にします。ネコハグモを見つけようと思ったら、とにかく小さいので、低木の葉の上などをよく見て探さないといけません。どちらの種類も普通種なので注意深く探せば見つかると思います。もしかするとネコに似た色や模様のネコハエトリとネコハグモが見つかるかもしれませんよ。科は違うのですが、猫(ネコ)と名前が付くこの2種類のクモ、ネコハエトリとネコハグモを調べてみました。
★ネコハエトリ ハエトリグモ科。昼行性で葉の上などに普通に見ることが出来るハエトリグモ科のクモになります。体長は約8ミリで雄は5〜7ミリ。ネコハエトリの雄は頭胸部が黒いものが多く、中には白や灰色が入るものもいるようですが、基本となる色は黒色になります。雄の腹部は小さいです。腹部には斑紋がありますが個体変異が大きく紋には色や形に個体差が出ます。斑紋の見えにくい雄もいます。雄の方が雌よりも脚がやや長くなります。雌は8〜9ミリ。雌は全体的に明るい茶色系をしていて、模様や色には個体差があります。雌の腹部は大きいです。体の毛も雌の方が多くなります。分布は、本州、四国、九州。背の低い植え込みや低木の葉の上に住んでいます。巣を作らない徘徊性のクモになります。出現時期は3〜11月で産卵は6月下旬ごろになります。雄の成体の出現期は春〜初夏になります。食性は肉食で餌はハエや小さなハチ、ブヨなど小さい昆虫を食べています。観察していて、自分よりも大きいヤマトシジミを捕らえて食べている所を見つけています。チョウやガの場合、体の部分はそれほど大きくはなくても、自分よりも体の大きく見える昆虫も捕食対象にしているようです。雌の模様の個体差は大きく色々な模様があります。雄の腹部背面の色にも変異が多いので色など個体差を見て楽しめます。越冬は幼体で行われ7齢(亜成体)で越冬します。翌年に8齢で成体になります。寒さをしのぐために越冬用の巣を作り巣の中で越冬します。よく似た種類にマミジロハエトリがいて、特に雌ではマミジロハエトリとの区別がつきにくく良く見ないと間違ってしまいます。ネコハエトリは数も多く見つけやすい普通種になります。ちょこまかと動くネコハエトリには愛嬌を感じてしまいます。探せば見つかるクモなので色の違い等を観察すると面白いです。
★ネコハグモ ハグモ科。体長は3〜5ミリ(雌は4〜5ミリ、雄は3〜4ミリ)普通種でとても小さなクモです。出現期は6〜11月。8〜9月にはペアでいることが多いです。雌が成虫で越冬して巣の中に春になってから産卵します。産卵は6月に行われます。ネコハグモの体色に個体差があり暗褐色や褐色、灰褐色などをしています。腹部背面に黒色斑があります。腹部は白い毛で覆われています。幼体は赤色をしていて成体との色に違いがあります。体も小さいので捕える昆虫もとても小さな種類になります。ダニ、ハダニ、ヨコバエ、小さなハエやカを捕えます。分布は本州、四国、九州。ネット状の粗末な不器用に作られた不規則な網を張ります。網は葉が内側に湾曲した形になっている葉に網をかけて作られます。この雑な網はボロ網と呼ばれています。網(クモの糸)には粘り気がなく、通りかかった昆虫が網が邪魔で動きが取れなくなっている所を捕えるようです。隙間だらけの大雑把な作りの網に、見た目の通りの名前がついていることに笑えてしまいます。庭木の葉の上などにいて白い天幕網を張り雌は越冬します。越冬は成体で越冬します。越冬する成体はすべて雌になります。雄は交接後に越冬することなく死んでしまうので、10月には見ることができなくなります。ネコハグモは普通種なのですが注意して探さないと分からないくらい小さなクモです。活発に動き回ることはなく、獲物がかかるのを待って、ボロ網の中でじっとしています。
似た種類にアシハグモがいます。このクモの出現期は5〜7月でやや高地に住んでいるようです。胸背部が濃褐色〜灰色で、腹部前方中央に中央がくびれた黒斑があるそうです。後方には黒い3横線があるようです。脚は褐色で輪紋があるそうです。分布は本州(主に中部)、四国、九州。しかし、どちらの種類にも個体差などの変異があることから、区別の難しいものもいるようです。
ネコハエトリ雌1.jpgネコハエトリ雌2.jpgネコハエトリ雄.JPG
ネコハエトリの雄と雌の写真です。上2枚。ネコハエトリの雌になります。脚が短く短足でずんぐり体形をしていて愛嬌があり可愛いです。灰褐色の体をしています。上、獲物を捕らえています。獲物を捕らえている時はカメラを近づけても逃げません。捕らえた昆虫を食べるのに夢中です。2枚目、茶褐色系の雌です。3枚目(下)は雄のネコハエトリです。写真を追加しました。さすが雄です。強そうに見えます。雄の紋の違う個体も追加したいです。撮影地、神奈川県横浜市、こども自然公園。
