★キマダラカメムシ カメムシ科の外来種。1770年に長崎県の出島で発見されたのが最初で、当初は九州と沖縄が生息範囲と言われていましたが、2006年には岡山県、2010年には東京都で発見されました。驚くべき速さで急速に北上してきた南方系のカメムシです。原産地は台湾、東南アジアになります。食性がひろいことと温暖化がキマダラカメムシの勢力拡大に寄与したようです。成虫は越冬することから、九州方面では越冬のために人家に侵入して来る不快害虫になっています。
体長は20〜25ミリと大型です。雄と雌の違いは外見上は同じに見えるので、交接器を見る必要が有ります。キマダラカメムシの特徴としては体色は暗褐色で白色、淡黄色〜黄色い色の斑点があり、頭部中央から小楯板にかけて白色や淡黄色〜黄色をした線(縦条)が見えます。触角の先端部(第1節の下部)と脚には白い帯が入っています。在来種のクサギカメムシに似ていますがはるかに大きいサイズをしているので大きさからも判別し易いです。クサギカメムシと同じように厚みのない扁平に見える体格をしていて、体の割に顔が小さく、大きい体の先に細長い頭が突き出てついているように見えます。触角や脚は体の地色(黒褐色)と同色ですが、白い帯が入っています。分布は本州(神奈川県、東京都、千葉県あたり)、四国、九州、沖縄。市街地、公園、街路樹や庭先にも生息しているようです。食樹はサクラ、ウメ、ナシ、カキ、クワ、ヤマモモ、フジ、ニセアカシア、サルスベリ、クスノキ、ナンキンハゼなどと種類も多く、果実も餌にします。繁殖はソメイヨシノ、シダレザクラでの繁殖が知られています。出現は4〜11月。成虫で越冬します。越冬のためキマダラカメムシは家屋に侵入して来ることが知られています。自然下では樹皮の裏側、割れ目、樹洞などの隙間などに潜り込んで越冬するようです。神奈川県では気温が上がって暖かくなれば、3月から越冬から目覚めた個体を見つけることができます。越冬した冬眠明けのキマダラカメムシは、公園にある建物や樹林の近くの建物で見つけることが多いです。このことから推測してみると、家屋に侵入して来る不快カメムシとして、今後は神奈川県だけでなく、近県でも嫌われる種類になるのかも知れません。
上3枚は同じキマダラカメムシです。上、地味な色のカメムシですが大きくて黄色い筋がおしゃれです。この個体は測ってみたら体長が24ミリある大物のキマダラカメムシです。この個体は淡い橙色の斑が見えます。この様に斑黄色や淡黄色の斑があっても樹の樹皮にいたら見つけにくい見事な保護色になっています。中、裏側から見た様子です。下、キマダラカメムシの特徴である頭部に見える黄色や白い線(縦条)の部分です。体の割に小さな頭をしていることも分かります。
・この写真では斑点に見える部分がは少し淡いオレンジ色に写っています。基本的に体色は大きく変わることがありませんが、個体により黄色や薄いオレンジ色に見える部分がありますが、この色のついている所は、体の白く見える部分につく色です。成虫を多数見比べるとわずかな違いがあることが分かります。当ブログ内の成虫の写真を見比べて見てください。
まだ匂いは確認していませんがかなり臭いようでが、手にたけて遊ぶくらいでは匂いは出しませんでした。飼育してみたくなる大きさのあるカメムシです。キマダラカメムシは観察中、すぐに飛んで逃げようとしました。飛翔性の強い種類になるのだと思いました。外で見つけても撮影が難しい種類だと想像がつきます。見つけた場所、神奈川県横浜市。本州に進出している方法は、自然繁殖による北上よりも、街路樹や公園の樹など植樹された樹に付いてきて分布を広げているようです。神奈川県ではまだよく知られていない種類のカメムシです。暗褐色で平たく大きいカメムシで、胸背に黄色い線が見えたらキマダラカメムシを疑ってみると良いかもしれません。
上、成虫と終齢幼虫の比較です。キマダラカメムシは普通に手で持ったくらいでは匂いは出しませんでした。上の成虫はサクラとヤマモモの隣の樹にとまっていました。光の関係ではなく、黒い部分は若干、淡く見えました。撮影は2017年9月になります。体長は25ミリ程です。大きくて見ごたえのあるカメムシです。撮影地。神奈川県横浜市、南本宿公園。2年続けて発見しているので、横浜では繁殖していると思われます。2枚目、キマダラカメムシの終齢幼虫です。幼虫の方が可愛く見えます。ただ大型種だけあって、終齢幼虫でも十分に迫力がある大きさをしています。3枚目、上の幼虫が成虫になりました。白と黒がはっきりして見える個体です。撮影地。神奈川県横浜市、南本宿第三公園。下、自然光で見るともっと黄色い斑(斑紋)に見えた個体です。体色は茶褐色をしています。撮影地。神奈川県横浜市。色々と探してみると、成虫の色彩には若干の個体差があることが分かりました。
上、キマダラカメムシの2齢幼虫。卵の殻も写っています。卵の大きさはカメムシとしては大きなサイズです。さすがに大型カメムシの卵と言ったところです。キマダラカメムシの2齢幼虫はカラフルで綺麗です。サクラの樹下のツツジの葉にいたものです。若齢幼虫の写真を追加しました。撮影地。神奈川県横浜市、旭区。幼虫は綺麗で成虫は大型なカメムシなので、カメムシが好きな当方としては気に入っている種類になります。
キマダラカメムシの記事拝見しました。
当方、横浜市都築区在住です。
毎年、キマダラカメムシが大量発生しておりますよ。
都築区の佐江戸公園内の桜の木に大量におります。
御近所の家の中にも忍者のように現れるようです(^^
手に採ると可愛い様な気もするのですが・・・やはり馴染めないですね〜(^^;
今年は去年よりかなり少ない様ですが、幼虫が沢山いるのでこれから大量発生かと思われます。
参考までに書込みさせて頂きました。
お返事有難う御座います。
都築区の佐江戸公園には、南西側に20本位の桜があります。
毎年、8月位になると樹木とカメムシの判別がつかない程ビッシリと張付いてます。
最初は私も可愛いと思っていたのですが・・・
あまりの多さに不気味さを感じてしまいました(^^:
機会が有りましたら見に来られてみて下さいね。