2014年08月11日

アカスジキンカメムシ。日本屈指の美しさを持つ昆虫です。

アカスジキンカメムシは日本にいるカメムシでは1、2を争う金属光沢の美しいカメムシです。日本にいる他の昆虫の中でもトップクラスに入る美しい昆虫だと思っています。背中に見える赤い筋には色彩の変異があって、赤色が強かったり、赤紫や紫がかっていたりします。体色の地色にも変異があり、黒色系、金色系などがあります。個体差もあり体色の違いを見ていて楽しむことができる昆虫です。アカスジキンカメムシの多くはグリーンのメタリック系の色をしています。死期が近くなったり、死んでしまうと輝きのないくすんで汚れた深緑色に変色してしまいます。それゆえ標本にしたい場合には美しい金属光沢を残すことはできません。この美しさは生きているキンカメムシで楽しみましょう。カメムシの仲間は南方系の種類が多いので、今後、温暖化に伴い他のカメムシ同様に、分布は北上していくと思われます。アカスジキンカメムシはカメムシの仲間ですが体の形はコガネムシに似ており、平べったくなくてカメムシっぽくありません。カメムシ特有の臭い匂いもかなり弱く、おとなしく手にたけるくらいですと匂いは出しません。もし臭い液をかけれれてしまっても石鹸で洗えば洗い落とすことができる程度です。私が初めてこの虫を見たのが、金色の体の色をしたアカスジキンカメムシでした。その美しさに感動してしまい、家に帰ってからさっそく調べてみて金色のタイプ(色彩の変異)のアカスジキンカメムシだと知りました。その出会いから毎年探すようになりましたが、アカスジキンカメムシをなかなか見つけることができませんでした。最近は食性などが分かり、慣れてきたので見つけられるようになりました。しかし、今でも初めて見た時と同じ位の金色の個体には出会えていません。普通の色の緑系でも十分に美しいので、探すことが楽しくなる昆虫です。カメムシでも臭くない種類であることと、その美しさからカメムシに対する苦手意識を取り除いてくれた昆虫でもあります。この出会い以降、カメムシに興味を持つようになりました。でも当然他の種類のカメムシを触ることは危険なので注意しています。匂いの強い奴になると強力な悪臭の洗礼を受ける可能性があり、あの強力なカメムシ臭が取れなくなることは御免ですから(中にはアカスジキンカメムシのように匂いの少ない種類もいます)分からない種類は触らないようにすることが良いです。カメムシによく似たサシガメの仲間に刺されて痛い思いをする危険もあります。カメムシに似ているサシガメは鋭い口吻で刺すことがあります。カメムシとサシガメの違いは覚えておくと良いと思います。美しい光沢のある緑色をしたカメムシ、アカスジキンカメムシを調べてみました。
★アカスジキンカメムシ カメムシ目キンカメムシ科。体長17〜20ミリ。出現期は6〜8月。分布は本州、四国、九州。低山地から山地、自然林の有る公園など。樹上性が強いことと数が少ない種類になるので、見つけることが難しくなります。探す時には時期にあった樹の実がなる頃を目安に探すと見つけやすくなります。アカスジキンカメムシは金属光沢を持つ美しいカメムシです。外見上の雌雄の区別はできません。交接器の違いを見て区別することになります。性質は昼行性で成虫は単独でいることが多く、あまり群れることはありません。動きは緩慢です。幼虫は数匹が集まって植物についています。幼虫はキブシ、ヤシャブシ、ムラサキシキブ、コブシ、ホオノキ、ハンノキ、アオキ、シキミ、フジ、ミズキ、ヤマボウシなどの広葉樹の葉や果実の汁を吸います。成虫も同じ木の汁や果実の汁を吸います。成虫はスギ、ヒノキなどの針葉樹の球果にもつきます。その他、餌とする樹種はかなり多いです。成虫は実のなる時期に合わせて移動します。例えばキブシからムラサキシキブ、秋にはコブシというように移動します。成虫のいる木に幼虫も生育している所を見かけます。幼虫は5齢で越冬します。4齢、5齢には背中に笑った人の顔のような模様が見えるので、この時期の幼虫は「笑い虫」とも呼ばれています。越冬は5齢幼虫で樹皮の隙間や落ち葉の下で行い、翌春に羽化して成虫になります。越冬するカメムシは普通、成虫で越冬しますがアカスジキンカメムシは5齢で越冬する珍しい種類になります。9〜10月頃から落ち葉の下や木の皮の下などに隠れて春を待ちます。繁殖にはスギ、ヒノキの球果が必要なようでスギ、ヒノキが近くにあることも大事な繁殖の条件になります。成虫を目にする機会は少ないですが、幼虫は比較的に見つけやすいです。アカスジキンカメムシを探すには、近くにスギ、ヒノキのある林縁を探すと見つける確率が上がります。私の観察エリアでは、成虫は少なくなりますが10月まで確認することができます。
以前、アカスジキンカメムシを飼育したことがありますが、卵から幼虫を育てるのは大変で、途中で諦めてしまいました。この時の飼育は、卵をケース内に産み付けられてしまい、飼うことにしたものです。餌にはアクエリアスを使うと良いです。ポカリスウェットの場合、死亡は早くなってしまうようです。これは含まれるアミノ酸の種類とか量の問題によると思います。アミノ酸は種類が多く含まれる方が良いです。リンゴなども良いかもしれません。クワガタゼリー(タンパク質、アミノ酸、トレハロース入り)は試したものの、餌にはしませんでした。両方おいてもクワガタゼリーを餌にしようとしませんでした。餌のアクエリアス(スポーツドリンク等)はペットボトルのキャップにティッシュ等を丸めて湿らせて与えます。成虫の1回の産卵数は決まっていて14個産み付けられます。弱ってきてから11個の産卵が2回ありました。卵は1斉に孵ります。卵は8〜9日程で1斉に孵りますが、1齢が小さすぎて動き出す頃にはケースの隙間から逃げ出してしまいます。1齢は餌を食べません。2齢になってから食べ始めます。2齢でも体が極めて小さいので、水がたまった状態ですと溺れてしまうことから、摂取しやすくするためにティッシュペーパーを丸めてスポーツドリンク等を染み込ませて使うと良いです。幼虫は2齢になると活発に動くようになります。そのため隙間からの脱走も多くなってしまいます。また幼虫は高温多湿になると死んでしまいます。風通しが悪くなっても死んでしまいます。これらのことから飼育にはかなり広いケースと脱走ができないことが必要になることから飼育をやめました。卵を産んでしまった場合は、1齢のうちに餌となる自然の木に帰すようにしました。成虫を飼う場合は、弱っている個体を持ち帰るようにしています。見極め方は体の1部に金属光沢を失った深緑や緑色が出ているものです。弱っているか死期が近い個体と考えられます。1度、光沢のない深緑や緑色が出た個体は、餌を与えて体色が復活する個体もいますが、体力を消耗しているのか、やはり長くはもちませんでした。   
アカスジキンカメムシ1齢.jpgアカスジキンカメムシ1.jpgアカスジキンカメムシ2.jpgアカスジキンカメムシ餌.jpgアカスジキンカメムシ腹部.jpgアカスジキンカメムシ横.jpg              
1番上がアカスジキンカメムシの2齢です(1齢よりは大きいと思います)2齢まではとにかく小さいです。写真に写っている左上の卵の抜け殻も、左下の産み付けられている卵の数も14個です。アカスジキンカメムシの産卵は、毎回14個の卵を産み付けます。赤と黒の2色の配色の若齢も綺麗に見えます。上から2枚目、クマノミズキの実についています。3枚目、キブシの実についています。4枚目、手前のアカスジキンカメムシの左肩の色が変わってきていたものです。光沢の少ない緑色が両肩にでていました(弱ってくると完全にツヤのない深緑色になります)この個体は餌を食べて色がかなり戻りました(写真は色が戻った状態の元気になった色の個体です)5枚目、クマノミズキの実を吸っています。1番下、以前に撮った写真です。横から見る他の平べったいカメムシと違いカメっぽい形の厚みのあるカメムシであることが分ります。アカスジキンカメムシの体がコガネムシに近い形であることが見て分ります。もしもアカスジキンカメムシを知らないとコガネムシの1種だと思ってしまうような体型をしています。美しくて愛嬌があって好きな昆虫です。カメムシ特有の匂いは弱く、さほど臭くないことも魅力の1つです。
5齢幼虫を見つけて写真を撮ることができました。3〜4齢の写真も撮れたら追加します。アカスジキンカメムシの幼虫はいつも暗がりで見つけるので、上手く写真を撮ることができませんでした。3〜4齢の腹背部の模様は人の笑った顔に似て見えるので、とてもユーモラスです。幼体は背中に落書きをされているようで実に面白いです。幼虫も3〜4齢になると体色には色の混ざった金属の美しい光沢があります。
アカスジキンカメムシ5齢.jpg
5齢幼虫です。ユリノキの樹下にあるツツジの葉にとまっていました。ユリノキにもついているのでしょうか。個体変異の色が違う成虫を探して撮影して見たくなる昆虫です。
posted by クラマ at 02:19| Comment(0) | 昆虫・カメムシ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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