2020年05月26日

ツワブキ。山菜としても食べることもできる植物です。

ツワブキは海岸の近くなど海沿いに多く自生していて、常緑でツヤツヤした葉の美しさや花の美しさから公園、庭園、庭などにも多く植えられています。斑入りの種類など品種の数も多くあります。大変良く知られている植物と言えます。常緑の葉にはツヤがあり、葉の直径は20〜30センチ程もある大きな円形をしています。秋には見ごたえのある黄色いキクに似た綺麗な花を咲かせます。土質を選ばない丈夫な性質で、日向から明るい日陰、半日陰でも生育することができます。日光を好むのであまり暗い所は避けた方が良いです。鉢植えもできますが、日の当たり方で成長の差が出るので、均等に日が当たる様にした方が良いです。水は路地植えの場合、自然に任せておいても枯れることが無いほど丈夫ですが、鉢植えの場合は乾きすぎないように水を与えないといけません。日光に強いとは言え、日に当たりすぎる場合は葉が日焼けすることもあります。病害虫の発生はほとんどありませんが、病気の場合はウドンコ病になることがあります。ウドンコ病になると葉が粉状に白っぽく見えます(原因はカビ)。害虫にはキクスイカミキリがいます。キクスイカミキリの幼虫はキク科の植物の茎の内部を食べてしまいます。ツワブキはフキと似た名前が付いていますが、属が違います。葉の形は良く似ていますが質感が全く違います。フキはフキ科フキ属、ツワブキはフキ科ツワブキ属になります。大きな違いは、ツワブキにはフキの花茎の呼び名で知られるフキノトウはできません。開花時期も異なりフキの花(フキノトウ)は春ですが、ツワブキは花が少なくなった秋から初冬(10〜12月)にキクに似た黄色い花を咲かせます。花も楽しめるので、フキと違い観賞用に植えられることが多く公園や庭で見ることが多い植物になっています。観察地では小川の脇の薄暗い林縁に自生していました。元来は海岸の岩場などに生えていることで知られています。ツワブキもフキも共に山菜として利用されていますが、フキ程好んでは食されていません。ツワブキは家庭では佃煮として、店頭ではキャラブキと言う商品名で売られています。フキの場合は、もはや野菜として知られていて、スーパー等で普通に売られていますが、当方地域ではツワブキは店頭に生で並ぶことはありません。春先のツワブキの新芽はアクが少なく好まれています。九州地方で普通に食べられているようです。大分県、鹿児島県、宮崎県ではツワブキを山菜として出荷しているほどなので、利用しない方がもったいないと思います。ただ、ツワブキは水溶性のアルカロイドを含んでいるので、アク抜きをしないと食べられません。野外のみならず庭などで普通に植えられていることも多いツワブキを調べてみました。
★ツワブキ キク科ツワブキ属。別名ツワ、イソブキ、ツヤブキ、イシブキ等。常緑多年草。原産地は日本、東南アジア。分布は本州、四国、九州、沖縄。岩上や林縁に自生します。自生の北限は日本海側は新潟県佐渡島以南、太平洋側は福島県以南。耐暑性が強く丈夫な植物です。草丈は品種により20〜70センチ。有毒と言っても山菜として食されています。ツワブキは茎を食べることができます。旬は春の新芽です。新芽の葉と葉柄は密に茶色い綿状の繊毛に覆われていることが特徴の1つです。成長した葉柄ではこの繊毛は脱落していきます。ツワブキには毒成分が含まれています。ツワブキの毒成分はピロリジジンアルカロイドになります。ピロリジジンアルカロイドは肝臓に害を与えるので、食べる場合はアク抜きが必要です。アクを抜いたツワブキは煮物、きんぴら、佃煮、炒め物などにすることができます。ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等を含んでいるので、アクを抜けば優れた食材にもなります。葉は常緑で葉には厚みがあり、丸くてツヤのある大きな葉が付きます。葉柄は10〜38センチ程。葉身は4〜15センチ程。葉の幅は7〜30センチ程。茎は長く、野菜のフキに似ています。品種が多く葉の形には違いがあります。また斑入りの種類もあります。野外に逃げ出した園芸品種も見つかることがあります。花期は10〜12月。花茎は長く30〜50センチ程。その先端に黄色い頭状花を散房状に3〜10個程付けます。花径は4〜6センチ程。ツワブキには園芸品種が多く、葉が斑入りの種類や花の色も黄色、白、オレンジ色、クリーム色などがありキクに似た花が咲きます。花は咲き終わると綿毛を付けます。花の数が多いので、タンポポの綿毛に良く似たものが沢山付きます。増やし方は種まき、株分け、根伏せがあります。種が沢山出来るので種まきが簡単なのですが、種からの場合は親株よりも劣ることが多いようなので、同じような株にならないことがあるそうです。できれば株分けか根伏せの方が良いようです。ツワブキは耐暑性が強く丈夫で病害虫にも強い育てやすい植物です。
ツワブキB1.JPGツワブキ葉.JPG
上、ツワブキです。自然に生えているものです。ツワブキは庭にもよく植えられている植物なので、ご存知の方は多いと思います。葉の形はフキに似ていますが、ツワブキの葉は厚く強い光沢があります。写真の様に湿った環境を好む傾向もあります。下、別の株の葉の写真です。花壇や庭にも植えられる植物なので、知名度は高いかも知れませんね。
葉と花が観賞用になり、さらに新芽の茎や若い茎は食用にもなる優れものです。いざとなったら食用にもなるので、庭にあっても良い植物だと思いました。もし食べる場合は十分なアク抜きが必要になるので注意してください。普通は水にさらしたり、茹でるなどが1般的なようです。食材としても知られているのですが、毒成分を含むため万が1、アクが抜けきれなくて体調を壊す可能性もあります。初めて食べる方は、誤食やアク抜きの不十分等が考えられるので注意してください。あくまでも当方は責任を持てませんので、自己責任で食べる様にしてください。園芸品種も多いことから、花壇や公園で見つける場合は、花の色や葉に斑が入るものなどの種類を楽しむことができる植物なので、観察して見ると面白いと思います。
posted by クラマ at 16:07| Comment(0) | 自然観察・植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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