2013年07月30日

タイワンリスを調べてみました。

タイワンリスについて調べてみました。正式にはクリハラリスと言うそうで、腹の部分が栗色であることからついた名前のようです。日本ではクリハラリスと言うよりもタイワンリスの名で呼ばれることが多いようです。タイワンリスは台湾に生息しているクリハラリス属の1亜種で、クリハラリスの台湾固有亜種になります。クリハラリス(タイワンリス)の腹の部分の色には2タイプあり、この栗色のタイプと灰色の全体が同じ色のタイプになります。栗色のものは静岡県に多く、灰色のタイプは神奈川県に多いもので、鎌倉より分布を広げたようです。私の観察エリアの神奈川県横浜市こども自然公園では、やはり鎌倉から移動してきたものと思われます。自然での寿命は普通2年未満。長くても4〜5年だそうです。天敵はワシ、タカになるようですが、神奈川県ではほぼ天敵はないと言う状況です。ヘビも子リスを襲うようですが、前回のリスの巣を発見したように、木の上部に巣を作るので、普通のヘビはそこまで登りきるのは大変な事で、ヘビによる被害の確立は低いと思います。天敵になりうるのは野良猫のようです。私は、実際に4回、野良猫がリスを狙っているのを見たことがあります。そのうちの1回は、10分程かけてリスに近づいていました。でも失敗してリスの捕獲にはいたりませんでした。巣を作る木は、スダジイ、カシなどの常緑樹がかなりの確立になるようです。また、前回紹介させてもらった環状食痕対象になる木は、タブ、ミズキ、ツバキ、スダジイ、カエデなどになるようです。(前回の環状食痕の写真の木はサンゴジュです)これは木に含まれる糖分量により、齧られることが分かりました。冬場に良く見られた松の樹皮を齧っていた行動は、餌として、マツクイムシ、カミキリムシの幼虫が餌として好まれるようなので、虫を探して齧っていたのかも知れません。木の樹皮を齧るのは主に冬で、春先などはサクラなどの花を食べています。ツバキの花も食べているのを見たことがあります。蜜の部分を吸っていると言うのが正しいのですが、本当に何でも食べてしまうたくましさがありますね。繁殖率と食害を考えたら、私の観察エリアの公園では駆除は聞いたことがありませんが、捕獲対象になるかも知れませんね。このタイワンリスは人に良く慣れるそうです。でも繁殖率と自然の保護(樹木の被害)を考えると、餌付けはやめた方が良いと思います。タイワンリスを調べてみました。
・追記この公園ではタイワンリスが激減しました。タイワンリス(クリハラリス)は特定外来生物なので駆除されたのかも知れないと思っていましたが、ワナを見つけました。やはり捕獲をしていたようです。リスを捕まえるためのワナなので「長細いネズミ捕り器」という感じに見えます。ワナは針金でできた細長い(長方形)カゴ状をしています。どうやらネズミ捕りと同じく、餌を加えると扉が閉まる仕組みのように見えます。この方式のワナは吊り餌式と呼ばれるタイプになります。ワナを見つけたことで長い間の疑問が解けました。捕獲は行われていたようです。ワナの写真を追加しました。見つけたワナは吊り餌式のワナで、カゴの中の餌を食べようとして、かじったり、食べると扉が閉まる仕掛けのものです。箱ワナは主に踏み板式と吊り餌式の2種類になるようです。両方の仕組みを取り入れて、箱の中の踏み板を踏んでも、中の餌を食べても、どちらでも扉が閉まる方式のものもあるようです。
★タイワンリス 正式名はクリハラリス。ハイガシラリス属またはクリハラリス属になります。特定外来生物。タイワンリスの別名としてクリハラリスと呼ばれることもあります。タイワンリスはクリハラリス属の1亜種で、台湾に生息するクリハラリスの台湾固有亜種になります。自然分布は台湾に生息するクリハラリスの台湾固有亜種としてのタイワンリス。クリハラリスはアジアの中国からマレー半島にかけて生息しています。名前は少しばかりややこしくなっています。頭胴長20〜26センチ。尾長17〜20センチ。体重300〜440グラム。毛は短く、耳も短いです。耳毛は生えません。この特徴が日本リスと見分ける方法の1つになっています。背面は淡褐色または赤褐色で、背面には黒と黄土色の毛が混ざっています。昼行性で普通、単独行動をしています。若い時期は群れで行動している時期もあります。日本リスは冬眠しますが、タイワンリスは冬でも冬眠しません。活発に木の枝から枝に飛び移って移動しますが、危険を感じないと地面に降りていることもあります。巣は高い木の上部に木の枝を使って作られます(以前に当ブログで紹介)葉の茂っている時期ですと見つけにくいです。子は1〜3匹産みますが普通2匹が多いようです。繁殖は年2回行われますが、多いと3回行われるようです。この回数は栄養状態によるものが大きいと思います。自然での寿命は普通2年未満。長くても4〜5年だそうです。飼育されている個体よりも、はるかに短命になってしまいます。餌は樹木の種子(木の実)果実、花、葉。こども自然公園内での餌としての木の実は、松ぼっくり、コブシ、トチ、エノキ、クリ、クヌギ、マテバシイ、スダジイを食べている所を観察しています。果実ではカキ、ヤマモモの実を食べていました。昆虫はアリ、セミ、カタツムリも食べるようです。マツクイムシ、カミキリムシの幼虫は好きなようです。タイワンリスは非冬眠動物なので冬場にマツの木の樹皮を盛んに齧っている所を見ましたが、木の樹皮も食べていたのかもしれませんが、昆虫がメインだったのかも知れません。樹皮はタブ、ミズキ、ツバキ、スダジイ、カエデが食べられるようです。餌の少なくなる冬場に樹皮を餌にします。木の皮がはがされてむき出しの枝や樹幹があったら、タイワンリスによる被害である確率が高いです。もし近くでタイワンリスを見かけたら間違いないと思います。こども自然公園ではサンゴジュも食べられています。驚くことに野鳥の卵も餌として食べるようです。冬場の餌の少ない時期にエゴノキタケ(キノコ)を食べているタイワンリスを観察しています(前に当ブログで紹介)珍しい行動だと思います。よほど空腹だったのでしょう。タイワンリス(クリハラリス)は繁殖力、適応力が強く都市部にも進出してきています。横浜市では多くの自然のある公園で見ることができます。
タイワンリス2.jpgリスのワナ.JPG
上、タイワンリスです。木の枝で1休みしています。見ていると大変可愛いのですが、食性などを考えると、やはり生態系に与える影響は少なくないようです。タイワンリス(クリハラリス)は鳴き声が大きく盛んに鳴くので、生息していると意外と簡単に分かります。鳴き声は色々な鳴き方があり、鳴き声も大きいことが特徴にもなっていますが、知らないとリスの鳴き声とは思えないような鳴き方をしています。木の上にいることが多いのですが、時折、地上に降りて餌等を探していることもあります。下、リスのワナの写真です。撮影は2016年2月。ワナがあったのが立ち入り禁止のロープの中なので、近くで見ることができなかったため、この角度からの撮影になりました。吊り餌式のワナのようです。扉が閉まっているので、リスに逃げられたのか、ワナのセッティングに失敗したのか、何らかのミスがあったようです。他の場所でも見つけたワナは水平に設置されていたので、ワナを仕掛ける角度の問題も関係があるのでしょうか。撮影場所、神奈川県横浜市こども自然公園。
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2013年07月29日

タイワンリスの餌。不思議な木の模様、環状食痕。

下の写真はタイワンリスが樹皮を食べた後に残る、環状食跡と言われるものです。タイワンリスはこのような面白いマークを木の表面に付けることもあります。木の幹に綺麗な横線が現れて見えます。不思議な模様です。この環状の傷が何本も付いている木もあります。この傷はタイワンリスが木の樹皮を食べたり、樹液を吸うためにできた傷跡になります。タイワンリスは冬眠をしないので、餌のない冬季に樹皮を食べることが多くなるようです。二ホンリスはタイワンリスと違い冬は冬眠をしますが、タイワンリスは冬でも活動するため、餌不足から何でも食べてしまう行動に出るようです。公園でのタイワンリスの餌とタイワンリスを調べてみました。下は樹皮につけられた環状食痕です。撮影地、神奈川県横浜市こども自然公園。
環状食痕[1].jpg
前に見つけておいたタイワンリスの巣を見に行ってきました。巣の下にはもう何も落ちていませんでした。前回、発見したコブシの実は全部運び終わってしまったのでしょうか。それとも落ちていたものも、全部拾って食べてしまったのでしょうか。タイワンリスは餌が足りていると、年3回の出産をするそうです。餌不足だと年2回になるそうですが、日本には天敵がほとんど居ないので、年2回でも増えていってしまいます。普通は2匹、多くて3匹の出産になるようです。餌は木の実が主になります。最近では農家や、果樹園が被害にあうことが多くなってきたみたいです。私の観察している公園のリスは、民家の庭先の果樹等も狙っています。何度か電線を伝わって公園と住宅地を移動している所を見かけています。公園内で餌として食べているものは、私が確認したもので、柿の実、ヤマモモの実、スダジイの実、ツブラジイの実、マテバシイの実、マツボックリ(黒松)、コブシの実、があります。柿は青いうちに全部食べきってしまいます。渋は関係ないようです。マツボックリは、青いうちに齧って食べてしまうもの、松かさになってから齧ってしまうものがあります。この松かさが食べられたものが、エビフライと呼ばれるものです。文字通り、エビフライに似た形のマツボックリになってしまったものです。タイワンリスは冬眠しない非冬眠動物なので、冬の間の餌のない時期には松の樹皮、サンゴジュの樹皮などを齧っています。サンゴジュの樹皮は木の樹液を吸っているようです。初め、どうして木に新鮮な横線が刻み込まれているのか分かりませんでした。これはタイワンリスが樹皮、樹液を食べるためにできた環状食痕と呼ばれています。写真のものは古いので、樹皮と同じ色になっていますが、食べられてすぐには、白っぽい木の色が何本も環状に出来ていたので、とても不思議でした。特に冬の間は、松の樹皮を齧っている光景を良く目にします。このほかの餌としては、セミなどの昆虫も食べるそうです。樹皮もツバキなど他の種類も食べるようです。餌不足の冬の間は食べられる物は何でも食べてしまうようです。近くにタイワンリスが生息していて、木の枝や幹の樹皮がはがされて、白く見えている状態であったら、これもタイワンリスによる食跡である確率が高いです。
タイワンリスは別名クリハラリスとも呼ばれているそうですが、正式名はクリハラリスになります。台湾に生息しているタイワンリスはクリハラリス属の1種で、台湾固有亜種になるリスです。属はハイガシラリス属またはクリハラリス属になります。特定外来生物に指定されています。自然分布は台湾に生息するクリハラリスの台湾固有亜種としてのタイワンリスになっています。クリハラリスはアジアの中国からマレー半島にかけて生息しているリスになります。日本では現在、生息範囲を広げていて都市部の公園にも進出しています。
タイワンリスH28.JPGリスの食害.JPG
上、タイワンリスです。普段木の上にいることが多いのですが、このように地上に降りて餌を探していることもあります。見ていると大変可愛いのですが、タイワンリスは色々なものを食害したり、電線をかじってしまうこともあるため嫌われ者としても有名になってきている動物です。下、写真を追加しました。タイワンリスに樹皮を食べられて白く見えている枝です。この近くにある木の枝は何か所か食べられていて、白くなった枝が目立っていました。この木の種類は分かりませんが、樹皮がよほど美味しかったのでしょう。見事に食べられています。撮影地、神奈川県横浜市こども自然公園。
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2013年07月26日

タイワンリスの巣を見つけました。巣は木の上にある枯葉の塊に見えます。

樹の上に鳥の巣とも違う大きな枯葉の塊を見つけたら、それはタイワンリスの巣の可能性が高いです。タイワンリスはハイガシラリス属、あるいはクリハラリス属のリスになります。台湾に生息しているのはクリハラリスの台湾固有亜種になります。クリハラリスというとアジアに生息しているリスで、自然分布地はアジアの中国からマレー半島にかけての広い地域になります。日本では通例、タイワンリスの別名としてクリハラリスが使われていて、タイワンリスといった方が名が通っています。日本にいるタイワンリスは逃げ出したものと、人間によって自然界に放たれたものが繁殖したものです。タイワンリスは高い木の上に枝を集めた巣を作りますが、葉に隠れてなかなか巣を見つけることができません。タイワンリスは大きな声で良く鳴くので、鳴き声を手掛かりに探して見ると巣を見つけることができるかもしれません。簡単に巣を探すことができるのは冬場で、葉が落ちている林では見つけやすいので、観察には最適な時期と言えます。冬場には餌が不足していて樹の樹皮を食べるので、樹皮がはがされて樹の表面が白く見えている樹を見つけたら、その近くにタイワンリスがいることが分かります。繁殖は通年行うことができ、最大年3回の繁殖が可能です。普通は2匹の子供を産むことが多いそうです。野生化でのタイワンリスの寿命は4〜5年ほどのようです。飼育下では長生きすることができるので、寿命は餌を確保できるかどうかによると思います。観察場所、撮影地はいずれも神奈川県横浜市こども自然公園です。このタイワンリスの写真は後からの追加で、巣を作ったタイワンリスとは別のリスになります。              
タイワンリス1.jpgタイワンリス2追加.JPG       
タイワンリスです。体色には2タイプあります。淡褐色の体色のものと赤褐色の体色をしたものがいます。昼行性で昼間活発に動き回っています。日本リスと違ってタイワンリスは非冬眠動物なので冬でも見ることができます。単独行動が多く、若い時期には群れを作ることがあります。調べてみると、大きさは頭胴部が20〜26センチ。尾長17〜20センチということです。リスのイメージに合ったフワリとした毛の多い尻尾をしています。体重は300〜440グラムで日本リスよりも1回り大きい体をしています。自然界での寿命は普通2年程で、長くても4〜5年になります。タイワンリスは良く大きな鳴き声を出しますが、物まねもできて、イヌの鳴きまねもすることがあります。公園内を散歩しているとリストは思えない大きな声で鳴いている声を聴くことがあります。知らないと声の主がリスだとは思えないと思います。小さな体で良くこのような大きな鳴き声を出せるのかと不思議になります。
タイワンリスの巣[1].jpgリスの巣の下のコブシ[1].jpgリスの食べあと[1].jpg
タイワンリスの巣を写真に撮ったものです。見つけた巣の見た目は枯れ枝の塊のようです。枯葉も付いています。巣は大きな木の上部に作られていて、私が見つけたときは近くにカラスが居て、タイワンリスが大きな鳴き声を出し威嚇していました。カラスが居なくなると巣に出たり入ったりしていました。木は樫の木で、注意してみないと分からないほど、木の上部に作られていました。もしもタイワンリスが鳴いていなかったら気がつきませんでした。私はてっきりリスの巣は木の洞か何かと思っていましたので、屋根つきの鳥の巣の様な形状に驚いてしまいました。後日、観察に行った時に、巣の下にコブシの実が幾つも落ちているのを見つけました。この木の周りにはコブシの木がないので、少し離れたところから持って来たに違いありませんでした。この時には、コブシの実に食べた跡はありませんでしたので運び込んでいたのかも知れません。タイワンリスは果たしてこの青い実を食べるのでしょうか。コブシの実は秋になると表面が緑から赤くなってきてから裂け目が出来て、中の赤い実が見えるようになります。この疑問は、数日後に解けました。巣の下に、食べられたコブシの実が幾つも落ちていたからです。青くても中の種を食べていました。その時に木の上から、目の前の地上にボタッとコブシの実が落ちてきました。この実はまだ食べられていません。想像するに、かなりの数のコブシの実が、巣の中に運ばれているものと思われます。食べられたコブシの実は、トウモロコシを食べたように綺麗に食べられていました。しかし上手に食べたものです。こんなに綺麗に食べる所を見ると、タイワンリスにしてみると、青くてもコブシの実はとても美味しいのかも知れませんね。タイワンリスは驚くことに果実、木の実、木の皮、昆虫、花、葉、野鳥の卵。何でも食べてしまいます。冬眠しない動物なので、冬場の餌不足に対して何でも食べなければいけないのでしょう。
タイワンリス巣・追加.JPG
上、タイワンリスの巣です。冬場には巣を見つけやすいです。冬場の見やすくなったタイワンリスの巣の写真を追加しました。鳥の巣とは違い落ち葉の塊に見えます。枯葉の塊の中に潜りこめる構造になっています。巣は樹の上部に作られるので、葉の茂っている時期には気が付かないことが多いのですが、冬の葉の落ちた樹に作られた巣は見つけやすくなります。この巣を見つけたときは巣に出入りする所も見ることができました。4月に再度巣を見に行くと、すぐ近くの葉のついている樹(常緑樹)に新しい巣を作っていました。繁殖は通年を通して行えることから、春に先立ち繁殖のため新しい巣を作ったようです。巣は枯葉の付いた枝や枯葉を寄せ集めていびつな球状に近い形や楕円形の塊に見える形になっています。
posted by クラマ at 01:31| Comment(0) | タイワンリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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