2016年05月03日

ハグロケバエ、メスアカケバエ。どちらもハチやアブに見えるハエの仲間です。

ハグロケバエ、メスアカケバエは黒いハチやアブに似た姿をした昆虫です。普通にイメージすると家の中に現れるハエと形が異なることからハエの仲間には見えません。両種は春に1斉に出現します。以前この昆虫を知らなかった時には、てっきりハチだとばかり思っていました。どう見ても大きな黒い色のハチのように見えてしまいます。面白いことにハグロケバエ、メスアカケバエは雌雄で頭部の形が大きく違っていて、同じ種類の雄と雌には見えないことです。雄は頭が大きく見えますが、ほぼ2個の眼(複眼)で形成されています。容姿は頭部以外にも全体的にハチやアブに似ています。この頭の大きく見える方が雄になり、頭部は驚くほど小さく見える方が雌になります。眼の大きさは雄と比べて恐ろしく小さなものです。この眼の大きさから雄が雌を探す繁殖の方法をとっているのだと推測します。ハチに似て見えるのが雄で、巨大な羽アリに似て見える方が雌と覚えておくと良いと思います。ハグロケバエ、メスアカケバエは同じ種類の雄と雌とは思えない姿をした昆虫で面白いです。ハエというと汚いイメージがありますが、ハエの仲間でも汚いものには寄りません。成虫は花の蜜や水を餌にします。幼虫は落ち葉などの腐食物や雑草の根を食べます。ハグロケバエ、メスアカケバエの雄はどちらもよく似ていて、肉眼では区別が難しいです。判別するためには胸背の外側にある毛を調べます。胸背部の外側にある毛が白い方がハグロケバエ、黒い方がメスアカケバエになります。雌の場合はメスアカケバエの雌の場合、名前の通りに胸背部が橙色〜淡い赤褐色をしているので区別は簡単にできます。ケバエ科は化石からも見つかっているので、原始的な昆虫であるということがいえます。単にケバエというとケバエ科の総称になっています。ケバエの名前の由来は毛が生えている体の特徴から来たようです。幼虫には長い毛が生えています。ケバエの寿命は1〜2週間程のようです。普通種で数も多いことと、成虫は春に1斉に発生することから見つけ安い昆虫です。2種類のケバエ、ハグロケバエとメスアカケバエを調べてみました。
★ハグロケバエ ハエ目、ケバエ科。普通種。体長は雄11〜12ミリ。雌14〜17ミリ。雌雄で容姿が違います。頭の大きなアブやハチに似て見える頭を持った方が雄で、雌の頭部は驚くほど小さくなります。分布は本州、四国、九州、沖縄。出現期は4〜6月。普通種で数も多く、成虫は水や花の蜜を吸う。幼虫は落ち葉などの植物性の堆積物(腐食物)や腐った植物質を餌とします。昼行性で日中に見られますが灯火にも集まる。成虫の寿命は1〜2週間。幼虫は集団で越冬します。ハグロケバエは短角亜目の昆虫になります。短角とは触角が数珠状の形状をしていて、触角が12節以下の短いものを短角といい、短角亜目とします。12節以上で長いものを長角亜目といいます。雄雌共に黒い色をしていて、翅は半透明ですが全身が黒色に見えます。性質はおとなしく動作が鈍く緩慢です。カメラを近づけても逃げないでおとなしくしています。雌雄の特徴として、ハグロケバエの雄は胸部(背中)に光沢がなく、胸部外側にある毛(胸部周辺部の毛)は白い色をしています。雄の眼は非常に大きくて、頭部のほとんどが複眼です。雌は巨大な羽アリに見えます。よく似たメスアカケバエの雄との区別は胸背外縁に生えている毛を調べます。肉眼での確認は難しいのですが、毛が白く見えればハグロケバエの雄になります。肉眼では難しい判別も、デジカメ等で拡大すると良く分かります。
★メスアカケバエ ケバエ科。普通種。体長は雄9〜10ミリ。雌10〜12ミリ。分布は本州、四国、九州、沖縄。出現期は3〜6月。低地、低山地の林縁部で多く見られます。雌雄で容姿が違います。頭の大きなアブやハチに似て見える頭を持った方が雄で、雌の頭部は驚くほど小さくなります。雄の場合、ハグロケバエに似ていますが、雌の場合は胸背部と腹部が橙色〜淡い赤褐色をしているので、すぐにメスアカケバエの雌であることが分かります。雄の特徴は黒く毛深くて、胸背部(背中)には光沢があります。外縁の毛は黒い色をしています。雌の特徴は胸背部と腹部が橙色から淡い赤褐色をしていることです。雌の脛節の前には鋭い棘が生えています。メスにも光沢があります。成虫は花の蜜や水を餌にします。成虫の寿命は1〜2週間。幼虫は集団で越冬します。幼虫は落ち葉などの堆積物など植物質を餌にします。雄の場合、よく似たハグロケバエとの判別は胸背外縁にある毛の色の違いで判ります。肉眼での判別は難しいのですが、メスアカケバエの雄の胸背外縁にある毛は黒い色をしています。良く似た種類にヒメセアカケバエがいます。
ハグロケバエ雌1.JPGハグロケバエ雌2.JPGハグロケバエ雄2.JPGハグロケバエ雄3.JPGハグロケバエ雄胸背拡大.JPG
上5枚はハグロケバエです。上から1、2枚目は雌のハグロケバエです。メスアカケバエの雌より大きいです。2枚目は胸背部の拡大です。ハグロケバエの特徴である白い毛が見えます。3〜5枚目、雄のハグロケバエです。5枚目は雄のハグロケバエの胸背部の拡大です。大変よく似たメスアカケバエの雄との見分け方に毛の色の違いがあります。ハグロケバエの特徴である白い毛が生えています。雄と雌で頭の形がまるで違っています。5枚目の写真では、複眼にも短毛がびっしりと生えていることが分かります。また雄の胸背は艶消しの黒色をしていることが分かります。デジカメでみるとやはり毛深い昆虫であることが分かりますね。
メスアカケバエ雌1.JPGメスアカケバエ雌2・横.JPGメスアカケバエ雌3.JPGメスアカケバエ雄1.JPGメスアカケバエ雄・状背部.JPG
上5枚はメスアカケバエです。1〜3枚目は雌のメスアカケバエです。名前の通り雌の胸背と腹部が赤(橙色〜淡赤褐色)くなっています。プラスチックの入れ物に入れて撮影しました。3枚目の頭胸部の拡大では雌でも毛深いことが良く分かります。4、5枚目は雄のメスアカケバエです。5枚目の拡大写真では雌同様に毛深いことが良く分かります。雄のメスアカケバエの胸背部には光沢があり、毛の色の違いとともにハグロケバエとの判別に使うことができます。
自然の中では花にとまっているメスアカケバエの雄を見たことがありますが、私の場合、壁にとまっていたり、灯火に集まったところを見ることが多いです。同じ時期に発生するので両種の違いを覚えておくと良いと思います。
posted by クラマ at 15:32| Comment(0) | 昆虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: