2019年06月11日

オオマムシグサ、ミミガタテンナンショウを見つけました。変異が多いマムシグサの仲間の植物です。

マムシグサの仲間は分類が曖昧で似たものが多く、変異も多い種類なので正確には判別が難しいです。専門家でも分類が難しい程で、素人にはザックリと総称でまとめたいと思ってしまう植物です。ここでは見た目の特徴が似ているものの種名を当てました。観察していると何だかわからない配色の仏炎苞をしている個体もあり、見なかったことにしているものもあります。変異は個性的で面白いのですが、種名を当てるとなると、とんでもなく厄介なことになります。テンナンショウの仲間は調べたことがある方では良くお分かりだと思いますが、調べるほどに訳がわからなくなっていきます。ただ、見ているとこの最初は不気味な印象を受ける不思議な形状の植物に、なぜか愛着が湧いてくるようになります。春、花が咲く時期になると、個性的で面白いテンナンショウ属を探すのが面白くなってきます。ただ、何年か前にもあったものがなくなっていたりと、少しずつ数を減らしてきています。気持ち悪い植物と嫌う人と、個性的で面白いという人がいる変わった植物です。この両極的な感覚を与えるテンナンショウ属は興味深い種類だと思います。マムシグサの仲間(テンナンショウ属)は個体差が大きく、実際には見た目で種名を当てて良いのか、大いに迷ってしまいます。ザックリとマムシグサに似た数種類をまとめてマムシグサとする案も出ているようです。専門家ですら意見が割れている種類になるので、間違っていても不思議でもなく、さらには間違っているのかどうかさえ、遺伝子を調べて分類しなければならないような話になってしまいそうで、素人が紹介する植物ではない気がしますが、よく見かける植物なので独断と偏見で名前を当てて紹介することにしました。まずはオオマムシグサとミミガタテンナンショウを調べてみることにしました。
オオマムシグサは「オオ」と付いているだけに、大型のマムシグサと言う名前の由来があるようです。ただ、大きさには個体差があるので、ただ草丈が大きいと(高い)というだけでは判別できません。個体差がある植物だけに、何点か特徴を見つけることが必要になってきます。オオマムシグサに似ている種類にミミガタナンテンショウとムラサキマムシグサがあります。ここで最低限、この3種の違いを調べる必要が出てきます。ミミガタナンテンショウは珍しい種類になるので、オオマムシグサの方が見つける機会は多くなります。よく似た種類を比較して見ました。
☆似ている3種、オオマムシグサ、ミミガタナンテンショウ、ムラサキマムシグサの特徴の比較。
・オオマムシグサ オオマムシグサの花期は5〜7月。仏炎苞は暗紫色、稀に緑色もある様です。緑色の仏炎苞の場合、カントウマムシグサ(仏炎苞が緑色)と判別しないといけません。カントウマムシグサの紫色の仏炎苞をしたものがムラサキマムシグサと呼ばれます。仏炎苞の先は長く垂れ下がる(ムラサキマムシグサに似ますが、ムラサキマムシグサよりも苞の先が垂れ下がる部分が長くなります)。オオマムシグサの付属体の径は10〜12ミリで付属体は棍棒状で乳白色。
仏炎苞筒部は淡緑色〜白色。舷部(げんぶ)は褐色で白い縦筋が目立ちます。ドーム状に盛り上がっているそうです。舷部(げんぶ)とは花弁の基部が細長くて、先端部が広がっているような花冠の場合、広がった先端部を舷部と呼びます。基部の細い部分は爪と呼ぶそうです。表現が専門的すぎて良く分からなくなってしまいそうです。オオマムシグサの口辺部はやや広く開出(広がって見えます)しています。小葉は楕円形で大きいです。
・ミミガタナンテンショウ ミミガタナンテンショウの花期は4〜5月。仏炎苞は濃紫色〜暗紫色で苞の先は垂れないことが多いようです。ミミガタテンナンショウの最大の特徴は仏炎苞の口辺部が左右に開いたように開出します。平たくと左右に飛び出した様な感じになるようです。典型的なミミガタテンナンショウは仏炎苞の先は垂れ下がりません。ただし個体差がある種類なので、垂れ下がっている個体もあると思います。付属体の先端部は棒状〜棍棒状で丸みを帯びて付属体の径は3〜10ミリとされています。小葉は幅が広い卵形〜楕円形。ただし変異もあります。
