2014年08月23日

アブラゼミの羽化の観察。不思議な色の変化、体の変化に見とれてしまいます。

今年もセミの羽化の観察シーズンになりました。アブラゼミを探して観察です。セミの幼虫は暗くなるのを待って穴からでてきます。8月ですと19時半前後から多く見かけました。本能的に木を探すのでしょう。1斉に木の幹に登り始めます。近くに木がないと人工物にも上り始めます。足場がしっかりしていたら良いようです。登る高さはまちまちで地面の比較的近い場所でも脱皮する個体があります。アブラゼミの場合は低い場所から高い場所まで、幅広く場所を選びます。大抵は比較的に高い場所を選びます。地面近くを選ぶセミはニイニイゼミで、アブラゼミとニイニイゼミの間にはツクツクボウシが多いです。ミンミンゼミはアブラゼミよりも低い場所を選ぶようです。アブラゼミの幼虫はどれも3グラムで、思ったほど重くありません。家で脱皮させる場合には、体を固定させて脱皮の態勢に入るまでの時間が非常に長くなる傾向があることが分りました。家の中が明るいなどストレスがあるからだと思いました。自然に脱皮するものの方が脱皮に至る時間は早いです。観察していて1番早かった個体は10分程で体を固定し終わって脱皮に入りました。今まではこのように素早く脱皮行動に入る個体は見たことがなかったのですが、他にも早いものがいましたので今までの考えは改めないといけないと思いました。やはり脱皮には体力を相当使うので、早い方がベストなようです。場所を決めた個体は、じっとしてから体を左右に動かして体の安定を確かめます。この動作の後、脱皮に入ります。殻を脱ぐまでの時間にも大きな差があることが分りました。抜け出ることができないで死んでしまう個体もあります。綺麗に胸背部の中央が縦に割れて、徐々に体を外に出していきますが、中には抜けきれないで動きが止まってしまうものがいます。この場合、見ていると体が大きく膨れていくのを利用して時間をかけて殻を押し広げて抜け出ていきます。殻から抜けきれないで大きくなりすぎたり、途中で体力の消耗などで死んでしまったと思われるものが、時々見かける羽化不全の殻から胸背部が見える、胸背部が色づいて死んでしまっているものです。途中で脚が掴まっているものから外れてしまった個体も死んでしまいます。抜け出る時には、体をイナバウアーのようにのけぞらせてお尻の先だけで殻にぶら下がっているように見えます。殻と体をつなぐ糸のような物があるので、お尻の先にも何かこれと似た仕組みがあるのかもしれません。その後、殻に掴まりお尻を外して体の乾燥に入ります。縮れて体側にあった翅は急速に伸びていきます。すごい速度です。翅は初め平面上に伸び広がっていきます。そして徐々に翅の付け根に角度がついていきます。こうなると体型は立派な成虫と同じに見えます。体の色も徐々に濃くなっていきます。あとは体に強度が出るまでひたすら待ちます。この段階はどの種類のセミも同じになります。簡単に写真で順を追ってみました。
羽化不全死亡アブラゼミ.jpgアブラゼミ幼虫.jpg
上、羽化不全で死んでしまったアブラゼミです。葉っぱのふちに場所を決めたので、葉っぱがしなって抜け出る力を得ることができなかったのでしょう。下、穴から出てきて木を登っているアブラゼミの幼虫。アブラゼミとミンミンゼミは触覚の違いで見分けることができます(以前のブログを参考にしてください)この幼虫は10分ほどで脱皮を始めました。穴からの距離も40センチ程しか離れていなかったので、体力の消耗が少なかったのでしょう。
アブラゼミ1.jpgアブラゼミ2.jpgアブラゼミ3.jpg
上、胸背部が割れて体が出てきます。縦に長く割れ目が入った個体はスムーズな脱皮を行うことができるようです。この個体は胸背部が割れてからかなり時間がかかって出てきました。(他の個体はすでに出ていました。1番上の幼虫の写真の個体とは別の幼虫です)中、お尻の先でぶら下がっています。すごいですね。驚きの態勢です。下、背部から見たところです。
アブラゼミ5.jpgアブラゼミ6.jpgアブラゼミ7.jpg
翅の様子です。上、平面上に広がっています。淡い緑色が翅に見えます。不思議な美しさです。翅は急激に伸びていきます。中、翅の位置が変わっていきます。この位置になると後は体が硬くなるのを待つだけです。下、翅、体、ともに色が濃くなっていきます。最後の写真の個体は別の個体のものです。この色になるまでも時間がかかるので、他の個体にモデルになってもらいました。体が成虫と同じ色と体になるまでには、まだまだ時間がかかります。
ミンミンゼミ1.jpgミンミンゼミ2.jpg
こちらはミンミンゼミ。上、アブラゼミより全体的に緑色が強いですね。ミンミンゼミの翅は透き通っているので、こちらはアブラゼミと違い翅の色が薄くなっていきます。下、胸背部の模様が浮き出てきています。ミンミンゼミの成虫の緑の色の部分には、明るい緑から暗い緑まで個体差があります。幼虫から成虫になる過程は同じです。不思議な美しさに感動させてもらいました。
posted by クラマ at 19:52| Comment(0) | 昆虫・セミ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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