2018年05月08日

カタバミ、アカカタバミ、タチカタバミ(在来種のカタバミ)と外来種のオキザリスの仲間(オッタチカタバミ、イモカタバミ、ムラサキカタバミ、ハナカタバミ、ベニカタバミ等)を調べてみました。

カタバミの仲間は雑草として有名です。しかし在来種のカタバミも外来種のカタバミ(オキザリス)もよく見るとそれなりに可憐で可愛い花を咲かせています。カタバミ科の植物は在来種だけでなく外来種も雑草として繁殖している繁殖力が強い丈夫な植物です。在来種のカタバミは菜園や庭の手入れが無いいつの間にか姿を現してきます。面白いことに外来種のカタバミの仲間は冬場でも花を咲かせます。多くの草花が休眠している花の少ない時期の冬場に花を咲かせる変わった植物になります。カタバミの仲間として1年を通じて花を見る機会のある植物になるのです。カタバミ科カタバミ属はオキザリスと呼ばれていて、通例、日本でオキザリスと呼ぶ場合は特に園芸品種を指して呼ばれるようです。オキザリスとは属称でカタバミ科の植物の呼び名になります。オキザリスは世界に850種類以上あって形態も特性も様々な植物です。オキザリスと言うと種類の多さから総称的に呼ばれていることになります。オキザリスには夏に休眠するタイプと冬に休眠するタイプがあることから、花の咲く時期はまちまちで花を見る機会は多いです。花の色も実に様々で綺麗なものもあります。1般的にはオキザリスと呼ぶ場合、地下に球根がある園芸品種を指す様です。園芸品種なので、花が大きい種類が多いです。カタバミはハート形の葉が特徴になっています。カタバミと言うと繁殖力が強く、雑草としても有名な植物になっています。日本原産のカタバミの他、イモカタバミ(南米原産、ブラジル、パラグアイ等)、ムラサキカタバミ(ブラジル原産)は外来種になり、野生化して立派な雑草になっています。特にイモカタバミは簡単に見ることができる雑草となっていて、繁殖力がとても強い植物です。どちらもよく似ていますが、花に違いが出ます。雄しべ(約)が黄色い方がイモカタバミでムラサキカタバミの雄しべは白い色をしています。イモカタバミに似ているものに花の色が濃いベニカタバミもあります。外来種のオキザリスの仲間は観賞用として渡来しただけに、在来種のカタバミよりも花が大きく見事です。耐寒性や繁殖力の強さから雑草化が進んでいます。特にイモカタバミやムラサキカタバミはよく目にする雑草になってきました。両種は非常に良く似ているのですが花の特徴を覚えると見分けることができるようになります。
日本に自生している在来種のカタバミ属はクローバーの葉に似た3出複葉で、この3枚の葉は大きさも形もほぼ同じです。日本産のカタバミは伸びあがったバナナやオクラの様な果実を付けます。カタバミの実は面白いことに、熟して来ると指で触れただけで簡単に破裂して、中の種を勢いよく飛ばします。この植物の特徴を利用して、子供の頃に遊んだ記憶のある方も多いと思います。草地、空き地や駐車場、道端など、どこにでも生えているような繁殖力の強い種類です。カタバミの名前の由来は、カタバミの葉は昼間開いていますが、夜になると閉じる特徴があることから、閉じたときの形が葉が半分(片喰)に見えることから来たようです。カタバミの花は昼間は開いていますが、曇った日や雨の日、夕方には花を閉じてしまいます。
日本原産のカタバミは食べられる山野草としても知られています。ただし、蓚酸を多く含んでいるので味は酸っぱくなります。蓚酸を含んだ植物は取りすぎると体に良くないので、食べる際の注意として多食してはいけません。外国では食べる国もあるようですが、日本では食べられる山野草としては好んで食されないようです。当方は試したことが無いので、食べ方や味等は分かりません。姿の似た植物にクローバーの葉があります。形がカタバミに似ています。カタバミと間違ってクローバーの葉を食べても害はないのですが、園芸品種のオキザリスについては毒性などの安全面については全く分かりません。間違って食べて大変なことにならないとも限りません。知らないものは口に入れないことが無難です。むやみに食べることは考えない方が良いと思います。日本在来のカタバミ(カタバミ、アカカタバミ、タチカタバミ)と外来のオキザリスの仲間(オッタチカタバミ、イモカタバミ、ムラサキカタバミ、ベニカタバミ、ハナカタバミ、オキザリス・プルプレア、オキザリス・トライアングラリス)を調べてみました。
