2015年10月17日

サトクダマキモドキ、ヒメクダマキモドキ。クツワムシに似ている大きな緑色のバッタです。

サトクダマキモドキとヒメクダマキモドキを見つけました。サトクダマキモドキもヒメクダマキモドキも樹上性の草食性のキリギリス科ツユムシ亜科の大きなバッタです。大きな幅の広い翅を持っているので、クツワムシの様に鳴くのかと思うと、その鳴き声は体に似合わず小さくて、鳴き声に気が付かないこともあります。キリギリス科のキリギリスやヤブキリのように他の昆虫を捕えて食べることはしません。大人しい草食性のバッタです。10月になると木の上の方から低い位置に降りてくることが多くなり、その姿を見ることができます。鳴き声が小さいので、姿を見ないと生息していることが分からない昆虫です。名前にあるクダマキとはクツワムシの別名で、モドキとは似て非なるものに使われる言葉なので、いかにクツワムシに似ているの想像ができると思います。クツワムシは鳴き声が大きくて、カシャカシャ、とか、ガシャガシャのように聞こえます。クツワムシも木の上の方に住んでいる樹上性になり、同じく姿を見ることが難しい種類になります。サトクダマキモドキは緑色の体をしていて、前脚にはトゲがありません。草食性なので鋭いトゲを使って獲物を捕らえる必要がないからだと思います。非常によく似た種類に標高の高い所に住んでいるヤマクダマキモドキがいます。こちらは前脚が赤っぽい色や茶褐色になっていることで見分けることができます。ヒメクダマキモドキもキリギリス科ツユムシ亜科のバッタで、サトクダマキモドキやヤマクダマキモドキに大変よく似ています。身体的な違いは、ヒメクダマキモドキは小型で雌の産卵管の形状と翅の後端に走っている脈に違いがあります。ヒメクダマキモドキの脈ははっきりとしていて、脈は分枝していません。雌の産卵管の形は同じようなカマ状ですが細くて長く見えます。ヒメクダマキモドキは南方系のバッタで、本州に北上してきた種類になります。サトクダマキモドキもヒメクダマキモドキも同じ自然公園で見つけました。しかし名前が覚えにくいです。難しい名前のサトクダマキモドキとヒメクダマキモドキを調べてみました。
★サトクダマキモドキ キリギリス科ツユムシ亜科。体長は42〜56ミリ。翅端を含めると62ミリにもなる大きさになります。全身緑色をしています。成虫は8〜11月に出現します。分布は本州、四国、九州、沖縄、佐渡島。平地の樹状に住んでいます。果樹園、植え込みなどにも生育しています。雌には反り返ったカマの様な形状をした産卵管があり、これを使って木の枝に卵を産み付けます。産み付ける木の枝は柔らかいものを選ぶようです。夜行性で見る機会は少ないのですが、10月頃から木の低い位置に降りてくることが多くなるので、夕方に見ることができることもあります。灯火に来ることもあるようです。幅のある大きな翅をもっているのですが鳴き声は小さく、チッチッと鳴きます。鳴き声に気が付かないこともあるくらい弱い鳴き方をします。この翅はもっぱら飛ぶために使われるようで、撮影しようと近ずくと翅を広げて飛んで逃げます。不器用に飛翔していることもあります。前脚にはトゲがなく、よく似たヤマクダマキモドキとは脚の色で区別します。サトクダマキモドキの前脚の色は緑色で、ヤマクダマキモドキの前脚は赤っぽい色や茶褐色をしています。ヤブキリにも似ていますがヤブキリの前脚の脛部にはトゲがあります。背中に褐色の色もあるので上から見ると区別しやすいと思います。サトクダマキモドキの胸背部は体と同じような緑色をしています。やはりよく似たクツワムシは翅の幅がもっと広く大きく見えます。サトクダマキモドキは枝に植え付けられた卵で越冬します。卵は翌年の5月頃に羽化します。普通種で数は多いようです。
サトクダマキモドキは野菜を餌にして飼育することができますが、木の枝に産卵することから繁殖は難しいようです。餌にはニンジン、レタス、キュウリを使って飼育することができるようです。
サトクダマキモドキ1.jpgサトクダマキモドキ2.jpg
サトクダマキモドキです。別個体の雌です。緑色でしっかりとした体格をしています。葉と同じ色をしているので、よく見ないと見過ごしてしまいそうです。よく似たヒメクダマキモドキとは脈の違いを比べて見ないと間違いそうになります。撮影場所、1枚目、神奈川県横浜市こども自然公園。2枚目、横浜市南本宿公園。
★ヒメクダマキモドキ キリギリス科ツユムシ亜科。体長は37〜40ミリ。全身緑色をしています。成虫は8〜11月に出現します。分布は本州(房総半島南部以南)、四国、九州、沖縄。温暖化により北上しています。低地の藪や低木を住みかにしている樹上性のバッタです。夜行性で卵で越冬します。雌にはカマ状の産卵管があります。サトクダマキモドキ、ヤマクダマキモドキと大変よく似ています。大きさがヒメクダマキモドキの方が小さいことで、よく似たサトクダマキモドキとヤマクダマキモドキと区別します。翅にある脈に違いがあります。餌は植物の葉、花、花粉を食べます。ツユムシの仲間とは思えないガッシリとした体格の持ち主です。
サトクダマキモドキ雌産卵管.jpgヒメクダマキモドキ雌1.jpgヒメクダマキモドキ雌2.jpg
ヒメクダマキモドキの雌です。産卵管の部分をアップしてみました。産卵管が長いです。ご覧の通りサトクダマキモドキ、ヤマクダマキモドキと色も体型も大変よく似ています。大きさがヒメクダマキモドキの方が小さいことで、よく似たサトクダマキモドキとヤマクダマキモドキと区別することができます。比較する点は翅にある脈に違いがあることです。ヒメクダマキモドキの脈は分岐がなくはっきりとしています。3枚は同じ個体です。撮影場所、神奈川県横浜市こども自然公園。サトクダマキモドキとヒメクダマキモドキは同じ公園で見つけました。写真を見比べて見てもよく似ていることが分ります。近くで特徴を見比べないと間違いそうになります。南方系のこのバッタは横浜に定着できたようですね。
posted by クラマ at 14:09| Comment(0) | バッタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月01日

