ショウリョウバッタは日本最大のバッタで、雌が大きく雄は雌に比べて小さいです。バッタが嫌いな人にはトラウマになりそうな大きさがありますが、愛嬌のある顔をしたおとなしいバッタです。体色には変異があり、緑色型、褐色型、混合型があります。大きさに差がなければこの3種類は大変よく似ています。この似ている3種類のバッタ、オンブバッタ、ショウリョウバッタ、ショウリョウバッタモドキを紹介します。ショウリョウバッタは普通種の日本最大種になります。長細い体形をしていますが、大型種なので存在感は抜群です。子供の手で持つと余裕ではみ出してしまう大きさです。体の色には個体変異があって、緑色型、褐色型、混合型、稀にピンク型がいて同じ種類のバッタとは思えない体色になっています。
ショウリョウバッタモドキは珍しいバッタになります。多くの県で絶滅危惧種や準絶滅危惧種に指定されています。神奈川県では要注意種になっていますが、出会う機会は多いです。これは私の観察エリアに生息しているという幸運もあると思います。オンブバッタ、ショウリョウバッタ、ショウリョウバッタモドキは顔も体つきも良く似た種類ですが、比較して見ると違いが見えてきます。オンブバッタ、ショウリョウバッタ、ショウリョウバッタモドキを調べてみました。
★オンブバッタ オンブバッタ科。体長 雄は、20〜25ミリ。雌は、40〜42ミリ。分布は、北海道、本州、四国、九州、沖縄。草原や空き地、道端や畑地、公園などの草丈の低い日当たりの良い場所を好みます。出現時期は8〜12月で年1回の発生(年1化)になります。オンブバッタの餌の食性は広く、農作物や色々な草を食べます。成虫には立派な翅はありますが普通は飛びません。脚力を使って飛び跳ねることも苦手です。飛翔可能な翅の長い長翅型モ出るようです。体色の変異が多く、普通は緑色型ですが、褐色型もいます。ピンク色っぽい固体、黄土色っぽい固体もいます。逃げる力(脚力)が弱いので、周りの草に似せた体の色で外敵から身を守る保護色を武器にしているようです。個体差もこの周りの色に溶け込むための色のバリエーションの1つと考えられます。似ているものに、ショウリョウバッタの雄とオンブバッタの雌がいますが、ショウリョウバッタは飛ぶ力があり、後肢(後ろ足)が長いので注意してみれば違いが分かります。昼行性です。大変おとなしいバッタで、草の上にちょこんとのっかています。何でも餌にしてしまいますが、特にキク科の植物が特に好きなようです。キャベツ、ダイコン、ハクサイ、シソ、オクラなど畑作物も食べてしまうので、畑の害虫としても扱われてしまいます。ショウリョウバッタの雄とオンブバッタの雌は大変よく似ていますが、ショウリョウバッタの雄の後ろ足はオンブバッタに比べて長いことで区別ができます。またオンブバッタは葉の上などでのんびりしていて、動きは活発ではありません。指でつついてやっと動くものまでいます。名前の由来のようにオンブしている姿は、繁殖期以外にもよく見られます。雄が楽をしているようにも見えてしまいますね。オンブバッタは卵で越冬します。産卵は10月頃に行われ、土中に卵を産み付けます。翌年の6月頃に孵化します。オンブバッタの顔と前胸側面の下端には白いイボ状の突起が並んでいます。この特徴を覚えておくと似た種類と見分けがつきやすいです。オンブバッタには不思議な行動があることが知られています。それは「糞とばし」です。出した糞を後ろ足を使って蹴り飛ばすというものです。距離は20〜50センチも飛ばすそうで、体長から考えるとものすごい距離になります。この不思議な特技の「糞とばし」行動の意味はまだ解っていないそうです。
オンブバッタです。体色の変異によるうろの違いも面白いです。1枚目は普通に見られる緑色型のペア。上に乗っている小さい方が雄になります。2枚目、褐色型ですが、少し赤みの入った固体で淡いピンク色に近く見えます。3枚目は褐色型です。4枚目、正面から見た顔です。追加しました。頭の先が尖って、3角っぽい顔をしています。私にはこの顔が、ねずみ男に見えてしまうのです。とても可愛い顔のバッタです。もっとサイズが大きかったら良かったのにと思ってしまいます。個体差があるのでオンブバッタの体色の違うものを探すと面白いと思います。温度の影響を受けて体の色が決定されるようです。普通に見かける個体は緑型になります。オンブバッタは愛嬌があり、逃げ回らないうえ、どこにでもいるバッタというところが良いですね。オンブバッタは草丈の低い草原に住んでいます。観察しやすいバッタです。
