★サネカズラ(ビナンカズラ)マツブサ科サネカズラ属。日本原産の常緑蔓性木本。蔓性といってもあまり他の木などに巻き付くことはないようです。昔、サネカズラの粘液から整髪料を作ったことから、美男葛(ビナンカズラ)の別名があります。花期は7〜8月。果実は11〜12月に見ることができます。この時期に赤く熟してきます。長い柄にぶら下がってなる赤い実が可愛いです。雌雄異株でまれに両性花をつけるそうです。雄花と雌花は色の違いで見分けることができます。雄花は緑色になります。分布は本州(関東以西)四国、九州、沖縄。新潟県にはわずかながら生育しているようで、絶滅危惧種になっています。広葉樹林の林床や林縁に多く、日当たりの良い所から半日陰までで育つことができます。葉は互生でつやがあり、縁にはまばらに鋸歯があります。日当たりの良い場所のものには鋸歯が少なく(目立たない)日陰のものの方が目立つようです。サネカズラは常緑とはいえ寒いと落葉してしまいます。雌株の雌花は花床とともに膨らんで大きな赤い球状に見える実になっていきます。この実は集合果なので独特の形になっていくわけです。実には毒はありませんが美味しくなく食用価値はありません。通例不食の実になります。





上2枚、花の写真です。肉厚の花弁が可愛いです。地味な花ですが良く見ると美しい花です。3枚目、未成熟の青い実です。この状態で真っ赤な美味しそうな実になっていきます。4枚目、赤くなり始めた実です。この実はツブツブが少し少ないです。5枚目、葉です。鋸歯は荒くありません。この木は落葉しないで常緑のまま春を迎えます。下に2枚の写真を追加しました。赤く熟したサネカズラの実です。美味しそうに見えますね。食べられないことが残念です。


実の写真を入れ替えました。上、とても可愛い実です。100円玉との比較です。なかなか大きくて綺麗な形をしています。やがて周りの赤いぶつぶつは落下していきます。下、周りのザクロの粒に似た実が落下すると中からヤマボウシの実に似たものが見えてきます。この周りのぶつぶつに見えている赤い粒の中に種が入っています。この下の写真のサネカズラの実を食べてみることにしました。
まず周りに見える赤い種の入ったツブツブを食べてみます。うん、これは不味いです。渋いです。美味しそうに見えますが、見た目に完全に騙されました。記述の通りに不味い実です。次に中にある(中心部の)ヤマボウシの実に似ている部分を食べてみます。これは味は無くシャリシャリとした歯ごたえがします。シャリシャリと口の中で音がします。甘味がなく美味しいというものではありません。繊維が強くやや青臭さがあり全く食用価値は無しです。吐き出すほどではないものの、あえて食べるほどの味ではありません。サネカズラの実は観賞用として目で楽しむ実であることが良く分りました。
・あくまでも食べる場合には自己責任で食べてください。誤食や何らかの他の原因で、体長を壊したり、病院にいくようなことになっても当方は1切の責任は負いません。口にするものはあくまでも自己責任で行ってください。決して食べる事を薦めている訳ではありません。