★オカモトトゲエダシャク シャクガ科エダシャク亜科。名前の由来は幼虫に見える沢山の突起状の棘があることから来たようです。開帳36〜45ミリ。出現は3〜4月。春に羽化する珍しいタイプです。分布は北海道、本州、四国、九州。オカモトトゲエダシャクの成虫は頭部、胸背部に毛が密生しています。胸背部の毛は長く立派です。成虫は翅を扇子の様に細長く折りたたむことができる事と、後翅も細長くたたんで体側に沿わせることから英字のTの字に見えるT字形になることが最大の特徴になっています。オカモトトゲエダシャクの後脚の脛節に1対の棘がある事で、良く似たクワトゲエダシャクと判別できます。 クワトゲエダシャクは数が激減していて、しかも局地的に生息している珍種なので、見つけることは難しいです。オカモトトゲエダシャクの成虫は灯火にも飛来しますが、灯火に飛来するのは雄になるようです。翅をたたんでいないと普通のガのイメージ(大雑把ですが)に近い形に見えると思って良いと思います。オカモトトゲエダシャクの幼虫は鳥の糞に見える配色をしています。これは鳥の糞に擬態しているものと思われます。危険を感じるなど、振動を感じたりすると体を丸めて大きな塊の様になります。色が鳥の糞に似ているので、丸まることでさらに擬態の効果を高める習性があるのかも知れません。幼虫はクルミ科、ニレ科、ツバキ科、バラ科、マメ科、ツツジ科などの葉を食べる広食性です。オカモトトゲエダシャクの幼虫は、太めのシャクトリムシになります。幼虫は5月下旬に土中で蛹化します。翌年の3月に羽化します。出現は3月ですがフユシャク科の仲間ではないので、オカモトトゲエダシャクの雌は雄と同じに見えます。雌雄の違いは触角に現れ雄は櫛歯状、雌は糸状になっています。幼虫は成虫よりも見つけやすいので、飼育を考えたこともあるのですが、飼育が難しい種類になるようです。夏場や冬の越冬時の管理が難しく、羽化させるためにはかなりの高度な飼育が必要になるようです。
オカモトトゲエダシャクの幼虫です。エノキにいた終齢幼虫です。広食性で餌とする樹種は多く普通種になりますが、その割には見ない種類の様な気がします。幼虫にはヌメッとした湿った皮膚感があります。直ぐに羽化する種類なら成虫の姿を見たいのですが、成虫になるまでが長く、翌年の3月まで10カ月程も飼育管理する必要があり、飼育に適さない難しい種類になります。運良く成虫を見つけられる事を願うしかありません。幼虫は危険を感じると体の前方を丸めるようにします。さらに落下して死んだふり(擬死)をします。より鳥の糞に見えます。当方の観察地では数の少ない種類になっています。撮影地。神奈川県横浜市、こども自然公園。公園内の発生地は2か所確認していますが、気が付かないだけか個体数が少ないのか、見つける数は少ないです。絶滅は免れてほしいです。
ついでに良く似ているクワトゲエダシャクも調べてみました。
★クワトゲエダシャク シャクガ科エダシャク亜科。開帳39〜41ミリ。成虫はオカモトトゲエダシャクに良く似ています。クワトゲエダシャクの方が褐色が濃く、くすんだ色に見えるそうです。クワトゲエダシャクは極めて数が少ない珍しい種類になります。後脚の脛節には2対の棘があることで、良く似たオカモトトゲエダシャクの成虫と見分けることができます。昔はクワの害虫として知られていた種類でしたが、養蚕の衰退によるクワの減少にも影響を受けて、激減して、現在ではほとんど見つけることができなくなった珍しい種類になってしまったガです。分布は北海道、本州、四国。局地的に生息している種類になります。クワ科のクワ、バラ科のリンゴ、ソメイヨシノ。マメ科のフジで発生が確認されているようです。オカモトトゲエダシャクと同じように蛹で越冬するようです。クワトゲエダシャクは今後も数を減らしそうな貴重な種類になっていきそうです。かなりの珍品種になるので、当方観察地周辺では見ることはないと思います。そもそも餌となるクワがあまりないのでなおさらです。
オカモトトゲエダシャクの成虫を見つけたら追加したいと思っています。

