2017年08月18日

ビロードモウズイカ(マーレイン、マレイン、ニワタバコ)。ビロード状の灰白色の葉を持った大型植物です。

ビロードモウズイカとは変わった響きのある植物の名前をしています。ビロード状に見える葉を持った植物なので、ビロードの部分は植物を見ると分かるのですが、モウズイカの部分が良く分かりませんが、モウズイカ属の植物なので、ビロードのように見える雄しべに毛が生えていることから付いた名前のようです。モウズイとは毛蕊のことで、毛蕊花でモウズイカのようです。ビロードモウズイカは外来種の帰化植物なのですが、日本全国に分布しているので、もはや普通の雑草になっています。環境が良いと2メートルにも達する大きな植物ですが、花は植物体からすると小さなものです。とは言え、黄色い小さな花が密生して咲いていると可愛いものです。葉や茎は白っぽく見える淡い緑色で、背丈の高い大型種なので存在感がある植物で、空き地などに生えていても日本在来種とは明らかに違うと思わせる形をした植物です。周りに背の高い植物がある込み入った環境には生えていないので、荒れ地や造成地を探すと見つけることができると思います。
★ビロードモウズイカ 別名ニワタバコ、マーレイン(マレイン)。ハーブとしてはマーレインと呼ばれています。ゴマノハグサ科モウズイカ属。明治初期(1870年頃)に観賞用として渡来した外来種の帰化植物です。全草に灰白色の短毛を生やしたヨーロッパやシベリヤが原産の2年草になります。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。特に北海道に多い植物になるようです。耐寒性に強く、日当たりの良い砂質の土壌を好みます。野生化して土手地、河原、畑地、道端、空き地、荒れ地、造成地などの開けた場所に生えています。ロゼット状から立ち上がって花を咲かせます。花は5裂しています。最大2メートルほど立ち上がった穂先に花径が2〜3センチ程の小花を多数付けます。大きく伸びあがっても花茎は分岐しません。花期は8〜9月で花の色は黄色をしています。葉は互生で、基部にある葉は大きく、倒披針形で30〜50センチ程もあります。葉は丈夫に行くほど小さくなっていきます。葉の色は灰白色から淡い緑色をしています。ビロードモウズイカは荒地に多く生育するだけあって、病害虫に強い丈夫な植物ですが、生育に適した日当たりの良い乾燥した荒地などが少ないことから、爆発的な繁殖には至っていません。色落ちのしにくい花はポプリ、ドライフラワー。葉は乾燥させてクラフト材として利用されるようです。
ビロードモウズイカ葉.JPGビロードモウズイカ花.JPG
ビロードモウズイカの葉と花。2年目の葉は強いビロード状になります。この葉は花茎から出た葉です。手触りがふわっとしていて植物とは思えない触感をしています。下は先端に咲く黄色い花です。撮影地。神奈川県横浜市、南本宿第三公園。撮影した後、再度行ってみると雑草として刈り取られていました。花壇にあると園芸植物、それ以外では雑草になってしまう植物です。植物の形もさることながら、変わった名前の植物なので、1度名前を聞くとより印象に残るかも知れません。
ビロードモウズイカ.JPG
1年目のビロードモウズイカです。ロゼット状をしています。地面に砂利がまかれていた造成地の空き地に生えていました。右側に見える黒い部分は砂利の混ざった土になっています。このビロードモウズイカの花茎が伸びあがり花が咲くのは翌年になります。2年草なのですが3年生き残る株もあるそうです。逆に湿気が強かったり、日当たりが悪いと消えてしまうこともあります。撮影地。神奈川県横浜市、みなとみらい。
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2017年05月22日

ミツバ(三つ葉)、ウマノミツバ、カラスビシャク。山菜狩りの前に、知っておいた方が良い葉の形が似た植物です。

山菜としても野菜としても良く知られている植物にミツバ(三つ葉)があります。山地や低地の林縁、林床、草原に自生しています。春の味覚として山菜狩りの獲物として採取する方もいると思います。ミツバ(三つ葉)にはよく似た植物もあるので、これから山菜狩りをしようと思っている方には、注意が必要になります。ウマノミツバは毒性はない様なのですが、食用に適さない不味い植物のようなので、知っていれば無駄な労力を使わなくて済みます。当方の観察エリアでは混在して生えている場所もあります。最も当方観察エリアは公園で、しかも生えている場所は道の脇なので、犬の〇〇を気にしたら見向きもされないと思います。カラスビシャクの葉も3葉であることから、間違われてしまう可能性もあると思います。カラスビシャクは毒成分を含んでいて、葉や花など食べると中毒してしまいます。カラスビシャクに似た植物にはオオハンゲというサトイモ科の植物もあります。スーパー等で売っているミツバをじっくり観察したら間違うことはないと思うのですが、これら似た植物の違いは知っていても損はないと思います。ミツバは日陰のやや湿り気のある場所を好みます。日の当たる場所に生えているミツバは背が低く、色が濃く、苦みや香りなどの成分が強くなります。ミツバ(三つ葉)とミツバに似ているウマノミツバ、カラスビシャクを調べてみました。
★ミツバ(三つ葉) セリ科ミツバ属の多年草。日本原産。名前の由来は、単純に葉が3つに分かれているからのようです。やや湿った半日陰を好み、山野にも普通に見ることができます。野菜としてスーパーでもおなじみです。広く食べられているので、知らない人は少ないと思います。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。花期は6〜7月で、5弁花の白い小さな目立たない花を咲かせます。ミツバは茎が長く直立します。草丈は30〜80センチにもなります。日向に生えるミツバは茎が短く、苦みや香りが強くなります。葉の形は卵形〜楕円に見える卵形で先が尖っています。葉は3葉。小葉は重鋸歯になっています。ミツバには小葉の切れ込みが深いウマノミツバがあります。ウマノミツバは食用にしません。ウマノミツバには毒性はないようですが、食べるとかなり不味いそうです。若いうちは特に葉の切れ込みの弱い葉などがあるので、ミツバとの誤食はかなりあると思います。中毒の記事は新聞等で見かけないので、毒に関してはあるのかないのか分かりません。ウマノミツバの葉は3〜5枚に見え、混在して生えていることもあります。流通しているミツバより、野生のミツバの方が葉の幅が広く大きくなります。
ミツバ野生種1.JPGミツバ野生種2.JPGミツバ庭.JPG
上2枚は野生のミツバです。1番上は草原に生えたいたミツバです。2枚目は竹林の脇に生えていたミツバで、茎が立ち上がる前の状態です。1番下は民家の塀沿いにびっしりと生えていたものです。栄養状態が良いのか、すでに草丈も高く葉も大きく立派でした。
★ウマノミツバ セリ科ウマノミツバ属の多年草。花期は7〜9月。直立して草丈は3〜80センチ程になります。分布は北海道、本州。山菜のミツバに似ていて、山地の林縁や林床に普通に生えています。時に混成して生えています。小葉は5枚が普通ですが、春先の新葉や茎の上部の葉は3枚に見えるものもあるので、山菜狩りをしていた場合、慣れないとミツバとの誤食に注意が必要だと思います。間違って食べても毒性はないようですが、ミツバと違いとても不味い植物のようなので、知っておいた方が良いと思います。葉は脈の部分が凹んでいるので、ミツバより葉の表面が凸凹して見えます。葉の切れ込みが深いことも特徴です。若いツヤのある新葉は美味しそうに見えました。騙されて食べたことのある方もいるのではないのかと思います。
ウマノミツバ1.JPGウマノミツバ2.JPG
ウマノミツバです。上は葉が5枚に見える葉です。これは基本の葉の形になります。注意してミツバと比べると葉の形が違うことが分かりますが、下の若い葉などは3枚の小葉のミツバに似て見えるものもあります。この場合(3枚に見える葉)だと良く似て見えるので、慣れていないと間違ってしまいそうですね。ミツバと比べると葉の切れ込みが深く、葉脈が深いことが分かります。