クルマバッタモドキ、空き地にもいる地味な色をしたバッタです。

クルマバッタモドキはトノサマバッタやクルマバッタに良く似たまだら模様のある褐色の地味な色をしたバッタです。この3種はどれも良く似ています。見分ける方法は胸背部にX字に見える白い紋があるかないかです。クルマバッタモドキには上から見ると、胸背部に見える白いX字の紋があることが特徴になります。それと後翅には半月形の帯があることです。大きさはクルマバッタよりやや小さくなります。クルマバッタには、うっすらと白くは見えるものの明瞭なX字に見える紋がないこと、紋が見えないことで、前胸部が横から見ると大きく盛り上がることで区別します。トノサマバッタの特徴は前翅背面部が体色と同じ色になることです。クルマバッタモドキは数も多く普通に見ることができます。体色には褐色型と緑色型がありますが、ほとんどが褐色型です。住んでいる場所にあった保護色になるらしいです。荒地や空き地の背丈の低い草地や海岸の砂地、裸地に近い荒地、河原などに生息しています。見分けることが難しい緑色型の翅の合わせ目もクルマバッタとは違い緑色にはなりません。似たような白紋のあるバッタにヒナバッタがいますが、ヒナバッタはクルマバッタモドキよりも小型になります。またヒナバッタには色彩の変異が大きいので色から見ても違いを見ることができます。普通に見ることができるバッタ、クルマバッタモドキを調べてみました。
★クルマバッタモドキ バッタ科。体長は雄は28〜30ミリ。雌は45〜55ミリ。出現次期は7〜11月。分布は北海道、本州、四国、九州。年1回の発生。食性は幼虫、成虫共にイネ科の植物の葉を食べます。まだら模様のある褐色型と緑色型があります。昼行性で海岸、河原、草地、荒地などの草丈の低い日当たりの良い場所に生育しています。似ている種類にトノサマバッタ、クルマバッタがいます。地味な褐色の体の色は、荒地や河原、海岸の景色に合わせた保護色になっています。地面の見える荒地や空き地にいるとほぼ気が付かない位に見事な保護色になっています。足元に近づくまでじっと隠れていて、突然足元から飛び立ちますが、あまり遠くには飛ぶことができません。着地した場所で、じっと身をひそめます。着地した場所を見極めてから、そろりと近づけばその姿を見ることができます。クルマバッタモドキの越冬は卵で行います。翌年の4〜6月に卵は孵化します。孵化の幅が広いので成長(羽化の時期)にも幅が出てきます。クルマバッタモドキは普通種で数が多いので簡単に見つけることができます。荒れ地など粗末な環境でも生育できる強い種類のバッタになります。(※全長から体長として書き換えました)
クルマバッタモドキ1.jpgクルマバッタモドキ2.jpg            クルマバッタモドキです。ガッシリとしたバランスの取れた体格をしています。左、薄い褐色をした個体です。右の写真ではフラッシュ撮影のため白いX字型の紋が少し見えにくくなってしまいました。私の観察スポットの公園では、暗くなってからトイレの壁で良くクルマバッタモドキを見つけます。どうやら灯火によって来る性質があるようです。撮影地、神奈川県横浜市こども自然公園。探すとなると見つからないものなのですが、少ないとは言え緑色型の個体も探して撮影してみたいです。実際のところトノサマバッタとクルマバッタの判別は難しくなりますが、クルマバッタモドキの背中にはX字に見える白紋があることで、判別しやすい種類になっています。
posted by クラマ at 01:49| Comment(0) | バッタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月22日

