2017年09月17日

野鳥の巣6種類。メジロ、ウグイス、キジバト、キツツキ(アオゲラ)、ツバメ、カラスの巣。

比較的に見つけやすいウグイス、メジロ、ツバメ、キジバト、キツツキの5種類の野鳥の巣の紹介です。この5種類は良く知られている野鳥ですが、民家の軒先など人工物に巣を作るツバメと違い、樹の枝などに巣を作る種類の野鳥では巣を見る機会は少なくなると思います。知名度や実際に見たことがある鳥とその巣と言うとツバメが1番眼につくので、ツバメの巣を知らない人は少ないと思います。キツツキの巣は樹の幹に穴を開けて作るので、見つけやすい巣と言えますが、実際に雑木林等に脚を運ばないと見る事はできません。藪や木の枝に巣を作る種類の野鳥になるとさらに見る機会は低くなってしまいます。野鳥達がヒナを外敵から守るために巣を隠すように作るからです。巣の素材は当然、自然界の素材を使って作ることが本来の習性なのですが、近年の自然が少なくなってしまった現状から、ビニールひもや針金で補強されたりしている巣もよく見られるようになってきました。カラスの巣では針金でできたハンガー等が使われる事が知られています。巣をつくるための材料不足から、都市近郊や民家付近のメジロの巣では、最近ではビニールやナイロン製のひもなどが多く使われているものを見つけます。樹の枝を綺麗に丸めた椀状の巣に上手にビニール製品を編みこんでいます。メジロの巣は鳥が作ったとは思えないほどの完成度で、その出来栄えには驚かされます。メジロは適応能力が強く、民家の庭先や街路樹に巣を作っています。以前はよく見かけたツバメの場合、巣の材料となる泥がなくなって、都市部からは激減しています。当方の観察エリアの横浜市の駅の近くのビルに巣をつくっていたツバメも、とうとう来ることはなくなってしまいました。以前からどこから泥を運んでくるのかと不思議でしたが、巣材を確保する場所がなくなって、やむなく移動してしまったのだと思います。キツツキは雑木林などの環境がなくなると少なくなってしまいます。近くの自然公園ではここ数年でキツツキ科のアオゲラが激減しました。アカゲラはもうかなり前から見ていません。近くにはすでにいないのかも知れません。小型のキツツキ、コゲラは体も小さいので、巣も小さくて済みます。コゲラはよく見ることができます。自然環境が悪化する中にあって都市部に進出しているようです。小さな体の利点を生かしてうまく適応しているようです。アオゲラもコゲラのように都市部で見ることができるようになったようです。最も身近に見ることができる野鳥にキジバトがいます。本来は雑木林などに生息していた野鳥なのですが、キジバトは人の近くで生息する種類になりました。キジバトは生き残るために早々と都市部に進出することを決めた種類になります。公園や民家の庭先に巣を作ることが知られてきました。キジバトはとんでもなく不器用な鳥で、キジバトの枝を集めて作る巣は新しくてもボロボロに見える粗末な作りです。まだ小さなヒナが落ちていたのを見たことがありますが、落ちても仕方がないと思える作りです。ウグイスの巣は笹薮の中など目立たない所につくられるので、見たことのない方は多いと思います。ウグイスは声はすれど姿が見えないということが多く、本気で探さないと巣もすぐには見つかりません。また古くなるとメジロの巣のように丈夫には作られていない事から、早く壊れてしまうかも知れません。種類によって個性的な形をした野鳥の巣を見つけて観察するのも面白いものです。
・野鳥の巣が欲しくなっても、鳥が住んでいる場合や卵やヒナなどがいる場合は、野鳥に迷惑が掛からないように巣を採らないようにしましょう。鳥が巣立った後のメジロの巣は痛みが少ない状態で樹から落ちてくることがあります。巣の作りが丈夫で標本としても保存しやすいです。ただし、野鳥の巣にはダニなどの虫が寄生していることが多いので、むやみに持ち帰らない方が良いです。メジロの巣のように壊れにくい素材でできている巣は、少しずつ丁寧に壊れないように(形が崩れないように)熱湯をかけて消毒すると良いです。そのあと速乾性のボンドなどで壊れにくくなるように補強すると良いです。ボンドは乾くと透明になってツヤが出るものがあります。ツヤのでるタイプのボンドを使った場合、気になるときは艶消しをすることも考慮した方が良いです。ボンドの質を確かめてから使う方が良いと思います。
メジロ、ウグイス、キジバト、キツツキ、ツバメ、カラスの巣を調べてみました。
★メジロの巣。樹の葉が落ちてくる頃になると、樹にメジロの巣があることに気が付くことがあります。メジロの巣は低い場所から高い場所まで、環境に合わせて作るようです。普通は巣が分かりにくい常緑照葉樹林などに住んでいて、これらシイやカシなどの樹に巣を作るようです。自然の林の中でも樹高の低いウグイスカグラの樹で2回、メジロの巣を見つけていることから、安全な場所だと思ったら、低い場所にも巣を作るようです。メジロは適応能力が強く、巣は林縁、林、公園、庭先、街路樹など広範囲で見ることができます。市街地の街路樹などでは、比較的に高い樹の高い位置に作られています。秋になると街路樹の樹から落ちてきたメジロの巣を見ることもあるので、思ったよりも見つけやすい野鳥の巣と言えると思います。ススキの穂や枯草の茎、コケなどの素材にクモの糸を使って補強して作られます。巣の大きさは直径7センチ程、高さは4センチ程で形は整った椀状をしています。市街地や人家の庭先に作られるメジロの巣には、材質にナイロン性のヒモなどの人工物も巣に編み込まれるように使っています。庭先に巣を作る場合、低い樹で巣を作っていることが多いです。この傾向は理想的な高さの樹がないからかも知れません。メジロは特に巣を作る樹は選びません。巣が隠れるような樹を選んで作ります。巣の大きさはメジロが小さいので巣も手の平に乗るほど小さいサイズになります。卵やヒナが巣の中にある時に巣を覗いたり、触るなどの行為をすると、メジロは巣を見捨てて他の場所に逃げ出してしまうことが良くあるそうです。ヒナが巣立つと巣は捨てられます。巣はヒナが育つまでの家なのです。
メジロ巣3.JPGメジロの巣1.JPGメジロの巣2.JPG
上、メジロとメジロの巣です(同じ巣です)街路樹の下で拾ったものです。よく見ると白いナイロンテープの素材が使われています。この巣は熱湯で消毒はしてあるのですが、これから壊れないようにボンドで補強する予定です
★ウグイスの巣。ウグイスの巣の特徴はササの葉などでやんわりと包むようにできていることです。巣はササの葉を丸めて作ってあり、やや雑な作りで壊れやすくできています。巣の形状はボール状の形をした巣を作ります。直径は9センチ程で高さは15センチ程の大きさです。ウグイスは雄は巣を作りません。作ったのは雌のウグイスになります。ウグイスは巣を作る時期が早く、巣は春に向けてまだ寒いうちに作りだします。巣を作る場所は巣が隠れるような背の低い藪や小枝、笹薮などに作られています。巣の材質はササやススキの穂など柔らかい素材のものと草の茎、小枝などを利用して作られます。外面は雑に見える巣もありますが内側は綺麗な丸みのある形に作ってあります。鳴き声は有名ですが姿と巣を見たことがある方となると、少なくなると思います。
ウグイス巣3.JPGウグイスの巣1.JPGウグイスの巣・横.JPGウグイスの巣3.JPG
上はウグイスとウグイスの巣です。この巣はササの葉、草丈のある細い枯草の茎を主に作られています。巣の内側はササで作られていました。外壁は丈夫な草の茎などで作られています。内側は柔らかい素材のササの葉でできています。ウグイスは1夫多妻で、巣作りから子育てまでを全て雌が行います。巣はササのある山道などや道路の脇の近くに作られることが多いようですが、適応能力が高い種類なのでササが近くになくても巣を作ることはよくあるようです。雌は巣をヘビなどに襲われてヒナがいなくなってしまった(ヒナの全滅)場合や危険を感じた場合、巣を放棄して逃げてしまいます。その際は巣を離れるだけでなく、それまでの1夫多妻の関係を解消して逃げ出します。雌は逃げた先で別の雄を探して新たな巣作りをします。この習性が1夫多妻のウグイスの繁殖方法になっています。2枚目、巣の入り口がわずかに見えています。3枚目、同じ巣を横から見たものです。下、ウグイスの巣の標本を作ってみました。熱湯消毒したあと、十分に乾燥してから、速乾性ボンドで接着して強度を上げて壊れにくくしてあります。作りは大変もろい巣です。いじっていると形が壊れてきます。標本にする場合、丁寧に扱う必要が有ります(この標本は寄付しました)