・在来種のカタバミの仲間の紹介です。
★カタバミ(別名スイモノグサ、モンカタバミ等) 草丈は4〜10センチ程。茎は地面を這うように成長します。カタバミは地方により別名が沢山ある植物です。日本原産の多年草で、カタバミは駆除が厄介な雑草として繁殖しています。畑地、荒地、草地、空き地や駐車場、道端、アスファルトの隙間など、どこにでも生えている繁殖力の強い種類で、日当たりの良い乾燥した場所を好みます。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。花期は4〜10月。5弁花の小さな黄色い花を咲かせます。花は低い位置に咲きます。葉は小型で淡い緑色が綺麗です。葉は昼間開いて、夜には閉じる特徴があります。よく似た種類に、株が立ち上がって見えるタチカタバミがあります。カタバミの果実は2センチほどで、オクラやバナナを思わせる形をしています。面白いことに熟して来ると指で触れただけで、簡単に破裂して中に沢山詰まっている種を勢いよく散布します。種を散弾銃のように発射するのです。実に不思議な繁殖方法です。カタバミは小型の蝶、ヤマトシジミ(シジミチョウ科)の幼虫の食草としても知られていて、カタバミの生えている所にはヤマトシジミが飛んでいます。よく似た植物に葉の色が違うアカカタバミがあります。在来種のタチカタバミや外来種のオッタチカタバミは葉や花の色も同じですが、花径が立ち上がります。オッタチカタバミは原産地が北アメリカの外来種になります。
カタバミ.JPGカタバミ実と花.JPG
上、カタバミの花。良く知られた有名な雑草の1種で、黄色い花は小さいものの可憐で可愛く見えます。下、葉と花です。果実も見えています。
★アカカタバミ カタバミに良く似ている日本原産の在来種の多年草で、全体的に赤紫色をしたカタバミです。葉の色の違いから形のよく似たカタバミと区別は簡単です。大きさはカタバミよりも全体的に小型になります。以前はウスアカカタバミと言って葉の色にうっすらと赤紫が入っているカタバミを別種としていたらしいのですが、現在はアカカタバミの個体変異として見るようです。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。草地、畑地、空き地など。大変丈夫で道端のアスファルトの隙間に生えていることもあります。花期は4〜10月。5弁花の小さな黄色い花を咲かせます。アカカタバミの花には、花の中心部に近い所に赤い環状に見える部分があります。この赤い色の部分は個体差により、濃い色の個体とあまり目立たない薄い色の個体があります。アカカタバミは繁殖力も強く、雑草としてカタバミと同じような所に生えています。カタバミと同じような果実をつけ、種を飛ばして増えます。背の低い開けた草地や荒地の日当たりの良い乾燥した場所を好みます。
アカカタバミ.JPG
アカカタバミです。春先は特に地面に張り付いて生えているように見えます。アカカタバミの黄色い花の中心部付近には、赤い環状の輪が見えます。写真のアカカタバミの花は、花の中心部に見える赤い色の環状が分かりにくいタイプです。カタバミと似ていますが、アカカタバミは葉の色が赤紫色をしているので分かりやすい種類になります。
★タチカタバミ 日本在来種。草丈は10〜30センチ。茎が立ち上がる特徴があることからついた名前になるようです。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。花期は4〜10月。林縁や草地、畑地、空き地などに生えている花径が立ち上がったカタバミで丈夫な雑草です。5弁花の小さな黄色い花を咲かせます。茎が立ち上がっていないとカタバミと非常に良く似ています。立ち上がっているカタバミには他に、外来種のオッタチカタバミがあります。タチカタバミとオッタチカタバミの両種の大きな違いは種の表面に現れます。タチカタバミの種の表面は茶色く見えますが、オッタチカタバミの種には白い縞状に見える模様が10本ほど見えます。種は小さいのですが、確認すると種の表面にある皺になっている部分が白く見えます。ヤマトシジミ(シジミチョウ科)の幼虫の食草になっていて、タチカタバミ、カタバミの生えている所にはヤマトシジミが飛んでいます。黄色いカタバミの花にとまるシジミチョウも可愛いです。
写真は後日追加する予定です。カタバミに似ていますが、花径が立ち上がっています。
・外来種のカタバミの仲間の紹介です。
★オッタチカタバミ オッタチカタバミは原産地が北アメリカの外来種の多年草です。オッタチカタバミの特徴は草丈が20〜35センチ程もあります。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。畑地、道端、空き地、草原、土手などに生えている雑草です。花期は4〜10月。黄色い花を咲かせます。オッタチカタバミは、茎が太くて立ち上がり葉が固まって生えているように見えます。これは茎から出る葉(茎葉)が対(2本ずつ)で出ることが多い事から、カタバミやタチカタバミよりも、姿がこんもりとしていて、大きく見えます。果実をつけることと花の色が黄色いので、間違いやすいのですが、在来種の似たカタバミよりも大きな株になることが特徴です。他種との違いとして、オッタチカタバミの種には特徴があります。種子の表面にある皺に白い部分があって、10本ほどの縞状の模様が見えます。種子を確認できる時期には種を調べてみると判別が容易になります。植物体には白い微毛が多く密生して生えています。果実は角ばっていて形が野菜のオクラに似て見えます。姿からの印象とは違い、根は細く他種のような立派な太い根はありません。
オッタチカタバミ果実.JPGオッタチカタバミ1.JPGオッタチカタバミ2.JPG
オッタチカタバミです。上、果実です。中、姿は葉が多く立ち上がっていて、こんもりとして見えます。下、茎から出ている葉は2本ずつ出ています。葉が多く出ていて草丈もあることから、姿はこんもりとして見えます。淡い緑色の葉が綺麗です。花の色は黄色い色をしています。
★イモカタバミ(別名フシネハナカタバミ) イモカタバミはブラジル、パラグアイ等の南米原産の多年草で、草丈は30センチ程にもなる大型のカタバミです。イモカタバミの名前の由来は地下にイモ状の塊茎(かいけい)があることによります。花を見ただけでは、なぜに「イモ+カタバミ」なのか分からないネーミングになっています。花が綺麗なので日本には観賞用として渡来しましたが、現在では雑草化していて簡単に探すことができます。目にする機会が多いカタバミになりました。道端、植え込み、草地、畑地、庭などに繁殖しています。葉は淡い緑色で、見た目も質感が柔らかく見えます。葉の表面には光沢がありません。イモカタバミは繁殖力が強く、1株あるとどんどん増えていき大きな株を作ります。普通に引っこ抜いた草むしりだと、地下に球根が残っていて、駆除が難しいぐらいに繁殖力が強くて丈夫です。置いてあった植木鉢に発生していたイモカタバミを引き抜くと小さなイモ状の塊茎が沢山出てきました。最初は(1年目)小さな塊茎から葉が1枚伸びあがっています。増え方は大きな塊茎の上(根元)に小さな塊茎が沢山出来て増殖していきます。草むしりや土を掘り返した時に、この塊茎が1つでも残ると繁殖して翌年又花を咲かせます。分布は北海道、本州、四国、九州。花期は4〜9月。花茎を直立させて花を付けます。花径は2センチ程で、綺麗なピンク色の花を咲かせます。よく似た種類にムラサキカタバミがあります。ムラサキカタバミの花と良く似ていますが、イモカタバミの花は花の色が濃く、イモカタバミの雄しべの葯(ヤク)は黄色をしていて、花は中心部の色も濃いので、花の中心部が淡黄緑色をしたムラサキカタバミの花と区別することができます。またムラサキカタバミの雄しべの葯(ヤク)は白い色をしているので、花をよく見ると区別することができます。園芸品種にシロバナイモカタバミと言う白花種もあります。
イモカタバミ花2.JPGイモカタバミ花.JPGイモカタバミ葉.JPG
上は2枚はイモカタバミの花です。集まって咲いていると濃いピンク色の花は見事でとても綺麗です。下の花は花弁に見える赤い筋が薄く見える花です。花には個体差が出るようです。下は葉と花の様子です。
イモカタバミ.JPGイモカタバミ塊茎.JPG
上は小さな株のイモカタバミの全体の姿です。下はイモカタバミの塊茎です。土中から掘りだして撮影しました。写真は同1個体です。
★ムラサキカタバミ(別名キキョウカタバミ) ムラサキカタバミは南米原産で北米から観賞用として日本に渡来しました。草丈は30センチ程にもなる多年草の大型のカタバミで、要注意外来生物に指定されています。繁殖力が強く、現在は雑草として畑地、道端、空き地等に繁殖しています。生育環境は日当たりの良い肥沃地を好みます。分布は本州(関東地方以西)、四国、九州。花期は5〜7月。群生していることが多く、花茎を直立させて花を付けます。花径は1・5〜2センチ程で、花はイモカタバミに似ていますが、ムラサキカタバミの花の中心部は淡黄緑色をしていて、雄しべの葯(ヤク)は白い色をしています。よく似たイモカタバミの葯は黄色をしています。葉は柔らかい緑色をしています。繁殖は鱗茎で増えていきます。ダイコンのような形をした根の上部に小さな鱗茎を沢山つけます。この小さな鱗茎から増えていきます。排除が難しく草取りで根から引っこ抜いても、この小さな鱗茎が土中に残れば、また新しく芽を出してしまいます。神奈川県では最近良く見かけるようになりました。
ムラサキカタバミ花.JPGムラサキカタバミ葯.JPG 
ムラサキカタバミの花です。群生して花を咲かせていると綺麗です。ムラサキカタバミの花はイモカタバミの花よりも、花の色が薄く雄しべの葯が白い特徴があります。土に鱗茎が混ざっていたのでしょう。植えていないのにベランダにあった植木鉢に生えています。引き抜くだけでは苦にもしないで毎年発生してしまいます。いつの間にか鉢はムラサキカタバミを栽培しているかのようになっています。
★オキザリス・プルプレア(別名オキザリス・バリアビリス、フヨウカタバミ) 南アフリカ原産。耐寒性が強く、塊茎を持つ多年草です。花が冬に咲くオキザリスです。花は直径4〜5センチ程もある大輪で、白い花に花弁の付け根が黄色い可愛い見事な花を咲かせます。葉の形は丸みがあります。花期は10〜12月、2〜4月。オキザリス・プルプレアは他の花が咲かなくなった冬の日中に元気に咲きます。雑草化して道路のアスファルトの隙間から咲いているものもありました。とても丈夫な種類のようです。 オキザリス・プルプレアは人家の周りに逃げ出したものを見ることがあります。日本で帰化が進んでいる植物になるようです。品種が多い種類になるようです。オキザリス・プルプレアは夏に休眠して冬は常緑で過ごします。
オキザリス・プルプレア.JPG
オキザリス・プルプレアは白い花を咲かせます。この白い花も綺麗です。
★オキザリス・トライアングラリス(別名ムラサキノマイ、インカノカタバミ、カラスバオキザリス、サンカクバオキザリス) 原産地ブラジル。花期は4〜10月。花の色は白、淡いピンク。花弁の細い5弁花です。花径は2〜4センチ程ありますが、どちらかと言うと花はあまり目立ちません。花よりも葉の色と形を味わいたいオキザリスです。葉は大きくて、葉の色が紫色〜紫褐色をしていて良く目立ちます。オキザリス・トライアングラリスは名前にあるように葉の形が3角に見える特徴があります。オキザリス・トライアングラリスは耐寒性はあるのですが、冬は葉が枯れてきます。
オキザリス・トライアングラリス1.JPGオキザリス・トライアングラリス2.JPG
オキザリス・トライアングラリスは花よりも葉の形と色に個性があるオキザリスで、葉の形と色を楽しむ種類になります。個体差があるのでしょう。花の花弁が丸みのあるものとやや細長く見えるものがあります。上の花の花弁は丸みを帯びていますが、花弁の細いタイプもあります。下、トライアングラリスの葉です。紫色〜紫褐色をした葉は綺麗です。
★ベニカタバミ(別名オキザリス・ブラジリエンシス) ブラジル原産の多年草。観賞用として大正時代末期に日本に渡来したようです。耐寒性、耐暑性があり丈夫なことから、現在は雑草化しています。分布は本州(関東以西)、四国、九州。ベニカタバミは人家の脇や道端などで見かけることができるようです。開花時期はは4〜9月。ベニカタバミは鮮やかな花の色が特徴的です。イモカタバミに似ていますが、花の色が濃く、花弁もイモカタバミよりも丸みがあります。花径は1・5〜2センチ程。葉はベニカタバミには光沢があり、硬い質感に見え葉にはやや厚みがあります。結実はほとんどしないようで、主に鱗茎で増えるようです。
ベニカタバミ.JPG
ベニカタバミです。イモカタバミに似ていますが花の色が濃いです。葉も緑色が強くしっかりとして見えます。人家の脇の歩道に生えていました。この家の庭から逃げ出したものかも知れません。
★ハナカタバミ(別名オキザリス・ボーウィー) 原産地は南アフリカ。江戸時代に観賞用として渡来したそうです。多年草で草丈は30センチ程。分布は本州(関東以西)、四国、九州。暖地で野生化しています。花期は8〜11月頃。名前に「ハナ」と付いているように、ピンク色の花弁の丸い大型の花を咲かせます。花径は3センチ程もあり、花が大きく美しいカタバミです。逃げ出して野生化しています。塊茎で増える種類なのですが、日当たりの良い道路の脇や道端で見かけることがあります。繁殖力の強さには驚かされます。ハナカタバミの葉柄や花径には微毛が密生しています。葉は緑色で厚みがあります。
オキザリス・ハナカタバミ.JPG
ハナカタバミは暖地では普通に野生化しているようです。花は大きいことが特徴になっています。観賞用として植えられていただけに花は可憐で見ごたえがあります。神奈川県でも道端で見かけることがあります。元は道路に面した庭の花壇等から逃げ出したものだと思います。今後は神奈川県でも温暖化に伴って、綺麗な花を咲かせる雑草として、普通に野生化して広がっていくのでしょう。
カタバミの仲間は綺麗な花を咲かせてくれるので、雑草として道端等で咲いている花を見ると、たかがカタバミと思えなくなってくると思います。種類によって花の時期も違うので、それなりに目を楽しませてくれる植物になると思います。
posted by クラマ at 16:04| Comment(0) | 自然観察・植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月18日

ビロードモウズイカ(マーレイン、マレイン、ニワタバコ)。ビロード状の灰白色の葉を持った大型植物です。

ビロードモウズイカとは変わった響きのある植物の名前をしています。ビロード状に見える葉を持った植物なので、ビロードの部分は植物を見ると分かるのですが、モウズイカの部分が良く分かりませんが、モウズイカ属の植物なので、ビロードのように見える雄しべに毛が生えていることから付いた名前のようです。モウズイとは毛蕊のことで、毛蕊花でモウズイカのようです。ビロードモウズイカは外来種の帰化植物なのですが、日本全国に分布しているので、もはや普通の雑草になっています。環境が良いと2メートルにも達する大きな植物ですが、花は植物体からすると小さなものです。とは言え、黄色い小さな花が密生して咲いていると可愛いものです。葉や茎は白っぽく見える淡い緑色で、背丈の高い大型種なので存在感がある植物で、空き地などに生えていても日本在来種とは明らかに違うと思わせる形をした植物です。周りに背の高い植物がある込み入った環境には生えていないので、荒れ地や造成地を探すと見つけることができると思います。
★ビロードモウズイカ 別名ニワタバコ、マーレイン(マレイン)。ハーブとしてはマーレインと呼ばれています。ゴマノハグサ科モウズイカ属。明治初期(1870年頃)に観賞用として渡来した外来種の帰化植物です。全草に灰白色の短毛を生やしたヨーロッパやシベリヤが原産の2年草になります。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。特に北海道に多い植物になるようです。耐寒性に強く、日当たりの良い砂質の土壌を好みます。野生化して土手地、河原、畑地、道端、空き地、荒れ地、造成地などの開けた場所に生えています。ロゼット状から立ち上がって花を咲かせます。花は5裂しています。草丈は1〜2メートル。最大2メートルほど立ち上がった穂先に咲く花は目を引きます。花は小さく花径が2〜3センチ程の小花を多数付けます。大きく伸びあがっても花茎は分岐しません。花期は8〜9月で花の色は黄色をしています。葉は互生で、基部にある葉は大きく、倒披針形で30〜50センチ程もあります。葉は上部に行くほど小さくなっていきます。葉の色は灰白色から淡い緑色をしています。ビロードモウズイカは荒地に多く生育するだけあって、病害虫に強い丈夫な植物ですが、生育に適した日当たりの良い乾燥した荒地などが少ないことから、爆発的な繁殖には至っていません。色落ちのしにくい花はポプリ、ドライフラワーとして利用されます。葉も乾燥させてクラフト材として利用されるようです。雑草と言う扱いになっていますが、綺麗で役に立つ雑草になっているようです。
ビロードモウズイカ葉.JPGビロードモウズイカ花.JPG
ビロードモウズイカの葉と花。2年目の葉は強いビロード状になります。この葉は花茎から出た葉です。手触りがふわっとしていて植物とは思えない触感をしています。見て分かるように様に、葉の色も変わっています。下、ビロードモウズイカの花は立ち上がった茎の先端に黄色い花を咲かせます。撮影地。神奈川県横浜市、南本宿第三公園。撮影した後、再度行ってみると雑草として刈り取られていました。花壇にあると園芸植物、それ以外では雑草になってしまう植物です。植物の形もさることながら、変わった名前の植物なので、1度名前を聞くとより印象に残るかも知れません。
ビロードモウズイカ.JPGビロードモウズイカ花B拡大追加.JPGビロードモウズイカB追加.JPGブチヒゲカメムシ・ビロードモウズイカに追加.JPG
上、1年目のビロードモウズイカです。ロゼット状をしています。まだ株が小さくても葉が独特なので名前が分かりやすい植物です。地面に砂利がまかれていた造成地の空き地に生えていました。右側に見える黒い部分は砂利の混ざった土になっています。このビロードモウズイカの花茎が伸びあがり花が咲くのは翌年になります。2年草なのですが3年生き残る株もあるそうです。耐寒性もあり丈夫なのですが、湿気が強かったり、日当たりが悪いと消えてしまうことがあります。撮影地。神奈川県横浜市、みなとみらい。2枚目、花の拡大ですが、この花は花弁が開いていないものです。このような花が集まって咲いていることが分かってもらえればと思っています。3枚目、大きく育った2年目の株です。空き地にしっかりと根付いています。下、上の写真の株の花や葉にはブチヒゲカメムシがウジャウジャいました。マメ科、キク科に付くカメムシですが、この株で繁殖したのでしょうか。もう少し早く見て、幼虫を確認できたら良かったと思っています。撮影地。神奈川県海老名市。ビロードモウズイカは観賞用として渡来しただけあって、柔らかい黄色の花は見栄えがあります。最大2メートルにも達する花茎が立ち上がった大型な植物なので、より人目を惹きます。さらに葉を触ってみると手触りの良さに驚かれると思います。とても植物の葉とは思えない柔らかい感触を楽しむことができるので、ぜひ観察することをお勧めする面白い植物です。
posted by クラマ at 20:18| Comment(0) | 自然観察・植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月22日

ミツバ(三つ葉)、ウマノミツバ、カラスビシャク。山菜狩りの前に、知っておいた方が良い葉の形が似た植物です。

山菜としても野菜としても良く知られている植物にミツバ(三つ葉)があります。山地や低地の林縁、林床、草原に自生しています。春の味覚として山菜狩りの獲物として採取する方もいると思います。ミツバ(三つ葉)にはよく似た植物もあるので、これから山菜狩りをしようと思っている方には、注意が必要になります。ウマノミツバは毒性はない様なのですが、食用に適さない不味い植物のようなので、知っていれば無駄な労力を使わなくて済みます。当方の観察エリアでは混在して生えている場所もあります。最も当方観察エリアは公園で、しかも生えている場所は道の脇なので、犬の〇〇を気にしたら見向きもされないと思います。カラスビシャクの葉も3葉であることから、間違われてしまう可能性もあると思います。カラスビシャクは毒成分を含んでいて、葉や花など食べると中毒してしまいます。カラスビシャクに似た植物にはオオハンゲというサトイモ科の植物もあります。スーパー等で売っているミツバをじっくり観察したら間違うことはないと思うのですが、これら似た植物の違いは知っていても損はないと思います。ミツバは日陰のやや湿り気のある場所を好みます。日の当たる場所に生えているミツバは背が低く、色が濃く、苦みや香りなどの成分が強くなります。ミツバ(三つ葉)とミツバに似ているウマノミツバ、カラスビシャクを調べてみました。
★ミツバ(三つ葉) セリ科ミツバ属の多年草。日本原産。名前の由来は、単純に葉が3つに分かれているからのようです。やや湿った半日陰を好み、山野にも普通に見ることができます。野菜としてスーパーでもおなじみです。広く食べられているので、知らない人は少ないと思います。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。花期は6〜7月で、5弁花の白い小さな目立たない花を咲かせます。ミツバは茎が長く直立します。草丈は30〜80センチにもなります。日向に生えるミツバは茎が短く、苦みや香りが強くなります。葉の形は卵形〜楕円に見える卵形で先が尖っています。葉は3葉。小葉は重鋸歯になっています。ミツバには小葉の切れ込みが深いウマノミツバがあります。ウマノミツバは食用にしません。ウマノミツバには毒性はないようですが、食べるとかなり不味いそうです。若いうちは特に葉の切れ込みの弱い葉などがあるので、ミツバとの誤食はかなりあると思います。中毒の記事は新聞等で見かけないので、毒に関してはあるのかないのか分かりません。ウマノミツバの葉は3〜5枚に見え、混在して生えていることもあります。流通しているミツバより、野生のミツバの方が葉の幅が広く大きくなります。
ミツバ野生種1.JPGミツバ野生種2.JPGミツバ庭.JPG
上2枚は野生のミツバです。1番上は草原に生えたいたミツバです。2枚目は竹林の脇に生えていたミツバで、茎が立ち上がる前の状態です。1番下は民家の塀沿いにびっしりと生えていたものです。栄養状態が良いのか、すでに草丈も高く葉も大きく立派でした。
★ウマノミツバ セリ科ウマノミツバ属の多年草。花期は7〜9月。直立して草丈は3〜80センチ程になります。分布は北海道、本州。山菜のミツバに似ていて、山地の林縁や林床に普通に生えています。時に混成して生えています。小葉は5枚が普通ですが、春先の新葉や茎の上部の葉は3枚に見えるものもあるので、山菜狩りをしていた場合、慣れないとミツバとの誤食に注意が必要だと思います。間違って食べても毒性はないようですが、ミツバと違いとても不味い植物のようなので、知っておいた方が良いと思います。葉は脈の部分が凹んでいるので、ミツバより葉の表面が凸凹して見えます。葉の切れ込みが深いことも特徴です。若いツヤのある新葉は美味しそうに見えました。騙されて食べたことのある方もいるのではないのかと思います。
ウマノミツバ1.JPGウマノミツバ2.JPG
ウマノミツバです。上は葉が5枚に見える葉です。これは基本の葉の形になります。注意してミツバと比べると葉の形が違うことが分かりますが、下の若い葉などは3枚の小葉のミツバに似て見えるものもあります。この場合(3枚に見える葉)だと良く似て見えるので、慣れていないと間違ってしまいそうですね。ミツバと比べると葉の切れ込みが深く、葉脈が深いことが分かります。
★カラスビシャク サトイモ科ハンゲ属。別名ハンゲ。有毒植物。単子葉植物の多年草。草丈20〜40センチ。葉は先のとがった長楕円形。葉は形の整った3小葉。葉の付け根にムカゴを付けます。花期は5〜7月。花に見えるのは苞で仏炎苞と呼ばれるものです。仏炎苞は小さなヒシャクに似ている形をしていることから、カラスが使うに丁度よい大きさとして、カラスビシャクの名がついたようです。花茎は直立し、葉より高く、上の方に咲きます。地下に1センチほどの球茎があり、ここから長い茎のある葉を出します。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。畑や林縁、道端に自生しています。細長くこじんまりとした仏炎苞は可愛く見えます。仏炎苞が見えないとカラスビシャクが生えていることに気が付かないことが多いです。苞を付けていないカラスビシャクの葉はミツバに似て見えますので、誤食しないように注意が必要です。観察していると、葉は長細く見える形や丸みのある葉などが混ざっています。ほとんどが長細く見える葉を持った1群もあります。葉の形には変異が出やすいように思いました。
カラスビシャク葉.JPGカラスビシャク苞.JPG
上、カラスビシャクの葉です。写真からも、よく見ると葉の形には違いが見えると思います。下、花(仏炎苞と呼ばれています)です。仏炎苞は上に伸びているのですが、写真では横向きにして写してあります。個性的なカラスビシャクの花は、見慣れてくると可愛く思えてきます。
よく似たオオハンゲも調べてみました。当方はまだ見たことが無い植物になります。オオハンゲはサトイモ科の単子葉植物の多年草で日本固有種のようです。山地の日陰に自生していて、葉柄は長く葉は3深裂で側裂片は非対称になっているようです。花軸は基部も緑色で葉の深裂基部はつながっているようです。草丈40〜60センチ。3深裂の単葉はカラスビシャクよりも大きいようです。カラスビシャクとの違いは、葉の付け根にムカゴができないことになるようです。花期は6〜8月でカラスビシャクに似た仏炎苞を付けるそうです。分布は本州(福井県、岐阜県以西)、四国、九州、沖縄。山地の常緑樹林の林床に生えているようです。
林縁や草原を探してみるとミツバの野生種は意外と普通に見つけることができました。ウマノミツバに至っては、かなりの広範囲に自生していることが分かりました。
posted by クラマ at 20:42| Comment(0) | 自然観察・植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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