2017年11月09日

ウンカ科、ヨコバイ科、スケバ科の昆虫を10種類を見つけました。似た昆虫がいて分類が難しい虫達です。

紹介するのはウンカ科(ミドリグンバイウンカ、アヤヘリハネナガウンカ、ヒシウンカ、クサビウンカの1種)。ヨコバイ科(ブチミャクヨコバイ、ミドリヒメヨコバイ、クワキヨコバイ、マエジロオオヨコバイ)。スケバ科(ツマグロスケバ、テングスケバ)の10種類です。
ウンカ、ヨコバイ、スケバは大変良く似ている昆虫で分類が難しいです。どれも小さな体をしているので、意識的に探さないと見つけにくい昆虫になっています。ウンカ、ヨコバイ、スケバの仲間は1見、どれも良く似て見えます。ウンカは小さなセミのように見える姿をした昆虫で、ウンカと言う呼び名はウンカ科に属する昆虫の総称になっています。ウンカは体長が10ミリ以下と小型になり、小さすぎて気にも留められない昆虫になっていると思われます。ウンカの後肢脛節には可動性のある距と言う器官があります。この特徴でヨコバイ科やスケバ科と区別されています。似たような種類の昆虫を見つけても、実際の所は小さな部分なので確認は難しいです。ウンカの多くはイネ科を餌にしています。イネを食害するウンカ(セジロウンカ、トビイロウンカ、ヒメトビウンカの3種類はイネの害虫として有名です)もいるので、どちらかと言うと農業に携わっている方には害虫として有名な存在になっています。農業で害虫としてのウンカ類と呼ぶ場合は、ヨコバイ類も含めた呼び名になるようです。よく似ている昆虫にヨコバイがいます。ちょっと見ただけではどの様な区別をしているのか分かりません。調べてみたら、ウンカとヨコバイの違いは触角に現れ、ウンカの場合、触角の基部が太くなるそうです。小さい昆虫の触角の基部となると、拡大して比較して見ないと判別はできないです。他にも似た種類の昆虫がいるので大変ややこしいです。ウンカは日本に100種類程いるようです。テングスケバはテングスケバ科に属する昆虫の総称で、調べてみるとウンカにある後肢脛節に可動性のある距と言う器官が無いことと、単眼は2個。日本には5種類が確認されているということです。ウンカ、ヨコバイ、スケバはどれも小さくて似ているので、大変紛らわしいです。外見で判別できない種類もいて、何が何だか分からなくなってしまいそうです。しかしこの仲間には綺麗な色をした種類もいるので、探すと意外と面白以下も知れません。名前を当てるのが難しいウンカ科のミドリグンバイウンカ、アヤヘリハネナガウンカ、ヒシウンカ、クサビウンカの1種の4種類。ヨコバイ科のブチミャクヨコバイ、ミドリヒメヨコバイ、クワキヨコバイ、マエジロオオヨコバイの4種類。スケバ科のツマグロスケバ、テングスケバの2種類を調べてみました。
★ミドリグンバイウンカ ウンカ科。普通種で全体的に明るい緑色〜黄緑色に見える綺麗なウンカです。翅は透明ですが、翅の翅脈が緑色なので、葉の上にいるととても見つけにくいです。頭部、胸背部には緑色の3本の縦条が見えます。成虫の体は扁平で葉の上に張り付くように止まっています。この時の姿が相撲の軍配の形に似ていることが名前の由来のようです。体長は5〜6ミリ。出現は7〜10月。分布は本州、四国、九州。広葉樹の葉から汁を吸うようです。クワ、アジサイ、クチナシなど食性は広いようです。広葉樹の無い草原のカナムグラ、ススキの原っぱなどにもいるようで、食性はかなり広そうです。観察エリアではアジサイを探すと簡単に見つけることができます。
ミドリグンバイウンカ1.JPGミドリグンバイウンカ3幼虫.JPG
上、ミドリグンバイウンカです。下はミドリグンバイウンカの幼虫です。淡い緑色が綺麗です。
★アヤヘリハネナガウンカ ハネナガウンカ科。体長は5ミリ前後。翅端までだと16ミリ程。翅の大きなウンカで、翅の模様が綺麗です。アヤヘリハネナガウンカの体色は橙褐色をしていて幅のあるグライダーの翼のような翅があります。透明な翅の外縁は紫褐色をしていて、翅脈は赤色を帯びています。なかなか目立つ個性的な容姿をしているウンカです。頭部には棍棒状の太い突起(触角だと思います)があります。林縁や雑木林で見つけることができますが、個体数は少ないようで、なかなかお目にかかれません。成虫は灯火にも飛来するようです。食性は分かっていません。林縁に生育している植物であることは推測することができます。ウンカの仲間なので植物の汁を餌にしているようです。分布は本州、四国、九州。山地性の強い種類のようです。出現は夏頃(7〜9月)になるようです。日本のレッドデーターでは埼玉県、群馬県、富山県、島根県では準絶滅危惧種に指定されています。森林が減るとさらに減少することが予想されます。
アヤヘリハネナガウンカ1.JPGアヤヘリハネナガウンカ2.JPG
アヤヘリハネナガウンカです。翅を飛行機のように広げてとまります。顔を見るとコウモリを連想してしまう変わった風貌をしています。アヤヘリハネナガウンカの翅は綺麗で個性的です。個性的で不思議な姿をしています。
★ヒシウンカ ヒシウンカ科。ヒシウンカと言うとヒシウンカ科の総称として呼ぶ場合と、その中の1種をさすようです。ヒシウンカ科も大変分かりにくく分類が難しい昆虫です。ヒシウンカはイネ科につく普通種で灯火にも飛来します。ヒシウンカの身体的な特徴は頭の幅が広く、前方に突出しないことです。出現は7〜8月。体長は6〜8ミリ。分布は本州、四国、九州。イネ科植物につきます。
ヒシウンカ(ヒシウンカ科).JPG
ヒシウンカです。笹の葉の上にいました。正確にはヒシウンカの1種(SP)と言うのが妥当です。ここではヒシウンカとして紹介させていただきます。
★クサビウンカの1種。マルウンカ科。この仲間も良くわかりません。似た種類が多くお手上げ状態です。体長は7ミリ前後。クサビウンカとしての分布は本州、四国、九州、沖縄。生態等は良く分かりません。クサビウンカには外来種も侵入しているようです。体色は地味な色(茶褐色、灰褐色等)をしています。
クサビウンカの1種(マルウンカ科).JPGクサビウンカの1種.JPGクサビウンカの1種2.JPGクサビウンカ幼虫.JPG
上のクサビウンカの1種は前年にはエノキに幼虫がいました。正確な判別はできないのですが、クサビウンカの1種になるようです。写真のものもエノキが近くにある場所で見つけました。小さい体なのですが、よく見ると丸っこくてセミに似ていて可愛いです。地色の違いは個体差によるものなのでしょうか。灰色っぽい個体と黒っぽく見える個体がいます。撮影した場所は同じ公園です。ウンカの仲間の幼虫はどの種も実に変わった姿をしています。1番下は幼虫です。
★ブチミャクヨコバイ ヨコバイ科。体長は7〜8ミリ。ブチミャクヨコバイ は変わった顔をしています。頭部は潰したように幅が広くなっているので、顔の幅がとても広く見えるヨコバイです。体の太さもあり、1般的な弱々しく見える体つきのヨコバイとは違って、ガッチリとした体格をしています。ブチミャクヨコバイの翅脈は白と黒の点線模様(ブチ模様)になっていることが特徴になっています。この特徴から名前にブチミャクと付いたようです。出現は6〜9月。分布は北海道、本州、四国、九州。成虫、幼虫共にブナ科の広葉樹の汁を吸います。林や林縁に多い種類になります。ブチミャクヨコバイはアワフキ科の昆虫にもよく似ています。
ブチミャクヨコバイ.JPG
ブチミャクヨコバイです。アップで見ると平べったいブチミャクヨコバイの顔には迫力があります。昆虫をイメージとする顔には見えません。爬虫類の様な顔つきにも見えてしまいます。ちょっと怖さを感じてしまいますが、見慣れるとキモ可愛く見える様になります。ブチミャクヨコバイは林縁の草などの葉の上にいる所を見つけることができます。
★ミドリヒメヨコバイ ヨコバイ科。体長は3ミリ前後。ミドリヒメヨコバイ類は似た種類が多く、チャノミドリヒメヨコバイ、ミカンノミドリヒメヨコバイ、マメノミドリヒメヨコバイ、カキノヒメヨコバイ、キウイミドリヒメヨコバイ、ゴボウノミドリヒメヨコバイなどがいます。外見上の他種との判別が難しいものが多く、翅脈にも変異が現れるようなので正確な判別は難しいです。ミドリヒメヨコバイは柑橘類、キウイの害虫にもなっています。ミドリヒメヨコバイは果実を食害します。ミカンノミドリヒメヨコバイ、チャノミドリヒメヨコバイ も柑橘類につくようです。発生している樹種が大きな決め手の1つになりますが、多食性の昆虫なので紛らわしいです。越冬は成虫で越冬します。出現は5〜11月に多く、5〜8回程発生するそうです。出現するようです。分布は北海道、本州、四国、九州。成虫で越冬する種類なので、暖かい地域ですと1年中見ることができるようです。ミドリヒメヨコバイ類は果実に被害をあたえる害虫として有名です。チャノミドリヒメヨコバイは沖縄にも生息しています。
ミドリヒメヨコバイの1種(笹にいた).JPG
上、正確にはミドリヒメヨコバイの1種とする方が正しいですが。ここではミドリヒメヨコバイとして紹介します。この仲間はよく似ていて、肉眼での判別は不可能なようです。正確な名前を当てるのが難しい超難解の昆虫です。発生している樹種が分かると、種類を絞り込むことはできます。ただし、好みの果実の他、雑草にもいるので判別は難しいです。ヨコバイの仲間は種類も多く未記載種がとても多いそうです。
★クワキヨコバイ フトヨコバイ科。体長は8〜10ミリ。普通種で緑色をしたヨコバイです。頭部に3個の黒点があります(頭部先端にある黒点は1個)。雄と雌で体色が違います。色の濃い方が雄のようです。クワキヨコバイは総称的な呼び名にもなっているようで、外見上の判別が難しい種類もいるようです。出現は5月。分布は北海道、本州、四国、九州。クワ、成虫、幼虫共にイネ科の植物の汁を吸います。卵で越冬します。似た種類にコクワキヨコバイ、オオクワキヨコバイがいて外見での判別は難しいようです。オオクワキヨコバイには会合線に沿って淡い黒色等の筋があるようです。
クワキヨコバイ(フトヨコバイ科).JPGクワキヨコバイ拡大.JPG
クワキヨコバイの1種。判別に自信がないです。この仲間は100種類以上いるうえ、似たものもいて外見での判別が難しいようなので、クワキヨコバイの1種とすることが良いようです。当方には正確な判別はできません。よく見ると小さくて緑色系の可愛い昆虫です。コクワキヨコバイかクワキヨコバイが近いと思います。当方には識別することはできませんが、頭部に3個の黒斑があるのでクワキヨコバイの仲間になります。下は右側の個体をアップしたものです。
★マエジロオオヨコバイ ヨコバイ科オオヨコバイ亜科。体長は雄6ミリ。雌は6・5ミリ。背中に蒼黒い太い帯が見えるヨコバイです。雄の体色は蒼黒く見えます。雌の場合、前胸背の前縁と小楯板が黄色く見え、黄色い部分が雄よりも多く見えます。斑紋には個体差があります。出現は5〜9月。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。ミカン科、バラ科の植物につき成虫、幼虫共に餌として汁を吸います。越冬は卵で越冬します
マエジロオオヨコバイB7・23.JPG
マエジロオオヨコバエの雌。雄の写真も撮りたいのですが、なかなか縁がなくて撮影できないでいます。
・テングスケバ科は日本には5種類がいるそうです。テングスケバ科はヨコバイに近い昆虫になります。
★ツマグロスケバ テングスケバ科。前翅端に黒い斑紋があることからツマグロのスケバと言うことからついた名前のようです。ツマグロスケバは複雑な模様が見える褐色の体に透明な翅をしていて、翅端にある黒い斑紋が特徴です。地色は褐色〜明るい茶色の個体もいるので、地色に個体差があるものと思います。脚には白い帯が何本か見えます。前脚では3本の白い帯が見えます。大型で体長は7〜9ミリ(翅端までは11〜15ミリ程)。出現は7〜10月。分布は本州、四国、九州、沖縄。沖縄にはオキナワテングスケバと言う非常に良く似た種類がいるようです。成虫、幼虫共にアカメガシワの汁を吸います。アカメガシワのある近くの林や草地で見かけます。他の樹種につくかは分かりません。ツマグロスケバは灯火に集まるようで、公園のトイレの壁でも見ることがあります。危険を感じると撥ねて逃げ出します。ツマグロスケバは出現が遅いので卵で越冬するものと思います。
ツマグロスケバ1.JPGツマグロスケバ2.JPG
ツマグロスケバです。この個体の体色は明るい茶色をしています。複眼は縞縞模様に見えて面白いです。普通種でも夜行性なのか、それとも寄生する樹が限られているためか、当方はあまり見かけることはないです。トイレの壁で見ることがあるので、主に夜行性で灯火に集まる習性があるのかと思います。昼間見つける時は葉の上や茎に大人しくとまっています。
★テングスケバ テングスケバ科。体長は10〜12ミリ(翅端まで12〜15ミリ)。淡い鮮やかな緑色の地にオレンジの縦筋模様が綺麗な昆虫です。上から見ると胸背に4本のオレンジ色の縦条線が見えます。外側の線はVの字型にも見えます。テングと名前についているように、テングスケバの特徴は、テングをイメージさせるような長い突起が頭部前面(鼻先)から突き出て見えることです。翅は透き通っていて綺麗です。複眼は縞縞模様になっています。オレンジ色っぽい縞が綺麗です。出現は8〜10月。分布は本州、四国、九州、沖縄。イネ科の植物が生えている林縁や草原にいて、イネ科の植物を餌としています。沖縄にはオキナワテングスケバと言う似た種類のスケバがいます。サトウキビにつくようです。オキナワテングスケバは頭(突き出た部分の上面)と胸部腹面が黒くなっていることが特徴です。
テングスケバ(テングスケバ科).JPG
上、テングスケバです。頭の先(鼻先)が大きく前方に突き出ている特徴があるので、似た種類が多い中でも科を絞り込むことができる種類です。 
紹介したこれらの仲間には綺麗な体色をした種類もいるので、小さくても魅力的な昆虫と言えます。小さな昆虫にも目を向けると楽しいものです。
posted by クラマ at 00:49| Comment(0) | 昆虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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