2017年08月22日

ヤブニッケイの葉にできたコブ状の虫こぶ(ゴール)、 ニッケイハミャクイボフシとヤブニッケイを調べてみました。

ニッケイはクスノキ科クスノキ属の常緑樹です。ニッケイ、ヤブニッケイ、マルバニッケイ(マルバニッケイの分布は九州、沖縄)などがありますが、よく見かけることができるのはヤブニッケイです。ヤブニッケイとニッケイは大変良く似ています。植え込みにあったヤブニッケイ(クロダモ)の樹で、ニッケイの葉にできる虫こぶ(ゴール)の、ニッケイハミャクイボフシを見つけました。名前にあるように葉の脈に沿って作られるゴールです。同じクスノキ科のクスノキにできるクスノキハクボミフシとよく似ています。ニッケイ(肉桂)と言うと聞きなれない植物の名前になるようですが、ニッキとかシナモンと呼ぶと聞いたことがある植物の名前になると思います。ニッキとはニッケイ(肉桂)の樹の細根を乾燥させたもので、お菓子の材料などの香辛料として使われています。日本産のニッケイよりも中国原産種やベトナム原産種の方が芳香が強く、現在では食材等の原料には中国原産種のシナニッケイやベトナム産、セイロンニッケイが使われているようです。グレードとしてはベトナム山地産のニッケイが最高級とされています。そのニッケイとそっくりなのがヤブニッケイです。ヤブニッケイの根はニッキとして使うことができません。ニッキは根を使うことから、樹の数が減ってしまったようです。沖縄(沖縄本島、徳之島、久米島)には日本原産とされるオキナワニッケイがあります。本州のニッケイは原料を採るために栽培された栽培品が野生化したものなどになるようです。ヤブニッケイやニッケイの葉は香辛料に使うことができます。ゲッケイジュ(ローリエ)の代わりに使うことがあるようです。ヤブニッケイの葉をシナモンリーフと言って(商品名)ハーブティーとして使うこともできるようです。植物体で葉に含まれる含有量が1番少ない部位になります。味等、まったく試したことが無いので、どのようなものかは分かりませんが、肉や魚料理の匂い消しや香り付けには有効かもしれませんね。
・当ブログは食材等にするために勧めているわけではありません。店で購入すれば間違いはないと思いますが、野外で間違って他の植物を採取して使われて体調を崩しても、当方は1切の責任は負いません。また芳香や味の差などは記載によるもので、ニッキやシナモンと1般的に言う食材としての製品を、当方は産地を比較して食したことなどもありませんので、あくまでも参考までにしてみてください。実際にどの程度の差があるのかという興味は湧いてくるところです。昔は乾燥させたシナモンの根や樹皮が簡単に手に入ったのですが、最近では専門店にいかないと目にすることは少ないと思います。
ヤブニッケイと ニッケイハミャクイボフシを調べてみました。
ニッケイとヤブニッケイの違いは葉に現れます。葉の違いを比較して見ることにします。
・ニッケイの葉は葉先が長く尖っています。葉の形は長楕円形で、葉は細長く見えます。特徴的な葉の3行脈がはっきりと見えます。葉の側脈が先端まで達しています。葉裏の色は粉のように見える白色で微毛が生えています。高さは3〜9メートル。
・ヤブニッケイの葉はニッケイよりも丸みがあります。葉先の他がった部分は少ないです。特徴的な葉の3行脈はニッケイと比べるとはっきりしていません。葉の側脈が先端まで達していません。葉裏の色は淡い緑色で無毛。高さ15〜20メートル。ヤブニッケイには虫こぶ(ゴール)の ニッケイハミャクイボフシができます。ニッケイには付きにくいそうです。
★ヤブニッケイ 別名クロダモ。クスノキ科。高さ15〜20メートルの雌雄異株の常緑高木。分布は本州(福島県以南、福島県浜通り、富岡町が北限)、四国、九州、沖縄。北限の福島県では準絶滅危惧種になっています。山地に自生していますが、耐潮性もある丈夫な性質から植樹されていて公園などでも見ることができます。庭木や風よけ(防風)の目的でも植えられているようです。特徴的な葉の3行脈がはっきりと見えるニッケイ属の植物です。葉は対生ですが、わずかにずれがあります(擬似対生)葉の表面(表側)には光沢があり、裏側は灰白色をしています。葉の形は狭卵形や長楕円形で葉の長さは6〜12センチ。葉には独特の匂いがあります。花期は6月で、雌株にできる実は11〜12月に黒く熟す楕円形の実がつきます。幹の色は暗褐色をしています。
★ニッケイハミャクイボフシ ニッケイトガリキジラミがニッケイ、ヤブニッケイの葉に作る虫こぶ(ゴール)です。ヤブニッケイに多く見ることができます。ニッケイハミャクイボフシは葉脈上や葉脈に沿って作られます。数個が葉につくものや沢山のニッケイハミャクイボフシができている葉などがあります。ほとんどが単独(1個)ではなく、ほぼ複数で葉にできています。ニッケイハミャクイボフシ はクスノキ科のクスノキの葉にできるクスノキハクボミフシとそっくりなゴールです。こちらの虫こぶ(ゴール)はクストガリキジラミにより葉の上に作られるという違いがあります。ニッケイトガリキジラミ(トガリキジラミ科)は2齢幼虫で越冬して、翌年の3〜4月に羽化します。羽化した成虫は新葉に産卵します。孵化した幼虫は葉裏の窪みの部分に生息しています。葉の裏側にある1つの窪みに1匹の幼虫がいます。分布は本州、四国、九州。ニッケイトガリキジラミの写真が撮れたら追加したいと思っています。
ヤブニッケイ葉.JPG
上、ヤブニッケイの葉です。この樹の近くにはもう少し葉の細いヤブニッケイの樹もありました。クスの樹の葉の脈にはダニ室がありますが、ヤブニッケイの葉にはダニ室はありません。
ニッケイハミャクイボフシ1.JPGニッケイハミャクイボフシ2.JPGニッケイハミャクイボフシ裏側.JPG
ニッケイハミャクイボフシです。ビルの脇の植え込みに植栽されていたヤブニッケイで見つけました。葉にボツボツのイボ状の瘤ができます。上は数が少ないですが、中の写真では多くが脈に沿ってできています。黄色く見える部分が綺麗です。下は中の写真と同じ葉の裏側です。撮影地。神奈川県横浜市、みなとみらい。
植物にできるゴールを面白いと見るのか、気持ち悪いと見るのかには個人差が大きいと思います。多くは気持ち悪く感じるのでしょうが、ゴールに興味が出てくると見つけると嬉しくなってしまいます。
posted by クラマ at 16:50| Comment(0) | 虫こぶ(ゴール) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: