2017年07月08日

ナシアシブトハバチ。黄色い大型のイモムシの正体はハバチの幼虫です。

ナシアシブトハバチは変わった昆虫です。成虫は凶暴なスズメバチに似ていますが、ハバチなので毒針は持っていません。スズメバチに擬態して身を守っているようです。幼虫は芋虫型で終齢に近づくと50〜60ミリ程の大きさで色は黄色〜橙黄色をした太いイモムシのように見えます。日中は黄色い大きなカタツムリのように見える形に丸まって葉に付いています。ナシアシブトハバチは夜行性なので、昼間は丸まって葉に付いて休んでいるのです。ハバチの幼虫はある特定の植物の葉を餌にします。ナシアシブトハバチはサクラ、ボケ、ナシの葉を食べます。観察地にはナシはないのですが、サクラとボケで見つけています。幼虫は大発生ということはなく、樹を枯らしたり、弱らせるようなことはありません。ハバチは普通にイメージするハチとは違って、巣をつくりません。幼虫はガやチョウの幼虫のように植物の葉を餌にして育ちます。幼虫はチョウやガの幼虫によく似ていて紛らわしいのですが、簡単に判別する方法があります。
・ハバチの幼虫の判別方法。チョウとガの幼虫との違いです。
ハバチもガもチョウも胸脚の脚の数は皆6本(3対)で同じです。違いは腹部の脚(腹脚)の数に違いが現れます。ハバチの場合は5対以上と種類により数が違いますが、脚の数が多いです。ガやチョウの幼虫の場合は腹脚は4対になっています。
ハバチの場合、頭(顔の部分)がどの種も大きく、目は単眼になっているので、顔には大きめの1対の目(単眼)が見えます。丸い頭(顔)に人のように2個の目がある様に見えます。チョウやガの幼虫では頭が小さく、顔が良く見えない種類もいます。顔が見えなくても横から腹部の下の脚(腹脚)を確認することが1番分かりやすいです。ナシアシブトハバチを調べてみました。また、チョウやガとの違いを比較するための写真も載せてみました。個人的には昔はガやチョウの幼虫は大の苦手でした。ガの幼虫にはすさまじい姿形の種類もいて、まだ克服したとはいかないものの昆虫を観察をしているうちにだいぶ平気になってきました。イモムシ系の幼虫に抵抗のある人は多いと思いますので、以下に幼虫の写真が出てくるので、苦手な人はスルーしてください。
★ナシアシブトハバチ コンボウハバチ科。体長22〜30ミリ程。分布は本州、四国。ナシアシブトハバチの分布域は広いものの個体数は少ないようで棲息は局所的になり、珍しい種類になるようです。三重県では絶滅危惧T類に指定されています(日本レッドデーターより)。出現は4〜6月。成虫はオオスズメバチに似ています。ハバチなので人を刺すことはありません。成虫の触角は棍棒状に先端が膨らんでいます。この形状がコンボウハバチ科の特徴になっています。幼虫は植物の葉を食べます。食樹はサクラ、ナシ、ボケ。幼虫は終齢幼虫は60ミリに達する太くて黄色〜橙黄色をした鮮やかなイモムシ型です。背部には頭から尾端まで、幅のある黒い条が見えます。若齢幼虫と終齢では色や斑紋が違います。夜行性なので幼虫は日中は丸まって葉の裏に付いています。ナシアシブトハバチの幼虫は黄色い色をしたカタツムリのように見えることが特徴です。観察地の公園では、数年前はボケで繁殖していました。個体数が少ないのか1本の樹に1〜2匹程度でした。以前見つけていたボケは公園内のため数度の刈込があるので、繁殖が立たれたのか、この数年見ることが無くなっていましたが、生息していることが分かりました。新しく見つけた場所で、来年は若齢から観察したいと思っています。成虫は見つけるも撮影に失敗してしまいました。産卵等に来ないと撮影は難しいのかも知れません。越冬は落ち葉の下の繭内で越冬するようです。成虫で見つけることは難しいのですが、幼虫、特に終齢に近づくと黄色から橙黄色になる幼虫の体色は目立つので、葉裏に付いていても生息していれば見つけやすくなります。
ナシアシブトハバチ幼虫。.JPG
上、ナシアシブトハバチの幼虫。オオシマザクラの樹にいました。丸くて黄色い大きな頭が右上にあります。ご覧の通り、とぐろを巻いた状態でいきなり葉の下から見つかると驚いてしまう迫力のある太さをしています。枝を引っ張って探すも、見つけられたのは2匹だけでした。来年は大丈夫かな?と、少し心配になりました。成虫と若齢幼虫の写真を追加していきたいと思っています。撮影地、神奈川県横浜市、こども自然公園。
チョウとガの比較のために比較的に綺麗に見える幼虫の写真を使いました。
シモツケマルハバチ幼虫・比較用.JPGアヤモクメキリガ幼虫・比較用.JPG
上がハバチ科のシモツケマルハバチの幼虫です。頭が右側です。下がヤガ科のアヤモクメキリガ(アヤモクメ)の幼虫です。頭は左側です。ハバチの仲間の腹部にある脚の数(腹脚)は5対以上と数が多く、ガやチョウでは4対です。アヤモクメキリガの幼虫は体長60ミリ前後と、ご覧の通り長細くて大きい方なのですが、脚の数は4対あることが見て取れると思います。種類により体が大きくても小さくても4対(4本)に変わりがありません。シモツケマルハバチの幼虫は半透明な体をしていて、食べたものが透けて見える面白い特徴があるため、シモツケの花を食べたこの幼虫の体には花の色が透けて見えています。青い若い葉だと淡い緑色、成長した葉を食べると緑色の濃い体の色に見えます。グラデーションになっている幼虫も多くいて、なかなか面白いです。アヤモクメキリガの幼虫の体側には白く見える3個の斑が並んで見えます。写真では分からないのですが、外縁が白くハート形に見える斑が面白いガの幼虫です。
posted by クラマ at 15:41| Comment(0) | 昆虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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