2017年06月03日

ムモントックリバチ(サムライトックリバチ)とエントツドロバチ(オオカバフスジドロバチ)。ドロバチ科の狩りバチです。

ドロバチは単独生活をするハチで、名前にある様に泥を巣の材料に使います。ドロバチ科の泥でできた巣の形状は様々で、おおむね巣の形で作成者の種類が分かります。ドロバチは他の昆虫を餌とする肉食性のハチになります。他の昆虫を捕らえて巣に運ぶ種類のハチは狩りバチと呼ばれています。狩りバチには集団生活する社会性を持つハチと、単独で生活するタイプがあります。紹介するムモントックリバチ(サムライトックリバチ)とエントツドロバチ(オオカバフスジドロバチ)は単独性の狩りバチになります。餌として捕らえた昆虫類は、毒針で体が麻痺しています。そして幼虫が育つための餌として生きた状態のまま卵を産み付けられて、泥の巣の中に閉じ込められます。孵化した幼虫は新鮮な餌を食べて巣の中で育ちます。その食性から凶暴なハチかと思うとそうではなく、手で掴もうとしない限り攻撃されることはありません。巣はハチが作ったとは思えない器用な芸術的な作りになっています。特にトックリバチの仲間が作るトックリ型の巣は見事としか言いようがありません。最近では自然が減ってきているので、昔のように簡単には巣を見つけることができなくなりました。ムモントックリバチ(サムライトックリバチ)は都市部にも適応しているので、民家の石垣や石の塀、人工物の壁などで巣を見つけることができます。成虫のエントツドロバチ(オオカバフスジドロバチ)は見ることがあるのですが、当方まだ巣を見たことがありません。煙突状の巣を見て見たいものです。エントツドロバチは旧名はオオカバフスジドロバチと呼ばれていました。名前が簡単になって覚えやすくなりました。この名前の由来は煙突状の形をした巣を作ることによります。エントツドロバチは普通種で数も多く、昼行性で大型の狩りバチなので見つけやすいです。都市部の公園でも見つけることができます。ムモントックリバチ(サムライトックリバチ)とエントツドロバチ(オオカバフスジドロバチ)は性格がおとなしく攻撃性は弱い種類といっても、手で捕まえようとすると噛みつかれたり刺されるので注意は必要です。刺されたことのある人の話だと、刺されるとかなり痛いようです。ムモントックリバチ(サムライトックリバチ)とエントツドロバチ(オオカバフスジドロバチ)を調べてみました。
★ムモントックリバチ(サムライトックリバチ)ドロバチ科。体長10〜15ミリ。黒い体に黄色い線が見えるスマートなハチです。似た種類が多いのですが特徴は胸部背面に黄色い紋がないことです。出現は5〜10月。分布は分布は本州、四国、九州。普通種で公園のトイレの壁や市街地の住宅の壁などでも巣を見つけることがあります。成虫は花の蜜を吸います。幼虫の餌にはシャクガ類の幼虫を餌として利用するそうです。ムモントックリバチは泥で巣を作ります。巣を作る途中でトックリ型になりますが、完成すると凹凸のない盛り上がった高さのない半球状の土の塊に見えます。巣に穴が開いている時は獲物を運んでいる最中になります。巣の中には捕らえた昆虫が数匹蓄えられていて、卵を産み付けると穴は塞がれます。巣の中で幼虫で越冬したのち成虫になってから穴を開けて出ていきます。巣は石垣、石の灯篭、石碑、壁などに段差や石の窪みを利用して作られます。泥で巣を作るのでドロバチとも呼ばれています。窪みを利用するのは泥の量を減らすことができるからなのでしょう。似た種類にミカドトックリバチがいますが、ミカドトックリバチには黄色い紋が1対(2個ある斑紋には大きさ等の変異があります)ありますが、ムモントックリバチにはありません。ただし個体変異もあることから、両種とも非常によく似ているものもいることから判別が難しいものも出てきます。違いは腹部(第2腹節)の丸みが強く見える方がムモントックリバチになるようです。僅かな違いしかないので見ただけでは分からないというのが本当の所です。写真を撮って観察しないと分からないレベルの違いです。1番良いのは巣を確認するかペアになっていると分かりやすいです。
ムモントックリバチ1.JPGムモントックリバチ2.JPG
ムモントックリバチです。上は花の蜜を吸いに来たところです。下は民家の塀に巣を作っていたところです。穴を塞いで表面の仕上げに入っていました。巣の表面に見える色の濃い部分は、水分で湿らせている場所で、乾くと表面は同じ色になります。巣は巣の材質である泥を泥団子として運んできて作られます。巣は口に含んだ水を使って造形しやすくして、泥で形を整えながら作り上げていくのです。手順は水を吸ってきて、巣を作りやすい粘度のある泥を選び湿らせます。次に、口で泥を削り取っていきます。そして運びやすいようにダンゴ状(泥団子)にして巣のある場所、または作ろうとする場所に運んでいきます。餌が巣の中に満たされると、巣に蓋をして表面に湿り気を与えて、全体的に滑らかにしたのち完成です。当然、防水性のある状態を保って作られていると思います。営巣場所も巣は石や壁などの直接雨が当たらないような場所を選んで作られます。ムモントックリバチの場合、巣の形と巣を作る場所から、他のドロバチの巣と見分け安くなります。
ムモントックリバチの巣1.JPGムモントックリバチの巣2.JPGムモントックリバチの巣3.JPGムモントックリバチの巣4.JPGムモントックリバチの巣5.JPG
上はムモントックリバチの巣です。上2枚は巣の入り口が塞がれた巣です。3、4枚目は穴が開いています。4枚目の写真の巣は表面が滑らかになっていませんが、恐らくムモントックリバチの巣で良いのだと思います。ここではムモントックリバチの巣としておきます。1番下は大きな穴が開いています。このような巣をよく見かけます。成虫になって脱出した後の巣です。中から出てくるのは、必ずしもムモントックリバチではありません。巣の穴を塞ぐ前にムモントックリバチに寄生する種類の昆虫に卵を産み付けられていて、巣を壊して出てくるのは中の餌を食べて育った他の昆虫ということもあります。巣の色の違いは材料に使われた泥の種類によります。写真の巣はすべて人工物(壁)に作られていました。
★エントツドロバチ(オオカバフスジドロバチ)ドロバチ科。普通種。体長は18〜20ミリ程の大型のドロバチです。旧名はオオカバフスジドロバチと呼ばれていました。エントツドロバチ(オオカバフスジドロバチ)の特徴は腹部にある2本の横帯です。黄色い帯の中央部には切れ込みがあります。胸背には黄色い筋や斑紋はなく黒い色をしています。日本では雄のエントツドロバチ(オオカバフスジドロバチ)は見つかっていないそうです。単為生殖する単為生殖個体群と考えられているそうです。エントツドロバチの成虫は花の蜜や花粉。幼虫はガの幼虫(メイガ、キバガ、ヤガ、ハマキガ等)を食べる肉食性です。巣は泥で作られ、その巣の入り口の形状が煙突状に伸びることが名前の由来になっているようです。巣が完成すると煙突状の出入り口は取り除いて、外敵の侵入を防ぐために入り口を泥で塞ぎます。巣は再利用されることも多いようです。巣を作る場所は竹筒や建物の隙間、岩の隙間などに巣を作ります。出現期は6〜9月。分布は本州、四国、九州。平地から山地の林縁、公園、人家付近に生息しています。エントツドロバチは性質がおとなしいハチになります。越冬は巣の中で幼虫で越冬します。
エントツドロバチ(オオカバフスジドロバチ).JPGエントツドロバチ(オオカバフスジドロバチ顔).JPG
エントツドロバチです。大きくて迫力があります。写真は同じ個体です。
エントツドロバチ(オオカバフスジドロバチ)3.JPG
泥を集めていたエントツドロバチです。巣の材質にする土は、サラサラした乾燥した土ではなく、粘土質のような硬い土を選び、口で削って丸めて運んでいきます。やはり粘土質に近い土の方が、泥として捏ねやすく造形しやすいのでしょう。手順は水を吸ってきて、土を湿らせます。次に、口で泥を削り取っていきます。そして運びやすいようにダンゴにして巣のある場所、または作ろうとする場所に運んでいきます。巣を作るところは見たことが無いので、観察してみたいものです。
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2017年05月09日

ニクバエ科とハナバエ科のハエの仲間。ハエ類は名前を探すのが難しいです。

単にニクバエというとニクバエ科に属するハエの総称になります。ニクバエ科のハエの特徴は、多くの種類に胸背に3本の黒い縦筋(黒条)が見えることと、ニクバエの仲間の腹部には市松模様が見えることです。種類がとても多いのですが、どの種も皆同じに見えてしまいます。これほど総称で呼ぶことがふさわしい昆虫もいないと思います。ニクバエ亜科に属するハエは、驚くことに他のハエと違って、卵ではなく体内で孵化した1齢幼虫(ウジ)を産みます。大まかな種類が分かる程度の紹介しかできませんが、参考にしてみてください。ニクバエは腐敗した肉を好みますが、傷んでいない肉も餌とします。 センチニクバエなどニクバエ類は卵胎生のハエなので肉を出してある状態で調理場を離れるとウジを産み付けられてしまうことがあります。ハナバエ科のハエは個性的な種類も多いので、ニクバエ程ではありませんが種類の分からないものも多くいます。特にニクバエは自分でもニクバエ科のハエと分かる程度の知識しかありません。個人的な感想として、ハエ類は調べているとさらに訳が分からなくなるので、紹介するためには向いていない昆虫だと思いました。難解のハエの種類、ニクバエ科とハナバエ科のハエを調べてみました。   
ニクバエ類の大きな特徴は、胸背に3本の黒条が見えることです。この特徴があればニクバエの仲間だと分かります。
★センチニクバエ ニクバエ科。体長12〜14ミリ。ニクバエの中でも普通種の大型のハエで、灰白色の地色で胸背には3本の縦筋(黒条)があります。暗赤色の複眼が目立ちます。腹部は黒白の市松模様になっています。名前に付ているセンチとは雪隠(せっちん)からきていて、トイレの事を言った昔の言葉です。糞便に集まるハエなので、昔のトイレには多く発生していた種類になります。正中剛毛は0+1。背中剛毛は5+5。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。平地から山地の林縁や雑木林に生息しています。出現は3〜11月。センチニクバエは卵胎生のハエなので、お腹の中で卵が孵化して、ウジの姿(1齢幼虫)で幼虫は生まれてきます。卵ではなく幼虫で出産するハエで、想像すると気持ち悪いです。ニクバエの仲間は数も多く非常に良く似ている種類が多くいます。センチニクバエ、ナミニクバエ、ゲンロクニクバエなどは数も多い普通種で大変良く似ていて、模様で判断するのは難しいです。正確には交接器の違いを確認しなければ種類を特定することは難しいです。センチニクバエは生ゴミ、糞便、腐敗物、動物の死骸、腐った果実に集まります。幼虫はこれらを餌にして育ちます。病原菌等を運んでしまうので、衛生上良くない衛生害虫です。数も多く林縁や雑木林の他、畜舎、人家周辺で普通に見ることができます。越冬は蛹で行われます。よく似たゲンロクニクバエの体長は15〜17ミリと大型です。ナミニクバエの体長は8〜15ミリ。このことを踏まえると、交接器を確認できなければ正確な判断はできないのですが、強引にあてずっぽうで行くと、大きさから種類の当りを付けることとなってしまいます。ナミニクバエをついでに調べてみました。
★ナミニクバエ ニクバエ科。体長8〜15ミリ。センチニイクバエと非常によく似ています。ナミニクバエも卵胎生です。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。出現は3〜11月。都市部の公園や人家付近のゴミ箱、ゴミ捨て場等から発生します。成虫は主に動物の死骸を餌にします。幼虫は動物の死骸を餌にしますが、動物や人間の糞も餌にします。頬には白色の毛が無く黒い色をしています。胸部の横溝後背中剛毛は5本で後ろ2本は長くなっているようです。越冬は蛹で行われます。
センチニクバエ?.JPG
上の写真のハエは15ミリ程に見えました。大きさからは普通種のセンチニクバエかナミニクバエが近いのですが、小さめのゲンロクニクバエの可能性もあります。頬の部分の写真や剛毛までは分かりませんでした。接写を試みるも意外と逃げられてしまうので撮影には苦労します。
★ヤマトカスミニクバエ ニクバエ科。体長7〜8ミリ。ニクバエの仲間には胸背に3本の黒い縦筋(黒条)があります。腹部は黒白の模様になっています。この仲間は似た種類が多く種を特定するのは大変困難です。ニクバエ科の特徴になる3本の黒い縦筋とニクバエ科の翅脈を確認する必要が有ります。ヤマトカスミニクバエはバッタ類に寄生するハエのようです。分布は北海道、本州、四国、九州。詳しくは分かりません。非常によく似ている種にセンチニクバエ体長8〜14ミリがいます。
ヤマトカスミニクバエ(ニクバエ科).JPG
上、ヤマトカスミニクバエが1番近いと思います。センチニクバエが大変よく似ていますが大きさ的に、ここではヤマトカスミニクバエ として紹介させてもらいます。ニクバエ科も含め、名前を探すことは似たものが多くお手上げです。サイズの大きいゲンロクニクバエの写真が撮れましたら追加したいと思っています。   
★クロオビハナバエ ハナバエ科。普通種。体長4〜6ミリ。複眼の色は赤く小型で白い体に黒い帯が特徴になっています。クロオビハナバエ は名前の通りに個性的な黒帯模様をしているので分かりやすい種類になります。ハナバエ科の特徴として、額の上部に十文字に合わさる1対の刺毛(額刺毛)があります。クロオビハナバエの雌の場合、特に眼(複眼)の間に大きく開いた、細い牙の生えた口にも見えて少しばかり怖く見えます。分布は本州、四国、九州、沖縄。出現期は4〜9月。普通種で都市部の公園でも見つけることができます。ハナバエ科の幼虫の多くは様々な植物の根や茎の内部を餌として食べるのですが、幼虫も成虫も動物の糞を餌にします。鳥の糞や動物の死骸、生ゴミにも集まります。雌雄の違いは雄では複眼が接近していて、雌では複眼の間隔が離れていることで区別できます。ハナバエ科なので蛹で越冬するのではないのかと思います。
クロオビハナバエ(ハナバエ科)B差し替え.JPG
クロオビハナバエです。分かりにくいハエの中では特長のあるハエになります。白と黒の配色が綺麗なハエです。 
★タネバエ ハナバエ科。体長は5〜6ミリと小型です。胸背の正中とその両脇と合わせて3本の縦条が見えます。胸背部と腹背部には光沢があります。ハエ科の特徴として雄の複眼はくっついて見え(接近していて)雌の複眼は離れています。タネバエの額の上部に十文字に合わさる1対の刺毛(額刺毛)があります。これはハナバエ科の特徴にもなっています。出現は4〜10月(羽化は3〜4月で5〜6月に多く発生するようです)分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。農業害虫として有名です。成虫は鶏糞やたい肥に集まり湿った土の塊にお隙間に産卵するそうです。幼虫は有機質を好み、幼苗も餌にしてしまいます。タネバエの幼虫はマメ科やウリ科の幼苗に被害を与えるようです。非常によく似た種にタマネギなどネギ類に発生するタマネギバエがいます。タマネギバエの幼虫はタマネギやネギに甚大な被害を与える害虫として有名です。あまりに似ているためタネバエもタマネギバエもタネバエとして呼ばれています。越冬は北日本では蛹で越冬するそうです。関東以南では成虫、幼虫、蛹で越冬することができます。タネバエの仲間もどれもよく似ています。 
タネバエ雌(ハナバエ科).JPGタネバエ雄.JPG
上、タネバエかタマネギバエの雄のように見えます。上が雌で下が雄です。タマネギバエとタネバエは非常によく似ていて、タネバエとタマネギバエの区別は当方は分かりません。
名前を付けて紹介できないほど判別が難しいです。見つけたハエの正確な名前を知りたい方は、交接器の形状や体に生えている毛を手掛かりに名前を探してみてください。
posted by クラマ at 19:32| Comment(0) | 昆虫・コクワガタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月22日

クヌギの樹液に集まってくる昆虫を調べてみました。樹液を餌にする昆虫たちです。

樹液を出しているクヌギやナラなどの木には、沢山の種類の昆虫が訪れています。カブトムシ、クワガタ、ヨツボシオオキスイ、ヨツボシケシキスイ、カナブンの仲間の甲虫類やサトキマダラ、アカボシゴマダラ、キタテハ、ルリタテハ、ヒカゲチョウなどの蝶類がいます。その他樹液に集まってくる色々な昆虫について調べてみました。以下の昆虫は樹液が好きな虫達でクヌギの樹液で見つけることができた種類です(ガの仲間は調べていませんが、夜にはガの仲間も樹液を求めて集まってきます)これら確認した昆虫は同じクヌギの木に樹液を求めて集まって来た昆虫たちです。クヌギの樹液は昆虫たちにとって大切な餌場で昆虫のオアシスのようなものです。実に様々な昆虫が樹液を求めて集まってきます。しかし、クヌギの木があっても樹液を出していない木も多くあります。樹皮に傷をつけて樹液が出る状態にないからです。カミキリムシが少なくなったことも樹液を出さない木が多い要因になっているようです。確認できた樹液に集まってきた昆虫は次の種類になります。
・甲虫の仲間 カブトムシ、ノコギリクワガタ、コクワガタ、カナブン、アオカナブン、クロカナブン、シロテンハナムグリ、オオクシヒゲコメツキ、サビキコリ、ヨツボシオオキスイ(幼虫は樹液の中でも見ることができます)、ヨツボシケシキスイ。
・ハエの仲間 ホシアシナガヤセバエ、キイロショウジョウバエ、ベッコウバエ。  
・チョウの仲間 クロコノマチョウ、キタテハ、アカボシゴマダラ、ヒカゲチョウ、サトキマダラ、ルリタテハ。
ハチの仲間 オオスズメバチ。
上記昆虫が、クヌギの樹液が出始めてから時期を少しずつずらせて集まってきます。スズメバチがやってくる時期は長いので、観察には注意が必要になります。クヌギの樹液が醗酵した匂いのする時期が1番昆虫が群がっています。昆虫の嗅覚も鋭いと思いました。おそらく、さらに昆虫はフェロモンを出して同種を呼び寄せているのではないのかと思っています。また、この場所は決して昆虫の種類や数は多くないと思いますが、その他この近辺に樹液を出している木がないので、これだけの種類が集まるのではないのかとも推察しています。
メスカブトとカナブン.jpgカブトムシ雄.jpgノコギリクワガタ雌.jpgノコギリクワガタ・ペア1.jpgノコギリクワガタ・ペア2.jpg
御馴染のカブトムシ、ノコギリクワガタ、コクワガタです。上2枚カブトムシ。カブトムシはクヌギの樹液に来る有名な大型の甲虫です。雄の立派な角状のツノは立派です。他の昆虫と餌場の取り合いになると、相手の(他の昆虫)体の下にツノを滑り込ませ、下から救い上げて投げ飛ばしてしまいます。カブトムシは飛ぶ速度は遅いのですが上手に飛ぶことができます。カブトムシはブンブンと大きな羽音を立ててクヌギの樹液を目指して飛んできます。下の雄はこの木にいたものではありません。他の場所で撮った写真をイメージで使わせてもらいました。上の方にいたので下からのアングルになってしまいました。3枚目、コクワガタの雌と比べるとがっしりと大型になるノコギリクワガタの雌です。4、5枚目。ノコギリクワガタの雄と雌です。雌の写真とカナブンを撮影している時に、奇跡的に飛んできました。雌のいる場所に迷わず来たことから、雌のフェロモンを感じ取ったものと思われます(もしくは単純にクヌギの樹液を求めてきたのかも知れません)飛んでくるノコギリクワガタを見たのは初めてなので大変驚きました。この雄はすぐに交尾の態勢に移りました。かなりの大型の雄になります。雄の反り返った大きなハサミ(大顎)は立派です。久しぶりに見る大きさに感動でした。ノコギリクワガタは湾曲した大顎が特徴で、他の種類のクワガタと大顎(ハサミ)の形で区別することができます。午前11:52分に雄が飛んできました。普通ノコギリクワガタは夜行性が強いのですが、写真でもお分かりかと思いますが、この雄と雌は赤味がかかっています。この赤味が強くなるほど、日中に動く個体が多くなる傾向があるようです。この色と行動の関係はカブトムシにもいえそうです。上の雌カブトムシも夕方まだ明るいうちに撮影したものです。カブトムシの方が日中に木に付いている確率は高いようです。(とはいえ共に基本は夜行性になります)
コクワガタ.jpgコクワガタ雄2.JPGコクワガタの雌.JPG
コクワガタです。顎の部分を樹皮に潜り込ませて樹液を吸っています。2枚目、コクワガタの雄。観察していた切られてしまったクヌギの株にいました。3枚目、コクワガタの雌。最近ではコクワガタを見つけることも1苦労するようになってしまいました。飼育下ですとコクワガタは3〜4年生きる個体もいます。寿命の長い昆虫です。2枚目と3枚目を追加しました。
★カブトムシ コガネムシ科。頭に角状突起の有る大型の甲虫です。大きさは30〜80ミリ。大きさには雄も雌も個体差が出ます。この違いは栄養状態によるものです。野生下ですと80ミリの大型は少なくなります。小型の雄ではツノ(角状突起)がとても短くなり雌に似て見えてきます。カブトムシは夜行性で灯火にも集まります。出現は6〜8月。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。クヌギの樹液に集まるほか、果樹園や落ちた果実に集まってきます。生命力が強く、落ち葉の堆積した場所やウッドチップのまかれた小道からも発生します。飼育も簡単な種類で大きな個体を育て上げることができます。ただし餌は多く消費するので、1匹あたりの飼育面積は多くとる必要が有ります。飼育は1匹ずつ容器を分けることが良いです。餌には腐葉土、完熟したおがくずのマット(市販品など)を使います。カブトムシを知らない人が少ないほど有名な大型昆虫になります。力の強い昆虫としても知られています。成虫の寿命は1〜3か月ほどです。越冬は幼虫で行います。
★ノコギリクワガタ クワガタムシ科。雄は33〜74ミリ。雌は28〜40ミリ。黒い色のタイプとやや赤みを帯びたタイプがいます。稀に赤味の強いものもいます。分布は北海道、本州、四国、九州、屋久島、種子島、対馬。雄の個体変異は大きく、顎が長く大きく湾曲した大顎を持つ先歯型(55ミリ以上の大型になると先歯型になります)、緩やかな大顎の両歯型、小さく直線的な顎の原歯型(直線的な形の顎)に分けられます。栄養状態による変異です。幼虫期は1〜3年。夜行性が強いものの、稀に日中動いているものがいます。灯火に集まる習性があります。出現は6〜8月。ノコギリクワガタの寿命は短く1〜6か月ほどです。野外では1〜3か月ほどのようです。ノコギリクワガタはクヌギの樹林に多く生息していて、幼虫は柔らかいクヌギなどの劣化の進んだ朽ち木を餌にします。コクワガタと違って、ノコギリクワガタの雄は朽ち木から脱出して、朽ち木の脇の土中に蛹室を作って成虫になります。越冬は幼虫で越冬します。人工飼育の場合、完熟したおがくずマットが向いています。
★コクワガタ クワガタムシ科。雄は22〜54ミリ。雌は20〜31ミリ。分布は北海道、本州、四国、九州、対馬、屋久島、種子島。飼育下だと3〜4年モ生きる長命な種類です。比較的に細い枯れ木でも幼虫は成長することができます。朽ち木は湿度の高いものを好みます。コクワガタも大型になると大顎はしっかりとしてきます。自然の中ですと小型の個体が多いコクワガタでも、飼育下ですと47〜50ミリの大型が生まれてきます。オオクワガタとは極めて近い種類になり、オオクワガタとの雑種も自然化では見ることがあります。子供の頃、私も3回ほど見つけたことがあります。この雑種はオオコクワと呼ばれています。現在ではオオクワガタがいなくなってしまっているので、オオクワガタもオオコクワも見ることは難しくなってしまいました。コクワガタは都市部でも見ることがある適応力の強いクワガタです。小さな公園や街路樹でも発生していることがあります。出現は5〜9月。最も普通に見られる数の多い普通種のクワガタムシです。
カナブン3.jpgカナブン2.jpgアオカナブン1.jpgアオカナブン.jpgカナブン変色.jpgクロカナブン.jpgシロテンハナムグリ.jpgヨツボシケシキス.jpg
カナブンです。上、沢山集まっています。普通はこの色のものが多いですが、アオカナブンに似ているもの、赤っぽいもの、茶色っぽいものなど、色彩の変かは多いです。2枚目。金色っぽく見えた個体の写真です。3、4枚目、アオカナブン。光の角度で緑以外の色が見える個体が多いです。カナブンとの識別になる後ろ脚の基部は確認していません。アオカナブンの方が若干、体は細く見え、グリーン光沢も強くなります。アオカナブンも他の色が混ざっている個体もあり、正確には裏返して確認する必要があります。(今回はしていません)5枚目、ブルー光沢のある個体がいました。カナブンか、アオカナブンかは分りません。6枚目、クロカナブン。カナブンより大きくなり、黒い体色をしています。右に見えているものがカナブンです。7枚目、シロテンハナムグリ。白い斑紋がおしゃれです。最後、ヨツボシケシキスイ。アップで見ると迫力があって魅力的な昆虫に思えます。小さいことがとにかく残念です。
★カナブン コガネムシ科ハナムグリ亜科。体長22〜31ミリ。出現期は6〜9月。金属光沢があり、他の金属光沢のあるコガネムシと混同されて総称で呼ばれていることが多い昆虫です。カナブンは個体の色の変異が大きく、単純な色の分け方だと間違ってしまう事があります。分布は本州、四国、九州、伊豆半島、壱岐島、対馬、屋久島、種子島。出現期は7〜8月。成虫は広葉樹の樹液。主にクヌギ、コナラの樹液を吸います。幼虫はクズ群落の乾燥した環境に生息し、腐食した植物を食べるらしいです。カナブンの仲間の生態はよく分かっていないようです。
★アオカナブン コガネムシ科。体長22〜27ミリ。出現期は7〜8月。カナブンよりやや細くなります。分布は、北海道、本州、四国、九州。緑色の綺麗な金属光沢をしています。樹液が大好きでカナブンと競って樹液を吸っています。カナブンによく似た色の個体が出るので、判別は難しくなります。
★クロカナブン コガネムシ科。体長25〜33ミリ。やや細長い体型をしている黒い金属光沢のあるカナブンです。分布は、北海道、本州、四国、九州、対馬、屋久島、種子島。
★シロテンハナムグリ コガネムシ科。体長20〜25ミリ。出現期は5〜9月。よく似た種類にシラホシハナムグリがいます。違いは前足の符節(前脚の先の部分)の長さが短いものがシラホシハナムグリでシロテンハナムグリの前脚の符節は見比べるとかなり長く見えます。頭の部分の頭楯の形でも見分けることができます。頭楯がまっすぐに見える方がシラホシハナムグリで窪んで見える方がシロテンハナムグリになります。背面に見える白い紋はシロテンハナムグリでは小さく分散していることも見分ける方法になります。シラホシハナムグリでは、かたまってやや大きな白い紋に見えますがどちらもよく似ています。大きな違いとしてはシロテンハナムグリの前翅先端の会合部は突出しないことです。でも1番良い方法は両種を並べて見比べてみて覚えることです。目で見た方が分かりやすいかもしれません。シロテンハナムグリは緑色から銅色のメタリック色をしています。完全な昼行性で灯火には集まらないようです。昼間に盛んに飛び回って樹液を求めている所に出会うことも良くあります。シロテンハナムグリの寿命は約1年と長く、成虫は花の蜜や花粉、樹液と対象になる餌が多いことで長命なのかも知れません。成虫はクヌギ、ナラ、カシ、コナラ、ヤナギなどの樹液に集まります。幼虫は腐植土を餌にしていて、幼虫で越冬します。成虫が土中で越冬することも確認されています。蛹は土中で土繭を作ります。繁殖力、生命力が強く、カブトムシやクワガタのように人工飼育も可能です。
★ヨツボシケシキスイ ケシキスイ科で、顎の形は雌のクワガタに似ています。体長は4〜14ミリ。出現期は5〜8月。黒色で光沢があり上翅に朱色斑紋が2個ずつあります。この紋はバットマンのマークにも似ていて可愛らしいです。ヨツボシケシキスイは都市部、郊外の雑木林などでも多く見られる普通種です。クヌギ、コナラ、カシなどの樹液の出ている木では簡単に見つけることができます。樹液の他に他の昆虫の幼虫も食べる肉食性のようです。雌は木の樹皮の隙間に産卵するそうです。
オオクシヒゲコメツキ.jpgオオクシヒゲコメツキ2.jpgサビキコリ・クヌギに集まる昆虫追加.JPGヨツボシオオキスイ1.jpgヨツボシオオキスイ大池.jpg
上2枚、オオクシヒゲコメツキ。3枚目、サビキコリ。変な名前ですがコメツキムシの仲間です。この写真は石の上で撮りました。4、5枚目、ヨツボシオオキスイ。3枚目はこの木で撮影。黄色の点の色がうまく出ていなかったので、他の場所で撮影したものを4枚目に使いました。ヨツボシオオキスイは2度目の登場になります。カナブンの下に潜り込み、積極的に動き回っていました。幼虫はクヌギの樹液を餌にして育ちます。
★オオクシヒゲコメツキ コメツキムシ科。体長22〜35ミリ。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。触覚が櫛状の大型のコメツキムシ。出現期は6〜10月。成虫で越冬します。成虫はクヌギ等の樹液。幼虫はサクラなどの朽木を食べます。県によっては準絶滅危惧種になっています。オオフタモンウバタマコメツキ(体調25〜32ミリ)より調べたところ、こちらの方が大きいのでコメツキムシの中では日本で1番大きいコメツキムシだと思います。
★サビキコリ コメツキムシ科。体長14〜16ミリ。分布は北海道、本州、四国、九州。寸詰まりに見える横幅の有る光沢のないさび色のコメツキムシ。出現期は4〜11月。成虫で越冬します。幼虫も成虫までに2年かかるようなので幼虫でも越冬します。成虫幼虫共に雑食性。成虫は花の蜜や花粉、樹液、果実、樹の葉、他の昆虫の死骸。幼虫は土中にいて植物の根や他の昆虫を食べるようです。普通種で数も多く、行動は昼行性。灯火にも飛来します。平地から山地の林縁に多く、都市部を除き広い範囲に分布しています。コメツキムシの種類の判別はとても難しいのですが、サビキコリの仲間は体表面がザラザラで、光沢のないさび色をしているので、この特徴からサビキコリの仲間だと判断することができます。
ホシアシナガヤセバエ.jpgキイロショウジョウバエ.jpg
上、ホシアシナガヤセバエです。下、キイロショウジョウバエ。
★ホシアシナガヤセバエ ハエ目アシナガヤセバエ科。体長8〜10ミリ。分布は本州、四国、九州。出現期は6〜8月。成虫は樹液、腐った果実を吸います。このハエはとても臆病で、すぐに飛んで逃げてしまいます。良い写真が撮れなかったのでまた機会を見て撮りなおさないといけないと思っています。よく似た種類の昆虫がいますが、翅に黒点があるものがホシアシナガヤセバエです。1見アメンボに似ている不思議なハエです。
★キイロショウジョウバエ 別名コバエ。ショウジョウバエ科。淡黄褐色で体長2ミリの小さなハエで、出現は3〜11月。人家にも発生することがあります。複眼(目)は赤い色をしています。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。キイロショウジョウバエは1世代のサイクルが早く、産卵後1日で孵化し幼虫になります。幼虫期は短くて5日で蛹になります(気温25度の場合)30度を超える高温になると孵化しにくくなります。雌は産卵を開始すると1日50〜60個の卵を産み付けます。ごみ箱などが、あっという間にハエだらけになるわけです。寿命は2か月。寿命には温度が関係していて、この2か月とは気温が適切な場合の寿命です。キイロショウジョウバエは突然変異が多い昆虫としても知られています。
コノマチョウ.jpgキタテハチョウとカナブン.jpgアカボシゴマダラ.jpgヒカゲチョウ.jpgサトキマダラ.jpgルリタテハ.jpg
上から、クロコノマチョウ、キタテハ、アカボシゴマダラ、ヒカゲチョウ、サトキマダラ、ルリタテハ。
ハチ類ではオオスズメバチが常に目を光らせています。いつも怖くてやっとの思いで撮影しています。 オオスズメバチの写真が撮れました。コンパクトデジカメでは、これが限界です(怖かったですよ)注意が必要な凶悪なハチです。私のように写真を撮ることはお勧めしません。いや、しない方が良いでしょう。
★オオスズメバチ スズメバチ科。女王蜂は40〜45ミリ。働き蜂27〜40ミリ。黒褐色の体に腹部の体節部分が黄色い帯状に見える大型のスズメバチ。分布は北海道、本州、四国、九州、佐渡島、種子島、対島、屋久島。活動は4〜10月。攻撃性、毒性は強く、世界最大の殺人蜂です。日本にいる昆虫の中で最悪の凶暴性を持っていて、攻撃性が強く人を襲うこともあります。刺される事故も多く発生しています。毒成分はテトロドトキシン。このハチの毒液中には仲間を呼ぶフェロモンが含まれ、1匹に刺されると多数に襲われる確率も高くなるという最悪さです。毒蛇のハブより多い死者をでしている昆虫です。見るからに凶暴に見える大型のハチです。できれば近づかないことをおすすめします。姿はアシナガバチを超巨大にしたように見えます。オオスズメバチは覚えておかないといけない野外の危険昆虫です。黒い色に反応して黒い部分を攻撃することが知られています。人間の黒い部分の顔(目)、頭などが狙われやすいです。首周りを指されることも致命傷になります。大型なので刺されたときに注入される毒の量も多くなることと、複数のスズメバチに刺されることが有るので命にかかわる危険度はかなり高くなります。気が付かないうちに刺されてしまう事故も多く発生していますが、山野に行くときは白い服がスズメバチに狙われにくいということがいえそうです。
オオスズメバチ.jpg                            危険なトラ柄の大きな蜂です。オオスズメバチの仲間は毒性も攻撃性も強いので、この模様のハチがいたら刺されないように注意するようにしてください。
この観察をしていたクヌギの木が切られてしまいました。歩道の脇にあったものなので、樹液に集まるスズメバチが危険な存在になったことが原因だと思います。木が切られてしまったことは残念ですが、これは仕方のない所です。同じ木での観察はできなくなってしまいました。
posted by クラマ at 06:03| Comment(0) | 昆虫・コクワガタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする