★マルカメムシ マルカメムシ科。普通種でカメムシとしては珍しい丸っこい形のコガネムシに似たカメムシです。人家に侵入してくるカメムシとしても知られています。体長5〜5・5ミリ。分布は本州、四国、九州。出現は4〜11月。昼行性。灯火にも飛来します。成虫で群れになって越冬します。腹部後方が丸い形の光沢のある暗黄褐色のカメムシ。主にマメ科の植物を餌とします。産卵はヤマフジ、クズなどで行われます。幼虫はヤマフジ、クズ、ヌスビトハギを餌にします。農作物ではマメ科のダイズ、アズキ、インゲンなどに被害を与えます。また越冬のため人家に侵入してくる不快昆虫としての害を与えます。探すときはクズに多くついているので、クズの新芽や葉の茎の部分を探すと見つけられる確率が高くなります。集団でいることが多いです。農作物の食害をはじめ人家に入り込んだり、洗濯物にまぎれていたりと、何かと嫌われる迷惑な昆虫になっています。野外ではクズが近くにあるとマルカメムシがいる可能性が高くなり、注意が必要になってきます。色々と個体を調べていると体の色には変異があるようです。マルカメムシは小さな体に似合わず、かなりの悪臭を放つことで知られています。小さくても油断できないカメムシです。幼虫は粗い毛が密生した変わった形をしています。短毛の密生している若いクズの葉にいると見分けがつかなくなります。手に止まらせてみると手にかすかな匂いが付きました。幼虫でも刺激して匂いを出されると臭いのかもしれません。
★ホオズキカメムシ ヘリカメムシ科。普通に見られる種類になります。茶色いカメムシのイメージに合ったやや扁平な体つきをしています。体長10〜13ミリ。分布は本州、四国、九州、沖縄。出現は4〜11月で年1〜2化。新成虫は8月から出現します。灰褐色〜灰黒褐色。背中には短い毛がびっしりと生えています。後ろ足の腿節が太くなっています。ホオズキカメムシは見た目でガッシリとして見えます。臭いカメムシとしても知られますが、カメムシの臭さの強度ではとてつもなく臭いという訳ではないようです。若干弱い部類に入るようです。昼行性で活発に動き回ります。成虫で越冬します。農作物に被害を与えることで有名です。サツマイモ、トマト、ナス、ピーマンなどに被害を与えます。ヒルガオ科のアサガオ、ヒルガオやホオズキも餌にします。名前の由来と植物のホオズキは関係ないようです。害虫として沖縄ではサトウキビに害を与えます。茶色くて大きなカメムシで数も多いので比較的に簡単に見つけられるカメムシになります。
★ブチヒゲカメムシ カメムシ科。色彩の変化が多い種類になります。黄褐色〜赤褐色で体長10〜14ミリ。触覚と腹部の脇に白と黒の斑模様があり、背面の中央部には白紋があります。名前の由来は触覚の斑から来ているそうです。出現は3〜10月。分布は北海道、本州、四国、九州。マメ科、キク科の植物につき、ダイズ、ワタ、ゴマ、インゲン、ソラマメなどに被害を与えます。ダイズの豆を吸汁するときに、ダイズ子実汚斑病を起こす菌を保菌しているブチヒゲカメムシがいるとダイズにこの病気が感染してしまいます。保菌している数は多くないようですが要注意です。成虫は花の蜜も吸います。地域により発生回数が違い1〜3回の発生になります。よく似た種類にムラサキカメムシがいます。



上5枚、マルカメムシです。色の違うマルカメムシを集めてみました。どれもクズで見つけたました。体色に色の違いがあり面白いカメムシです。2枚目、4枚目、神奈川県海老名市。他は神奈川県横浜市。マルカメムシは普通は1枚目のように群れていることが多いです。5枚目の個体は4枚目と比べると点刻の部分の色がはっきりしていました。窪んだ部分が褐色の点に見えます。マルカメムシの出す臭いは強く、とても臭い匂いで知られています。うっかり触らないようにしましょう。
上3枚、マルカメムシの幼虫です。成虫とはまるで違う昆虫の様に見えます。粗い短毛が密生していて、平べったい体をしています。中、若い短毛が生えているクズの葉についていると、体色も葉の色によく似ていて、見事なカムフラージュになっています。ご覧の通り、クズの葉にいるマルカメムシの幼虫は見つけにくくなっています。右側が幼虫の頭になります。下、手に止まらせて顔を拡大して見ました。顔はカメムシらしい顔をしていました。幼虫はテントウムシに似た体をしています。


上2枚、ホオズキカメムシです。黒っぽい個体と灰色の色の薄い個体です。ホオズキカメムシの体には短毛がびっしりと生えている毛深いカメムシです。撮影地、神奈川県海老名市。ホオズキカメムシは庭先などでも繁殖しているようで、住宅街の生け垣の壁などで良く見かけています。特徴のないカメムシで、このカメムシも臭い匂いを出します。

こちらはブチヒゲカメムシ。地味な配色ながら綺麗に見えるカメムシです。このブチヒゲカメムシは草むらのアカツメクサが多い所にいました。神奈川県大和市、憩いの森。