★ショウリョウバッタモドキ バッタ科。珍しい種類になります。神奈川県では要注意種になっています。生息が局地的で、いる所にはいるけれど、いないところではめったに見ることができないという種類になるようです。東京都、群馬県では絶滅危惧種。高知県、鳥取県、埼玉県、茨城県、山形県では準絶滅危惧種のU類になっています。分布は本州、四国、九州、沖縄。通例やや湿った草原に生息しているといわれていますが、乾いた草原に多く生息しています。湿り気がなくても大丈夫な種類のようです。大きさは体長が雄は、27〜35ミリ。雌が45〜57ミリ。背中が直線的に見えます。体も細長く見えます。体色に変異があります。背中(背部)に見える太い帯の色は茶色で濃い個体や色の薄い個体がいます。通例は緑色の体をしていますが、やや紅色をしたものや褐色の個体もいます。脚力は弱く遠くには飛びません。翅を使って逃げます。それでもあまり遠くには逃げられません。出現期は7〜11月。ショウリョウバッタモドキは大変臆病で、カメラを近づけると、掴まっている葉の裏側に回り込んで逃げよう(隠れよう)とします。よく似たショウリョウバッタは逃げる時に「チキチキチキ」と音を出して飛んで逃げますが、ショウリョウバッタモドキは音を出しません。よく似た3角顔もショウリョウバッタモドキでは顔面が窪んでいません。ショウリョウバッタモドキは昼行性で卵で越冬します。
ショウリョウバッタモドキです。臆病ですぐに隠れようとする習性があるので撮影には苦労します。1枚目、このように草に掴まっているので見つけにくいです。2枚目、位置を横にして見ています。細長い体つきをしています。背面には褐色の帯があります。3枚目、横顔です。4枚目、正面から見た顔です。ショウリョウバッタモドキの顔面は長細い顔をしていますが窪んでいません。顔を見比べると違いが分かりますが、離れていたらオンブバッタやショウリョウバッタの顔と同じように見えてしまいます。4枚は同1個体です。細長い体をしていることと、すぐに葉の後ろに隠れるので、コンパクトデジカメのピントが合いにくく撮影に苦労しました。湿り気のない周りに水場のない草原にいました。
★ショウリョウバッタ バッタ科。別名は多く、チキチキバッタ、キチキチバッタ、ショウジョウバッタ、ハタオリバッタ、オンメなどとも呼ばれています。いかに馴染みの有る種類なのかが分かります。ショウリョウバッタは日本最大のバッタで雌の体の大きさには驚いてしまいます。体長は雄が40〜50ミリ。雌が75〜80ミリ。分布は本州、四国、九州、沖縄。最近では北海道でも見られるようになったようです。日の当たる背丈の高くない草原を好み、土手、道端、空き地、公園最近などで見ることができる普通種です。出現期は7〜11月で年1回の発生(年1化)になります。昼行性で越冬は卵で行います。幼虫は翌年の5〜6月に孵化します。バッタ類では孵化が遅い方になりますが、その後、日本最大の大きさにまで急速に育っていきます。幼虫は小さいうちはオンブバッタに似ています。ショウリョウバッタの体色には変異が多く、緑色型、褐色型、稀にピンク色を帯びたもの、混合型(緑色型に縞模様が入るもの)がいます。横から見ると良く分かるのですが、ショウリョウバッタの顔は窪んでいます。よく似たショウリョウバッタモドキの顔は窪んでいません。ショウリョウバッタもオンブバッタのように大きな雌の背中に雄を乗せている所を見ることも多いです。ショウリョウバッタは飛んで逃げる時に「チキチキチキ」と音を出して遠くまで翅を使って飛んで逃げます。体の大きさは見せかけではなく脚力も飛翔力も強いです。つるんとした愛嬌のある顔をしています。ショウリョウバッタは「ショウリョウバッタ、日本最大のバッタです。」でも紹介していますのでそちらもご覧くだされば幸いです。ショウリョウバッタの雄とオンブバッタの雌はよく似ています。外見上の大きな違いは、後ろ脚の長さに出ます。ジャンプ力の強いショウリョウバッタの後ろ脚は発達していて、とても長いことから、脚の短いオンブバッタと見分けることができます。
ショウリョウバッタです。体の色の違いで緑色型、褐色型、混合型の3タイプに分けることができます。ショウリョウバッタは写真では伝わりにくいことが残念に思えてしまうほど体長のある、とにかく大きいバッタです。1枚目、オンブバッタのように雄が雌の上に乗っています。下の雌は褐色型、上の雄は緑色型で脚が褐色をしています。2枚目、ショウリョウバッタの雄です。大きさの比較が分からない写真だと良く似ていて区別ができません。3枚目、緑色型の雌です。横から見ると顔が窪んでいるのが分かります。雄も雌も写真で見ると区別できないほどよく似ています。4枚目、ショウリョウバッタの混合型の雌です。分かりやすい写真が撮れましたので追加しました。手の上に乗ってもらっての撮影です。5枚目、ショウリョウバッタの雄の正面から見た顔です。正面から見ると顔面が窪んでいることが分かりません。上3枚の写真でも分かるように、草むらにいると大きな体も全く目立たなくなってしまいます。褐色型は葉が枯れてくる時期に合わせた保護色なっています。撮影地、神奈川県横浜市。この3種類はどの種も長細い面白い顔をしたバッタです。とても愛嬌のあるウマヅラをしています(馬よりも長い顔ですけど)細長い顔がよく似ていますが写真で比較して見ると違いが分かると思います。オンブバッタ、ショウリョウバッタ、ショウリョウバッタモドキは捕まえやすい種類なので、観察はしやすいと思います。