外来種のコオロギの仲間、アオマツムシを見つけました。

どこにでもいる秋の鳴く虫、アオマツムシの雌を見つけました。うるさいほどに鳴いてはいるものの、姿を見ることはほとんどありません。秋も深まると雌は木の幹などで見られるようになって来るようですが、それは産卵のためなのでしょう。いずれにしても見かけ安いのは雌のようです。今回はアカメガシワの樹下の路面で、雌を見つけました。雌は全身緑色です。雄の背中の羽には褐色の複雑なシワがあるので、成虫の雌雄の区別は簡単につきます。アオマツムシは樹上性のコオロギの仲間だそうです。色と形が違いすぎるので本当かな?と疑いたくなるほどです。鳴き方も日本のマツムシとは違います。アオマツムシを調べてみました。
★アオマツムシ 体長 20〜25ミリ。体型は紡錘形で緑色。雌は全身緑色で、雄には背中の中心部に褐色の複雑なシワがあります。出現時期は8〜11月。夜行性。分布は、本州、四国、九州。系外来種ではありますが原産地は特定できていませんが、中国大南部原産と言われています。日本での初記録地は東京都の赤坂榎木坂。ここより全国的に広がっていきました。明治期に侵入したようです。樹上性で年1回発生します。食性は、幼虫は他の昆虫、木の葉を食べます。桜の葉が好きなようです。大変丈夫で繁殖力が強く、産卵はサクラ、コナラ、クリ、ウメ、オウトウなど幅広く産卵するようです。産卵は樹木の茎に産み付けられます。またガードレールの隙間などにも産卵するようです。成虫は葉や果実を加害する害虫としても扱われています。カキ、ナシ、リンゴが加害されます。カキの果実は着色期以降の成熟果を加害して未熟果はあまり加害しません。雑木林や無防除のウメ園のそばでの被害が多いようです。卵で越冬して5〜6月に孵化。成虫とは違い幼虫の体色は赤褐色です。                                      アオマツムシ雌1.jpgアオマツムシ2.jpg
写真でも分かると思いますが、触覚が長いですね。また撮影時に危険を感じて縦長に体を伸ばしています。この虫の特徴のようです。夜行性なのでこの雌は木から落ちてしまったのだと思います。うるさいイメージをもたれる鳴き声も、少ない数だとそれなりに可愛いものです。アオマツムシは温暖化や卵が木について運ばれるなど、寒い地方にも広がっているようです。街路樹でも生育できるので、自然環境が悪化する中でも十分に生き残れる昆虫となるでしょう。雄の写真が取れたら追加させてもらいます。
posted by クラマ at 02:24| Comment(0) | バッタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする