★コバンソウ イネ科コバンソウ属。別名タワラムギ。ヨーロッパ原産(地中海沿岸部)の1年草。日本には観賞用として明治時代に渡来しました。花穂が小判型をしていて、実に覚えやすい名前をしている植物です。果実が熟して来ると緑色から黄色、そして淡い茶色に変色していきます。より小判のイメージにあってきます。分布は本州(秋田県、関東以西)、四国、九州。日当たりの良い荒地、道端、草原、砂地、畑などに生育します。草丈は10〜60センチ。茎は直立します。葉は細く線形。花期は5〜6月。この植物の最大の特徴は、楕円形の小判に似た形の穂が付くことです。
コバンソウの花穂です。花穂ができないうちは他の雑草と判別しにくいのですが、特徴のある形をした穂がぶら下がり始めたら、他の植物と間違うことはありません。名前に付いているように、小判に見える人が多いようですが、当方には原始の生物(三葉虫類)にも見えてしまいます。個性的な面白い形が魅力的な雑草です。元は観賞用として渡来しただけのことはありますね。現在は普通の雑草としてよく見ることができます。上2枚。細い茎に小判型の穂がぶら下がっていて可愛いです。色の変化も楽しめます。下、横から見える穂もあるので、扁平な小判型(楕円型)をしていることが分かります。手の平に何匹も虫が這っているようにも見えてしまいますね。実に面白い形をしています。撮影地、神奈川県横浜市、こども自然公園。広い範囲で群生していました。
コバンソウは雑草化するほど丈夫な植物なので、育てて見ようと思われた方は鉢植えも良いのかと思います。種まきで増やせますし、土質も選びません。芽が出て少し大きくなったら、水は泥が乾燥してから与えるだけですみます。丈夫なので手間いらず、土が乾きすぎなければ育ちます。個性的な穂がでれば1輪挿しやドライフラワーとして使うことができます。雑草扱いになったものの、使いようで役に立つ草です。コバンソウの種は園芸店にも売っているそうですが、普通に雑草化しているので、種を採ってきて蒔けばよいと思います。ただ庭に蒔きすぎると大変なことになるので、庭や花壇に蒔く時は少なめが良いかもしれません。病害虫にも強い繁殖力の旺盛な植物です。もし増えすぎたら種が広範囲に広がらないうちに、根元から刈ったり抜いたりして、株の数をコントロールすると良いと思います。