2016年10月06日

アラゲカワキタケ、キヒダタケ、キララタケ。個性派のキノコ3種類です。

アラゲカワキタケ、キヒダタケ、キララタケの紹介です。この3種類はどれも個性のあるキノコです。アラゲカワキタケは紫色が見える綺麗な幼菌の状態で見たことが無かったので、感激してしまいました。淡い紫色が美しいです。見るからに硬そうな粗い毛で覆われた様子が名前によくあっています。しかもこの菌は乾燥してがちがちになっていることもよくあるので、なるほど上手い名前がついている菌(キノコ)だなと感心してしまいます。以前はヒラタケ科であったものがタマチョレイタケ科になりました。キヒダタケは1種1属の菌です。以前は食用とされていましたが、現在は毒菌の仲間入りをしています。毒性は弱いのですが、人により中毒を起こします。毒性は胃腸系の毒になります。イグチ科なのに傘の裏がヒダになっている変わり者です。キララタケはその名からも連想されるように、傘の表面に雲母(うんも)に例えられる白くて可愛い小さな粒がある綺麗な菌です。名前に付いているキララとは雲母の別名になります。よく似た菌にコキララタケがありますが、コキララタケの根元に黄色(黄金色)のオゾニウムがあることで見分けることができます。この3種類は見つけて観察すると個性的で面白いです。アラゲカワキタケ、キヒダタケ、キララタケを調べてみました。
★アラゲカワキタケ タマチョレイタケ科カワキタケ属。幼菌の紫色が美しいキノコです。群生して生えていて傘が開いた状態ですと、ヒラタケにも似て見える時があります。以前はヒラタケ科になっていたようです。通例不食。幼菌時は紫色がかかっていて、形も美味し層に見えるキノコです。毒はないようですが、肉質が硬く、通例は食べられることはありません。名前のように傘には粗い毛がびっしりと生えています。柄にも毛が生えています。成長すると淡い紫色から淡い褐色を帯びた黄土色に変わってしまいます。乾燥するのも早いようです。次の日にはカチカチに乾いてしまいました。湿気がないとすぐに乾燥してしまうようです。アラゲカワキタケは春から秋にかけて発生しますが、初夏から秋の時期の発生が多いようです。クヌギ、コナラなどの広葉樹の枯れ木、切株から発生します。傘の大きさは2〜5センチ。ロート状をしていて、ヒダは密になっています。強靭な肉質を持ち、傘の表面には粗い毛が密生しています。ヒダは水生で、柄は中心からずれて付きます。傘の周囲(縁)は内側に巻き込まれています。幼菌時は傘の部分はへこんでいません。成長とともにラッパ状、ロート状に広がっていきます。さらに成長すると広がりは強くなっていきます。 アラゲカワキタケは材の白ぐされを起こします。大きな株になって群生することが良くあります。
アラゲカワキタケ1.JPGアラゲカワキタケ2.JPGアラゲカワキタケ3.JPG
上、アラゲカワキタケです。1番上は幼菌です。傘の形は平らで幼菌時には窪んでいません。中、傘が成長して開いてきた所です。傘は中心からではなく、中心からずれた位置で漏斗状に近い形で広がっていきます。下、乾いてしまうと見るも無残な姿になってしまいます。見た目の通りに硬くなってしまいます。アラゲカワキタケの特徴は幼菌時から毛深いキノコで傘から柄まで毛がびっしりと生えていることです。幼菌時の紫色は淡くて綺麗です。トチの樹の切株上に出ていました。
★キララタケ ヒトヨタケ科ヒトヨタケ属。食べようと思えば食可能な毒キノコです。毒成分はトリプタミン。小型のキノコで以前は幼菌を食用にしたそうですが、ヒトヨタケの仲間には毒があることが知られていて、お酒と1緒に食べると中毒を起こすことが有名です。夏から秋にかけて広葉樹の枯れ木、切株、埋もれた朽ち木などから群生または単生します。名前に付いているキララとは好物の雲母(うんも)の事です。幼菌時にある傘表面の白い鱗片(細粒)を雲母に見立てた名前がついています。幼菌は本当に可愛くて綺麗です。傘は2〜4センチ。卵型から円錐形、最後には開いていきますが、キララタケはヒトヨタケ科のキノコなので寿命が速く尽きてしまいます。最後は黒色に変色して幼菌からは想像できない姿になってしまいます。柄は細くて色は白色や淡黄白色で中空。柄の長さは5〜8センチ。ツバはありません。傘の色は黄褐色や薄い灰色、成菌は茶色、淡黄褐色など色の薄いものから濃いものまであります。傘の表面には細い溝線があります。傘は他のヒトヨタケ科の菌のように完全に黒色化して溶けることはありません。
キララタケ1.JPGキララタケ2.JPG
キララタケです。キララタケは幼菌の白い鱗片がついている時が綺麗で可愛いです。成長すると雲母に例えられる白い鱗片はなくなってしまいます。広葉樹の枯れ木に単生していました。2枚は同じ菌です。
★キヒダタケ イグチ科キヒダタケ属。美味しそうな色をしていますが、胃腸系の中毒を起こす毒キノコです。古い図鑑では食菌でしたが、弱毒が見つかり毒キノコになりました。中毒は体質により起きます。試してまで食べる価値はないと思います。あえて危険を冒さないことをお勧めします。キヒダタケは名前の通り綺麗な黄色いヒダをしています。ヒダは水生。ヒダの間隔は疎になっています。イグチ科のキノコなのにヒダになっている変わり者です。キヒダタケ1種だけでキヒダタケ属を構成しています。この特徴は上から見た状態では分かりません。傘の表面は地味な、ありふれた茶褐色、オリーブ色をしています。傘表面はビロード状になっています。下を(ヒダ)見ると美しい黄色になっています。傘の大きさに対して柄が細いことも特徴になります。発生は夏から秋にかけてブナ科の広葉樹林の林内地上に発生します。菌根を作る菌根菌。傘は3〜10センチ。柄の長さは3〜8センチで中実。柄にはツバは無く縦線が入りますが、縦線が見えないか、もしくは見えにくいものもあります。綺麗なキノコなので毎年探してしまいますが、私の観察している公園では発生が少ないので、中々綺麗な良い状態で出会うことができないでいます。キヒダタケは菌根菌なので出る場所は決まっています。繁殖も菌根を作れる樹がないと増えることはありません。
キヒダタケ1.JPGキヒダタケ2.JPG
キヒダタケです。名前の通りにヒダが黄色いキノコで、上から見ると大変地味な色をしたキノコです。スギの枝が写りこんでいますが、スギとコナラが生えている地上から発生していました。傘の裏の黄色が綺麗な菌です。撮影地はいずれも神奈川県横浜市、こども自然公園。



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2016年04月18日

オロシタケ、アナタケ、クシノハシワタシ。背着生の変わった表面のキノコです。

オロシタケ、アナタケ、クシノハシワタシは変わった表面のキノコ3種類で実に個性的です。クシノハシワタシは不思議な模様が表面に見える変わったキノコです。普通の図鑑には載っていません。表面に迷路のように見える不思議なヒダがあり、なんだか良く分からなかったキノコでしたが、ネットでたまたま見つけて名前が解りました。アナタケはその名の通り、表面が穴だらけのキノコです。似た種類にニクイロアナタケがあります。オロシタケは表面に小さな突起物が多数あり、その様子がおろし金を連想させるところから名前が付いているのだと思わせる形状のキノコです。背着生のキノコは分類、判別が難しくて、名前を調べることも難しいです。個人的にも苦手なキノコです。背着生のキノコは、まだ正確に分類されていないものも多く、見解によりどの科にあてはめたら良いのかと議論があるようです。何科にあてはめたら良いのかなど、はっきりした科が何なのか良く分からないキノコ達です。ここで紹介するクシノハシワタシはウロコタケ科、アナタケはアナタケ科として紹介します。オロシタケは調べてみるとヒメキクラゲ科になっていて、ヒメキクラゲの仲間とは驚いてしまいました。背着生のキノコは、どの菌にも似たようなものがあり、名前を当てるのが難しい判別に手を焼くキノコ達です。オロシタケ、アナタケ、クシノハシワタシを調べてみました。
★オロシタケ ヒメキクラゲ科。普通種で春〜秋に広葉樹の枯れ木、落ち枝などから発生する背着生のキノコです。幼菌は他の個体と良く癒着していき、大きな塊になっていきます。科を知らないとコウヤクタケの仲間と思ってしまいますが、ヒメキクラゲ科になることに驚いてしまいます。不定形で色は黄白色〜橙白色ですが、個体差があります。表面には細かい突起が生えています。
★アナタケ アナタケ科。通年発生します。枯れ木、枯れ枝に発生します。背着生で全く傘を作らない不定形をしていることと、子実体の周辺部は薄くなっていることが特徴です。周辺部は白く、その内側は淡いベージュ色を帯びることが多いようです。表面は管孔になっていて管孔は多角形で細かく、大小の管孔が不規則に並ぶようです。白っぽいものが多いようです。よく似た菌に、ニクイロアナタケがあります。ニクイロアナタケの管孔はそろっていて綺麗に並ぶようです。色は濃いものが多いようですが、色での判断ではこの両種はよく似ているので、判別の確立を上げるためには管孔を見る必要がありますが、どちらも個体変異がある種類なので、アナタケとニクイロアナタケは判断が分かりにくい種類と言えます。
★クシノハシワタシ ウロコタケ科。(タマチョレイタケ科、マクカワタケ科になっていることもあります)背着生で不定形なキノコです。図鑑にあまり乗っていないので、知られていないキノコになります。表面に見える不思議な模様が特徴です。ヒダは歯牙状のヒダになっています。発生は夏〜秋になりますが、神奈川県で4月に見つけたので、春〜秋の発生になるのかもしれません。ヒダが作る不思議な模様に、眼を引き付けられてしまいます。資料の少ないキノコになります。
オロシタケ1.JPGオロシタケ2.JPG
上2枚、オロシタケ。何の種類か判断に迷っていましたが、表面に突起が有るので暫定的にオロシタケとして紹介させていただきました。突起は少し少ないような気がします。背着生のキノコの判別は本当に難しいです。4月に撮影しました。オロシタケは春にも発生するキノコです。撮影地、神奈川県横浜市、南本宿公園。
オロシタケ追加B.JPGオロシタケ拡大B追加.JPG
オロシタケを追加しました。とても細い立ち木の枯れ枝から出ていました。面積にすると10円玉程でしょうか。下はこの菌の拡大です。小さくても表面に突起が出ています。見つけた場所は違うのですが同じ、南本宿公園内です。やけに白く見えたのでコウヤクタケの仲間かと思いましたが、よく見るとこの菌の特徴である突起が出ていました。
クシノハシワタシ1.JPGクシノハシワタシ2.JPGクシノハシワタシ傘.JPG
クシノハシワタシです。広葉樹(桜)のさほど太くない枯れ枝から発生していました。1枚目、不規則なヒダに不思議な美しさを感じてしまいます。2枚目、拡大したヒダの様子です。あまり見ないヒダの形をしています。珍しいタイプのヒダと言えると思います。3枚目、外縁部の1部に小さな傘を開いています。撮影は4月。神奈川県では春にも発生するようです。撮影地、神奈川県横浜市、南本宿公園。
アナタケ.JPGアナタケ管孔.JPG
上、アナタケです。撮りためてあった写真を使いました。上、枯れ枝の表面にびっしりと付いていました。これはその枝の1部を写したものです。下は管孔の様子です。開いている穴(管孔)の大きさは大小が混ざって見えます。撮影地は神奈川県大和市、泉の森。
アナタケは縁がなくほとんど見ることがありません。ニクイロアナタケの写真が撮れましたら追加したいです。
posted by クラマ at 02:46| Comment(0) | キノコ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月12日