★カラスビシャク サトイモ科ハンゲ属。別名ハンゲ。有毒植物。単子葉植物の多年草。草丈20〜40センチ。葉は先のとがった長楕円形。葉は形の整った3小葉。葉の付け根にムカゴを付けます。花期は5〜7月。花に見えるのは苞で仏炎苞と呼ばれるものです。仏炎苞は小さなヒシャクに似ている形をしていることから、カラスが使うに丁度よい大きさとして、カラスビシャクの名がついたようです。花茎は直立し、葉より高く、上の方に咲きます。地下に1センチほどの球茎があり、ここから長い茎のある葉を出します。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。畑や林縁、道端に自生しています。細長くこじんまりとした仏炎苞は可愛く見えます。仏炎苞が見えないとカラスビシャクが生えていることに気が付かないことが多いです。苞を付けていないカラスビシャクの葉はミツバに似て見えますので、誤食しないように注意が必要です。観察していると、葉は長細く見える形や丸みのある葉などが混ざっています。ほとんどが長細く見える葉を持った1群もあります。葉の形には変異が出やすいように思いました。
カラスビシャク葉.JPGカラスビシャク苞.JPG
上、カラスビシャクの葉です。写真からも、よく見ると葉の形には違いが見えると思います。下、花(仏炎苞と呼ばれています)です。仏炎苞は上に伸びているのですが、写真では横向きにして写してあります。個性的なカラスビシャクの花は、見慣れてくると可愛く思えてきます。
よく似たオオハンゲも調べてみました。当方はまだ見たことが無い植物になります。オオハンゲはサトイモ科の単子葉植物の多年草で日本固有種のようです。山地の日陰に自生していて、葉柄は長く葉は3深裂で側裂片は非対称になっているようです。花軸は基部も緑色で葉の深裂基部はつながっているようです。草丈40〜60センチ。3深裂の単葉はカラスビシャクよりも大きいようです。カラスビシャクとの違いは、葉の付け根にムカゴができないことになるようです。花期は6〜8月でカラスビシャクに似た仏炎苞を付けるそうです。分布は本州(福井県、岐阜県以西)、四国、九州、沖縄。山地の常緑樹林の林床に生えているようです。
林縁や草原を探してみるとミツバの野生種は意外と普通に見つけることができました。ウマノミツバに至っては、かなりの広範囲に自生していることが分かりました。
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2017年05月12日

ハナミズキ(花水木)とヤマボウシ(山法師)。大変よく似た植物です。

5月になると華やかな花を咲かせるハナミズキとヤマボウシが目立つようになってきます。ハナミズキとヤマボウシの花はそっくりです。樹形も葉の形も同じに見えます。生えている場所も似ていて、街路樹、公園樹、庭木とどちらも同じように使われています。どちだったかな?と思いながら花を見ている方も多いことと思います。花が咲き終わらないと見分けがつかない位に良く似た植物です。ヤマボウシは食用になる赤く熟す球形の実を付けますが、ハナミズキの赤い実は小さく細長い果実が数個付きますが、まずくて食用にはならないそうです。どちらも園芸品種も多いのでちょっと見ただけでは分かりにくいです。比較のためにヤマボウシは当ブログ、再度の登場になります。等ブログ「ヤマボウシ。花と食べられる赤い実が楽しめる植物です」でヤマボウシの記事を書いているので、ヤマボウシに興味があればそちらも参照してみてください。ハナミズキとヤマボウシを調べてみました。
★ハナミズキ(花水木)ミズキ科ミズキ属。アメリカ原産の落葉高木。高さは5〜12メートルですが、日本では5〜6メートルのものが多く、あまり大きくならないようです。ハナミズキの樹皮は灰黒色で細かいひび割れが見えます。別名はアメリカヤマボウシこの名前の由来はアメリカから渡来下ヤマボウシに似た植物であることからついた名前のようです。英名はドックウッド。犬のノミ対策に薬として使われたことからついた名前のようです。ハナミズキは日本がソメイヨシノをアメリカに送った返礼として日本に送られてきたという話があります。花が紅色に見える種類はベニバナハナミズキと呼ばれています。葉は対生で側脈がはっきりと見えます。葉の形は楕円形から卵円型で、よく見ると葉の形は少しずつ微妙に違って見えます。葉の長さは8〜15センチ。葉の裏面には白い短毛が生えています。秋には赤く紅葉します。花は4月〜5月に白〜ピンク色、淡い紅色などの花を咲かせます。花の花期は長く、大きな花弁に見える部分は総苞になります。ハナミズキの総苞片の先は窪んでいます。この特長を覚えておくと良く似たヤマボウシと区別がつきやすくなります。本来の花は小さく中心に固まって見える部分になります。ハナミズキの花は4枚の大きなハナビラにみえて綺麗です。観賞用としての園芸品種が多い種類です。実は核果で楕円形で9〜10月に赤く熟します。試したことはありませんが、実は大変まずく食用には適さないようです。野鳥ではオナガ、ムクドリ、ヒヨドリ等が実を食べにきます。鳥にしてみると、最後まで実のついている他の種類の木もあることから、まだ美味しい部類に入るのかと思います。
ハナミズキ.JPG
上、ハナミズキの花です。よく見ると花弁に見える総苞の先は窪んでいます。葉の形はハナミズキももヤマボウシもよく似ていますが、ハナミズキの方が長細く見えます。
★ヤマボウシ(山法師)別名ヤマグルマ、ヤマグワ、コクワダンゴギなど別名は多い植物です。ミズキ科ミズキ属の日本固有種の落葉高木。高さは10〜15メートル。樹形は整っていて選定は必要ない部類の植物で幹の色は灰褐色をしています。雌雄同株で非常によく似た近縁種にアメリカヤマボウシ(ハナミズキ)があります。ヤマボウシの名前の由来は、白い花(総苞片)を頭巾に見立て、花の部分を坊主頭に見立てたところからついた名前のようです。分布は本州、四国、九州、沖縄。やや湿気を好み、雑木林など山野に自生しています。街路樹、庭園、庭木、公園などに良く利用されているので簡単に見つけることができます。花びらに見える4枚の白い部分は総苞片都呼ばれる部分で、本来の花は中央の丸く見える部分になります。花は球形で集合花と呼ばれる花になります。よく見ると小さな花が20〜30個が集まっていることが分かります。総苞片とは花序(花の集まった部分)を保護する苞葉で、苞葉とは葉が変態した変態葉になります。花序全体の基部を包む苞として、花を保護するために形を変えた葉になります。自生種の花の色は白色ですが、園芸品種も多くヤマボウシの花の色は、白、ピンク、帯緑色などがあります。花の柄が長く、花は天(上)を向いて咲きます。よく似たヤマボウシとハナミズキの花の特徴には、よく見ると違いがあることが分かります。違いはハナビラにみえる総苞の先に出ます。ヤマボウシの花びらに見える部分(総苞)は尖っていて、ハナミズキの場合は窪んでいます。花期は5〜7月で総苞は落ちないで残るので、花として長く見ることができます。果実は球形をしていて8〜9月に赤く熟し食べることができます。ヤマボウシの実の付き方は変わっていて、実が上向きに付きます。柄がしっかりしているので球形をした実が上を向いてなっています。形はサクランボを思わせるトゲトゲのある実が、赤く熟して上を向いて実っているのも見ごたえがあります。花の段階では見分けが難しい両種ですが、実が付くと1目瞭然で見分けがつきます。実には1〜5個の種子が入っています。秋に赤く熟す実は甘く、果実酒、ジャム、生食として利用されます。食べる所は少ないのですが、生食の実の味は個人的には甘くて美味しいと思います。どうも生食の場合、味に好き嫌いが出るようです。葉の付き方は対生で、葉の形は卵円形や楕円形で葉脈がはっきりしています。葉先は尖っていて葉の長さは4〜12センチ。葉脈がはっきりしています。10月頃から徐々に紅葉していくので、紅葉を楽しむこともできます。葉の形は、よく似たハナミズキの葉よりも丸みがあります。ヤマボウシも品種を改良されたものも多く、食用に特化した果実の大きなファスティーハード(白花)、ミルキーウェイ(白花)、ビッグアップル(やや黄色を帯びた白花)という種類があります。実の収穫もできる種類は庭木にすると花、紅葉、収穫と3通りの楽しみ方ができます。花にこだわるなら華やかな赤花も綺麗です。赤花系にはサトミ(赤色を帯びた白花)、ゲンペイ(赤と白が分かれて見える花)、ベニフジ(赤花)などの品種があり用途により好みのヤマボウシを選ぶことができます。食用に適した果肉部分の多い大粒の実のなるヤマボウシも食べて見たくなります。
ヤマボウシ花.JPGヤマボウシ葉1.JPGヤマボウシ葉2.JPG
上、ヤマボウシの花です。下2枚は同じ木に生えていた葉です。葉の形は整っていないで、同じ木でも若干の違いがあります。葉の形はヤマボウシの方が丸みを帯びます。比べて見ると同じにしか見えなかった植物でも違いを見つけることができます。
posted by クラマ at 15:35| Comment(0) | 自然観察・植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする