2016年08月23日

ミナミトゲヘリカメムシ、ブチヒメヘリカメムシ、セスジナガカメムシ、ナカボシカメムシ、ツヤマルシラホシカメムシ、シラホシカメムシ。カメムシ6種類を見つけました。

今回紹介するミナミトゲヘリカメムシ、ブチヒメヘリカメムシ、セスジナガカメムシ、ナカボシカメムシ、ツヤマルシラホシカメムシ、シラホシカメムシの6種類は生態や名前などに少し変わったところのあるカメムシ達です(シラホシカメムシを追加しました)。
ミナミトゲヘリカメムシは初めて見つけたカメムシです。北上してきた南方系のカメムシです。神奈川県、横浜市でも見ることができるようになったようです。良く行く公園の池の脇のコブシの樹に実が沢山ついていたので、実を観察している時に見つけました。コブシの実の汁を吸いに来たのでしょう。ミナミトゲヘリカメムシはクスノキ科に付くカメムシです。この公園にもクスノキは多いので、今まで見たことが無かっただけで、すでに定着しているのかも知れません。夕方だったので上手く写真が撮れませんでした。関東地方にも定着してきている種類です、観察地の神奈川県よりもヒートアイランド現象などにより、温度の高くなっている東京の方が多く確認されているようです。セスジナガカメムシは赤と黒の配色が美しいカメムシです。個体数は少ない方で、見つけにくい種類です。ナカボシカメムシは個体変異が多いカメムシで体色や斑紋に個体変異があります。特徴になっている黒い斑紋が良く分からない個体もいます。このカメムシは森林性のカメムシと言われていて、林に住むカメムシです。越冬のため人家に入りこむこともあるカメムシになるようです。ツヤマルシラホシカメムシはムラサキシラホシカメムシとも呼ばれていて、小型の個体数が多い種類ですが、ムラサキシラホシカメムシを別名とした同じ種類としたり、違う種類としても記載されるなど、紛らわしいカメムシになっています。ツヤマルシラホシカメムシとシラホシカメムシはよく似ています。背中に見える白い斑紋の大きさが違っています。大変紛らわしい種類です。ブチヒメヘリカメムシも別名ブチヒゲヘリカメムシと呼ばれていて、名前が覚えにくいです。この「ヒメ」と「ヒゲ」の部分の違いの名前の由来はどこからきているのかと、興味があるところですが、良く分かりませんでした。今回紹介するカメムシ達は姿が似ているものがいて分かりにくい種類と、名前が良く分からないなど、紛らわしい部分がある種類を紹介して見ました。ミナミトゲヘリカメムシ、ブチヒメヘリカメムシ、セスジナガカメムシ、ナカボシカメムシ、ツヤマルシラホシカメムシ、シラホシカメムシの6種類を調べて見ました。
★ミナミトゲヘリカメムシ ヘリカメムシ科。体長16〜23ミリ。出現は4〜12月(本州では10月、暖かい沖縄では12月まで活動しています)。名前にミナミ(南)と付いているように本来は南方系のカメムシの種類で分布を北上させています。特徴は、触角が細長く、触角の第4節の基部が黄色くなっています。脚と体の側縁が緑がかっていて、緑色を帯びた褐色の体をしている大型のカメムシです。体色には個体差があります。分布は、本州(茨木県以西の太平洋側)、四国、九州、沖縄。ミナミトゲヘリカメムシ は本来は南方系のカメムシで、温暖化により北上してきている種類になります。今後も北上して分布を広げていくと思われます。食樹はクスノキ科のクスノキ、タブノキ、シロダモ、シロモジヤブニッケイなど。害虫としてミカン類(早生温州、温州ミカン、ポンカンなど)に被害を与えます。加害時期は他の果樹カメムシ類よりも早く5〜6月に加害します。シークワーサーやカキ、スモモなどの果実に害を与えます。カキやスモモの被害は越冬したミナミトゲヘリカメムシによるものの被害のようです。沖縄ではシークワーサーの主要害虫に指定されています。ミナミトゲヘリカメムシには大変よく似た種類にオオクモヘリカメムシがいます。 この両種の違いは前胸部の側角に違いが見られます。ミナミトゲヘリカメムシの前胸部の側角は鋭く、斜め上方に突出していることで区別できます。とはいえ良く見ないと間違えてしまいそうです。ミナミトゲヘリカメムシの4齢幼虫はキバラヘリカメムシの5齢(終齢)幼虫に容姿が似ています。ミナミトゲヘリカメムシの幼虫は触角が細く脚の色が黒いことで見分けることができるようです。5齢になると体は黒くなってしまいます。ミナミトゲヘリカメムシの越冬は成虫で越冬します。北上の傾向が強いので耐寒性はある方の種類になるのかも知れません。
★ブチヒメヘリカメムシ 別名ブチヒゲヘリカメムシ。ヒメヘリカメムシ科。体長6〜8ミリ程。体色は暗褐色〜黄褐色、淡褐色など色彩には変異の多い種類になるようです。出現は4〜10月。分布は北海道、本州、四国、九州。見た目は小型で淡褐色をしたカメムシで、上翅が半透明で腹部背面が透けて見えています。食性は雑多でイネ科、キク科、タデ科などに多く付きます。成虫も幼虫も植物の汁を吸います。ブチヒメヘリカメムシの仲間には似たものが多く判別に困ります。越冬は成虫で越冬します。落ち葉や枯草の根元に潜り込んで越冬します。似た種類のヒメヘリカメムシ科とは体色や透明な上翅の下に見える腹部の斑紋などで判別します。とにかく小さな体をしているので、肉眼で見て判別することは困難です。草原のエノコログサなどの草上にいて、似た他種といると皆、同じに見えてしまいます。名前を知りたい場合は、デジカメで撮影しておくと便利です。大変良く似た種類にはスカシヒメヘリカメムシ、ケブカヒメヘリカメムシ、アカヒメヘリカメムシ、カスミヒメヘリカメムシがいます。
ミナミトゲヘリカメムシ.JPGミナミトゲヘリカメムシ幼虫追加.JPG
上、ミナミトゲヘリカメムシです。写りが悪いので、良い写真が撮れましたら差し替える予定です。触角と脚がとても長いカメムシです。下はミナミトゲヘリカメムシの幼虫です。クスノキの生えている脇の壁で見つけました。ミナミトゲヘリカメムシの4齢幼虫は1見するとキバラヘリカメムシの5齢幼虫に似て見えます。この個体は黒っぽく見えるので5齢幼虫だと思います。
ブチヒメヘリカメムシ.JPGブチヒメヘリカメムシ追加.JPG
上、ブチヒメヘリカメムシです。小さくて何の特徴もないカメムシに見えます。似ている種類もあるので名前を特定することが難しい種類です。ミナミトゲヘリカメムシとブチヒメヘリカメムシは神奈川県横浜市、こども自然公園で見つけました。下、別個体のブチヒメヘリカメムシ。体色が淡褐色のブチヒメヘリカメムシです。当方観察エリアでは、この色合いの個体をよく見ます。
★セスジナガカメムシ マダラナガカメムシ科。体長8ミリ。出現は4〜11月。分布は本州、四国、九州。低地から山地に生息していて、キンポウゲ科のボタンズルに依存します。見つけたかったらボタンズルを探すことがポイントになると思います。ボタンズルはキンポウゲ科の蔓性の半低木で、同じキンポウゲ科のセンニンソウとそっくりです。両種ともに毒性のある有毒植物です。ボタンズルの葉は3出複葉でセンニンソウの葉は奇数羽状複葉です。花は共に白くよく似ています。セスジナガカメムシは触角が黒く、体は鮮やかな朱色と黒の2色の配色で、小型ながらも綺麗なカメムシです。背面に2股に分かれて見える大きな黒い斑紋があります。成虫、幼虫共にボタンズルに付きます。草上性で活動は比較的に緩慢です。昼行性ですが個体数は少ない種類です。成虫は単独で行動します。越冬は成虫で越冬します。寄生する植物が限られているためか、セスジナガカメムシには中々お目にかかれないでいます。ボタンズルの有る場所を探してから見つけるようにすると見つける確率が上がるかも知れません。セスジナガカメムシは見つけて見たくなる綺麗な種類にはいるカメムシです。赤と黒の2色のカメムシは他にも居るので、この派手な色の配色はこの種の決定的な判別にはなりません。 
★ナカボシカメムシ 体長8〜9ミリ。出現は4〜11月。分布は北海道、本州、四国、九州、対馬。山地性のカメムシで広葉樹のクヌギ、コナラ、ミズナラについています。広葉樹の林縁、林などや自然の状態の良い森林公園などにも生息しています。餌はクヌギ、コナラ、ミズナラの葉などの汁。体には光沢があり多くの点刻があり、体色は淡褐色、灰緑色〜赤褐色などがあります。体色には個体差が有るようですが、この色の違いは季節による影響もあるようです。活動期には淡い赤っぽい赤褐色でも、越冬に向かうと褐色などになっていくようです。調べて見たくなるところです。ナカボシカメムシの特徴として、小楯板には2対の黒紋があります。前方にある(頭側)黒紋には変異があって、目立たないもの、紋が繋がっているものなどがあります。越冬は成虫で越冬します。樹皮の裏などで集団で越冬します。ナカボシカメムシは越冬のため家の中に侵入して来ることもある不快害虫にもなっています。灯火にも飛来するようです。
ナカボシカメムシは体色に変科のある種類なので、違いのある固体を見比べると面白いと思います。私はまだナカボシカメムシをあまり見ていないので、もっと探して体色の変異などが有るのかなどを観察してみたいです。写真を追加して見たくなる種類です。淡い色合いの赤褐色のタイプはなかなか綺麗に見えます。ナカボシカメムシは和歌山県では絶滅危惧U類、富山県では準絶滅危惧種に指定されています。
セスジナガカメムシ.JPGナカボシカメムシ1.JPG
上、セスジナガカメムシ。綺麗な赤(朱赤)と黒のツートンカラーのカメムシです。背面の黒い大きな斑の形が特徴になります。下、ナカボシカメムシです。これは赤褐色のタイプのナカボシカメムシです。個体変異の多いカメムシなので、色の違いなどを比較して見比べて見たくなる種類です。撮影地はどちらも神奈川県海老名市。
★ツヤマルシラホシカメムシ(ムラサキシラホシカメムシ)カメムシ科。ツヤマルシラホシカメムシとムラサキシラホシカメムシは同じものです。体長は5〜6ミリ。小型でツヤの有る銅色をしたカメムシです。体には光沢があり、2個の黄白斑が大きいことです。ツヤマルシラホシカメムシは小さな体をしていても白い斑が良く目立ちます。よく似たマルシラホシカメムシやシラホシカメムシとはこの斑の部分(大きさ等)で見分けます。トゲシラホシカメムシとは側角の棘で見分けます。出現は4〜10月。草原、林縁に普通にいる普通種で、餌とする植物の種類も多く、キク科のタンポポ、ハルジオン、ヒメジョオン、アレチギクなどや、マメ科のカラスノエンドウ、シロツメクサ、アカツメクサなど、イネ科のエノコログサ、カモジグサなどがあり、葉や茎、果実から汁を吸います。小さくてちょこまかと動いています。草の根際などで成虫で越冬します。
・ツヤマルシラホシカメムシ=ムラサキシラホシカメムシ(同1種)としている場合とムラサキシラホシカメムシを別種とする場合があるようです。別種とする場合は、ムラサキシラホシカメムシの体色は黒っぽい紫色をしていて、色の違いからツヤマルシラホシカメムシと分けているようです。恐らく色の違いによるものなので、ツヤマルシラホシカメムシ=ムラサキシラホシカメムシで良いと思うのですが、非常に紛らわしいです。等ブログでは同じ種類として紹介させていただきます。
★シラホシカメムシ カメムシ科。体長5〜7ミリ。シラホシカメムシは灰色を帯びた茶色をしていて、背部に1対の白斑がありもす。背面には黒い小さな点刻があります。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。イネの害虫で、斑点米発生の原因になっています。特に関東以南で問題になっている種類になります。食性はイネ科、マメ科、キク科の植物につきます。出現は4〜11月。越冬は成虫で越冬します。枯草の多い草地の枯れた草の根際、休耕田、落ち葉の多い草地やその周りの石の下などで越冬します。シラホシカメムシの白斑は小さいです。シラホシカメムシの小楯板が他の種類の似たカメムシ(マルシラホシカメムシなど)よりも短いことも特徴になっています。ツヤマルシラホシカメムシとシラホシカメムシはよく似ていますが、白斑の大きさを見て区別することができます。
ツヤマルシラホシカメムシ.JPGシラホシカメムシ.JPG
上、ツヤマルシラホシカメムシ(ムラサキシラホシカメムシ)です。普通種で数も多く、良く見るとそれなりに可愛いのですが、体の小さな小型種なので気がつかれないまま、ひっそりと生息しています。撮影地。神奈川県横浜市、こども自然公園。下、シラホシカメムシです。灰色っぽく見える体色をしています。星に例えられる白い斑紋は小さいです。撮影地、神奈川県横浜市。メヒシバにいました。ツヤマルシラホシカメムシとシラホシカメムシの写真を並べて見比べると、似ているカメムシでも違いが良く分かります。大きさは両種とも小さく分かりにくいのですが、1対の白い斑紋があります。斑紋が大きい方がツヤマルシラホシカメムシ=ムラサキシラホシカメムシで、シラホシカメムシは小さい白い斑紋になります。
posted by クラマ at 17:05| Comment(0) | 昆虫・カメムシ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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