2016年01月23日

モジゴケ。樹皮に線状の模様を作る地衣類です。

モジゴケは最も普通に見られる地衣類(ライケン)のモジゴケ属の1種ですが、モジゴケの呼び名はモジゴケ科の総称としても使われています。モジゴケは最も普通に見られるのですが、似た種類も多くモジゴケ属として日本には約20種類があるようです。分類はまだ明確には出来ていないようで、世界全体では約400種があるようです。地衣類は藻類と共生している生物で、モジゴケ科の共生藻は緑藻のスミレモ属になるようです。モジゴケの特徴は黒色の果殻を持ち、子器が線のように見える線状をしていることです。種類によっては星状、太い線状、細い線状、放射状、アラビア文字のように細くつながっている形状などがあります。似た物が非常に多く、判別には試薬による検査が必要になりますが、ここでは見た目の特徴から名前を推察して紹介したいと思います。見た目の判断になるので、間違っていることもあると思いますが、その際は素人ゆえご容赦ください。大まかな種類の判別のための参考としてくださればと思っています。モジゴケの仲間の多くは樹皮上に固着して発生していますが、岩上に固着する種類も知られています。地衣体は薄く、樹皮の形状により盛り上がったり、薄い膜のようになっていたりします。同じ種類でも発生している樹皮の形状(樹皮の凹凸などによる)で、見た目の雰囲気も変わってしまうことと、モジゴケ特有の黒色の線などに見える子器(リレラ)には形状に個体差があったりして、さらに判別が難しくなってしまいます。モジゴケ科の子器(黒い線に見える部分)はリレラと呼ばれています。モジゴケ科のリレラは細長かったり、分岐していたり、浮き上がって見えたりします。これらリレラの形状はモジゴケ科の特徴でもあります。モジゴケ科の判別には、この子器(リレラ)の形状が判別の1つの方法にもなっています。モジゴケ科のモジゴケ、ニセモジゴケ、ミチノクモジゴケ、ホソモジゴケ、コモジゴケ、ボンジゴケと思われる種類と、判別不明の種類を紹介させていただきます。黒い線状などの模様を持ったモジゴケの仲間は、どれも個性的な模様を持っているので、探して観察してみると面白いです。モジゴケの仲間は樹皮上を探すと意外と簡単に見つけることができます。遠目からは分からなくても、近くで見ると色々な形状の模様を見ることができるので、探すのも楽しくなってきます。コモジゴケを追加しました。似たものが多いのですが、モジゴケの仲間はリレラの形に個性があって面白いです。
★モジゴケ モジゴケ科の子嚢地衣類。樹皮表面に痂状に固着している樹上生の地衣類です。地衣体は樹皮上に薄く張り付いていて地衣体は連続していて、円形や楕円形をしているものが多いです。地衣体にはややシワがよっています。地衣体の色は白色、淡灰色、淡緑色。子器(リレラ)は楕円形〜線形をしていて屈曲しています。子器は埋没していて地衣体からやや盛り上がっています。果殻(黒い部分)は発達していないのですが、果殻の縁は発達しており子器の縁を覆っています。果殻は底部まで炭化しません。分布は本州、四国、九州。共生している藻は緑藻のスミレモ属似なります。地衣体に見えるリレラの形状が文字のように見えることが、モジゴケの名前の由来になっているようです。最も多く見かける普通種になります。
★ニセモジゴケ モジゴケ科の子嚢地衣類。樹皮表面に痂状に固着している樹上生の地衣類です。モジゴケに大変よく似ています。地衣体は樹皮上に薄く張り付いていて地衣体は連続しています。地衣体は円形や楕円形をしているものが多いです。子器は地衣体に埋没しています。子器(リレラ)の形状は長く線形をしています。稀に分枝しています。果殻は下部まで炭化しています。分布は本州(南西部)、四国、九州、沖縄。
★コモジゴケ モジゴケ科。モジゴケ科の子嚢地衣類。樹皮表面に痂状に固着している樹上生の地衣類です。分布は本州、四国、九州。子器(リレラ)はやや埋没します。果殻の底部は閉じています。子器(リレラ)の長さは1〜4ミリと短いのですが、多数集まって地位体表面にあることが見て取れます。コモジゴケの特徴はリレラの幅にあって、リレラの幅が狭くなったり、広くなったりと幅に変化があることです。この特徴と名前に「コ」が付くので、子器(リレラ)が小さいモジゴケと覚えておくと、見た目のうえではモジゴケと判別しやすくなります。とはいえモジゴケと大変良く似ているので、判別の際には、ルーペなどを利用すると良いと思います。
★ミチノクモジゴケ モジゴケ科。モジゴケ科の子嚢地衣類。日本固有種で樹皮表面に痂状に固着している樹上生の地衣類です。地衣体は樹皮上に薄く張り付いていて地衣体は連続しています。地衣体は円形や楕円形をしているものが多いです。子器(リレラ)は地衣体から突出しています。細長く果殻は黒色をしており下部は茶褐色をしています。
★ボンジゴケ モジゴケ科の子嚢地衣類。樹皮表面に痂状に固着している樹上生の地衣類です。分布は良く分りませんが、日本各地に生育しているようです。子器(リレラ)は黒色〜黒褐色で平坦で突出しません。果殻は発達しません。子器が地衣体から浮き出たように見えることも特徴になっています。子器は放射状に分岐しているものもあります。地衣体は小さめのようです(個人的な観察による)
モジゴケ2.jpgモジゴケ1.jpg
モジゴケです。樹皮に固着するので、樹皮の形状でも雰囲気が違って見えることがあります。上は平らな樹皮(梅)に発生していた物です。普通はもっとシワが目立ちます。下、梅の樹皮にあった別の個体の拡大したものです。
ニセモジゴケ1.jpgニセモジゴケ2.jpg
ニセモジゴケです。モジゴケと比べると子器が埋没して見えます。地衣体の形は同じです。子器の形状で判別しました。
コモジゴケ.JPGコモジゴケ拡大.JPG
上、コモジゴケです。1枚目は円形状の地位体です。横長になったりする楕円形のものも見かけます。子器(リレラ)が小さく沢山集まっている様子が見てわかると思います。下、コモジゴケのリレラの拡大です。よく見ると幅に広い部分と狭い部分があります。
ミチノクモジゴケ3.jpgミチノクモジゴケ1.jpgミチノクモジゴケ2拡大.jpg
ミチノクモジゴケです。間違っていましたらご勘弁ください。地衣体は湿り気があると濃い色が浮かび上がってきます。
ボンジゴケ.jpgボンジゴケ拡大.jpgボンジゴケ湿潤時.jpg
ボンジゴケ。2枚目は1枚目と同じ木に発生していたものです(別個体の拡大)この地衣体は茶色っぽい色をしています。3枚目、上2枚とは地衣体の色が違う個体で、湿潤時の状態を撮影したボンジゴケです。この個体の乾燥時の地衣体の色は灰白色でした。水分を含み共生藻の緑色が浮かび上がってきています。
モジゴケの1種(不明).jpg
不明のモジゴケ科の地衣体です。子器(リレラ)が放射状に見えます。子器はボンジゴケのような平坦ではありません。モジゴケの模様が違うものかもしれませんが、良く分らないので不明種とします。
モジゴケの1種ホソモジゴケ?乾燥時4.jpgモジゴケの1種ホソモジゴケ?湿潤時.jpg
これも良く分らないものです。子器は平坦。果殻は発達していません。1枚目が乾燥時、2枚目が湿潤時です。色がこのように変わってしまいます。不思議ですね。雨などで湿り気を帯びると子器が広がってきます。子器の形状は細長く平坦でした。ホソモジゴケだと思いますが、自信がないので不明種とします。ホソモジゴケを調べてみることにします。
★ホソモジゴケ モジゴケ科。モジゴケ科の子嚢地衣類。樹皮表面に痂状に固着している樹上生の地衣類です。地衣体は樹皮上に薄く張り付いていて地衣体は連続していて、円形や楕円形をしているものが多いです。子器は細長く地衣体に埋没しているか、半埋没しています。子器は良く分岐しています。果殻は下部まで炭化していて底部は開いています。分布は本州、四国、九州。
ホソモジゴケ.jpg
ホソモジゴケです。細長い形状のリレラをしています。この形状には個体差があるようです。
モジゴケ融合体.JPG
この写真では4個の同種のモジゴケの地衣体が融合していることが見て取れます。やがて全部つながって大きな1塊になると思われます。4個の地衣体には境目がないので、モジゴケの仲間は融合しやすいのかも知れません。面白かったので追加しました。
単にモジゴケと言っても色々な種類があって、改めて地衣類の分類が難しいことを認識しました。他のモジゴケの写真が撮れましたら追加したいと思っています。
posted by クラマ at 18:57| Comment(0) | 地衣類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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