2017年05月09日

ニクバエ科とハナバエ科のハエの仲間。ハエ類は名前を探すのが難しいです。

単にニクバエというとニクバエ科に属するハエの総称になります。ニクバエ科のハエの特徴は、多くの種類に胸背に3本の黒い縦筋(黒条)が見えることと、ニクバエの仲間の腹部には市松模様が見えることです。種類がとても多いのですが、どの種も皆同じに見えてしまいます。これほど総称で呼ぶことがふさわしい昆虫もいないと思います。ニクバエ亜科に属するハエは、驚くことに他のハエと違って、卵ではなく体内で孵化した1齢幼虫(ウジ)を産みます。大まかな種類が分かる程度の紹介しかできませんが、参考にしてみてください。ニクバエは腐敗した肉を好みますが、傷んでいない肉も餌とします。 センチニクバエなどニクバエ類は卵胎生のハエなので肉を出してある状態で調理場を離れるとウジを産み付けられてしまうことがあります。ハナバエ科のハエは個性的な種類も多いので、ニクバエ程ではありませんが種類の分からないものも多くいます。特にニクバエは自分でもニクバエ科のハエと分かる程度の知識しかありません。個人的な感想として、ハエ類は調べているとさらに訳が分からなくなるので、紹介するためには向いていない昆虫だと思いました。難解のハエの種類、ニクバエ科とハナバエ科のハエを調べてみました。   
ニクバエ類の大きな特徴は、胸背に3本の黒条が見えることです。この特徴があればニクバエの仲間だと分かります。
★センチニクバエ ニクバエ科。体長12〜14ミリ。ニクバエの中でも普通種の大型のハエで、灰白色の地色で胸背には3本の縦筋(黒条)があります。暗赤色の複眼が目立ちます。腹部は黒白の市松模様になっています。名前に付ているセンチとは雪隠(せっちん)からきていて、トイレの事を言った昔の言葉です。糞便に集まるハエなので、昔のトイレには多く発生していた種類になります。正中剛毛は0+1。背中剛毛は5+5。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。平地から山地の林縁や雑木林に生息しています。出現は3〜11月。センチニクバエは卵胎生のハエなので、お腹の中で卵が孵化して、ウジの姿(1齢幼虫)で幼虫は生まれてきます。卵ではなく幼虫で出産するハエで、想像すると気持ち悪いです。ニクバエの仲間は数も多く非常に良く似ている種類が多くいます。センチニクバエ、ナミニクバエ、ゲンロクニクバエなどは数も多い普通種で大変良く似ていて、模様で判断するのは難しいです。正確には交接器の違いを確認しなければ種類を特定することは難しいです。センチニクバエは生ゴミ、糞便、腐敗物、動物の死骸、腐った果実に集まります。幼虫はこれらを餌にして育ちます。病原菌等を運んでしまうので、衛生上良くない衛生害虫です。数も多く林縁や雑木林の他、畜舎、人家周辺で普通に見ることができます。越冬は蛹で行われます。よく似たゲンロクニクバエの体長は15〜17ミリと大型です。ナミニクバエの体長は8〜15ミリ。このことを踏まえると、交接器を確認できなければ正確な判断はできないのですが、強引にあてずっぽうで行くと、大きさから種類の当りを付けることとなってしまいます。ナミニクバエをついでに調べてみました。
★ナミニクバエ ニクバエ科。体長8〜15ミリ。センチニイクバエと非常によく似ています。ナミニクバエも卵胎生です。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。出現は3〜11月。都市部の公園や人家付近のゴミ箱、ゴミ捨て場等から発生します。成虫は主に動物の死骸を餌にします。幼虫は動物の死骸を餌にしますが、動物や人間の糞も餌にします。頬には白色の毛が無く黒い色をしています。胸部の横溝後背中剛毛は5本で後ろ2本は長くなっているようです。越冬は蛹で行われます。
センチニクバエ?.JPG
上の写真のハエは15ミリ程に見えました。大きさからは普通種のセンチニクバエかナミニクバエが近いのですが、小さめのゲンロクニクバエの可能性もあります。頬の部分の写真や剛毛までは分かりませんでした。接写を試みるも意外と逃げられてしまうので撮影には苦労します。
★ヤマトカスミニクバエ ニクバエ科。体長7〜8ミリ。ニクバエの仲間には胸背に3本の黒い縦筋(黒条)があります。腹部は黒白の模様になっています。この仲間は似た種類が多く種を特定するのは大変困難です。ニクバエ科の特徴になる3本の黒い縦筋とニクバエ科の翅脈を確認する必要が有ります。ヤマトカスミニクバエはバッタ類に寄生するハエのようです。分布は北海道、本州、四国、九州。詳しくは分かりません。非常によく似ている種にセンチニクバエ体長8〜14ミリがいます。
ヤマトカスミニクバエ(ニクバエ科).JPG
上、ヤマトカスミニクバエが1番近いと思います。センチニクバエが大変よく似ていますが大きさ的に、ここではヤマトカスミニクバエ として紹介させてもらいます。ニクバエ科も含め、名前を探すことは似たものが多くお手上げです。サイズの大きいゲンロクニクバエの写真が撮れましたら追加したいと思っています。   
★クロオビハナバエ ハナバエ科。普通種。体長4〜6ミリ。複眼の色は赤く小型で白い体に黒い帯が特徴になっています。クロオビハナバエ は名前の通りに個性的な黒帯模様をしているので分かりやすい種類になります。ハナバエ科の特徴として、額の上部に十文字に合わさる1対の刺毛(額刺毛)があります。クロオビハナバエの雌の場合、特に眼(複眼)の間に大きく開いた、細い牙の生えた口にも見えて少しばかり怖く見えます。分布は本州、四国、九州、沖縄。出現期は4〜9月。普通種で都市部の公園でも見つけることができます。ハナバエ科の幼虫の多くは様々な植物の根や茎の内部を餌として食べるのですが、幼虫も成虫も動物の糞を餌にします。鳥の糞や動物の死骸、生ゴミにも集まります。雌雄の違いは雄では複眼が接近していて、雌では複眼の間隔が離れていることで区別できます。ハナバエ科なので蛹で越冬するのではないのかと思います。
クロオビハナバエ(ハナバエ科)B差し替え.JPG
クロオビハナバエです。分かりにくいハエの中では特長のあるハエになります。白と黒の配色が綺麗なハエです。 
★タネバエ ハナバエ科。体長は5〜6ミリと小型です。胸背の正中とその両脇と合わせて3本の縦条が見えます。胸背部と腹背部には光沢があります。ハエ科の特徴として雄の複眼はくっついて見え(接近していて)雌の複眼は離れています。タネバエの額の上部に十文字に合わさる1対の刺毛(額刺毛)があります。これはハナバエ科の特徴にもなっています。出現は4〜10月(羽化は3〜4月で5〜6月に多く発生するようです)分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。農業害虫として有名です。成虫は鶏糞やたい肥に集まり湿った土の塊にお隙間に産卵するそうです。幼虫は有機質を好み、幼苗も餌にしてしまいます。タネバエの幼虫はマメ科やウリ科の幼苗に被害を与えるようです。非常によく似た種にタマネギなどネギ類に発生するタマネギバエがいます。タマネギバエの幼虫はタマネギやネギに甚大な被害を与える害虫として有名です。あまりに似ているためタネバエもタマネギバエもタネバエとして呼ばれています。越冬は北日本では蛹で越冬するそうです。関東以南では成虫、幼虫、蛹で越冬することができます。タネバエの仲間もどれもよく似ています。 
タネバエ雌(ハナバエ科).JPGタネバエ雄.JPG
上、タネバエかタマネギバエの雄のように見えます。上が雌で下が雄です。タマネギバエとタネバエは非常によく似ていて、タネバエとタマネギバエの区別は当方は分かりません。
名前を付けて紹介できないほど判別が難しいです。見つけたハエの正確な名前を知りたい方は、交接器の形状や体に生えている毛を手掛かりに名前を探してみてください。
posted by クラマ at 19:32| Comment(0) | 昆虫・コクワガタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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