・ムラサキマムシグサ ムラサキマムシグサの花期は5〜6月。仏炎苞は暗紫褐色を帯びていて縁はやや広く反り帰っていて、白い縦筋が目立ちます。付属体は暗紫褐色で形は先が頭状に膨らんでいます。付属体の径は6〜7ミリ。舷部は筒部に覆いかぶさるようになったドーム状で、長さは7〜12センチと長めです。緑色の仏炎苞をした種類がカントウマムシグサと呼ばれます。しかし、ムラサキマムシグサとカントウマムシグサの中間的な個体も見られます。
注意点として個体差があることから、これら上記の特徴は当てはまらないこともあります。比較を文章で読んでも良く分からいと思いますが、参考にしてみてください。
ミミガタテンナンショウとオオマムシグサを調べてみました。
ミミガタテンナンショウはマムシグサの仲間のヒガンマムシグサの変種で、ヒガンマムシグサやムラサキマムシグサに似ています。ヒガンマムシグサは葉の中肋に沿って、はしばしば白い白斑が入る場合が多いようです。また仏炎苞の色には変異が多く、紫褐色、黄褐色、淡緑褐色、緑色の強い個体などがあり白い縦筋が入ります。ムラサキマムシグサとは仏炎苞の口辺部の張り出し等に違いがでます。テンナンショウの仲間は変異も多いので、判別は難しい植物になります。
ミミガタテンナンショウは珍しい種類の植物になっていて、日本のレッドデーターによると、絶滅危惧T類は千葉県、兵庫県、高知県。絶滅危惧U類は静岡県、長野県。準絶滅危惧種は岩手県、福島県、愛媛県になっています。当方観察地の神奈川県では、ムラサキマムシグサ、カントウマムシグサ、ミミガタテンナンショウが混在しています。紛らわしいというよりも、判別には苦労するものの、色々見ることができるので運が良いと思っています。苞の色や形はオオマムシグサも似ています。思わず「何でこんなに似た種類ばっかりなの」と言葉が出てくる植物です。
★ミミガタテンナンショウ サトイモ科テンナンショウ属の多年草。ミミガタテンナンショウはヒガンマムシグサの変種になっている日本固有種です。草丈は30〜80センチと大型で雌雄同株の有毒植物です。栄養状態により雌株と雄株に代わる面白い特徴があります。雄株では仏炎苞の基部に穴が開いていて昆虫が花粉を付けて脱出できるようになっています。雌株では仏炎苞の基部に穴が開いていません。中に入った昆虫は雄花の花粉をつけていた場合、出口を探して動き回ります。その必死の抵抗により確実に受粉させることができるという仕組みです。ミミガタテンナンショウの特徴は仏炎苞の縁(口辺部)が左右に張り出して見えることです。この特徴を持ったテンナンショウの1種なので、判別が難しい似た種類の多い仲間の中では、比較的に分かりやすい種類になると思います。仏炎苞は濃紫色〜暗紫色で縦筋が見えます。仏炎苞の大きさは基本種よりも大きく、花期は4〜5月。筒部の大きさは4・5〜8センチ。付属体の先端部は棒状〜棍棒状で丸みを帯びています。付属体の径は3〜10ミリとされています。分布は本州(岩手県〜静岡県の太平洋側)、四国(西南部)、九州(大分県)。関東地方、山梨県の低山地。神奈川県ではたまに見る種類です。低山地の山林や林縁に生育しています。葉は2枚。小葉は卵形〜楕円形で幅が広い特徴がありますが、変異も多いようです。小葉は鳥足状で7〜13枚あります。珍しい種類になるので離れているとどの種も似たものが多い事から、見逃してしまうということもあると思います。近づいて特徴を確認すると見つかるかも知れません。
・判別する方法として、ミミガタテンナンショウは仏炎苞の口辺部は左右に開いたように開出して見えます。カントウマムシグサやムラサキマムシグサでは口辺部の巻き込まれる部分の面積が大きいものはあるのですが、左右には広がりません。個体差でこの巻き込みの部分が少ない個体と大きい個体はある様なのですが、左右に広がり(平らに)がない場合、ムラサキマムシグサとしました(素人なので間違いがある可能性はあります)。この判断は見た感じと変異が大きい種類によることからの判断になります。オオマムシグサとも似ていますが、やはり口辺部は左右に広がりません。またオオマムシグサの場合は仏炎苞が大きく垂れ下がっています。典型的なミミガタテンナンショウの場合、仏炎苞の先は垂れ下がらないようです。もちろん必ずとは言い切れませんが、垂れ下がらない個体が多いようです。観察しているとミミガタテンナンショウの仏炎苞は展開した葉の上の方にあります。
ミミガタテンナンショウ1.JPGミミガタテンナンショウ2.JPGミミガタテンナンショウ3.JPGミミガタテンナンショウ4.JPGミミガタテンナンショウ葉.JPG
上、ミミガタテンナンショウ。角度を変えて見て見ました。1番下は葉の様子です。撮影は5月。撮影地。神奈川県横浜市、こども自然公園。
★オオマムシグサ サトイモ科テンナンショウ属の多年草。日本固有種。草丈は30〜80センチ。雌雄同株の有毒植物です。栄養状態により雌株と雄株に代わる面白い特徴があります。雄株では仏炎苞の基部に穴が開いていて昆虫が花粉を付けて脱出できるようになっています。雌株では仏炎苞の基部に穴が開いていません。中に入った昆虫は雄花の花粉をつけていた場合、出口を探して動き回ります。その必死の抵抗により確実に受粉させることができるという仕組みです。葉は2枚。小葉は鳥足状で7〜13枚あります。葉は楕円形で大きいです。分布は本州、四国、九州。山地、森林、林縁など明るい湿った環境を好むようです。茎の模様は紫褐色が多いが、色の濃淡など模様にも変異が多い。仏炎苞の形は仏炎苞は淡紫褐色。大型で白い縦線が入る。口辺部はやや広く開出して広がっています(張り出しはミミガタナンテンショウよりも小さくなります)。オオマムシグサは葉の形状、仏炎苞の形状に変異が大きい種類なので正確な判別は難しいです。仏炎苞の特徴は幅が広く、長く先が垂れ下がる場合が多い事のようです。付属体は棍棒状で  紫褐色の斑があるものや乳白色をしている様です。花期は5〜6月になります。オオマムシグサは日本のレッドデーターによると秋田県、山形県で絶滅危惧T類。愛知県で絶滅危惧U類になっています。オオマムシグサはカントウマムシグサよりも大きいとされていますが、背丈の低いオオマムシグサもあることから、草丈の大きさだけでは判断できません。
オオマムシグサ3.JPGオオマムシグサ緑型.JPGオオマムシグサ緑型。左右の張り出しが強い.JPG
上、オオマムシグサ。口辺部は広く開出して広がっています。仏炎苞はムラサキマムシグサよりも大型で花期がムラサキマムシグサよりも遅いです。舷部はドーム状に盛り上がる。近くの場所のムラサキマムシグサの仏炎苞が枯れるころに目立ってきます。オオマムシグサとして紹介しました。1番上は普通の紫色系になるようですが、苞には緑色が入っています。下2枚は苞が緑色をしている緑色型のオオマムシグサだと思っています。ここではオオマムシグサとして紹介させていただきます。撮影は5月。撮影地。神奈川県横浜市、こども自然公園。
ムラサキマムシグサ1.JPGムラサキマムシグサ2.JPG
上、ムラサキマムシグサです。比較のためにムラサキマムシグサの写真も見てください。上は口辺部を拡大してみた写真です。苞の特徴の1つに舷部が長く垂れ下がることがあります。仏炎苞の縁は巻き込まれます。仏炎苞は暗紫褐色お帯び 付属体は暗紫褐色で先が頭状に膨らんだ棒状です。撮影地。神奈川県横浜市、こども自然公園。ムラサキマムシグサは当方、他記事のブログで紹介しています。似たものや変異が多いのですが、写真は張り出しがオオマムシグサとした写真のものより弱いので、ムラサキマムシグサで良いと思っています(間違っている可能性もあります)とにかく難解な植物です。
写真で3種類のテンナンショウ属を紹介しましたが、変異や個体差が大きい植物で正確な判別は難しいです。どれも同じように見えてきてしまいます。数年前から調べていてやっと紹介するに至りました。間違っていても素人ゆえご容赦願います。1番良いのは図鑑に記載されているものと特徴、容姿ができるだけ1致するものを探すことになりそうです。変異のある植物も面白いのですが、テンナンショウ属の場合は、かなり難解になってしまいます。
以前、カントウマムシグサ、ムラサキマムシグサ、ウラシマソウも記事にしました。注意深く見ないと、これら写真だけを見ると間違い探しになってしまいそうになる植物であることが、いともたやすく見て取れます。見慣れてくると、この奇異な形の個性的な植物が魅力的に思えてくるから不思議です。目を背けないで見かけたら観察することをお勧めします。食べることを考える方はいないと思うのですが、テンナンショウ属の植物は有毒植物なので、決して食べようとは思わないでください。残念なことにテンナンショウ属の植物は年々見る機会が減ってきている感があります。本格的な林や低山地以外ではめっきり数が減っているようです。気持ち悪い植物だと思い、抜き取ったり、けり倒すことは裂けていただきたく思います。テンナンショウ属には日本固有種も多く、しかも絶滅危惧種になっている種も多く、大事にしていきたい植物になってきています。以前観察できた別の公園では、ウラシマソウやマムシグサ(カントウマムシグサ、ムラサキマムシグサ)が絶滅してしまいました。見ることができなくなるのは残念なことです。見た目の悪い(気味の悪い)植物でも、なくなってしまうことは自然界の損失になるので大事に保護していきたいものです。
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2019年05月28日

テイカカズラ、オオイタビ。テイカカズラは捻じれた花で良い香りがします。オオイタビは花が咲かないで実がなる植物です。

テイカカズラの様な植物に見たことのない実がなっている。と不思議に思っていたら、葉が良く似ているオオイタビとテイカカズラが混ざり合って生えていた事が分かりました。葉が似ていて葉を良く見比べないと間違ってしまいます。調べてみたら日当たりの良い場所ではテイカカズラの葉は大きくなることが分かりました。葉が大きくなったテイカカズラとオオイタビが混ざっていたのでした。簡単な区別は葉の裏を見ることです。両種の葉を見比べると葉の脈に大きな違いがでます。その差は1目瞭然で、オオイタビの場合、葉裏が灰白色で葉脈が明瞭に浮き出ています。テイカカズラの場合、葉は薄く脈は浮き出ることがありません。実の違いはテイカカズラの場合は実がなるのですが、対になった長細い実です。オオイタビの場合は、葉の付け根にイチジクに似た形の実がなります。混在していたので、当方が葉の違いをよく観察しないで不思議がっていただけなのでした。テイカカズラの花は独特な形で可愛い白い小さな花です。花弁が捻じれたプロペラやスクリューような変わった形に見えます。小さな花を沢山つけて、とても良い芳香を放ちます。テイカカズラには園芸品種も数種類あって、庭木には葉の色を楽しむ園芸品種の方が良く植えられています。春先の新しい葉の色は魅力的です。テイカカズラの花は、良く知られているジャスミンにも似て見えます。あまりなじみのないオオイタビはイチジクの仲間で、関東地方であまり見ることのない植物です。調べてみたら自生は千葉県以西ということで、南方系の暖かい地方の植物でした。当方観察地でもめったに見ない種類です。オオイタビの実は小さい時からしっかりとしいます。オオイタビの実はイチジクと同じく、花嚢といって内部に花が咲く仕組みになっています。オオイタビはイチジク科なので仕組みが同じなのです。実の形は球形から倒卵形をしたビワやイチジクを思わせる形をしています。見つけたのは公園の斜面のグランドカバーとして植えられているものです。混在しているので意識的に両種を混ぜて植えたようです。当観察地ではオオイタビは珍しいです。オオイタビを見つけた公園では、ある時期に枝の剪定をするので実が熟す前には無くなってしまいます。余計に分からなかった訳です。オオイタビはイチジク科の植物なので、イチジクと同様に花は着きません。果物のイチジクと同じように実の内部に花が付きます。花が変わっているテイカカズラとオオイタビを調べてみました。
★テイカカズラ キョウチクトウ科テイカカズラ属の常緑蔓性木本。別名はマサキノカズラ。キョウチクトウ科なので、テイカカズラにも毒がある有毒植物になります。分布は本州、四国、九州。温暖な場所を好み暖地では普通種で、林内や岩場などの岩場、崖地に自生しています。蔓性で這い上がる性質を利用して緑のカーテンとして使われたり、庭木や公園などの斜面にも植栽されています。10メートル以上に伸びあがることがあります。植栽される場合、北海道や沖縄でも利用されています。耐暑性があり丈夫です。葉は対生で革質をした光沢のある楕円形や卵状披針形。十分に日の当たる場所では葉が大きくなり、林床では小さくなります。冬には紅葉します。枝先や葉腋から集散花序を出します。花時期は5〜6月で花には甘い香りがします。花は集散花序で白色で後に淡黄色を帯びてきます。中心部に黄色い部分が見えます。花冠は5裂していて2〜3センチ程。花の特徴は花の裂片ががねじれて平らに開きます。花弁の幅には個体差があります。やや幅の広い花や細くて風車を思わせるような花もあります。果実は対になる袋果で長さは15〜25センチの円柱形をしています。実は付きにくく、花は咲いてもほとんど結実しないようです。花弁や葉の形に個体変異がある植物です。テイカカズラは病害虫に強く密生します。12〜1月頃、テイカカズラの葉は赤く紅葉します。緑色の葉も涼しげで綺麗ですが、紅葉した赤い葉も綺麗です。良く似た植物にケテイカカズラがあります。ケテイカカズラの若枝や葉裏には毛が多く生えています。分かりやすい見分け方は花筒を見比べます。違いはケテイカカズラの場合、花の花筒の太い部分と細い部分の長さがほぼ同等になることで判別することができます。園芸品種にはハツユキカズラやオウゴンカズラがあります。庭木ではテイカカズラよりも新芽の頃に、葉に赤や白い斑入りのあるハツユキカズラを多く見ます。ハツユキカズラの別名はフイリテイカカズラと呼ばれています。ハツユキカズラは日本で生まれた品種になります。オウゴンカズラの葉には黄色が入り、これら園芸品種は花だけでなく葉の美しさを楽しむ植物になっています。テイカカズラは空気中の湿気を好む植物で、乾燥が苦手なようです。乾燥が進むと葉が落ちてしまうようですが、夏場の乾燥以外は十分適応できるようです。1日強い日が当たる場所よりも半日向を好む植物です。増やし方は挿し木が1般的なようです。
テイカカズラ花.JPGテイカカズラ6弁.JPG
テイカカズラの花です。白い色に黄色味を帯びた個性的な花で、とても良い香りがします。個体変異がある植物で、樹によって花びらの太さには細いものもありました。花は捻じれていて形がスクリューやプロペラ、風車に似ていると言われます。気を付けなければいけないことは、ジャスミンに花や香りが似ている事です。テイカカズラは有毒植物になります。下、6枚の6弁に見える珍しいテイカカズラの花を見つけました。普通は5弁に見える5裂ですが6裂しています。このように開き始めの花は幅が広く見えますが、徐々に細長い花弁の花に見えていきます。テイカカズラの花の変異は少ないようですが、花の形には株により個体差があるようです。上の写真は細く見える株、下は幅が広く見える株の花です。このように良く探すと珍しい6弁に見える花も見つけることができるかもしれません。
テイカカズラ2葉と蕾.JPGテイカカズラ葉表1.JPGテイカカズラ葉裏2.JPG
上、葉と蕾。中、葉の表。下、葉の裏。葉は日当たりが良いと大きくなります。若い葉では特に光沢が強く綺麗なツヤのある綺麗な色をしています。日当たりの良くない場所では葉が小さくなります。
ハツユキカズラ.JPGハツユキカズラ花.JPG
