2017年10月14日

クヌギにできる虫こぶ(ゴール)5種類。クヌギエダイガフシ、クヌギハケタマフシ、クヌギハケツボタマフシ、クヌギハヒメツボタマフシ、クヌギハマルタマフシ。

クヌギには面白い形をした虫こぶ(ゴール)ができます。クヌギハケタマフシ、クヌギハケツボタマフシ、クヌギエダイガフシ、クヌギハヒメツボタマフシの4種類のゴールは同じクヌギの樹にできていました。クヌギは虫こぶ(ゴール)ができやすい樹木と言えるようです。虫こぶはダニ、タマバエ、アブラムシなどの昆虫が植物に作る奇形で、虫えいや英名のゴールとも呼ばれています。多くはコブ状になることが知られています。様々な木に様々な形をした虫こぶ(ゴール)を作ります。クヌギはゴールができやすい植物でゴールの種類も多いです。ゴールを見つけたい、見てみたいと思われたら、クヌギの樹を見つけて観察して見ると良いと思います。今回紹介する種類とは別の種類のゴールもクヌギで見つけることができる思います。植物に奇形を起こしてできることから、気持ちが悪いと思う方もいると思いますが、虫が作る不思議な形の造形物を観察するのも面白いものです。クヌギとクヌギエダイガフシ、クヌギハケタマフシ、クヌギハケツボタマフシ、クヌギハヒメツボタマフシ、クヌギハマルタマフシの5種類を調べてみました。クヌギハケタマフシには大変良く似たクヌギオオケタマフシがあります。形状がやや違うようですが、分布が重なる地域だと判別は難しそうです。形状等を比較して見たいです。虫こぶ(ゴール)は似たものもあるので正確な分類は難しいです。
クヌギを調べてみました。
★クヌギ ブナ科。高さ15〜メートルになる落葉高木。雌雄同株。樹皮は灰褐色〜灰黒色で不規則にひび割れています。分布は本州(岩手県、山形県以南)、四国、九州、沖縄。里山や雑木林に生育している樹木ですが、コナラなどよりもはるかに少ない種類になります。花期は4〜5月。ドングリは球形をしていて直径は約20ミリ。実は2年かけて9〜10月に黒く熟します。葉は互生。葉の形は長楕円形で長細く、葉の長さは8〜15センチ。幅は2〜4センチ程になります。葉の葉柄は短く、葉脈の先端(鋸歯の先)は針状に尖って飛び出ています。この針状に尖った部分は白っぽく見えます(葉緑素を欠くため白っぽく見えています)。よく似た樹にアベマキとクリがあります。ドングリを見ないと区別しにくいのですが、よく似ている葉にも違いがあります。丸っこくて美味しそうに見えるクヌギのドングリは渋くて通例は食用としませんが、水に何度もさらすなどの手間をかけることで、渋を取り除けば食用として使えるそうです。樹の葉や樹は、アベマキやクリと大変良く似ていますが、判別方法を知っていると見分けることができます。
クヌギ、アベマキ、クリの違い(葉とドングリで区別する方法)。
・クヌギ クリの葉とよく似ていますが鋸歯の先にある棘状の部分は、クヌギでは白っぽく見えます。葉が成長すると葉の裏にあった微毛は抜け落ち、葉の裏側は緑色に見える様になります。クヌギのドングリは綺麗な球形に近い形に見えます。クリよりもはるかに柄が短くなっています。 
・アベマキ 葉裏に大きな比較になる特徴があります。アベマキの葉裏は毛深くて白っぽく(灰白色に)見えます。この微毛は星条毛と呼ばれています。鋸歯の先にある棘状の部分は白っぽく見えます。葉柄はクリよりもはるかに柄が短くなっています。アベマキとクヌギはドングリも似ていますが、アベマキのドングリはクヌギのドングリよりも縦長になっています。 
・クリ 葉の表面には光沢があります。クリの葉の葉裏の脈上には微毛が生えています。鋸歯の先の針状の部分まで緑色に見えます。クリの葉の葉柄は長く、比較するとアベマキの葉柄は極めて短く見えます。食用として流通している皆様お馴染みのクリのドングリは、トゲトゲの海に生息しているウニの様なイガに包まれています。
クヌギの若いドングリ.JPGクヌギの若い実2.JPG
上はクヌギの若い実(未成熟のドングリ)です。落下して来るクヌギのドングリはよく見ることがあると思いますが、若いドングリの実は実が見えていない状態だと、トゲトゲの塊やイガ状に見える花の形に見えます。クヌギの実(ドングリ)は2年かけて立派なドングリになるのです。下はまだ青い(緑色をした)ドングリがが見えています。この状態だとクヌギのドングリだと分かります。
★クヌギエダイガフシ クヌギエダイガタマバチが作る(作成者)ゴール(虫こぶ)です。若いクヌギの枝につくられる、樹の実によく似たゴールです。クヌギエダイガフシは球形に近い形をしていて可愛い形の樹の実にも見えます。似ている形と言うと、クリの樹の若いイガや毛玉の様にも見えます。よく見ると全体を包むようにできているイガ状の突起は反り返っていて、突起には軟毛が密生しています。枝先の茎にできているので、クヌギの若い未成熟な実だと思ってしまいそうです。単独でできている場合と群生している場合がありますが、多くは群生していて繋がって見えるものが多いです。クヌギエダイガフシは単性世代のゴール(虫こぶ)で夏に形成されます。クヌギエダイガフシの中から羽化して出てくるクヌギエダイガタマバチは雌で雄は出てきません。両性世代のゴールは冬芽に形成されクヌギハナコツヤタマフシと呼ばれます。両性世代のゴールになるので、クヌギハナコツヤタマフシの中からは雄と雌が出てきます。クヌギエダイガタマバチは10月に羽化して産卵は秋から春にかけて行われるようです。越冬はクヌギエダイガフシの中で羽化して成虫越冬します。
クヌギエダイガフシ1.JPGクヌギエダイガフシ2.JPG
上、クヌギエダイガフシです。上の写真は1個ですが、下の写真のように数個が固まっているものを良く見かけます。下では大きさを1円玉と比較してあります。良く昆虫がこの様な形のものを作り上げたのかと、感心してしまいます。
★クヌギハケツボタマフシ タマバチ科のクヌギハケツボタマバチがクヌギやアベマキの葉の表面に作るゴールです。クヌギハケツボタマフシは全体的には茶褐色の色をしていて、長い毛で覆われていて、扁平な球状や扁平な壺の様な形をしています。中央部は凹んでいて中央部は白くリング状に見えています。この特徴から、目玉模様や茶色い色をしたウニの様にも見えて面白いです。外縁には白い棘状の長い毛があります。クヌギハケツボタマフシの中には、クヌギハケツボタマバチの幼虫が1匹入っています。越冬はこの中で蛹で越冬するようです。単性世代のゴールになります。大きさは直径2〜3ミリ程。
クヌギハケツボタマフシ2.JPGクヌギハケツボタマフシ3.JPGクヌギハケツボタマフシ1.JPGクヌギハケツボタマフシ4裏.JPG
上、クヌギハケツボタマフシ。大きさは2・5ミリ程のものが多かったです。単独で葉の上にできているものやくっついてできているものがあります。フジツボの様な形に見える明るい茶色の毛で覆われた虫こぶ(ゴール)です。1番下は葉の裏側から見た所です。葉の裏には大きな変化は見られません。
★クヌギハヒメツボタマフシ タマバチ科のクヌギハヒメツボタマバチがクヌギやアベマキの葉の表面に作るゴールです。直径2・5〜3ミリと小型。秋に葉から落下します。 クヌギハケツボタマフシに似ていますが、クヌギハヒメツボタマフシの方が小さいです。良く見ないと間違えてしまいそうです。
クヌギハヒメツボタマフシ1.JPGクヌギハヒメツボタマフシ2.JPG
上、クヌギハヒメツボタマフシです。小さくてクヌギハケツボタマフシにも似ているので、良く見ないと見間違えそうです。個体数が少ないのでしょうか。クヌギハケツボタマフシはすぐに見つかるのですが、クヌギハヒメツボタマフシはなかなか見つかりませんでした。成熟すると綺麗な色をしています。
★クヌギハケタマフシ 7〜9月に見られるタマバチ科のクヌギハマルタマバチがクヌギやアベマキの葉の裏側に作るゴールです。クヌギハケタマフシは葉の側脈に沿って作られ白色の細かい毛で覆われています。クヌギハマルタマフシの色は黄白色から赤色で、先端部に向けてやや細まった形をしています。海の岩場に生息するフジツボの様な形を連想させます。先端の頂部は凹んでいます。中の幼虫が育つとクヌギハケタマフシは葉から落下します。クヌギハケタマフシは単性世代で両性世代のゴールは3月にクヌギハケタマフシから脱出した雌がクヌギやアベマキの花芽に産卵して両性世代となるクヌギハナカイメンフシが形成されます。越冬は成虫越冬。 クヌギハケタマフシの中で越冬します。分布は本州(関東以北)。大きさは直径5〜8ミリ。球形に近い形をしている特徴があります。
クヌギハケタマフシ1.JPGクヌギハケタマフシ2.JPGクヌギハケタマフシ3.JPGクヌギハケタマフシ4.JPGクヌギハケタマフシ拡大5.JPGクヌギハケタマフシ表.JPG
クヌギハケタマフシ。上、直径は6ミリ。葉の裏に作られます。銀白色に見えますが、成熟してくるとワイン色のように色が変わってきます。私的には可愛い形で色も綺麗だと思います。見つけたクヌギでは3・5〜6・5ミリの大きさでした。1番上はまだ丸くなる前の未熟なクヌギハケタマフシです。台形の様な形をしています。2枚目、葉の裏に群生しています。3枚目、成長して来ると丸みが出てきます。銀白色に見える短毛も綺麗です。4、5枚目、成熟してくると赤味が出てきます。ワイン色に見えなかなか綺麗です。よく似たものにクヌギハオオケタマフシがあります。クヌギハケタマフシは球形に近い形をしている様なので、クヌギハケタマフシで良いと思いますが、どちらの種も存在する地域なので迷ってしまいます。当方は形状から判断しているので、成熟しないと判別ができないと思いました。下、葉の表側から見t所です。クヌギハケタマフシのある表側の中心部は黄色い色をしていて、やや盛り上がって見えます。間違っているかもしれないので、クヌギハオオケタマフシも調べてみました。
★クヌギハオオケタマフシ タマバチ科のクヌギハオオケタマバチがクヌギやアベマキの葉の裏側に作るゴールで中には幼虫が1匹入っています。クヌギハオオケタマフシは単性世代で両性世代のゴールは3月にクヌギハオオケタマフシから脱出した雌がクヌギやアベマキの花芽に産卵して両性世代となるクヌギハナワタフシが形成されます。越冬は成虫越冬。11月に成虫は羽化してクヌギハオオケタマフシから脱出して越冬に入りますが、遅いものはそのまま中に留まり越冬します。3月頃から羽化するようです。分布は本州(関東以南)、四国、九州。大きさは直径5〜8ミリ。クヌギハオオケタマフシの形はクヌギハケタマフシが球形に近い形になるのに対して、丸みが少ないよいうです。比較して見て見たいです。
★クヌギハマルタマフシ クヌギハマルタマフシの形は球状で色は黄白色〜赤色。成熟すると赤くなるようです。クヌギ、アベマキの葉の葉脈に沿って作られます。単性世代のゴールで、大きさは4〜6ミリ程と大きさに差があります。秋に羽化して脱出して来るのは、すべて雌のクヌギハマルタマバチになります。タマバチ科のクヌギハマルタマバチが葉の表側に作るゴールです。分布は本州、四国、九州。クヌギハマルタマフシの中には幼虫が1匹入っているそうです。雌は冬にクヌギの花芽に産卵します。ここで生まれた幼虫が春にクヌギハナケタマフシと言う両性世代のゴールを作ります。冬に産卵することから越冬は卵になるのでしょうか。それとも産卵後でも成虫は生きているのでしょうか。詳しくは分かりませんでした。
クヌギハマルタマフシ.JPG
クヌギハマルタマフシです。クヌギの葉で見つけました。赤くなると小さくても見つけやすくなります。赤い色をした丸い球が葉の上についていると可愛く見えます。
昆虫が作るゴールには気持ちの悪い形のものも多いのですが、クヌギにできるゴールは可愛い形のものが多いので、観察すると楽しいと思います。
posted by クラマ at 14:43| Comment(0) | 虫こぶ(ゴール) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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