2018年09月25日

クロスジギンヤンマとオオシオカラトンボのヤゴ。ヤゴはトンボの幼虫の呼び名です。サカマキガイとミズムシも見つけました。

ヤゴはトンボの幼虫の総称です。種類によって見た目の形は違っています。ヤゴは空を飛んで狩りをする成虫と違い、水中に生息している肉食性の水生昆虫です。1般的に総称としてトンボと呼ばれるトンボ目は、幼虫期は水の中、成虫になると空を飛んで狩りをするという、まったく不思議な昆虫です。泳ぎが苦手なヤゴの獲物を捕らえる方法は、折りたたまれている下唇を1瞬のうちに伸ばして、離れた所にいる獲物を瞬時にとらえる肉食昆虫です。獲物はメダカなどのサイズの小さな小魚や他の水生昆虫を捕らえます。ヤゴはすべて肉食になります。ギンヤンマとクロスジギンヤンマのヤゴはそっくりです。クロスジギンヤンマの場合、棲み分けとして山間部の小さな池などを好む性質があります。今回観察したごく小さな池では、発生した藻類のアオミドロを排除していました。地上に捨てられたアオミドロに紛れていた昆虫等を観察することにしたものです。ヤゴの他、モノアラガイとよく似たサカマキガイとミズムシもいました。ヤゴはアオミドロに隠れていた所を、1緒にすくいあげられてしまったものです。外来種のサカマキガイは小型の淡水生の貝で、北米原産のようです。ミズムシは水棲のワラジムシ目ミズムシ科の甲殻類の仲間です。藻類のアオミドロにも似たものが多いです。アオミドロは糸状の多細胞生物で、長い糸状の形態で枝分かれはしない特徴があります。発生していた藻類を詳しくは調べていませんが、淡水で発生するアオミドロで良いと思います。アオミドロは澄んだ水にも発生します。田んぼや池、ため池、水路、ビオトープなど淡水さえあれば、どこにでも普通に発生しています。金魚やメダカを飼っている水槽の中にも発生します。毒性はない藻類なのですが、死滅してヘドロ状になると水質悪化の原因になってしまいます。
ヤンマ科のギンヤンマとクロスジギンヤンマのヤゴの違いを調べてみました。 
・ヤゴの体形では見た目での判別はできない位に良く似ています。クロスジギンヤンマでは下唇側片内葉片と言う部分が先端に向けて細くなっている特徴があります(下唇側片内葉片の先端が緩やかに曲がっています)。ギンヤンマでは下唇側片内葉片の先端部が直角に曲がっています。成虫の違いは、クロスジギンヤンマの成虫の胸を横から見ると黒い筋が見えることです。ギンヤンマではこの筋は見えません。 
★クロスジギンヤンマ ヤンマ科。クロスジギンヤンマのヤゴは体形からヤンマ型と呼ばれています。成虫も大きいので大型のヤゴになります。クロスジギンヤンマは小規模な池を好むようです。ヤゴ(幼虫)ではクロスジギンヤンマとギンヤンマの識別は困難です。口の部分に両種の違いがありますが、水中から出して無理に調べようとすると死んでしまうかも知れません。大きな違いがないので調べることは難しいです。ヤゴの抜け殻や成虫がいるかどうかなども判断材料にすると良いと思います。クロスジギンヤンマのヤゴは餌としてミジンコ、イトミミズ、ボウフラ、小魚などを捕らえて食べます。越冬はヤゴで越冬します。
クロスジギンヤンマのヤゴ.JPGクロスジギンヤンマのヤゴの顎.JPG
上はクロスジギンヤンマのヤゴです。この写真では少し分かりにくくなってしまいましたが、下唇側片内葉片の先端が緩やかに曲がっているので3角形に見える空間が見えます。ギンヤンマとクロスジギンヤンマのヤゴは見た目での判別はできません。判別方法は裏返して口の部分をよく見て確認しないと見分けることができません。両種の見極めは大変難しいです。生息していた池は畳半畳よりもやや大きい程度の小さな池です。開けた場所を好むとされるギンヤンマとは対照的です。これはギンヤンマは日陰でも日向でも適応できる性質があり、クロスジギンヤンマは日当たりを嫌い、日陰を好む性質があることによるようです。その結果、生息場所に樹の影ができるような小さな池を好むようです。クロスジギンヤンマは山間部や林縁の水場に多いようです。どうやら上手く住み分けをしているようです。ヤゴは大きくなると少し緑色がかかって見えます。クロスジギンヤンマのヤゴは目と頭が大きな可愛い形をしています。
★オオシオカラトンボ トンボ科。オオシオカラトンボのヤゴは体形からシオカラトンボ型と呼ばれています。オオシオカラトンボのヤゴの特徴は背中に背棘と呼ばれる棘があることです。この棘は節の中央部にあります。オオシオカラトンボの棘は4〜7節にあります。よく似ているシオカラトンボのヤゴの特徴は全身に毛が多いことです。泥が付いていたりして、棘に見えることもありますが、シオカラトンボのヤゴの背中には棘はありません。オオシオカラトンボ、シオカラトンボは頭の幅は共に広くありません。他の種類のヤゴの様に目が飛び出て見えて、幅があるようには見えません。オオシオカラトンボのヤゴでは腹部第7節まで棘が生えています。水中で生活しているヤゴを捕らえて調べると、ヤゴの負担が大きいので死んでしまうかもしれません。抜け殻を見つけて観察することも良いと思います。ヤゴは餌としてミジンコ、イトミミズ、ボウフラ、小魚などを捕らえて食べます。越冬はヤゴで越冬します。
オオシオカラトンボのヤゴ1.JPGオオシオカラトンボのヤゴ2.JPGオオシオカラトンボのヤゴ抜け殻.JPG
オオシオカラトンボのヤゴです。オオシオカラトンボ、シオカラトンボはとても良く似ています。オオシオカラトンボのヤゴの特徴は背中に棘があることです。背中の棘を確認する必要があります。シオカラトンボの背中には棘はありません。ただ、毛が棘に見えることがあります。シオカラトンボのヤゴは体に毛が多く生えているので、全身に泥がついていることが多いです。下はヤゴの抜け殻です。
・その多、この池で見つけた生物2種類。サカマキガイとミズムシ。
★サカマキガイ サカマキガイ科。外来種。北米原産。明治以降に水槽の清掃用として渡来しました。左巻きの貝で、殻は薄く半透明になっています。雑食性の貝で、汚染や環境の変化にも強いので、現在は日本各地に分布を広げました。ヘイケボタルの餌になっています。吸虫類の中間宿主になっているので注意が必要です。サカマキガイの寿命は1年のようです。サカマキガイは都市近郊に多いとされています。しかも丈夫でビル街の排水溝にもいるとされています。サカマキガイはモノアラガイと似ていますが、貝のまき方が反対になっていることで判別することができます。
サカマキガイ外来種.JPG
上、アオミドロ(藻類)の上にいるサカマキガイ。汚染に強いサカマキガイが多いと水質が良くないことになります。
★ミズムシ ワラジムシ目ミズムシ科。ミズムシは水の中で生活している汚染にも強い水棲昆虫です。餌は雑食性です。主に水中に落ちてたまった枯れ葉や藻類などを食べています。普通にいて川、池、ビオトープなどで見ることができます。体色は灰色、褐色、黒褐色で体長は10ミリ程。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。1年を通して活動しているようです。姿は陸生のワラジムシやダンゴムシに似ています。綺麗な水には少なく、汚れたり有機質の多い場所に普通に生息しています。小さいので知られていないだけのようです。
ミズムシ(ワラジムシ目)1.JPGミズムシ2.JPG
ミズムシです。平べったい扁平な体をしていて、陸生のワラジムシとよく似ています。脚には鋭くとがって見える棘が生えています。ミズムシが多く発生している所は汚染が進んでいるということがいえます。このヤゴのいた小さな池には魚はいません。ヤゴはボウフラやユスリカの幼虫、ミジンコ等を餌にしていたのだと思います。このミズムシも貴重な食糧として食べていたかも知れませんね。
posted by クラマ at 15:11| Comment(0) | 昆虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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