上、ハツユキカズラです。キョウチクトウ科テイカカズラ属の斑入りの園芸品種です。葉の色を楽しむ種類で、芽吹きの新芽の頃は、白い色やピンク色をした葉が鮮やかに目立ちます。葉の大きさは小さいです。下はハツユキカズラの花です。白い色で花冠は5裂する5裂花です。平らに開く白い花は可愛いです。花は5裂して咲いたあと細く見える様になるようです。裂片は時間がたつと捻じれて細く見える様になっていくようで、花の形が平たく見える花と、細い風車の様に見える花が咲いています。ハツユキカズラはもともと花付きは悪い種類のようで、花を見て楽しむ種類にはむいていません。ハツユキカズラは剪定されていると花が咲かないことが多いので、花を見たい場合はあまり剪定をしない方が良いです。剪定していない場合、花は沢山付きます。ハツユキカズラを増やしたい場合などは、挿し木で増やすことができます。成長速度が遅いので、寄せ植えなどに使われることが多いです。庭樹として植えられているので見ることが多い植物です。
★オオイタビ クワ科イチジク属の常緑蔓性木本。雌雄異株。葉には厚みがあり、長さは5〜10センチ。幅は3〜5センチ程。全緑で革質。葉柄は長く楕円形から広卵形。葉先は丸みがありやや尖っています。側脈は4対。葉の裏面は灰白色で葉の脈が浮き上がっていて良く目立ちます。葉は互生します。葉は幼木の葉と成木の葉とでは形が違っています。幼木の葉の場合、葉は小さく側脈の角度が大きくなっています。成木の側脈の角度は測ったことはありませんが、主脈から30〜40度で分枝するようです。オオイタビはイチジク科なので果実の内部に花が咲きます。葉腋に花嚢が1個付きます。 花嚢は3〜6センチ程になるようで、球形〜倒卵形をしているようです。花嚢は雌花嚢は食べられるのですが、雄花嚢は食べられないようです。イチジクコバチ科の寄生により雄花のある雄株の実(果嚢)は虫こぶ(ゴール)になるようです。紛らわしいのですが、実の場合は果嚢と呼ぶようです、果嚢は11月頃、熟すと暗紫色になります。とは言え雌雄の実の判別は難しいようです。その上、食べられる実が付くのは少ないようです。分布は本州(千葉県以西)、四国、九州、沖縄。暖地に多く、林縁に自生します。オオイタビは耐暑性が強く、病害虫、乾燥にも強く、刈込にも強い丈夫な種類になります。壁面緑化用に多く使われますが、観葉植物としても利用されています。観葉植物としての使われる場合葉斑入りの園芸品種が多く使われます。この園芸品種はフィカス・プミラと呼ばれ斑入りの種類になりますが、オオイタビは同じく別名としてフィカス・プミラやプミラとも呼ばれています。増やす場合は挿し木で簡単に増えるようです。挿し木の時期は5〜6月が最適のようです。
オオイタビ葉表.JPGオオイタビ葉裏.JPGオオイタビ葉の比較.JPG
オオイタビです。公園に植えられていました。オオイタビの葉の表。表側からも脈が分かります。2枚目、葉の裏。こちらは葉の脈が綺麗に浮き上がって良く目立ちます。葉の色も乳白色をしています。葉柄もやや長いです。下、葉の比較です。葉の大きさには驚くほどの差がでます。
オオイタビ実1.JPGオオイタビ実2.JPG
葉の付け根の葉腋には実のできる部分が付いていて、この部分(花嚢)が大きくなっていきます。上、まだ小さな実です。実は短毛に覆われています。毛は伏毛になっています。下、やや大きくなった実です。花嚢は5〜6センチ程になるようです。残念ながら剪定されてしまうので、まだ当方は成熟した実を見たことがありません。実の雌雄は判別が難しいようです。調べてみないと分からない実、というところでしょうか。観察してみたいです。
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2019年05月06日

カラスビシャクとムラサキハンゲ。良く似た仏炎苞の色が違うサトイモ科の有毒植物です。

カラスビシャクとムラサキハンゲは良く似ています。どちらも雌雄同株で花の構造は肉穂(にくすい)花序の上半分に雄花が、下半分に雌花が付くという面白い構造をしています。雌花の部分は仏炎苞に包まれていて、外から見ることはできません。カラスビシャクの仏炎苞は緑色ですが、ムラサキハンゲの場合、仏炎苞は紫色を帯びています。花が咲いていないと(仏炎苞がないと)どちらがどちらか分かりません。ハンゲとはカラスビシャクの別名です。カラスビシャクは当ブログ「ミツバ(三つ葉)、ウマノミツバ、カラスビシャク。山菜狩りの前に、知っておいた方が良い葉の形が似た植物です」で紹介していて、2度目の登場になります。ムラサキハンゲは色の違う品種になります。カラスビシャクとムラサキハンゲが同じ場所に自生していることもあります。共に変異がある種類になりムラサキハンゲの方はやや稀な種類になりますが、カラスビシャクは道端や畑の脇などにも自生していて、普通に見つけることができます。カラスビシャクは古い時代に中国から渡来した帰化植物(史前帰化植物)といわれています。カラスビシャクは小型で全体が緑色なので、他の草と混ざって気が付かないだけで、探すと見つけることができると思います。花を包んでいる仏炎苞の形が気持ち悪いと言う人と、変わった形が面白いと言う人と、好みが分かれる、なかなかの面白植物です。仏炎苞の長さは5〜6センチ程で花序の付属体は糸状に直立して伸びています。当方はこの個性的な形が好きです。ヘビが嫌いな人にとっては、この独特な形の仏炎苞が、鎌首を持ち上げたヘビの頭にも似て見えるので、見たくない植物になるかも知れません。ムラサキハンゲは個体群によって色の濃淡などの変異があるので面白いです。小さくて探しにくいかも知れませんが、変異のある植物なので、探すと面白いです。
★カラスビシャク サトイモ科ハンゲ属。別名ハンゲ。有毒植物。単子葉植物の多年草。雌雄同株で草丈は20〜40センチ。葉は先のとがった長楕円形。葉は形の整った3小葉ですが変異があります。葉柄にムカゴができます。繁殖は塊茎、ムカゴ、種子で増えます。カラスビシャクは目立たないだけで普通種になります。葉は地面に近い所にあるので、伸びあがった仏炎苞が良く目立ちます。花期は5〜7月。カラスビシャクの名前の由来は、仏炎苞が小さなヒシャクに似ている形をしていること、小型でカラスが使うに丁度よい大きさとして例えられたことで、カラスビシャクの名がついたようです。花に見えるのは花を包んでいる苞で、仏炎苞と呼ばれるものです。花茎は直立し伸びあがります。葉より高い位置で上の方に咲きます。仏炎苞の中に花があります。花の構造は肉穂(にくすい)花序の上半分に雄花が、下半分に雌花が付きます。葉は3出複葉(3小葉)で地下に1センチほどのか球状の塊(塊茎)があり、この塊茎から長い茎のある葉を出します。若く未熟な葉の場合、単葉の葉がでますが成長して行きます。葉も変わっていますね。球状の塊(塊茎)の大きさは1〜2センチ程です。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。畑や林縁、道端に自生しています。適応能力は高いのですが、湿り気のある土質を好みます。栽培する場合は、塊茎かムカゴを使うと失敗が少ないようです。
・カラスビシャクの仏炎苞の基部は開いているものと閉じているものがありました。これは成長の違いなのかとも思いましたが、僅かな個体差もあるようです(成長した仏炎苞は開いているものと思います)カラスビシャクは雌雄同株なので、昆虫を閉じ込めなくても受粉に影響がなければ問題はありません。仏炎苞に閉じ込めて受粉させるも良し、脱出させるも良し、無事に受粉できれば良いということのようです。マムシグサの仲間のような雌雄異株と違い、カラスビシャクとムラサキハンゲの場合は仏炎苞の中に入った昆虫の出入りは自由。授粉できれば問題なしになっているようです。
カラスビシャク葉の細いタイプ.JPGカラスビシャク仏炎苞.JPGカラスビシャク花.JPG
上、カラスビシャクです。初めは見つけにくい植物ですが、1度見つけると次から探すことに慣れてきます。とは言え、葉の位置が低いので、仏炎苞が見えないと他の植物に葉が隠れてしまいます。このカラスビシャクの葉は細長いです。周りに見える若い葉は丸みが強い卵形に見えるものもあります。葉の形にも成長の度合いでいくつかのパターンがあります。分かりにくいのですが、右下の右角には仏炎苞の背面も写っています。2枚目、カラスビシャクの仏炎苞です。緑色をしていて花の部分は隠れていて見えないです。見えにくくなるので写真を横位置にしています。3枚目、花が見える様に仏炎苞の1部を除去しました。左側の薄い黄緑色に見える部分が雄花のあった部分で、少し離れた所に見える白い環状の部分が雄花に樽部分です。撮影地、神奈川県横浜市、南本宿公園。
カラスビシャク花2.JPG
上、付属体も含めた写真です。分かりにくくなるので横位置で載せます。カラスビシャクは仏炎苞も付属体も細長いです。
・紫の仏炎苞はムラサキハンゲと呼ばれる変種になります。
★ムラサキハンゲ サトイモ科ハンゲ属。単子葉植物の多年草。有毒植物です。草丈は20〜40センチ。カラスビシャクよりも少なく稀な種類になるようです。ムラサキハンゲはカラスビシャクと仏炎苞の色が違うことで区別されます。色が違うだけでほとんど同じに見えます。紫色を帯びているカラスビシャクと思ってもよいと思います。名前にある様に仏炎苞は紫(紫褐色)に見えます。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。山地から低地の草地、林縁、畑地などに生育します。適応能力は高いのですが、湿り気のある土質を好みます。花期は5〜8月。仏炎苞が紫褐色なので、カラスビシャクよりも見つけやすいです。ムラサキハンゲの仏炎苞にも個体差がって、色の薄いものや紫色に筋が入っているなどムラサキハンゲの場合、仏炎苞の色合いに個体差がでます。見つけた場所の個体群によって雰囲気が代わります。ムラサキハンゲはとても魅力的で面白いです。このことからも分かるように生育する地域によって変異する確率が高い植物と言えるようです。
ムラサキハンゲこども自然公園.JPGムラサキハンゲ若い仏炎苞.JPGムラサキハンゲ南本宿公園・仏炎苞.JPGムラサキハンゲ1.JPGムラサキハンゲ2.JPGムラサキハンゲ花.JPG
1番上、ムラサキハンゲの仏炎苞と葉です。2枚目、上の個体群の若い仏炎苞です。伸びあがっていく時の花茎は全体に細くなっていますが、すでに先端部分には薄い紫褐色が見えています。3枚目、上2枚とは違う場所のムラサキハンゲです。仏炎苞の色合いが違っています。こちらは全体が紫褐色をしています。仏炎苞の色彩の違いが面白いです。4、5枚目、3枚目の個体群の仏炎苞です。横位置で角度を変えて見て見ました。バックは岩上生の地衣類(ヘリトリゴケ)です。6枚目、上の仏炎苞を花が見える様に1部を除去しました。花の構造はカラスビシャクと同じです。花の構造が面白いです。仏炎苞の基部側を除去してあります。雌花は外部から見ることができません。可愛そうですが雌花を見るために犠牲になってもらいました。雌花の上に離れて見えるのが雄花の部分になります。撮影地。上2枚、神奈川県横浜市こども自然公園。下4枚横位置が、横浜市、南本宿公園。
ムラサキハンゲ花比較2.JPGムラサキハンゲ花比較3.JPG
上、先に写真で紹介した個体とは雰囲気(色合い)が違うムラサキハンゲです。こども自然公園の別の場所で見つけたものです。南本宿公園の個体と比べるとグラデーション等のバリエーションがあることが分かります。ムラサキハンゲの仏炎苞の色彩は自生する場所が違うと微妙に雰囲気が違っています。変異が多い種類と言われる由縁です。この変異がまた面白いのですが、小さい植物なので見落とされてしまっているのかも知れません。南本宿公園での撮影等は管理者の草刈等、作業中に行わせていただきました。両種とも草刈等に強く、丈夫な雑草です。また来年、興味深い花を見ることができます。
posted by クラマ at 15:03| Comment(0) | 自然観察・植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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