ネコハグモ1.jpgネコハグモ2.jpgネコハグモ追加.JPG
ネコハグモです。こんな色の猫がいてもおかしくないですね。1枚目2枚目は同じ個体です。1枚目(1番上)ではネコハグモの周りに張られた網(クモの巣)が見えています。これはもはや巣などとは言えない代物に見えます。粘り気のない糸でまばらに張られていて雑に見えます。網の作りはボロ網と呼ばれるものになります。餌となる昆虫の捕獲の方法は、小さな昆虫が網が邪魔で動けなくなっていたり、脚を取られてもたついている間に襲いかかるようです。体の小さいクモなので、この粗末な網の構造は、大きな獲物を捕らえることを考えていない小さなクモの理にかなった構造なのかも知れません。ネコハグモの丸い大きな腹部が可愛いく見えます。2枚目、少しだけ大きく拡大したものです。腹部には白く粗い毛が生えています。色、紋の特徴と脚の模様からネコハグモとしました。3枚目、別の個体を追加しました。アシハグモは分布域から考えても神奈川県では見つけられないようです。小さくて注意して探さないと分からない大きさです。網も他のクモのように目立たないものなので、見つける時は低木の葉の上を目を凝らして探して見ると見つかると思います。巣は葉の上(表面)に作ります。葉の中央が内側に湾曲した形の葉を利用して網を張るので、葉の形も見つける時の手掛かりになります。撮影地、神奈川県横浜市こども自然公園。
ネコハグモ雌雄.JPG
上、ネコハグモのペアです。写真を追加しました。同じような大きさに見えます。シャリンバイの葉に巣を作っていました。どちらが雄か雌か見た目では良く分かりません。同じ葉で10月に残っていた方が雌ということになります。撮影地、神奈川県海老名市。
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2015年11月30日

シャコグモ、ヨシシャコグモ、キハダエビグモ、ヤミイロカニグモもしくはアズマカニグモ。エビグモ科とカニグモ科のクモ達です。

シャコグモ、ヨシシャコグモ、キハダエビグモ、とてもよく似ていて判別が難しいクモのヤミイロカニグモもしくはアズマカニグモを見つけました。クモの名前には甲殻類のエビ、カニ、ガザミ、ヤドカリ、シャコのように名が付いています。クモは甲殻類の形に例えて呼ばれていたりしますので、とてもユニークな名前がついています。似た物が多いクモの種類の分類をするうえで、これはなかなか面白いと思います。でもヤドカリグモのように形やイメージが全くヤドカリとは関係のないネーミングになっているクモまでいます。カニグモの名前の付いているクモは何となくカニの甲羅や脚を広げた様子がカニっぽいので、カニのイメージに重ねて見ることができると思います。今回見つけたシャコグモとヨシシャコグモは大変よく似ています。シャコグモとヨシシャコグモはエビグモ科になります。体も細長く脚を伸ばして葉にとまる特徴があるので上手いネーミングだと思います。キハダエビグモは名前についているエビのイメージよりも、姿はカニのイメージの方が近いクモで「エビかよ」と思わず突っ込みを入れたくなります。ヤミイロカニグモとアズマカニグモは判別が難しく、外見での区別は無理なほど酷似しているクモなので、今回はヤミイロカニグモかアズマカニグモのどちらかというアバウトな紹介になってしまいます。見つけた4種類のクモ、シャコグモ、ヨシシャコグモ、キハダエビグモ、ヤミイロカニグモもしくはアズマカニグモを調べてみました。
★シャコグモ エビグモ科。頭胸部、腹部が細長く体長は雄6〜8ミリ、雌8〜11ミリ。分布は本州、四国、九州。出現期は4〜10月。淡黄褐色で細長い体をしています。頭胸部と腹部背面には太い褐色の条線があります。シャコグモの腹部背面の前方と後方に4個の黒点が見えます(2対の黒点)この黒点がシャコグモの特徴になりますが、中には前方に見える2個の黒点が薄く不鮮明な個体もいます。エビグモ科の中では普通種で数も多いです。草原、林縁の草原などの葉の上にいます。巣は作りません。他の昆虫を捕える肉食で、獲物が来るのを脚を前後に伸ばしてジッと待ち伏せします。徘徊性のクモになるのですが、見かける時はいつもじっとしている事が多いクモになります。よく似たスジシャコグモは黒点の数が2個で、本州以北の高地や北海道に生息しています。ヨシシャコグモには黒点はありません。
★ヨシシャコグモ エビグモ科。頭胸部、腹部が細長く体長は6〜10ミリ。比較的に新しく見つかった種類で、詳しくは良く分りません。アシやヨシ、オギなどの生えている水辺や河川敷に生息しています。シャコグモに似ていていますが腹部背面には黒点がありません。この特徴からよく似たシャコグモと見分けることができます。ヨシシャコグモは巣を作らない徘徊性のクモですが、葉などの上で脚を前後に伸ばしてジットしていることが多いです。
★キハダエビグモ エビグモ科。体長、雄4〜6ミリ。雌5〜7ミリ。雌の方が雄よりも黒っぽい体色をしています。分布は北海道、本州、四国、九州。都市部から山地まで生息範囲は広く、太い木の樹皮下を住みかにする徘徊性のクモ似なります。出現は4〜10月。4月の出現は越冬していた個体似なります。キハダエビグモは夜行性で樹木の樹皮の裏などにいる扁平な形のクモです。越冬も樹皮の裏などで行いますが、冬でも餌をとるなど暖かいと活動することが知られています。越冬は幼体、成体で行われます。キハダエビグモには大変面白い特徴があり、体の色を瞬間的に変化させることができます。体色が変化する場所は腹部後端の3分の2で、刺激により色が黒色に変わります。保護色になっている体が小さいことから分かりにくいのですが、普通種なので探せば見つけることができる種類になります。マツなどの樹皮の下に隠れることができる木が探すポイントになります。スギ、ヒノキにもいるようです。小さくてもがっしりとした体格をしたエビグモです。
★ヤミイロカニグモ カニグモ科。普通種で数も多いです。非常によく似た種類にアズマカニグモがいます。外見上の判別はかなり難しい種類になります。体の色、斑紋に個体差が多く、この両種(ヤミイロカニグモとアズマカニグモ)は外見では判断できないほどよく似たクモになります。交接器と触肢の形状に違いがありますが、体色など個体変異があることから、判別がとても難しいクモになります。ヤミイロカニグモは北海道、本州、四国、九州、沖縄。低地から山地の林縁、草むら、公園などに普通に分布しています。体長は雄5〜7ミリ。雌6〜10ミリ。草上性のクモで葉の上などにいて獲物を待ち伏せます。出現は4〜11月。産卵期は5〜6月。越冬は高齢の幼体で樹皮の裏などで越冬します。大変良く似たものがいるアズマカニグモと比べて、数的にはヤミイロカニグモの方が数が多く最も普通に見られることから、確率的にはヤミイロカニグモの可能性の方が高いようです。関東地方ではアズマカニグモも多いようです。ヤミイロカニグモの腹部背面は黒褐色で頭胸部にはやや濃色の褐色の縦帯があるようです。外見上はアズマカニグモにも似た個体があって正確には分からないようです。巣(クモの網を張らない)は作りません。どちらも草の上にいる徘徊性のクモになります。雄のヤミイロカニグモの体色は黒く、雌では色が薄く茶褐色をしています。第1脚、第2脚が太くて長く、台形をした腹部の背面には2本の白い線(横縞)が見えます(細い線を含めて数本見える個体もあります)この線が見えにくい個体もいます。雄は第1脚、第2脚の付け根が黒い色をしています。アズマカニグモは個体数は少ないようです。体長は雄4〜6ミリ。雌5〜11ミリ。大きさはほぼアズマカニグモと同じになります。
シャコグモ.jpgヨシシャコグモ.jpg
上シャコグモです。写りの良い写真が撮れたら差し替える予定です。水田脇の林縁の草の上に居ました。下、ヨシシャコグモです。葦原の脇の公園のトイレの壁に居ました。
キハダエビグモ.jpgヤミイロカニグモかアズマカニグモ.jpg
上、キハダエビグモです。拡大して見ると扁平な体をしているのですが、しっかりとした体格をしています。松の木で見つけました。下、ヤミイロカニグモもしくはアズマカニグモ。外見では私にはハッキリとした区別がつけられません。模様の特徴からヤミイロカニグモの可能性の方が高いのですが、判別に自信がなくて長らく写真をストックしていたものです。この個体は雌で腹部の背面の白い線は不明瞭になっています。撮影地はいずれも神奈川県横浜市、こども自然公園。
ヤミイロカニグモ雄.JPGヤミイロカニグモ雌.JPG
写真を追加しました。ヤミイロカニグモの雄と雌(雌の交接器は確認していないのでアズマカニグモの可能性もあり)です。上の黒い体をしている方が雄で、下の茶色い体をしている方が雌になります。雄の第1脚、第2脚には黒い色が目立ちます。雌雄共に腹部には2本の白い線が見えていて、外見的には基本の体色と斑紋をしている個体になります。雄の場合は雄の触肢の先端部に突起があるものがヤミイロカニグモで、ないものがアズマカニグモになるようです。交接器の違いは楕円形っぽく見える方がヤミイロカニグモで凸に似た形をして見える方がアズマカニグモになるようです。正確な判別は微細な違いを確認する必要が有りますね。撮影地。神奈川県横浜市、こども自然公園。


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