2015年04月20日

キイチゴの葉にできる虫こぶ。キイチゴハケフシ。

キイチゴハケフシと呼ばれる虫こぶ(ゴール)はイチゴ、キイチゴ属にできる虫こぶです。今回見つけた虫こぶはクサイチゴの葉にできたものです。これはキイチゴハモグリダニによって作られてものです。どうやら発生した植物の種類は違うのですが、同じバラ科キイチゴ属という事で、キイチゴハケフシで良いのだと思います。命名のルールからは、名前の先頭に植物の名前が来るのですが、今回見つけたクサイチゴではクサイチゴハケフシという名前は無いようなので、キイチゴハケフシとしました。クサイチゴという名前から連想すると、草のイメージがありますが、クサイチゴは落葉小低木のキイチゴになります。木の伸び上がりは弱く、地面に垂れ下がって成長していきます。春の4月頃から1重の野ばらに似た花弁の縮れた白い花を咲かせます。意外と大きくて目立つ花です。5月には真っ赤な美味しそうな実をつけます。実は甘くて生でも食べることができます。キイチゴハケフシの特徴は、葉が表、あるいは裏に不規則に縮れて曲がっています。縮れた部分は袋状にも見えるのですが、袋にはなっていませんし、風船のように膨れているわけではありません。隆起した部分には灰黄色、灰色の長めの繊毛が密生しています。いくつの形の物が見つかりましたが、小さい虫こぶはこれから大きく縮れていく前段階の過程のものなのかと推測しました。                               ★モミジイチゴ バラ科キイチゴ属の落葉小低木です。モミジイチゴは高さが1メートルあり、3〜4月にヤマブキに似た白い花を咲かせます。実は黄色〜オレンジ色で5月に熟します。モミジイチゴの実は生食できます。キイチゴの中で味はトップクラスですが、食べてみた感じで、木によって甘さは若干違ってくるようです。このことについては、ほどほどの日光が必要で日照が関係しているのでしょうか。分布は北海道、本州の中部以北。西日本に生えているモミジイチゴはホソバモミジイチゴと呼ばれています。キイチゴハケフシはモミジイチゴの葉でよく見られるようです。
★クサイチゴ バラ科キイチゴ属の落葉小低木です。高さは20〜60センチ。花期は3〜4月で白い花が咲きます。実は5〜6月に赤く熟します。実は生食することができます。葉の形はバラ科なので、バラの葉に似ています。小葉は1〜2対で葉は奇数で付きます。分布は本州、四国、九州で普通に見られます。
クサイチゴ.jpg
クサイチゴの花です。草丈は低いので花が咲いていないと気が付かないかも知れません。
W320Q70_キイチゴハケフシ(クサイチゴ)B17.jpgW320Q70_キイチゴハケフシ(クサイチゴ)B23.jpgW320Q70_キイチゴハケフシ(クサイチゴ)B38.jpg
キイチゴハケフシです。葉はクサイチゴの葉です。下の2枚にはまだ赤味が薄いのですが、徐々に赤味がさしていきます。葉が変形して気持ち悪く縮れあがっています。毛が生えていることでさらに気持ち悪さが増してしまいます。視覚的に苦手だという人もいると思います。
W320Q70_キイチゴハケフシ(クサイチゴ)表B7.jpgW320Q70_キイチゴハケフシ(クサイチゴ)裏B0.jpg
上2枚は同じクサイチゴの葉です。まだ葉が丸まっていない葉の表と裏です。たぶん同じキイチゴハケフシで良いのだと思います。
モミジイチゴの花と葉.jpgキイチゴハケフシ(モミジイチゴの葉).jpg
モミジイチゴです。上が花です。花は下向きに咲きます。下、モミジイチゴの葉についていたものです。周りの他の株の葉にも沢山ついていました。完全に葉が縮れあがって表と裏がひっくり返っている葉もありました。キイチゴハケフシはキイチゴ属にできるので、植物の種類が変わっても同じキイチゴハケフシなのかもしれません。クサイチゴと同様に命名のルールからはモミジイチゴハケフシという事になるのですが、モミジイチゴの別名にキイチゴもあります。正確なところが分かりません。ここではキイチゴハケフシとして紹介させていただきます。
キイチゴハケフシは珍しいものではないようなので、他の種類のキイチゴ属の葉にできたものも見つけられたら写真を追加したいと思っています。
posted by クラマ at 16:15| Comment(0) | 虫こぶ(ゴール) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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