★ニワトコ(接骨木) APG植物分類体系ではレンプクソウ科(旧、スイカズラ科)。雌雄同株。高さ2〜6メートルの落葉低木〜小低木。やや湿気のある場所を好むようです。分布は本州、四国、九州の林縁、里山に多く、平地から山地に自生します。生垣や庭にも植えられることがあります。花期は4〜5月。花は黄白色で小さな花を沢山つけます。果実は6〜8月。核果で大きさは3〜5ミリ。果実の色は赤色、暗赤色、橙黄色などに熟しますが個体差があります。ニワトコの果実は果実酒にできるそうです。葉は対生で奇数羽状複葉で長さ8〜20センチ。小葉の縁には鋸歯があります。樹皮は古くなるとコルク質が強くなり縦の割れ目が目立ってきて、表面はひび割れて見えます。山菜として利用する部位は春の新芽で時期は2〜4月。芽吹きが他の植物よりも早く、横浜市では早い場所では2月下旬に蕾を見ることができます。若芽(新芽)には毒成分が含まれています。アク抜きの方法には幾つかありますが、茹でてから2〜3時間水に浸す。ぬるま湯に2時間ほど浸す。糠や米のとぎ汁に2〜3時間ほどつける。など色々あるようです。アクが強く弱くても毒を含むので、お浸しで食べるにはアクを抜いてから使うことになります。強いアクと毒成分を薄くするため(天婦羅を除いて)行う必要があると思います。
中毒の症状は激しい下痢。吐き気。漢方としては便秘に使われることが知られています。ニワトコに含まれている成分は硝酸カリウム、トリテルペン等。毒を含む場所は全草と種子になります。体質と摂取量による中毒が確認されています。
似た植物にセイヨウニワトコ(エルダー)があります。また北海道と本州中部以北の山地に自生する、ニワトコによく似たエゾニワトコがあります。ニワトコよりも大ぶりになる落葉低木で花期は5〜6月。花は1回り大きくなります。ニワトコよりも小葉が大きく形は丸みを帯びていて鋸歯は粗くなります。ニワトコと同様に山菜として食べられるようですが、中毒を起こすことは同様なので、山菜として食べる場合には同様の注意が必要になります。
上、2枚はニワトコの新芽です。新芽には花の蕾を持っている芽と蕾のない芽があります。まだ小さい花の蕾はブロッコリーに似て見えることが特徴になっています。ニワトコは花の咲いている時期と果実が熟す時期は良く目立ちます。ニワトコは林縁に普通に生息している植物で、他の木々の新芽が出るよりも1足早く出る、小さなブロッコリーに見える蕾が可愛いです。花が咲いたら花の写真を追加する予定でいます。撮影地、神奈川県横浜市、こども自然公園。
ニワトコを自己責任で食べてみることにしました。
天婦羅が1番美味しいようなのですが、1番簡単な塩茹でにしてアクを抜いて試食することにしました。塩に酢も少々入れて茹でてみました。茹で上がったら冷水に浸して食べてみました。時間は2時間位。どの程度水につけて置いたら良いのか分からなかったので、試食は約2時間後にすることにしました。花の蕾を付けた芽を2個。蕾の付いていない芽を1個の合計3個の新芽を試しに食すことにしました。毒成分を含む食材なので安全な量として新芽3個にしました。
上、塩茹でしたニワトコの芽です。左側に見えるのが花の蕾を付けている芽で右側が葉だけの芽になります。茹でる際、酢も少々加えて茹でました。1個は何もつけないでこのまま試食してみました。新芽なので柔らかくなってしまうかと思いきや、しっかりした歯ごたえです。苦味も辛みもありません。アク抜きが上手くできたようです。食べてみると味的には十分山菜としたらいける味だと思います。残りの2個は味噌汁の具として食べる前に入れてみました。歯ごたえも良いので新芽のまま切らないで入れてみました。味は旨いです。癖もなく食感が良いです。これはいけます。食べる量さえ守れば食べることは十分に可能な食材です。このような若い新芽でも繊維がつよいので、弱毒のみならず繊維が強いため食べすぎると消化に悪いことは(消化不良を起こしたり下痢の原因になることも)十分に推測できます。ただし茹でて水にさらす手間と1度に食べることができる量を考えると、食材としての魅力は落ちてしまいますね。個人的には今回の試食で終わりそうです。
ニワトコの花です。昨年の写真のストックにありました。白い小さな花が沢山集まってフワリと咲いています。白い花の塊は枝に沢山付くので目立ちます。花は4月に咲きます。
新芽はアクもないですし、別にアク抜きしなくても天ぷらにしなくもそのまま生で食べられると思いますよ
もう立派な葉っぱになっています
その前の葉っぱがちょっと出たぐらいの段階だと、生でもしゃもしゃ行けて美味しいですよ