★カラスビシャク サトイモ科ハンゲ属。別名ハンゲ。有毒植物。単子葉植物の多年草。雌雄同株で草丈は20〜40センチ。葉は先のとがった長楕円形。葉は形の整った3小葉ですが変異があります。葉柄にムカゴができます。繁殖は塊茎、ムカゴ、種子で増えます。カラスビシャクは目立たないだけで普通種になります。葉は地面に近い所にあるので、伸びあがった仏炎苞が良く目立ちます。花期は5〜7月。カラスビシャクの名前の由来は、仏炎苞が小さなヒシャクに似ている形をしていること、小型でカラスが使うに丁度よい大きさとして例えられたことで、カラスビシャクの名がついたようです。花に見えるのは花を包んでいる苞で、仏炎苞と呼ばれるものです。花茎は直立し伸びあがります。葉より高い位置で上の方に咲きます。仏炎苞の中に花があります。花の構造は肉穂(にくすい)花序の上半分に雄花が、下半分に雌花が付きます。葉は3出複葉(3小葉)で地下に1センチほどのか球状の塊(塊茎)があり、この塊茎から長い茎のある葉を出します。若く未熟な葉の場合、単葉の葉がでますが成長して行きます。葉も変わっていますね。球状の塊(塊茎)の大きさは1〜2センチ程です。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。畑や林縁、道端に自生しています。適応能力は高いのですが、湿り気のある土質を好みます。栽培する場合は、塊茎かムカゴを使うと失敗が少ないようです。
・カラスビシャクの仏炎苞の基部は開いているものと閉じているものがありました。これは成長の違いなのかとも思いましたが、僅かな個体差もあるようです(成長した仏炎苞は開いているものと思います)カラスビシャクは雌雄同株なので、昆虫を閉じ込めなくても受粉に影響がなければ問題はありません。仏炎苞に閉じ込めて受粉させるも良し、脱出させるも良し、無事に受粉できれば良いということのようです。マムシグサの仲間のような雌雄異株と違い、カラスビシャクとムラサキハンゲの場合は仏炎苞の中に入った昆虫の出入りは自由。授粉できれば問題なしになっているようです。
上、カラスビシャクです。初めは見つけにくい植物ですが、1度見つけると次から探すことに慣れてきます。とは言え、葉の位置が低いので、仏炎苞が見えないと他の植物に葉が隠れてしまいます。このカラスビシャクの葉は細長いです。周りに見える若い葉は丸みが強い卵形に見えるものもあります。葉の形にも成長の度合いでいくつかのパターンがあります。分かりにくいのですが、右下の右角には仏炎苞の背面も写っています。2枚目、カラスビシャクの仏炎苞です。緑色をしていて花の部分は隠れていて見えないです。見えにくくなるので写真を横位置にしています。3枚目、花が見える様に仏炎苞の1部を除去しました。左側の薄い黄緑色に見える部分が雄花のあった部分で、少し離れた所に見える白い環状の部分が雄花に樽部分です。撮影地、神奈川県横浜市、南本宿公園。
上、付属体も含めた写真です。分かりにくくなるので横位置で載せます。カラスビシャクは仏炎苞も付属体も細長いです。
・紫の仏炎苞はムラサキハンゲと呼ばれる変種になります。
★ムラサキハンゲ サトイモ科ハンゲ属。単子葉植物の多年草。有毒植物です。草丈は20〜40センチ。カラスビシャクよりも少なく稀な種類になるようです。ムラサキハンゲはカラスビシャクと仏炎苞の色が違うことで区別されます。色が違うだけでほとんど同じに見えます。紫色を帯びているカラスビシャクと思ってもよいと思います。名前にある様に仏炎苞は紫(紫褐色)に見えます。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。山地から低地の草地、林縁、畑地などに生育します。適応能力は高いのですが、湿り気のある土質を好みます。花期は5〜8月。仏炎苞が紫褐色なので、カラスビシャクよりも見つけやすいです。ムラサキハンゲの仏炎苞にも個体差がって、色の薄いものや紫色に筋が入っているなどムラサキハンゲの場合、仏炎苞の色合いに個体差がでます。見つけた場所の個体群によって雰囲気が代わります。ムラサキハンゲはとても魅力的で面白いです。このことからも分かるように生育する地域によって変異する確率が高い植物と言えるようです。
1番上、ムラサキハンゲの仏炎苞と葉です。2枚目、上の個体群の若い仏炎苞です。伸びあがっていく時の花茎は全体に細くなっていますが、すでに先端部分には薄い紫褐色が見えています。3枚目、上2枚とは違う場所のムラサキハンゲです。仏炎苞の色合いが違っています。こちらは全体が紫褐色をしています。仏炎苞の色彩の違いが面白いです。4、5枚目、3枚目の個体群の仏炎苞です。横位置で角度を変えて見て見ました。バックは岩上生の地衣類(ヘリトリゴケ)です。6枚目、上の仏炎苞を花が見える様に1部を除去しました。花の構造はカラスビシャクと同じです。花の構造が面白いです。仏炎苞の基部側を除去してあります。雌花は外部から見ることができません。可愛そうですが雌花を見るために犠牲になってもらいました。雌花の上に離れて見えるのが雄花の部分になります。撮影地。上2枚、神奈川県横浜市こども自然公園。下4枚横位置が、横浜市、南本宿公園。
上、先に写真で紹介した個体とは雰囲気(色合い)が違うムラサキハンゲです。こども自然公園の別の場所で見つけたものです。南本宿公園の個体と比べるとグラデーション等のバリエーションがあることが分かります。ムラサキハンゲの仏炎苞の色彩は自生する場所が違うと微妙に雰囲気が違っています。変異が多い種類と言われる由縁です。この変異がまた面白いのですが、小さい植物なので見落とされてしまっているのかも知れません。南本宿公園での撮影等は管理者の草刈等、作業中に行わせていただきました。両種とも草刈等に強く、丈夫な雑草です。また来年、興味深い花を見ることができます。