★キジバト(ヤマバト)の巣。キジバトは都市部に多く生息している野鳥で普通に見ることができます。都市部に住んでいるキジバトは人慣れしていて人が近づいても逃げないものまでいます。森林、農耕地、公園、住宅地などに生息していて、巣は庭先の樹や街路樹など葉の茂った樹に作られます。巣の大きさは直径30センチ程。高さは7〜8センチ程で皿形をしています。巣の作りは簡単なもので、巣は枯れた細い小枝を組み合わせて低木の上の方に作られていることが多いです。キジバトはかなりの確率で古い巣を再利用することも知られています。古巣は自分で作ったものなのか、他のキジバトが作ったものなのかは気にしないようです。再利用する場合、わずかな補強でリホームを完成させてしまうものもいます。これはキジバトが年数回から多いと6〜7回程も繁殖することができることによる行動とも言えます。合理的に手間を省いた繁殖方法の1つとして、本能的に働くのかも知れません。庭先に巣を作られたくない方は、巣だった後撤去すると再び作られる可能性は低くなると思います。キジバトは外敵に狙われやすく、ハシブトガラス、ハシボソガラス、やヘビ(アオダイショウ)、野良猫の餌になってしまうヒナや卵が多いようです。庭先に作った場合、猫に狩られてしまうこともあるようです。外敵によるヒナや卵の被害は繁殖力でカバーしているようです。
キジバト巣B.JPGキジバトの巣.JPG
キジバトと民家の庭に作ってあった巣の写真です。この写真の巣はキジバトにしたら上手な巣です。単に枝の上に平らに枝を乗せたような雑な作りの巣も見ることがあります。昔、当方のアンズの樹に作った巣では下から卵が見えるほど雑でした。巣のできには作成者の上手下手がでるようです。キジバトの巣は樹の上の方にあることが多く、標本を作るのに巣を採ることが難しくなります。キジバトは大きいので良く目立ちます。庭先で巣を作って繁殖する場合、すぐに気が付くことが多いと思います。庭先に巣を作ることもあるので、観察しやすい野鳥の1種と言えます。キジバトは通例2羽で行動している仲の良い野鳥です。
★キツツキの巣。キツツキの仲間は樹の幹に穴を掘って巣を作ります。アオゲラの場合は生樹の幹に巣穴の直径が5センチ程の穴を開けます。アカゲラは枯れ木に巣穴の直径が4・5センチほどの穴を開けます。コゲラは生木の枯れ木部分に直径が3・5〜4センチ程の穴を開けます。巣穴だけだと分かりにくいです。コゲラは日本で1番小さいキツツキで体長は15センチです。背部には白い点状の斑紋(横縞模様)があります。この白い斑はつながって見えることもあります。雄には見えにくいのですが耳羽のあたりに赤い羽根があります。色彩には地域変異があるようです。雑木林の他に、市街、住宅地、街路樹、自然公園にも生息しています。コゲラは体が小さいので細い樹の幹にも巣を作ります。観察エリアにしている自然公園ではアカゲラは見なくなってしまいました。そのことから枯れ木の幹に作られた小さな入り口の巣穴だとコゲラ。生きている樹の幹で巣穴が大きい入り口だとアオゲラと言う感じで判別しています。アオゲラは日本固有種のキツツキで、体色は暗緑色に見えるキツツキです。顔には赤い斑紋があり、灰褐色〜灰色に見える腹部には横縞模様があります。頭部に赤い斑紋がある方が雄になります。都市部の公園などでは古いサクラの幹に巣を作ることが多くなっているようです。アオゲラは体長が29センチもある大型になります。アリが好物で地上に降りてアリを捕食することが多いそうです。山地から平地の広葉樹林を住み家にしています。鳴き声は「キョッ、 キョッ」と大きな声で鳴くので、鳴き声を手掛かりに樹を探すと見つけることができます。アオゲラもコゲラと同じく都市部に進出して来ています。都市部の公園などのサクラが古くなり、巣穴を作るなどに適してきたことも関係あるようです。個人的な見解としても、古いサクラの樹のある場所(公園等)で見る機会は多いです。
キツツキの巣大池アオゲラ.JPGアオゲラB巣.JPGコゲラ巣B.JPG
上、生きているコナラの幹に開けられている巣穴なので、アオゲラの巣で良いと思います。入り口もコゲラの巣の入り口よりも大きいです。観察エリアの公園では、古くて大きなソメイヨシノやヤマザクラに巣を作っていましたが、ほぼまとめて伐採されたので、最近ではアオゲラも見ることが無くなってきています。大きくて緑色が綺麗なので見つけると嬉しくなる野鳥です。中、アオゲラです。写りの良い写真が撮れたら差し替えを予定です。下、コゲラです。小さくて可愛いいキツツキです。
★ツバメの巣。巣の形状は椀型で、椀を半分にした形になっています。これは壁などの垂直になった壁(垂壁)に巣をつくるために、椀型を半分にした形の巣になるからです。巣の上面は開いているので雨に柔い構造になります。そのために屋根のある場所に巣を作ることが必要になります。その条件を満たす場所が、人家の軒先やビルなどの建物の壁になるのです。ツバメに関して言うと巣は完全に人工物に作ります。橋の橋脚部分当には作ることはまれで、人の住んでいる場所や人の生活している環境に接する場所に巣を作ります。ツバメは必要以上に人に慣れることはなくても、人慣れした野鳥と言えます。ツバメは縁起の良い鳥として人から危害を加えられることがなかった事も、人の傍で繁殖するようになった理由の1つになるのだと思います。その他、益鳥として好かれる野鳥でもあります。同じ野鳥でもムクドリが家の戸袋等に巣を作られると酷く嫌われてしまいます。ツバメは飛んでいる姿もりりしく、日本人好みの野鳥になっているのだと思います。ツバメの巣は泥と草でできています。水分を含んだ泥水と枯草を唾液で固めて作っていきます。巣の大きさは直径15センチ程。高さは3〜4センチ程で、巣は壁に接して作られています。直接に壁(垂壁)に作られたり、巣の下部に支えとなる物を利用して壁に面して作られたり、巣の底が受け皿のようになっている(人が作った巣台、電灯の上、何らかの物が台状になっている部分がある)部分を利用して壁に作られることがほとんどです。最近では巣の材料となる泥がない事から都市部では、都市部での繁殖が激減してきています。本来、ツバメは同じ場所に戻ってきて巣を作る渡り鳥です。子供の頃から馴染みが深かった鳥だけに、姿を見なくなってくると寂しく感じてしまいます。
ツバメB.JPGツバメ巣1.JPGツバメ巣2.JPG
上、ツバメとツバメの巣です。もっと天井が高い位置になるように作ればよいのにと思うのは人間の側から見た感想のようです。ツバメにはこの高さで良いのでしょう。数年前には3個あった巣も去年は1個(写真は昨年のものです)今年はとうとう飛来することが無くなってしまいました。駅前だったのでさすがに巣を作る材料が確保できなくなってしまったのでしょう。1番上の写真のツバメは目の前に来てくれたので、コンパクトデジカメでも良く撮れました。ツバメは飛ぶために特化したような体つきに見えます。均整のとれたスタイルの良い野鳥です。
★カラスの巣。カラスの巣を追加しました。ハシボソガラスの巣です。大きな樹の上部に近い場所など高い所に巣を作ります。鉄塔などの人工物にも巣を作ることがあります。巣の形状は皿状で、外側は木の枝、内側には動物の毛や柔らかい藁などを使います。カラス自体が大型なので、巣も大きなものになります。直径は50〜80センチ程にもなります。厚みは20〜30センチ程になるようです。カラスは巣の材料に木の枝だけでなく、針金製のハンガーなどを利用することが知られています。軽くて強度がある針金を分かって使っていたら凄いことですね。針金のハンガーがカラスに盗まれるということは良くあるようです。ハシボソガラスの繁殖期は3〜7月。ハシブトガラスの繁殖は4〜8月になるようです。巣は通例、毎年新たに作られるようです。カラスは大変頭の良い鳥で、鳥としては極めて頭脳が高く、高い所から落下させて食べ物を食べやすくしたり、人の顔を認識することもできます。カラスはサングラスやマスクをしても人を認識できるほどの頭脳を持っています。巣にヒナがいるとカラスはヒナを守るために凶暴になることが良くあります。初めは近くに飛来して大声で威嚇します。威嚇が効かないと攻撃に移るカラスもいます。カラスには嘴の太くて大きなハシブトガラスと嘴の細いハシボソガラスがいます。以前公園に「カラスに注意、巣があり危険!」と立て札が立っている場所がありました。近道なので進むことにしましたが、突然背後からカラスが舞い降りてきて頭をかすめました。そのあと、こちらを見て大人しく飛び去りました。いつも見かけるカラスのようです。餌はあげないのですが、顔なじみで怖がらないで比較的に近くに来るカラスがいますが、どうやらそいつのようです。(8年間通っている強みのようです)敵としては認識されなかったようです。他の人は怖がっていたので、カラスが顔を覚えるということは本当のようです。この写真の巣は放棄されてしまいました。近くの安全な場所に巣を作り直したようです。この公園には羽に白い帯が入るハシボソガラスの個体群がいます。餌の確保が難しいのでこの公園ではカラスが激減しました。近くの別の公園に来るカラスに羽に灰色の帯のある個体を見つけたので、同じ系統のカラスは生き残ったようです。
カラスの巣.JPG
ハシボソガラスの巣です。巣の材料に針金が使われています。ピンクや緑色をした針金だと、すぐに樹の枝以外の材料が使われていることが分かります。巣のサイズが大きいので、高い樹の上部の太い枝に巣は作られます。写真では分かりにくいのですが、大変大きな巣になります。カラスは有名なので写真は省略します。もっと近くで観察してみたい巣です。
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2017年04月08日

トラツグミ、カワラヒワ、シメ。冬から春先に見つけた野鳥3種類。

野鳥はすぐに逃げられてうまく撮影できないので、どちらかというと苦手になります。しかもカメラはコンパクトデジカメなのでなおさらです。トラツグミは運よく2メートルほどに近づくことができました。落ち葉と区別ができないほど周りの色に溶け込んでいカメラで覗き込んでみると、どこにいるのか分からなくなるほどでした。手間取ってしまい1枚のみの撮影になってしまいました。トラツグミは不思議なうろこ模様が印象的な野鳥です。近くで見られてよかったです。カワラヒワは農耕地や空き地などで冬場は群れで活動しています。小さくてかわいい綺麗な鳥で、アクセントになっている黄色が特に可愛い野鳥です。 シメは撮影できないでいる野鳥です。雄のはっきりした体色の写真を追加したいと思っている所です。頭がでかくて嘴の太いズングリとした体形の可愛い野鳥です。シメは横顔を見ないと雄と雌の区別がつかない鳥です。トラツグミ、カワラヒワ、シメを調べてみました。
★トラツグミ ヒタキ科。別名は鵺(ヌエ)、ヌエコドリ、オニツグミ。全長29〜30センチ。ツグミ類の中では大型です。留鳥。トラツグミは夜行性で雌雄同色。薄い黄色や薄いオリーブ色のような地色に黒いうろこ状の模様が見える独特な模様をしていて、腹部の地色は白い色をしています。名前の由来は、この模様を虎柄に見立てて付いた名前だと思います。山地の林に生息しています。夜に不気味な鳴き声で夜に鳴くことで知られています。鳴き声は「ヒー、ヒー」とか「ヒョー、ヒョー」のように聞こえます。この鳴き声は、昔は鵺(ヌエ)という日本の妖怪の声とも言われていました。トラツグミの鳴き声は、気持ちの悪い笛の音のように聞こえる、およそ可愛くない鳴き声で、鳥の声だと思う人はいないと思います。分布は北海道(夏鳥)、本州、四国、九州。林の中に住んでいてめったに明るい開けた場所には出てきません。餌は主にミミズや昆虫類。木の実なども食べる雑食性です。
トラツグミに似た名前の野鳥にツグミがいます。名前は似ているのですが模様は違います。ツグミは当ブログ「ヒヨドリ、ツグミ、ムクドリ、ハクセキレイ。春に見つけた野鳥4種類。」でも紹介しています。大変良く似たオオトラツグミはヒタキ科で国の天然記念物で奄美大島にいる亜種です。数が非常に少なく絶滅が心配されているそうです。トラツグミよりもわずかに大型になるそうなので、大きさは全長は30〜31センチ程だと思います。個体差もあるのでトラツグミとほぼ同じような大きさになるのではないのでしょうか。
トラツグミ.JPG
トラツグミです。うろこ模様をした変わった鳥です。この日は夜行性のトラツグミに会えてラッキーでした。枯草のある地面ですとどこにいるのか分からない見事な迷彩色になっています。目が意外と大きくて可愛い顔をしています。撮影地、神奈川県横浜市、こども自然公園。
★カワラヒワ アトリ科。普通種。留鳥。嘴は白っぽい肉色で太くて短いです。尾と翅の部分には黄色い色が見えます。スズメ位の大きさで全長は14〜17センチでオリーブ褐色(ウグイス色)に見える体色をしています。雄と雌はよく似ていますが見分け方は、雄の場合は背中と腹部に茶色が見えます。つがいでいると分かりやすいのですが、雌は体の色が雄よりも淡く頭部上面の灰色は雄より濃く見えます。分布は北海道、本州、四国、九州。積雪のある地方では冬季に南下します。低地から低山地に生息。冬には群れを成して生活しています。住宅地、農耕地、河原、公園、草地などで見られます。カワラヒワは植物の種が大好きな野鳥です。色々な植物の種を餌にします。神奈川県では宅地化が進み減少種になっています。似た種にオオカワラヒワがいます。オオカワラヒワとカワラヒワの違いは3列風切羽に見られる白い部分の違いですが、肉眼ではよっぽど良く見ないと当方には分かりません。この白く見える幅が広く見える方がオオカワラヒワになるのですが、個体差があるので判別は難しいです。基本的なオオカワラヒワの白く見える部分が大きい個体でないと判断しかねてしまいます。写真を撮って確認しないと同じに見えてしまいます。オオカワラヒワはカワラヒワの亜種で、日本には冬鳥として訪れます。オオカワラヒワは北海道、本州、四国、九州で見られます。
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カワラヒワの雄です。色が濃い体をしています。撮影地、神奈川県海老名市。
★シメ アトリ科。漂鳥または冬鳥。北海道で繁殖して秋に本州に渡ります。全長18〜19センチ。シメの特徴は、全体的に茶褐色の体色をしていて、嘴が太くて短いので頭が大きく見えます。嘴の色は冬場では白っぽい色をしていますが、夏場には黒っぽい色に変わります。嘴の下(のどの部分)は黒く、尾羽が短いのでズングリとして見えます。シメは雑食性で昆虫類はもちろん、太い丈夫な嘴で硬い木の実の種も割って食べることができます。嘴で鋏む力が強く30キロを超えるそうです。アトリ科の中では1番鋏む力が強いそうです。平地から山地の雑木林の林内、や落葉樹や混成林の樹林帯に生息していますが、公園、市街地、人家の庭にもやってきます。分布は北海道(夏鳥)、本州、四国、九州、沖縄。本州北部では繁殖もしているようです。北海道以外では冬鳥として訪れます。シメは雑食性で昆虫類、果実を食べます。シメの雄と雌の見分け方は、雌は色合いが薄く、風切羽の1部が灰色で、目先の色が黒くなく褐色をしていることです。嘴の下(のどの部分)は黒く見えます。雄のシメは全体の色合いが濃く、目先も嘴の下(のどの部分)も黒く見えます。1番わかりやすい相違点は目先に見える黒い部分なので、真っ黒い方が雄と覚えておくことです。
シメ雄.JPG
シメの雄です。分かりにくい写真になってしまいましたが目先が黒いです。縁がなくシメは見る機会の少ない野鳥になっています。神奈川県横浜市、南本宿第三公園。
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2016年03月22日

ヒヨドリ、ツグミ、ムクドリ、ハクセキレイ。春に見つけた野鳥4種類。

ヒヨドリ、ツグミ、ムクドリ、ハクセキレイは最も普通に見られる野鳥です。特に最近ではムクドリとハクセキレイは都市部でも良く見かけるようになっています。ムクドリは夜になると集団を作り眠ります。時に大集団となって、街中の街路樹などに集まり大きな鳴き声を発して、やかましく鳴くことから騒音の被害を出すことで知られてきました。寝る場所は繁華街や駅前の樹木などを利用しています。ムクドリから見たら人や騒音は関係ないようです。大きな大集団となることが多く、それゆえ糞によって道路などが汚れる糞害も発生しています。繁殖期のムクドリは自然の環境下だけではなく、民家の戸袋などの隙間に巣を作ってしまうこともあります。集団を作ることで知られているムクドリですが、なぜムクドリが大集団を作るのかは良く分かっていないようです。同じく街中にねぐらを構えることも、天敵から逃れるためなのか、その理由もまだ分かっていないようです。ハクセキレイも市街地に進出してきている野鳥です。本来は北海道に住んでいた鳥なのですが、南下して生息範囲を広げ、しかも都市部の生活になじんできている適応能力の強い野鳥です。人工物も利用して巣を作ることもあります。名前がハクセキレイと白をイメージさせる鳥なのですが、白1色の鳥ではなく、白い鳥のイメージからは少し外れています。ハクセキレイも秋から冬にかけては集団を作って、夜になると集まって寝る習性があります。都市部の繁華街などの電線や電柱に群れを成して集まっているところを見かけます。その下の路面は糞で汚れています。ハクセキレイの害は糞害になるようです。日中には群れから離れて行動していて、長い尾を上下に振って歩き回る、愛らしい姿を見せてくれています。ハクセキレイは当ブログ2度目の登場になります。ヒヨドリは市街地では秋から冬に多くみられていた鳥ですが、最近では都市部の生活になじんだのか、1年中、見ることができるようになっています。民家の庭にも普通に飛んでくる鳥になっていて、繁殖地は市街地でも行われていて、公園、庭園などにも巣を作ります。実はヒヨドリは世界から見た場合、日本周辺にしか生息していない珍しい種類の鳥になります。あまりに普通に見ることができるので、とても貴重な種類だとは思えない鳥です。ツグミは冬鳥として飛来する野鳥です。見られる時期は秋から冬で、長い地域ですと10月〜5月頃まで見ることができるようです。ツグミは積雪のない地域の水田、草地、草原、河原にいます。夏にはシベリア中部、南部に帰っていくそうです。胸部のまだら模様が目立つ、頬と喉の部分が白っぽい、尾の長い鳥です。ツグミの茶色の体色には個体差があり、濃いタイプのものと薄いタイプのものがいます。ヒヨドリ、ツグミ、ムクドリ、ハクセキレイを調べてみました。
★ヒヨドリ セキレイ科。全長28センチ。最も普通に見ることができるヒヨドリですが、日本周辺の地域にしか生息していない世界的には珍しい鳥になります。ひよどりの特徴は頭の毛がボサボサと立って見えることと、頬が褐色をしていることです。嘴が黒くて長く、尾は長めになります。ヒヨドリの頭部の毛がボサボサと立っている時は興奮している時で、いつも立っている訳ではありません。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。沖縄には冬鳥として渡来します。北海道に住んでいるヒヨドリは、秋になると暖かい本州に越冬するため渡っていきます。巣は平地や低地の木の枝に巣を作ります。市街地の公園、庭園にも巣を作って繁殖しています。近年、都市部に進出してきている鳥で、1年中見ることができる普通種になっています。餌は繁殖期には昆虫類を主にしていますが、果実や木の実、椿や桜などの花の蜜も吸います。ヒヨドリは狩猟が許されている鳥で肉の味は美味しいようですが、狩猟免許がないと捕ってはいけません。狩猟以外でも、許可なく捕獲すると法に触れてしまいます。
★ツグミ ツグミ科。全長24センチ。冬鳥として飛来します。ツグミは秋〜冬に見ることができます。尾が長く胸のまだら模様が目立ちます。頬と喉の部分が白っぽく、羽は赤みのかかった茶色をしていますが、ツグミの体色には茶色の濃いタイプと薄いタイプがいます。個体差のある鳥になります。分布は北海道、本州、四国、九州。10月から翌年5月まで見ることができます(多くは3月半ば〜4月に帰っていきます)夏季はシベリア中部、南部に帰っています。ツグミは渡りの前に群れを作るようになります。積雪の少ない地方の水田、畑地、草地、開けた草原、河原などに生息しています。餌は木の実、昆虫類、ミミズなどで雑食性になります。ツグミは昔は食用にされていた美味しい鳥だったようですが、現在では狩猟が禁止されています(昭和22年にツグミのカスミアミ猟が禁止されました)スズメより美味しい鳥として好まれたようです。狩猟免許がないと鳥獣の捕獲は原則禁止なので、スズメも取ったら法に触れることになりそうです。神奈川県横浜市、こども自然公園では年が明けて2〜4月までは地上にいるツグミを簡単に見つけることができます。ツグミは地上を歩いて1生懸命に餌を探しています。
★ムクドリ ムクドリ科。全長24センチ。分布は北海道、本州、四国、九州。北海道には夏鳥として渡来します。ムクドリの雄と雌の区別は難しいです。全体的に黒っぽい鳥ですが、雌は褐色に近い色をしているものが多いようです。ヒヨドリよりも1回り小さくなります。開けた場所を好み農耕地、草地、人家、公園などで見ることができます。特徴は頭部から首にかけてと腰から尾にかけてが白い。全体的には黒っぽく見える体色をしていて尾が短く(尾の形は円尾)嘴と脚がオレンジ色をしています。餌は雑食性で木の実、種子、果実、昆虫類、ミミズ、カタツムリ、両生類など。名前の由来に椋木(ムクノキ)の実が好きだからムクドリということが言われています。また群れを作る意味あいから、ムクドリと言われる説があります。ムクドリは秋〜冬にかけて集団を作って行動しています。大きな大集団を作ることもあります。ムクドリが集団を作る理由は解明されていません。繁殖期には群れを作っていません。大集団で集まって寝る習性があり、市街地、繁華街、駅前などの街路樹にも集団で現れます。ムクドリはやかましい鳴き声や道路に落ちた大量の糞による糞害が問題にされて有名になった鳥です。ムクドリの変わった習性に種内托卵がみられることです。種内托卵とは、繁殖は春から夏に行われますが、巣を作れなかったものが他の仲間の巣に産卵してしまう(同種の巣に卵を産み付けてしまう)行動をとることです。巣は木の洞に作りますが民家の軒先、戸袋などに巣を作ることもあります。ムクドリの巣にはダニが発生するようです。民家に作られてしまったら衛生面が気になってしまうところです。食べられる鳥のようですが、生臭くて味が落ちるようです。猟が許されている鳥ですが、もちろん狩猟免許がないと捕ることができません。
★ハクセキレイ セキレイ科。全長21センチ。尾が長く、長い尾羽を上下に動かして、世話しなく歩き回っている愛嬌のある可愛い鳥です。昼間は単独で行動することが多い。特に繁殖期には特に縄張り意識の強くなる鳥です。夜間は群れになって寝ます。近くの森林を利用しますが、市街地の電柱や電線などに群れを成して止まっているところも見かけます。寝床にしている電柱の下などは白く汚れてしまうので、嫌われる鳥にもなっています。ハクセキレイはあまり人を怖がらない特徴があります。もとは北海道にいた鳥なのですが、南下してきました。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。沖縄には冬鳥として渡来します。餌は昆虫類、ミミズ、クモなどを主にしていますが雑食性でなんでも食べます。落ちているパンも食べていることがあります。ハクセキレイは秋から冬にかけて(非繁殖期)に集団になります。繁殖は寒冷地で1回、暖地で2回行われます。繁殖地は北海道、本州の中部以北で5〜7月に行います。開けた場所を好み、海岸、水田、広い川の岸周辺、中洲、川べり。水辺が近くにあれば住宅街、開けた自然公園などにも生息しています。巣は地面の窪地、石垣の隙間、岩の隙間などに作ります。人家周辺の意外な場所に巣を作ることもあるようです。ハクセキレイの体色には、雄と雌、夏羽と冬羽、若い個体の体色と色に違いが出てきます。雄は背中(背部)が黒色、雌は背中(背部)が灰色をしています。冬羽は雄雌ともに全体的に灰色をしていますが、夏羽のオスは黒色がとても強くなります。
ヒヨドリ.JPGツグミ.JPG
上、ヒヨドリです。横側の写真も撮りたかったです。撮影地、神奈川県厚木中央公園。下、ツグミ。落ち葉をひっくり返して餌を探していました。撮影地、神奈川県海老名市。
ムクドリ.JPG
ムクドリです。群れで草地を歩き回っての餌探しに夢中です。忙しそうに動き回っていて撮影に手を焼きます。良い写真が撮れましたら差し替えるよ予定です。ずんぐりした体形が可愛いです。撮影地、神奈川県横浜市、こども自然公園。
ハクセキレイ.JPGハクセキレイ2.JPG
上2枚、ハクセキレイです。白い部分が少ない鳥なのですが、ハクセキレイと名前がついています。上手く行くと近くで撮影できる鳥です。尾羽を動かして歩く姿が可愛い野鳥です。夏羽の黒い色が濃い雄の写真を撮りたいです。上は黒が目立ちますので雄のようです。撮影地、上、神奈川県海老名市、中央公園。下、神奈川県横浜市、こども自然公園。
原則的に野鳥は捕ってはいけません。狩猟が許されている種類でも狩猟免許がないと狩りをしてはいけません。法律で罰せられてしまいます。正式なハンター以外は野鳥を見て楽しみましょう。
posted by クラマ at 01:09| Comment(0) | 自然観察、野鳥 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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