スミレウロコタケ、コウヤクタケ、コウヤクタケ科のキノコです。

スミレウロコタケは紫色をしたコウヤクタケ科のキノコです。平べったく厚みを感じないキノコらしくないキノコで、キノコのイメージからは遠い形をしています。コウヤクタケと単に呼ぶと、違う別の科のキノコも含めて、木に膏薬を塗ったように張り付く形状(背着生)から、これらは総称的にコウヤクタケと呼ばれているようです。とにかく訳の分からない種類が多く、詳しい分類や研究が進んでいない種類になるようです。詳しくは菌の担子器の形状などを見て分類しなくてはならないようで、さっぱりわかりません。今回紹介するものは2種類で、スミレウロコタケと名前が解らないコウヤクタケの仲間の2種類です。ここでコウヤクタケとしていますが、先に触れたように他の科も含めた総称として述べているので、ウロコタケ科やタマチョレイタケ科など他の科の可能性も高いです。ただ、スミレウロコタケは紫色を帯びた綺麗なキノコなので、その色彩から推測することができます。スミレウロコタケにはカミウロコタケという非常によく似た菌がありますが、表面の様子から判断することができます。スミレウロコタケは厚さ1〜3ミリで表面が平滑ですが、カミウロコタケはスミレウロコタケよりも厚みがあり、表面はビロード状をしています。どちらの種も古くなるとスミレ色(紫色)は失われていきます。と言ってもこの両種は判別が難しいです。白、黒、灰色、茶色など色彩が地味な中にあって、コウヤクタケや似た仲間の中ではどちらも綺麗な色のキノコということができます。この張り付くタイプ(背着生)の菌の表面の形状も平滑、いぼ状、フェールト状など雑多です。私には分類が難しく非常に苦手なキノコのグループになっています。スミレウロコタケ、カミウロコタケ、コウヤクタケを調べてみました。
★スミレウロコタケ コウヤクタケ科。スミレ色のコウヤクタケです。背着生〜半背着生で厚さは1〜3ミリ。広葉樹の枯れ木やシイタケのホダギから発生します。表面は平滑です。コウヤクタケ科の子実体(キノコ)は主に背着生で子実層面(表面)は平滑で、不定形で色々な形と色彩を持っています。
★カミウロコタケ ウロコタケ科。よく似たものにスミレウロコタケがあり判別が難しいです。判別の決め手は、カミウロコタケの表面はビロード状をしていて、スミレウロコタケよりも厚みがありることからスミレウロコタケと判別することができます。色はスミレ色(紫色)をしていて、どちらも同じ色なので判断はとても難しくなります。形は不定形で大きく広がって成長すると半背着生の傘を広げます。子実層は帯紫褐色で子実体の外周(外縁)は淡い色になります。老菌になると褐色になっていきます。発生時期は主に夏〜秋で、広葉樹の枯れ木、枯れ枝、シイタケのホダギから発せします。高温多湿が好きなキノコです。
★コウヤクタケ コウヤクタケ科。形が不定形で周辺部に白い部分があります。背着生で木に膏薬を塗る付けたような状態で張り付いて発生しています。ヒダにあたる部分(表面)はヒダ、管孔、突起などはなく、平滑になっています。総称でコウヤクタケと呼ばれています。分類や種類もまだはっきりと決まっていない訳の分からない種類になっています。キノコの形としては、コウヤクタケ型と呼ばれていて表面に胞子ができます。詳しい分類は担子器の形を調べなくてはいけません。
スミレウロコタケ幼菌.JPGスミレウロコタケ幼菌2.JPGスミレウロコタケ1.JPGスミレウロコタケ老菌.JPG
上4枚、スミレウロコタケです(実は迷ったのですがスミレウロコタケとして紹介します)最初の撮影は3月下旬です。表面が平滑なのでスミレウロコタケとしました。発生は広葉樹の枯れ枝で道端の一本の枯れ枝から発生していました。良く乾燥に耐えて発生してくれました。1枚目は幼菌の様子です。色の付いた綿菓子のようで可愛く見えます。柔らかそうに見える毛が沢山付いています。2枚目、やや成長したものです。4枚目は古くなった老菌です。古くなると紫色の部分がなくなっていきます。淡褐色に変色していきます。3枚目と4枚目は同じものです。スミレウロコタケも隣り合った個体と融合して大きくなっていきます。淡い紫色が綺麗でした。撮影地、神奈川県横浜市、南本宿公園。
コウヤクタケ1幼菌.JPGコウヤクタケ2.JPGコウヤクタケ3.JPG
上、コウヤクタケです。撮影は3月下旬です。黒い色をしています。子実体縁部は幼菌時は白い色をしていました。成長過程にあるうちは外縁が白く見えます。コウヤクタケは1枚目、幼菌です。この写真から解るように融合して大きくなっていきます。3枚目はどう見ても黒いカビに見えてしまいます。キノコだと思う人はいないかも知れません。発生はサクラの生きている木から発生していました。がっちりと張り付いていました。幼菌時は真っ黒い毛の生えている状態でしたが成菌になっていくと表面は平滑になって、色もやや紫色がかかったような色彩に変化していきました。撮影地神奈川県横浜市こども自然公園。他の種類、比較のためにもカミウロコタケの良い写真が撮れましたら追加したいと思います。
posted by クラマ at 14:44| Comment(0) | キノコ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする