2014年08月07日

アカボシゴマダラ。美しい大型の蝶ですが、要注意外来生物です。

アカボシゴマダラは最近は普通に目にすることができるようになってきた外来種のチョウです。要注意外来生物に指定されています。私が初めてこのチョウ(アカボシゴマダラ)を見たのは、2008年に神奈川県海老名市で見つけたのが最初でした。アカボシゴマダラは1995年に埼玉県の公園で発見されたことが初めで、発生はすぐに収まったものの、その後、2001年頃から神奈川県の鎌倉市で発見されて以来、神奈川県を中心に分布を広げてきました。関東地方では目にすることが多くなってきたようです。神奈川県のものは、中国大陸に生息しているものと非常によく似ており、現在では放蝶されたものだと判断されているようです。これは意図的なものなのか、飼育していたものが逃げたものなのかは分っていませんが、結果として野生化してしまいました。外国産のクワガタが日本産と混ざり交配して繁殖するケース(考えられない確率で繁殖してしまうことが起こったものです)も報告されていますので、外国産の昆虫などを飼っている方は、逃げ出さないような注意が必要になってきます。アカボシゴマダラに在来種のゴマダラチョウ、オオムラサキ、テングチョウが生活圏を追われているという報告が出ています。たくましいやつです。アカボシゴマダラは春型と夏型の2タイプがありますが、春型の白化タイプだと別の種類のチョウだと思うくらいに違っています。春型は白化して白色が強く、赤い紋がなく(赤い紋はほとんど見えなくなります)夏型と同じ種類には見えなくなっています。夏型は黒っぽく見えます。この色の変化は面白いです。人を怖がらず近くに寄れるチョウなので、なんとなく可愛いくなってきます。私の場合は夏型は良く木の樹液を吸いに来ていることから、樹液のでているクヌギの木などで目にする機会が多いです。大型のチョウなので木にとまっていても、飛んでいても良く目立つ存在です。アカボシゴマダラの幼虫の写真を追加しました。幼虫はエノキの葉の上にいて、緑色の体に鹿の角を思わせる大きな突起が頭についている、インパクトのある容姿をしています。アカボシゴマダラを調べてみました。
・アカボシゴマダラは関東地方で繁殖を始めたようです。温度による繁殖の制限はあるものの、寒い地域にも進出を果たしたようです。静岡県、神奈川県、東京都、千葉県、山梨県、長野県、群馬県、栃木県で確認されています。まだなじみの薄いチョウなので、初めて見つけた方は見慣れない大きなチョウに驚くと思います。
★アカボシゴマダラ タテハチョウ科アカボシゴマダラ属。外来種で要注意外来生物に指定されています。前翅長40〜53ミリ。開帳75〜100ミリ。分布は本州(関東地方)九州(奄美のものはもともといた種類になります)で年3回の発生。アカボシゴマダラは神奈川県程の生息数ではないものの、静岡県、山梨県、長野県でも確認されていて、関東地方以外にも徐々に分布を広げています。とは言え山梨県や長野県での生育環境はアカボシゴマダラに撮っては厳しいようです。温暖化の影響もあると思いますが、現在でも分布域を広げているようです。関東地方で繁殖したアカオシゴマダラは中国産亜種と言われています。黒と白の大きな網目状に見える翅と、後翅の端に赤い斑紋が並んで見える美しい大型のチョウです。最大の特徴は後翅に並んで見える目立つ赤色の斑紋があることです。出現期は4〜10月。年3回発生します。越冬幼虫は3月から活動を開始します。幼虫の餌はエノキ、リュウキュウエノキ。成虫は花の蜜、樹液、腐った果実を食べます。口吻は長くて黄色い色をしています。アカボシゴマダラには春型と夏型の2タイプがあり、後翅に目立つ赤い斑紋があるのは夏型になります。春型は白化していて赤い斑紋は見えません。幼虫はエノキ、リュウキュウエノキの葉を食べます。緑色の体色で頭部におおきな角状突起を持っています。背中には4対の突起があって、3対目の突起は大きいことが特徴になっています。よく似た幼虫にはゴマダラチョウの幼虫がいます。アカボシゴマダラの越冬は幼虫で行います。エノキの細い枝の分かれ目付近についていて越冬することが多いようです。落ち葉の下で越冬するものもいるようです。
産卵行動等の観察。背の低い若いエノキを選ぶようです。卵は縦線が並んだ球形をしていて、色は緑色をしています。9月〜10月にエノキの葉に産卵している所を見つけています。越冬した幼虫は4〜5月に羽化するので、産卵期は5〜10月になるようです。私が産卵を確認したのは9〜10月でこの時期の産卵が多いと思われます。卵を産み付けるエノキは若木が多く、大木よりも背の低い若木を選ぶようです。大木の方が葉の数が多く、幼虫には有利だと思うのですが理由は分かりません。他のエノキを観察していると背の高いエノキでも170〜180センチほどの高さの枝の葉で産卵していました。この高さは観察したエノキの1番下の枝になります。やはり低い所を選ぶ傾向はあるように感じました。周りには他にエノキはなく、この1本だったのでアカボシゴマダラにしてみたら選択の余地がなかったのかも知れません。
アカボシゴマダラ2010.jpgアカボシゴマダラ.jpgアカボシゴマダラ比較.jpgアカボシゴマダラ翅.JPG
上はすべて夏型のアカボシゴマダラです。1番上、2010年に撮影したものです。ちょっとした違いがあるので載せてみました。撮影地、神奈川県横浜市、こども自然公園。2〜4枚目、撮影地。神奈川県横浜市、南本宿公園。3枚目、樹液を吸っている時は、いかに逃げないチョウなのかが分ると思います。大きさを示指と比べてみてください。4枚目、翅の模様は裏表ほとんど変わりません。胸部背面には2本の縦筋が見えます。樹液を吸うときは驚くほど長くて太い黄色い管を伸ばします。カナブンにもめげない気の強さも持っているチョウです。
アカボシゴマダラ春型.JPG
上、春型のアカボシゴマダラです。やっと撮影できたので追加しました。赤い星に例えられる斑紋はありません。春型は翅の裏も表も白色が目立ちます。実物を見るともっと白さを感じるチョウです。撮影地、5月17日。こども自然公園。この日は他に数匹見ることができました。アカボシゴマダラの春型の場合、後翅には赤い斑紋が見えないか、赤い色が非常に薄い事が特徴になっています。
アカボシゴマダラ卵.JPG
アカボシゴマダラの卵。緑色で球形をしています。拡大すると実に面白い形をしています。高さ120センチほどの小さなエノキの樹の葉に1生懸命に卵を産み付けていました。こちらを全く警戒していませんでした。卵は葉の表や裏に、葉をかえて1枚の葉に1個を産み付けていました。この後、この枝に幼虫は確認液ませんでした。
アカボシゴマダラの幼虫とゴマダラチョウの幼虫はよく似ています。アカボシゴマダラの幼虫とゴマダラチョウの幼虫の見分け方の比較を挙げてみました。
・アカボシゴマダラの幼虫のとても長い突起は鹿の角を思わせる形をしています。アカボシゴマダラの幼虫の特徴は、頭に生えている角状突起と背面に見える4対の突起です。さらには3対目の突起は大きくて目立ちます。お尻の先にある突起(尾部突起)はくっついているように見えます。アカボシゴマダラの幼虫の越冬は、樹の枝の分岐部や地表に落下した落ち葉で行われます。
・ゴマダラチョウの幼虫にも角状突起があります。背中の突起は3対で、お尻の先にある突起(尾部突起)は開いて(離れて)見えます。越冬は地面に落ちた落ち葉で越冬します。
アカボシゴマダラ幼虫1.JPGアカボシゴマダラ幼虫2.JPGアカボシゴマダラ幼虫・尾端.JPG
アカボシゴマダラの幼虫です。大変面白い容姿をしています。上、この個体は恐らく3齢だと思います。頭には立派な角状突起がついています。中、この個体は恐らく4齢だと思います。下、幼虫の尾端部を拡大して見ました。尾部にある突起は離れていません。このようにくっついて見えることがアカボシゴマダラの特徴でもあります。撮影地。神奈川県横浜市、こども自然公園。この公園では確実に個体数が増えていて、よく見ることができるチョウになってきました。
posted by クラマ at 01:38| Comment(7) | 蝶・蛾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私の住んでいるところは房総半島のほぼ中央、市原市の鶴舞地区です。数日前、自宅の庭にアゲハにしては黒い筋が太く、後ろバネの縁に赤い斑点が目立つ蝶が飛んでいました。しかしカメラを取りに家に入っているうちにいなくなってしまいました。今日、玄関先の植木に同じような蝶が止まっていました。今回は写真撮影に成功しました。図鑑と本サイトで、アカボシゴマダラチョウだと確認できました。家の周りにはエノキの大木もあるので、定着しているのかも。
Posted by 千葉 茂 at 2017年10月10日 13:31
千葉茂様。こんにちは。アカボシゴマダラの餌とするエノキは若くて小さな樹が多いです。60センチほどの若いエノキにも数匹がいて、木に葉が無くなっている若いエノキも見つけることができます。大木では枝が低い位置(地面に近い所)にあると卵を産んでいる所を見ることができますが、もっぱら、低い樹で幼虫を見ることができます。今度は春型の白い個体も見られるかも知れませんね。
Posted by クラマ at 2017年10月12日 02:47
昨日自宅庭の草取り中にアカボシゴマダラの飛来を目撃しました。見たことのないゴマダラチョウと思い,図鑑で確認。
奄美産とあったので,迷蝶かと思ったのですが、その後問題のある蝶と知りました。こうして報告することにしました。
2018/09/03,午後2時頃。東京都練馬区です。写真は撮れませんでした。
Posted by 森本朝子 at 2018年09月04日 11:42
森本朝子様。ご返事遅れてしまいすみませんでした(暫く確認していませんでした)。アカボシゴマダラは神奈川県では完全に定着したようです。よく見るようになりました。東京でも定着が確実なのでしょうか。最近の温度の上昇で、他の南方系の昆虫も1気に北上していくのでしょうね。アカボシゴマダラ自体は大きくて綺麗なチョウなので、見ている分には良いのですが、在来種を圧迫して行かないことを望むばかりです。大きな特徴のあるチョウなので、当方の写真と同じように見えたら、アカボシゴマダラの可能性は高いですね。情報を有難うございました。
Posted by クラマ at 2018年09月10日 21:21
9月23日、2時頃八街市の住野付近で見かけました。車の中からだったのですが。見慣れないチョウだったので記憶が新しい内に調べてみました。アカボシゴマダラチョウでした。私が蝶採取に夢中になっていた昔にはいなかったのですね。要注意外来生物だとのことでお知らせいたします。
Posted by 染谷 正雄 at 2018年09月25日 14:02
染谷正雄様。こんにちは。アカボシゴマダラは千葉県内でも繁殖が進んでいて、珍しい種類ではなくなったようですね。県内各地で発見されているようです。今後はさらに確認される地域が広がっていくのでしょう。東京都、埼玉県、神奈川県、長野県、群馬県、栃木県など近県でも確認されていて、関東地方に定着したようです。春型のアカボシゴマダラは翅の色が違うので、観察されると面白いと思います。大型で目立つ綺麗なチョウなのですが、繁殖力が強いことから日本在来種が駆逐されないことを願うしかないですね。
Posted by クラマ at 2018年09月28日 11:33
本日9月23日土曜日埼玉県杉戸町で撮影しました。名前をネットで探してこのページにたどり着きました。とっても美しいチョウでした。
フェースブックのnobuyuki sekiguchiにアップしました。インスタグラムにもアップします。
Posted by 関口信行 at 2023年09月23日 22:40
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