★ツヤアオカメムシ カメムシ科。体長14〜17ミリ。分布は本州、四国、九州、沖縄。ツヤのある鮮やかな緑色をした綺麗なカメムシ。体型は丸みを帯びていて体には小さい点刻があります。ツヤアオカメムシには遺伝的な体色の変異が20種類ほど知られているようです。ツヤアオカメムシは昼行性のカメムシですが、昼は大人しく葉や果実にとまっています。緑色をしたカメムシなので、葉の色に同化していて見つけにくいです。普通種なのですが春から夏の時期には見つけることが難しくなります。夜間の灯火に良く集まる習性があるので、日中よりも夜間の灯火の周りで良く見つけることが出来ます。自然の中では、秋になって緑が少なくなってくるころに見つけやすくなる種類です。ツヤアオカメムシはもとは南方系のカメムシで、北上をしている種類になります。モモ、ウメ、カキ、ナシ、ビワ、ミカンなどほとんどの果樹を加害する害虫になっています。群集性があり大発生すると柑橘類などに大きな被害を与えることが知られています。汁を吸われた果実は凸凹になってしまいます(吸汁された場所は深く凹んでしまいます)広食性のカメムシで適応力が強いです。幼虫は主にスギ、ヒノキの球果を餌にします。越冬は成虫で、常緑広葉樹の樹林内で、樹皮下などを利用して越冬します。観察しているとミズキ、クマノミズキの実に成虫、幼虫を多く見ることが出来ます。スギ、ヒノキが主に利用されているようですが、ミズキの実がある頃は、ミズキやクマノミズキがかなり利用されていると思います。(ミズキでは他の種類のカメムシも多く見ることが出来ます)
ツヤアオカメムシです。ミズキの木についていました。下はミズキの実の汁を吸っているツヤアオカメムシです。ツヤの有る緑色が綺麗です。撮影地。神奈川県横浜市、こども自然公園。
ツヤアオカメムシには、大変よく似た種類にミナミアオカメムシ、アオクサカメムシがいます。アオクサカメムシをついでに調べてみました。写真が撮れましたら追加をする予定です。
アオクサカメムシは写真が取れたら追加する予定です。ミナミアオカメムシが北上してきているので、比較のために調べてみました。
★アオクサカメムシ カメムシ科。体長12〜17ミリ。光沢のない緑色の綺麗なカメムシ。体型は丸みを帯びています。緑色で可愛い体型のカメムシです。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。森林や林縁に多い種類になります。体色や斑紋に遺伝的な個体差が有るものがいるそうです。出現は7〜10月で年2〜3回の発生。昼行性ですが灯火にも良く飛来します。草の上にいる草上性で動きは活発です。アオクサカメムシは成虫で越冬します。とてもよく似た種類にミナミアオカメムシ、ツヤアオカメムシがいます。ミナミアオカメムシと同じ生息地のものは交雑が認められ、紛らわしい個体が数タイプあるそうです。アオクサカメムシも個体数が多く、緑色をしたカメムシを代表する種類になると思います。ツヤの無い体の特徴でよく似たツヤアオカメムシと区別ができます。アオクサカメムシは多食性でイネ科、マメ科、キク科の植物や野菜や果物に被害を与える害虫になっています。特にマメ科のダイズに大きな被害を与えることがあります。アオクサカメムシは分布域も広く食性も幅広いので、目にすることの多いカメムシだと思います。緑色をした臭いカメムシと認識されている人も多いのではないのかと思っています。知らない人でも緑色のカメムシの臭いは強いので、触らない方が良い、臭い種類と覚えておくと良いと思います。
よく似た3種類。アオクサカメムシ、ツヤカメムシ、ミナミアオカメムシの見分け方。
・ツヤアオカメムシ 体はツヤ(光沢)がある緑色をしています。ツヤアオカメムシの最大の特徴になっていて、光沢が強く小楯板には3つの小斑紋はありません。側角はアオクサカメムシより丸まっていて飛び出て見えません。触覚の2か所が黒い帯になっています。
(触覚の第3、4節の先端に黒色部があります)
・ミナミアオカメムシ ツヤ(光沢)のない緑色をしています。アオクサカメムシより若干細長い体つきで小楯板には3つの薄い小斑紋がある。触覚の先が褐色になっています。
(第3、4、5節に褐色の部分があります)
・アオクサカメムシ ツヤ(光沢)のない緑色をしています。小楯板に3つの薄い黄色い小斑紋があります。側角はツヤアオカメムシより出っ張っています。触覚の先は黒くなっています。(第3、4、5節に黒色部があります)
アオクサカメムシとチャバネアオカメムシは等ブログの「家に入ってくるカメムシ。クサギカメムシ、マルカメムシ、チャバネアオカメムシ、アオクサカメムシ、マツヘリカメムシ、オオトビサシガメなどがいます。」でも紹介していて、2度目の登場になります。
★チャバネアオカメムシ カメムシ科。チャバネアオカメムシは緑色で翅が茶色をした普通種で、ごく普通に見られるカメムシになります。色彩に変異があります。個体の変異で褐色の個体もいるそうです。体長10〜12ミリ。分布は北海道、本州、四国、九州、沖縄。平地から山地まで幅広く生息しています。食性も広いので、雑多な植物で見ることができる数の多い普通種になります。越冬は成虫で越冬します。チャバネアオカメムシは昼行性のカメムシですが、夕方から活発に動き始め灯火にも集まります。出現は4〜11月。年2〜3回の発生。新成虫は6〜7月と8〜9月に出現します。この新成虫が越冬に向かいます。普段はスギ、ヒノキの球果を餌としますが、この餌が足りない時に農作物に移動して大きな被害を与えます。カメムシの中で作物に1番大きな被害を出します。常緑広葉樹の落ち葉の下で成虫越冬しますが、家の中に入ることも多いようです。そのため不快害虫としても良く知られています。チャバネアオカメムシの越冬個体は暗褐色、茶褐色に体色が変わります。夏の緑色の鮮やかな個体と越冬固体の中間に見える個体も秋には現れます。120種以上の植物に寄生するなど、適応力、繁殖力ともに強いようです。春はサクラ、キリ、クワなどで葉や実の汁を吸い、次にウメ、モモ、ナシ、カキ、ブドウ、ミカンなどの果実に移動後、産卵のためにスギ、ヒノキに移動するというサイクルがあるようです。チャバネアオカメムシは果樹を加害する有名な害虫で、汁を吸われた果実は凸凹になってしまいます(吸われた部分は深く凹んでしまいます)チャバネアオカメムシの発生量が多い時には果樹に大きな被害を与えることがあります。チャバネアオカメムシは集合ホルモンを出すため群れる習性があります。夜灯火に集まる性質と集合ホルモンを出すことから、ライトトラップとフェロモントラップで駆除されます。数が多い種類なので、越冬以外の時期にも家の中に入り込むこともあります。洗濯物に紛れていて、うっかり匂いをつけてしまう被害を聞くことがあります。チャバネアオカメムシは適応力と数の多さから青いカメムシ(緑色をしたカメムシ)の代表的な存在になっています。チャバネアオカメムシは当ブログ2度目の登場です。
★ヒメチャバネアオカメムシ カメムシ科。体長7・5〜9・5ミリ。ヒメチャバネアオカメムシは温暖化で北上しているようですが、神奈川県ではめったに見つけることができない種類です。南日本には多い普通種になりますが、こちらではまだレアな種類になっています。チャバネアオカメムシが体長10〜12ミリあることに対してヒメチャバネアオカメムシは体長7・5〜9・5ミリと小さく、体つきを見比べると、大げさに表現すると、チャバネアオカメムシがやや長細く見える感じに対して、やや丸みを帯びて見えます。両種を区別するための特徴は前翅の翅の色と前胸背側縁の部分に出ます。ヒメチャバネアオカメムシの前翅の翅の色は灰白色で、チャバネアオカメムシの前翅よりも薄く見えます。ただチャバネアオカメムシでも前翅の色の薄い個体もいます。前胸背側縁の部分の色は緑色で、チャバネアオカメムシに見られる黒い線(暗褐色や黒色)は見えません。最もこの部分の色に関しては微妙で、チャバネアオカメムシでもほとんど黒く見えない個体もいます。個体差で前翅の色も薄い茶色をしたチャバネアオカメムシもいるので、体つき(体格と大きさ)、前翅の翅の色、前胸背側縁の部分の黒い線(暗褐色や黒色)の有無、の3点を確認しないと間違いやすいです。この2種類は大きさ以外、本当によく似ています。分布は本州(どこまで北上しているのか分かりません)、四国、九州、沖縄。ヒメチャバネアオカメムシは南に多くいる普通種になります。神奈川県では稀に見つかっています。食性はキク科の植物やツゲ、ネズ、アセビなどに付いていて、植物の汁を吸います。越冬は不明(南方ではチャバネアオカメムシとヒメチャバネアオカメムシは混在しているので、似た生態をしていると思われます)
上、チャバネアオカメムシです。特徴は翅に茶色い部分が見えることです。良く見かける数の多い普通種なので、緑色が綺麗なご存知のカメムシになるかと思います。中、ヒメチャバネアオカメムシです。大変良く似ています。両種の違いを挙げてはみたものの、写真で見ても同じに見えてしまいます。下、チャバネアオカメムシの前胸背側縁部の拡大です。黒い線があることが分かっていただければ幸いです。ただ、個体によりこの線が見えにくいものもいるのが困りものです。写りが悪いので良い写真が撮れましたら差し替える予定です。プラスチックケース越しの撮影で写りが悪くなっています。撮影地。神奈川県横浜市。ヒメチャバネアオカメムシは見つけにくいのですが、良い写真が撮れましたら写真を追加する予定です。
★ミナミアオカメムシ カメムシ科の外来種。南方系のカメムシで関東地方まで北上してきました。広食性で幅広く植物の汁を餌にします。イネの斑点米の原因になる斑点米カメムシとしてイネの有害害虫になっています。その他、エダマメ、インゲン、ナス、オクラ、トマトなどにも害を与えます。体長は10ミリ程。緑色の体をしているアオカメムシの仲間です。幼虫には緑色の地色に白、赤、黒の柄があります。分布は本州(関東地方以南。東京都、神奈川県、千葉県では発生が確認されています)、四国、九州、沖縄。まだ北上していきそうです。ミナミアオカメムシは成虫で越冬しますが、寒さに弱いので関東地方では越冬中に死んでしまう個体も多いようです。ミナミアオカメムシは害虫カメムシとして警戒されている危険度の高い有害害虫です。体色には変異があるようですが、どの程度の変異なのかは分かりません。色彩の変異があった場合、他種との判別は難しくなりそうです。今後、見つけることが多くなる種類になってくるのでしょう。体色の違う個体も見て見たいです。ミナミアオカメムシとアオクサカメムシは大変良く似ていて、判別が難しいです。ミナミアオカメムシの特徴は触角の第3〜5節の先端部が褐色をしていることです。よく似たアオクサカメムシは第3〜5節の触角の先端部は黒色をしています。前胸背側角の突出はアオクサカメムシのように強く突出していません。ミナミアオカメムシの場合、結合板外側部後端部に小黒点が見えることです。
上、ミナミアオカメムシです。触角の先端は黒くないので(褐色)ミナミアオカメムシとしました。農作物に大きな被害を与える害虫カメムシです。菜園の脇の草むらにいました。下、腹部下面から撮影した別個体です。菜園のナスについていました。撮影地、神奈川県横浜市、南本宿第三公園。
★クヌギカメムシ クヌギカメムシ科。体長12ミリ。昼行性で動きは緩慢です。雌雄は外見上、同じように見えます。出現期4〜12月。年1回の発生になります。分布は本州、四国、九州。平地から山地の林縁に生息しています。触覚が長くクヌギカメムシは気門が黒いことが特徴になっています。体形はやや幅のある縦長の緑色の体をしたカメムシ。雑木林にいてナラ、コナラ、ミズナラ、クヌギ、カシワなどの樹にいます。秋には体色が変化します。よく似た種類にヘラクヌギカメムシ、サジクヌギカメムシがいて、外見では判別がむずかしいので、生殖器や気門の色を見ることなどが必要になってきますが、それでも分かりにくい判別が難しいカメムシです。秋になると紅色や褐色を帯びた色に体色が変化します。クヌギカメムシは昼行性で群集しない種類になります。ナラ、コナラ、ミズナラ、クヌギ、カシワなどの葉や芽、果実の汁を吸います。産卵の時期は遅く10下旬から12月に行われます。卵の数は30〜40個程が幹のシワの深い部分や樹皮下に産み付けられます。卵塊はひも状をしています。越冬は卵で越冬します。西日本では普通種ですが、東日本では数の少ない種類になります。
クヌギカメムシです。触角が長くて立派に見えます。この種類には縁が無く、なかなか見つけることができません。郊外に行かないと探すことが難しいようです。良い写真が撮れましたら追加する予定でいます。撮影地、神奈川県横浜市こども自然公園。
分類が難解なカメムシにクヌギカメムシ、ヘラクヌギカメムシ、サジクヌギカメムシがいます。この3種類はどれも緑色をしたカメムシで、平たい扁平な形をしたカメムシです。外見上の判別ができないほど似ている種類になります。ヘラクヌギカメムシの写真が撮れたので追加しました。
★ヘラクヌギカメムシ 別名ニセクヌギカメムシ。別名の通り極めて分類が難しい種類のカメムシになります。体長11〜13ミリ。普通種でヘラクヌギカメムシの気門は体色と同じで不明瞭。この違いでクヌギカメムシとは判別することができます。また神奈川県ではクヌギカメムシよりも個体数は多いです。よく似たクヌギカメムシは東日本では個体数が少ない種類になります。出現は4〜11月。分布は本州、四国、九州。平地〜低山地の林や林縁。食樹となる樹が多い自然公園などに生息しています。餌は葉や若枝、果実の汁を吸います。クヌギ、カシワ、コナラ、ミズナラに集まります。特にコナラに多く集まるようです。越冬は卵で越冬します。非常によく似たサジクヌギカメムシは個体数が少ないうえに、主にクヌギに集まります。正確な判別は生殖器を見ないと判別できません。クヌギカメムシ、ヘラクヌギカメムシ、サジクヌギカメムシは生殖器と気門を見て判断しないといけないほど、判別が難しい種類になります。判別の難しい大変厄介なカメムシです。
ヘラクヌギカメムシです。緑色で扁平な体つきをしています。写真のカメムシは個体数の多いこととコナラにいたことから、適当になってしまうのですが、ここではヘラクヌギカメムシとして紹介します。コナラの幼木で見つけました。昼行性で動きが緩慢な大人しいカメムシです。分類が難解なクヌギカメムシ、ヘラクヌギカメムシ、サジクヌギカメムシには手を付けたくないというのが本心です。サジクヌギカメムシより見つけやすいクヌギカメムシもヘラクヌギカメムシも、私の観察フィールドではなかなか見つけることができない種類です。ヘラクヌギカメムシの別名がニセクヌギカメムシというのですがニセというよりも同じにしか見えないほど似ています。
・この3種類は外見に、わずかな違いがあるようですが識別に利用できる程、決め手となる特徴は無いようです。つまり外見での判別は個体差もあることにより、外見での判別は不可能となっているようです。ザックリと、クヌギカメムシ科の総称的な呼び名のクヌギカメムシとまとめて呼ぶにふさわしい昆虫です。カメムシの色をイメージすると茶色か緑色を連想する方が多いと思いますが、個人的には緑色のカメムシの方が可愛く見えてしまいます。カメムシは種類の多い昆虫なので探してみると色や模様が個性的であることが分かります。カメムシは見つけることが楽しくなる昆虫です。

