今回はチャコウラナメクジ、ナメクジ(フタスジナメクジ)、ヤマナメクジを見つけました。他にノハラナメクジ、マダラコウラナメクジも調べてみました。ナメクジが苦手な方は気分が悪くなる前にスルーしてください。
★チャコウラナメクジ コウラナメクジ科。チャコウラナメクジはヨーロッパ原産の外来種のナメクジです。伸びている時の大きさは体長70から80ミリ程。黄褐色から茶褐色で背面に2、3本の線がありますが、背面中央の線は不鮮明で点線状になる個体も多いようです。胸背部は甲羅状になっています。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。人家周辺、畑地、草地などでチャコウラナメクジが最も普通に目にする事ができる種類になります。外来種なのですが、普通の代表的なナメクジになってしまっています。正確にはチャコウラナメクジにも数種類いるらしく、総称的な呼び名になっているようです。発生は年1回になるようです。
上、チャコウラナメクジです。市街地の住宅など人家付近でよく見かける種類になりました。写真は別個体です。上は茶色実が強い色をしています。下、横側から撮影したものです。
★ノハラナメクジ コウラナメクジ科。外来種。ノハラナメクジは伸びている時で体長30〜40ミリ程の小型種。人家周辺、草原、畑地、公園などに生息しています。触角は灰色から黒色をしています。斑紋はなく地色は灰色〜茶色をしています。体の中央より尾部側には網目状の模様があります。農作物、園芸品種に被害を与える害虫です。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。発生は年2回になるようです。写真はありません。
★フタスジナメクジ 別名ナメクジ。ナメクジ科。ナメクジというと本来はこの種を指していた様ですが、外来種に追われてしまい数が減ってきたようです。また、ナメクジの呼び名は総称的になっているので、ここでは別名のフタスジナメクジを使いました。フタスジナメクジの名前の由来は、体側に褐色や黒色の筋が見える個体(2本線)が多いことによります。ナメクジ(フタスジナメクジ)は体側と背面中央に褐色や黒い線が見え、3本の線があることになります。ただ、しばしば背面中央の黒い線は消失、または不鮮明な個体が多くいるため、別名のフタスジナメクジの名前が付きました。この別名のフタスジナメクジの名前から判断してしまうと、別種かと思ってしまうかもしれませね。フタスジナメクジは伸びた時の体長は80ミリ程。特徴をあげると、灰色や淡褐色の地色をしていますが、褐色の個体もいるなど、色彩には変異があります。体側にある2本の線は鮮明ですが、中央の背中に見える線は不鮮明か、見えない個体が多いことです。触角の色は黒色です。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。人家、庭、公園、林縁、森林などに生息しています。発生は年1回になるようです。
ナメクジ(フタスジナメクジ)です。上の個体は2本線(左右の体側に1本ずつ1本ずつ)で、中、3本線(背面中央部と体側)に見えるナメクジ(フタスジナメクジ)です。下、伸びているとさらに細長く見えます。このナメクジの長さは70ミリ程です。人家付近では少なくなっています。公園や自然公園、林縁の石垣などで多く見られる種類になっています。
★ヤマナメクジ ナメクジ科。日本在来種。ヤマナメクジは日本最大で伸びると20センチに達する大型のナメクジです。分布は本州、四国、九州。ヤマナメクジは森林性のナメクジで触角は短く、地色は黄褐色、褐色、黒褐色で体側には黒褐色の太めの線が見えます。この線は体側にある2本だったり、背面中央にもあるなど個体差があります。色彩にも個体差がありますが、茶褐色、茶色系のものが多いように思います。ヤマナメクジは体を縮めても太さがあり、山間部など森林に多い種類になります。キノコに張り付いて食べている所を見かけます。枯葉などより柔らかいキノコは好物のようです。ヤマナメクジによってキノコの胞子が運ばれていると言われています。今後、研究者によってさらに詳しいことが分かってくると思います。
大型の在来種、ヤマナメクジです。褐色の個体です。林縁の歩道の脇にいました。地面は湿っていた物の、移動するには距離があったようで縮こまっていました。水分を失いすぎた様です。地面を這っていることは少なく、樹に張り付いていたり、キノコに集っている所をよく見ます。
★マダラコウラナメクジ コウラナメクジ科。マダラコウラナメクジはヨーロッパ原産の外来種の大型種で、大きさは体長が10〜20センチ。分布は北海道、本州(関東地方)。島根県でも発見されたようです。実際の分布は広がると思われます。地色は黄白色、褐色、茶色、灰色などでヒョウ柄の斑紋(黒い斑紋)があります。今後、農作物に対する被害が懸念されています。
まだ神奈川県の当方観察地には進出していないようです。マダラコウラナメクジは在来種とは明らかに違って見える斑紋のあるナメクジです。