2015年08月20日

ツブダイダイゴケ。コンクリートや石の上に生えるオレンジ色に見える地衣類です。

オレンジ色でコケのように見える汚れた塊。これは菌類と藻類が共生しているツブダイダイゴケという地衣類(ライケン)です。菌類は藻類と共生して地衣体という特殊な体を作ります。菌類は水分を吸収することで水分を供給し、藻類は光合成によって栄養を作り出すことによって、お互いに助け合って共生しています。地衣類は成長が遅く乾燥に強い性質を持っています。とても多くの種類がありますが普通の地衣類は大気汚染や環境の変化に弱いため、都市部に住むには不向きになっています。コンクリートと石があれば、その表面に簡単に見つけることができるタフな種類の1つが、このオレンジ色に見えるツブダイダイゴケになります。よく見ると名前のようにツブツブで橙色をしています。藻類と共生しているので、雨が降って水分を含むと色が変わってしまいます。オレンジ色から薄い緑色や黄緑色、淡い黄色に変化して藻類の色が現れてきます。この色の違いは共生している藻類によって変わるものと思われます。雨が降ると目立たない色に変わってしまうことから、晴れた日に見ないとツブダイダイゴケは見つけにくくなってしまいます。ツブダイダイゴケの和名が付く前はCaloplaca Flavovirescens (カロプラカ フラヴォヴィレスケンス)と呼ばれていました。観察していると似た物が大変多くあることに驚きます。ツブダイダイゴケに似た仲間が多く存在するようです。正式な分類と判別に試薬を使った検査をしないといけないのですが、試薬の検査ができないことと素人なので、見た目の判断でツブダイダイゴケとして紹介させていただきます。また似た仲間もダイダイゴケ科の仲間として紹介させていただきます。詳しい正確な判別ではないことをご了承くださいませ。何らかの参考になれば幸いです。ツブダイダイゴケはコンクリートの人造物、コンクリート製の壁や車止め、自然石の上などに発生していて、都市部に普通にあるので観察はいつでもできます。酸性雨にも強く日向(日光)にも強いことが分かります。前回紹介のイワウロコゴケ、クロサビゴケと同じ場所に発生することも多いです。自然石や人造物の石垣(自然石ではない)湿り気のややある場所(乾燥のややマイルドな場所)にはアナイボゴケ科とも発生していることがありますが、比較的に数は少なくなるようです。圧倒的にツブダイダイゴケは日の当たる場所が大好きで、大きな群落を作り壁1面にマット状に広がることもあります。ツブダイダイゴケは岩上生の痂状固着地衣になります。地衣体は裂片を伸ばすことなく、鱗片が単独して発生している状態で広がりを止めています。1群を良く見るとそれぞれが離れている(間隔のあいている)ものもよく見ます(つながって見えるものもあります)全体が繋がって大きくなっていくわけではないことが見てとれます。レカノラ型の子器を沢山つけているものをよく見ますが、子器を付けていないと少し違って見えてしまいます。レカノラ型は子器に果托があり、果托(子器の周辺)は地衣体と同じ色をしています。子器の盤は鮮橙色〜暗橙色をしています。
★ツブダイダイゴケ ダイダイキノリ科。鱗片状、顆粒状の痂状固着地衣。日本全土で見ることができる普通種で、世界にも広く分布しています。地衣体は小さな鱗片状をしていることが特徴です。その塊の端は鱗片を伸ばすことなく突然に終わります。地衣体は橙色。淡黄色や灰色から緑色をしていることもあるようです。子器は0・3〜1ミリ。レカノラ型で子器の盤は鮮橙色〜暗橙色。コンクリートや石の表面に発生する岩上生の地衣になります。酸性にも強い都会の環境にも負けない丈夫な種類になります。
ツブダイダイゴケ.jpgツブダイダイゴケ1鱗片状.jpgツブダイダイゴケ2石上.jpgツブダイダイゴケ3自然石.jpgツブダイダイゴケ4乾燥時、子器.jpg
1枚目、人工の石垣1面に広がって発生しています。とても日当たりの良い面です。2枚目、3枚目。自然石の人家の石垣で撮影。鱗片状の塊が離れて集まっています。地衣体の端は突然に終わっています。4枚目、自然石の表面に発生していたものです。間隔があいていることが分かります。5枚目。子器の拡大です。オレンジ色の盤が目立ちます。
ツブダイダイゴケ5乾燥時.jpgツブダイダイゴケ6湿潤時(コンクリート).jpg
上は乾燥時、下は湿潤時の写真です。色がこのように変わってしまいます。
ツブダイダイゴケ7湿潤時1.jpgツブダイダイゴケ8湿潤時2.jpg
上2枚は湿潤時のものです。紛らわしいですが上の写真の下部にわずかに写りこんでいるものは違う種類になります。水分を含むと普通によく見かけるものは黄色や黄緑色になるものが多いです。
ツブダイダイゴケ、イワウロコゴケの上に生える.jpgツブダイダイゴケ.jpg
感じが違って見えるものです。上はイワウロコゴケとクロサビゴケのびっしり生えている壁面で撮影しました。そのせいか凸凹として見えたしまいます。どちらも共生している藻類が違うのか、古くなった個体なのかよく分かりませんが色の具合が違います。地衣体の色が灰色の個体ですね。
ツブダイダイゴケ科・不明.jpgツブダイダイゴケ科・不明2.jpgツブダイダイゴケ科・不明2拡大.jpgツブダイダイゴケ科・不明3.jpgツブダイダイゴケ科・不明3拡大.jpgツブダイダイゴケ科・不明4湿潤.jpg
よくわからないものです。ダイダイゴケ科の仲間で岩上生。岩上生のダイダイゴケよりはツブダイダイゴケに近いのではないのかと思っていますが、不明の種類です。ここではダイダイゴケ科の仲間として紹介させていただきます。1枚目、ツブダイダイゴケで良いのだとは思いますが見た目の感じが違っています。単に古い個体なのかもしれません。円形の形が浮き出て見えています。2枚目、3枚目(同じもの)地衣体の外周に見える部分に色がついて見えます。これは岩上生のダイダイゴケに見られる特徴の1つですが、これも正体が不明です。ザラザラと突起のあるコンクルート性の壁に発生していました。ボツボツと隆起して見えるのは地衣体のものではなく、下地のコンクリートの突起によるものです。色が不思議な緑色でした。子器は小さめで数は少ないです。4枚目、5枚目(同じもの)岩上生のダイダイゴケにも似ていますが、濡れている時の5枚目の写真から地衣体に厚みがあり、鱗片状で離れている部分も見えます。ツブダイダイゴケかダイダイゴケ科の仲間でしょう。よく分かりません。岩上生のダイダイゴケとして後日紹介予定のものとは少し違って見えます。試薬を使った判断ではないので、種類の特定ははっきり言ってできません。難しすぎます。間違っていてもご容赦ください。このような種類のものもあるのかと見ていただければ幸いです。6枚目、湿り気のある状態のものです。これも感じが違って見えます。ダイダイゴケ科の仲間だと思います。綺麗な黄色でビッシリとかたまって見えます。同じ様な地衣にも色々あって観察してみると面白いです。
posted by クラマ at 18:41| Comment(0) | 地衣類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。